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83話 大火熱血高校 vs スターライト学園-3

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「どうして……どうしてなの? 完璧なホームランだったはずなのに……!」

 ハルカが悔しさを滲ませながら呟く。
 一方、当然ではあるがサヨナラ負けを喫した不知火も、心中穏やかではない。

「くそっ……。打たれちまった! すまねぇ、みんな……!!」

 悔しがる不知火。
 それに対して、大火熱血高校のナインが彼女を励ます。
 試合終了の挨拶を交わした後、ベンチに引き上げる彼女たちに応援席から惜しみない拍手が送られた。
 その応援席には、龍之介を始めとした桃色青春高校の面々の姿もある。

「素晴らしい戦いだったぞ! 不知火!!」

「龍之介……。でもアタシたちは負けて……」

「結果が全てじゃない。俺たちはライバルであると同時に仲間でもある。共に特訓した成果は十分に出せた。それだけでも十分じゃないか!」

「……そうだな」

 龍之介の言葉に、不知火は少しだけ気持ちが軽くなった気がした。
 彼は本当に野球仲間を大事にする男だと改めて感じ、自然と笑みがこぼれる。
 一方、そんなやり取りを少し離れたところから見ていたハルカは――

(ど、どうして龍之介があのピッチャーと話しているのよ? それに、一緒に特訓したって……)

 彼女は歯がみしていた。
 彼女にとって、中学時代のチームメイトである龍之介は決して小さくない存在だ。
 龍之介と不知火との親しげなやり取りは、見ていて気分の良いものではない。

(……あのピッチャーの底力は龍之介が影響しているのかしら? いずれにせよ、気に入らないわね。私もジッとしてられないわ……!)

 歓喜に沸くスターライト学園ナインの中、ハルカは静かに拳を握りしめるのだった。
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