12 / 40
魔法使いジニア
しおりを挟む
眩しくてよく見えない、だが俺は足下の影を見て、嫌な予感がしたから振り返った。その影は確かに、濃い影が薄い影に重なる感じだった。だから今、太陽をバックライトにしているのは先程の怪力少女の他にもう一人いる...!
「あれは...誰だ?」
大きな影が徐々に近づいてきて影の主が鮮明に見えてきた。俺に向けて拳を振りかざすトウカの姿。
逃げたいのに、その時間がない。
いや逃げる!それ以外は無視で良い!
(サツキは幾度となく不幸に見舞われてきた。その積み重なった経験が、サツキをも知らない間に動体視力を養わせ、体感速度を何倍にも引き伸ばした!)
ただ体を前方に運ぶには間に合わない。だが相手は拳を使っている。つまり表面積が小さい。ならば体を曲がらせて、拳のみを避けることに全神経を集中させる!
上を見上げた体勢だからどっちにしろ前に走る選択肢は無くなった。だがこの体勢を利用する。右回転で振り返った状態で腕を広げ、更に足を大きく広げた。バランスボールに身体全体で抱きついている感じだ。その勢いを身体に乗せることで、身体のみを少しだけ前に寄せる。これでお腹の前にスペースは空いた。ここに拳が来るようにできるはず。
...ダメだ!よく見ると、相手は微調整をしている。こちらの動きに合わせて拳の落下位置を変えられる!んなの後出しじゃんけんじゃねーか!パーで勝てないし!潰れるし!
もはや進行角度を変える暇もなく、先程鎧をねじ曲げた拳が自分に飛んでくることを甘んじて受け入れるしかない...くっそ。
(この間0.1秒)
目を閉じ、そう諦めかけた時、
「バインド!」
聞き覚えのある声がそう叫ぶと、大きな影が体勢を乱して目の前に落ちた。トウカの両拳が背中に回されて、バチバチとしたモノに縛られた状態でその場に落ちた。
それを見ていたせいもあり、両腕両足で大きなバランスボールに抱きついているような体勢のまま、背中からゴロン!と二、三回転がった。でんぐり返しの背中からバージョンで、尚且つ逃げていたスピードが乗っかった。背中痛い!
「ってて」
見上げると、杖から伸びるバチバチでトウカを縛るカレンの姿があった。
箒に乗り杖を携えて彼女は降りた。金色の髪がはためき、持っている杖から伸びるバチバチがトウカの拳に伸びている。あれで縛ったのか。あれも魔法なのか。そんなことより、
「どうしてここに?」
「全く勝手にでしゃばって、メイちゃんが教えてくれたのよ、変な白いのと精霊の森についてお客さんに聞いてからどこか分からないってね」
カレンははぁ、と嘆息した後にジトーっと睨み付けてきた。
それに対してできるだけの釈明をする。
「いやぁ、だってカレン寝てたし、それに緊急事態っぽかったし?コボ郎がね?」
「コボ郎?ってのはメイちゃんが言ってた精霊のことね。つってもあんたには手に余るでしょうが、右も左も分からないのにチョロチョロすんなっての」
子供扱いされていることに少し癪な気持ちになる。チョロチョロて、俺はタラちゃんかよっての。と言っても放っては置けなかった。だってクジで引いちゃったし?前金(物)も貰っちゃったし?責任を感じてしまうだろう?
あ、そういえば、カレンが持っている杖はただの木製の様に思えた。何故ゴージャスロッドではない?
「そういえば、あんた私の寝床にあんなキラキラしたゴミ置くなんて喧嘩売ってんの?」
「え、ゴミ?」
何のことだかわからない。キョトンと首を傾げる。キラキラしたゴミなんて...まさか
「あんな杖、鍍金で塗装してるだけじゃない、中身はただの安物よ。ゴージャスロッドは一流の職人の中でも一部の人しか作れないんだから、そうやすやすとクジ屋のおっさんが持ってるわけないでしょ」
「マジかよ...」
変な玉が福引きで出たと思ったら、その玉が巧みに脅して手に入れたゴージャスロッドもまたハズレだった。やはり自分にあんな幸運が訪れるなんてないということか。それが再確認できてしまったことに改めて肩を落とした。
でも金鍍金だったか?にしてはクオリティが高い鍍金だ。まぁそれはいいか。
「ま、結局私もここに来られて良かったわよ。ねぇジニア、久しぶり」
カレンは暗い深い森の奥に向かって、その森に負けない暗い顔で振り向いた。そこから現れたのは、青いローブを着て、眼鏡をカチャリとするインテリ眼鏡だった。彼はジニアという名前らしい。
ジニアは先程の余裕ぶった顔とはうってかわり、驚きと失望の混在する表情を露にしていた。
「...カレン、お前もなのか?」
「お前も?何を言ってるのか分からないわ。それにあんた国から出ていってから何をしていたの?この女の子を操って、何を企んでいるわけ?そういう趣味だったっけ?」
ジニアの視線に負けじと、カレンは眉間にシワを寄せた。口ぶりからして、彼らは昔知り合っているのだと思われる。
「お前には関係の無いことだ。それにお前は私の退職を見て、宮廷騎士団を見限ることが出来たんだ。なのになぜまた犬に成り下がっている?」
「は?犬?いや別に再就職なんてしてないけど」
カレンとジニアの話が噛み合っていない。だがこちらからは何の話をしているのか訳が分からなかった。
「お前がまだ国の犬に成り下がっているのは明白だ、それを着けているのだからな、腕のそれが何よりの証拠だ」
とジニアは杖をカレンに手首に向けて言った。正確には、手首の腕輪に向けて。
「これが何?あんた何か知っているの?」
次に口を開くと、表情が険しくなる。
「私は国の裏を知った、それが許せない」
そう言うと、ジニアの杖をトウカの腕に向け、光を放った。その光はカレンの魔法を打ち消し、腕の拘束(バインド)を解除した。トウカは立ち上がり、自身の手首を弄る。
そして、見下した、それにカレンへの猜疑心を携えた目で次はその杖を俺に向けてきた。
「お前、そこをどけ。その祠に秘宝があるんだろ?それはトウカに使わせる。こいつの更なる力のために必要なのだ。死にたくなければ大人しくするんだな」
カレンとジニアの話からして、過去に何かあったのは分かる。そしてその過去が今のジニアの原動力となっているのだろう。そして、それは国への恨み。復讐心。
もしかしたら、俺はこいつと同じようなことをしているのか?復讐したところで何が生まれる?他者を恨んで何が満たされる?頭に浮かんだ彼への説得力文句は喉に引っ込んだ。発すれば、それは自分に返ってくる内容だったからだ。
だから、説得なんてしなかった。だがこいつに何があったのかが気になった。
「...お前、何かあったのか?」
「この世界の素人のお前には関係のない事だ。さぁ、死ぬか、目の前から消えるか、選ばせてやる」
残念ながらとても話を聞ける状態とは思えない。この祠にある秘宝、もとい能転玉を俺自身に使うことができれば、まだ希望があると思っていた。だが、相手が悪い。取りに行こうと振り向けば、即座に討たれるだろう。
「あぁそれと、そんなマントなんかで防ごう等と考えないほうが良い。私ならそんな安物貫いて貴様を殺せる」
ジニアにまたあの余裕綽々な態度が帰ってきた。だが杖先を決してこちらからはぶれさせてくれない。油断も隙も...いや
「確かに、俺の力だけなら程度なら、あんたには敵わないだろうよ」
まだ一縷の望みを捨ててはいない。そう、イレギュラーなんてのは人生でつきもの。それが今回たまたま味方だったというだけだ。その味方が杖を握っているところを、視界にちゃんと捉えていた。
「バインド!」
カレンが杖の柄から光を放ち、ジニア目掛けて一直線に飛ばされた。だが、
「甘い!」
そういうとジニアが杖を振り、カレンの光を物理的に弾いた。光は地面に落ちて消えた。彼もまたカレンのことをちゃんと警戒していたらしい。だが、隙はできた。
カレンはジニアと俺が一直線上にならないように重なってくれている。抜かりがないぜカレン!
振り返らずに、カレンは叫んだ。
「サツキ!行きなさい、そこに能転玉があるからここまで逃げて来たんでしょ、こんなやつに取られるくらいならあんたが取りなさい!」
「分かってる!やられるなよ!」
カレンは覚悟を決めた。そう感じさせる感情がその声にはらんでいた。その言葉を聞いて、祠がある洞窟に向かう。迷ってはいられない!
それを見てジニアが命令した。
「行けトウカ!奴に能転玉を取らせるな!」
だがトウカは動かない。ジニアの声が聞こえていないのか、彼女は周りを気にするだけで動いていない。
「っち、解除!」
ジニアがトウカへの魔法を解くと、トウカはそれに気づいたのか、ジニアを見た。
ジニアはトウカを見据えて命じた。
「男が祠の能転玉を取ろうとしている。取られる前にお前が取れ!バインドセンス!」
威圧する気迫にトウカは気圧された。怯える彼女にまた白いモヤモヤを放つ。だがそれをカレンが杖から魔力を放って弾いた!
「甘いわ!」
それにより、ジニアのイライラは更に増した。先程までの余裕の表情は歪み、カレンに怒りの顔が向けられる。
「カレン、邪魔をするならお前も容赦しないぞ」
油断はせず、それでも心の余裕を保ちながら、カレンはジニアの行動に言及した。
「感覚制御をわざわざかけるのって、まさか彼女の固有スキルと関係したりするのかしら?させるわけないでしょ。」
にやっと笑うカレンに対し、更にジニアは余裕がなくなっていく。
「くそ、そのまま行け!トウカ!あの男の前にお前が能転玉を取れ!」
それを聞くと、うん、と小さく頷きながらトウカもまた洞窟に向かって走り出した。
「あれは...誰だ?」
大きな影が徐々に近づいてきて影の主が鮮明に見えてきた。俺に向けて拳を振りかざすトウカの姿。
逃げたいのに、その時間がない。
いや逃げる!それ以外は無視で良い!
(サツキは幾度となく不幸に見舞われてきた。その積み重なった経験が、サツキをも知らない間に動体視力を養わせ、体感速度を何倍にも引き伸ばした!)
ただ体を前方に運ぶには間に合わない。だが相手は拳を使っている。つまり表面積が小さい。ならば体を曲がらせて、拳のみを避けることに全神経を集中させる!
上を見上げた体勢だからどっちにしろ前に走る選択肢は無くなった。だがこの体勢を利用する。右回転で振り返った状態で腕を広げ、更に足を大きく広げた。バランスボールに身体全体で抱きついている感じだ。その勢いを身体に乗せることで、身体のみを少しだけ前に寄せる。これでお腹の前にスペースは空いた。ここに拳が来るようにできるはず。
...ダメだ!よく見ると、相手は微調整をしている。こちらの動きに合わせて拳の落下位置を変えられる!んなの後出しじゃんけんじゃねーか!パーで勝てないし!潰れるし!
もはや進行角度を変える暇もなく、先程鎧をねじ曲げた拳が自分に飛んでくることを甘んじて受け入れるしかない...くっそ。
(この間0.1秒)
目を閉じ、そう諦めかけた時、
「バインド!」
聞き覚えのある声がそう叫ぶと、大きな影が体勢を乱して目の前に落ちた。トウカの両拳が背中に回されて、バチバチとしたモノに縛られた状態でその場に落ちた。
それを見ていたせいもあり、両腕両足で大きなバランスボールに抱きついているような体勢のまま、背中からゴロン!と二、三回転がった。でんぐり返しの背中からバージョンで、尚且つ逃げていたスピードが乗っかった。背中痛い!
「ってて」
見上げると、杖から伸びるバチバチでトウカを縛るカレンの姿があった。
箒に乗り杖を携えて彼女は降りた。金色の髪がはためき、持っている杖から伸びるバチバチがトウカの拳に伸びている。あれで縛ったのか。あれも魔法なのか。そんなことより、
「どうしてここに?」
「全く勝手にでしゃばって、メイちゃんが教えてくれたのよ、変な白いのと精霊の森についてお客さんに聞いてからどこか分からないってね」
カレンははぁ、と嘆息した後にジトーっと睨み付けてきた。
それに対してできるだけの釈明をする。
「いやぁ、だってカレン寝てたし、それに緊急事態っぽかったし?コボ郎がね?」
「コボ郎?ってのはメイちゃんが言ってた精霊のことね。つってもあんたには手に余るでしょうが、右も左も分からないのにチョロチョロすんなっての」
子供扱いされていることに少し癪な気持ちになる。チョロチョロて、俺はタラちゃんかよっての。と言っても放っては置けなかった。だってクジで引いちゃったし?前金(物)も貰っちゃったし?責任を感じてしまうだろう?
あ、そういえば、カレンが持っている杖はただの木製の様に思えた。何故ゴージャスロッドではない?
「そういえば、あんた私の寝床にあんなキラキラしたゴミ置くなんて喧嘩売ってんの?」
「え、ゴミ?」
何のことだかわからない。キョトンと首を傾げる。キラキラしたゴミなんて...まさか
「あんな杖、鍍金で塗装してるだけじゃない、中身はただの安物よ。ゴージャスロッドは一流の職人の中でも一部の人しか作れないんだから、そうやすやすとクジ屋のおっさんが持ってるわけないでしょ」
「マジかよ...」
変な玉が福引きで出たと思ったら、その玉が巧みに脅して手に入れたゴージャスロッドもまたハズレだった。やはり自分にあんな幸運が訪れるなんてないということか。それが再確認できてしまったことに改めて肩を落とした。
でも金鍍金だったか?にしてはクオリティが高い鍍金だ。まぁそれはいいか。
「ま、結局私もここに来られて良かったわよ。ねぇジニア、久しぶり」
カレンは暗い深い森の奥に向かって、その森に負けない暗い顔で振り向いた。そこから現れたのは、青いローブを着て、眼鏡をカチャリとするインテリ眼鏡だった。彼はジニアという名前らしい。
ジニアは先程の余裕ぶった顔とはうってかわり、驚きと失望の混在する表情を露にしていた。
「...カレン、お前もなのか?」
「お前も?何を言ってるのか分からないわ。それにあんた国から出ていってから何をしていたの?この女の子を操って、何を企んでいるわけ?そういう趣味だったっけ?」
ジニアの視線に負けじと、カレンは眉間にシワを寄せた。口ぶりからして、彼らは昔知り合っているのだと思われる。
「お前には関係の無いことだ。それにお前は私の退職を見て、宮廷騎士団を見限ることが出来たんだ。なのになぜまた犬に成り下がっている?」
「は?犬?いや別に再就職なんてしてないけど」
カレンとジニアの話が噛み合っていない。だがこちらからは何の話をしているのか訳が分からなかった。
「お前がまだ国の犬に成り下がっているのは明白だ、それを着けているのだからな、腕のそれが何よりの証拠だ」
とジニアは杖をカレンに手首に向けて言った。正確には、手首の腕輪に向けて。
「これが何?あんた何か知っているの?」
次に口を開くと、表情が険しくなる。
「私は国の裏を知った、それが許せない」
そう言うと、ジニアの杖をトウカの腕に向け、光を放った。その光はカレンの魔法を打ち消し、腕の拘束(バインド)を解除した。トウカは立ち上がり、自身の手首を弄る。
そして、見下した、それにカレンへの猜疑心を携えた目で次はその杖を俺に向けてきた。
「お前、そこをどけ。その祠に秘宝があるんだろ?それはトウカに使わせる。こいつの更なる力のために必要なのだ。死にたくなければ大人しくするんだな」
カレンとジニアの話からして、過去に何かあったのは分かる。そしてその過去が今のジニアの原動力となっているのだろう。そして、それは国への恨み。復讐心。
もしかしたら、俺はこいつと同じようなことをしているのか?復讐したところで何が生まれる?他者を恨んで何が満たされる?頭に浮かんだ彼への説得力文句は喉に引っ込んだ。発すれば、それは自分に返ってくる内容だったからだ。
だから、説得なんてしなかった。だがこいつに何があったのかが気になった。
「...お前、何かあったのか?」
「この世界の素人のお前には関係のない事だ。さぁ、死ぬか、目の前から消えるか、選ばせてやる」
残念ながらとても話を聞ける状態とは思えない。この祠にある秘宝、もとい能転玉を俺自身に使うことができれば、まだ希望があると思っていた。だが、相手が悪い。取りに行こうと振り向けば、即座に討たれるだろう。
「あぁそれと、そんなマントなんかで防ごう等と考えないほうが良い。私ならそんな安物貫いて貴様を殺せる」
ジニアにまたあの余裕綽々な態度が帰ってきた。だが杖先を決してこちらからはぶれさせてくれない。油断も隙も...いや
「確かに、俺の力だけなら程度なら、あんたには敵わないだろうよ」
まだ一縷の望みを捨ててはいない。そう、イレギュラーなんてのは人生でつきもの。それが今回たまたま味方だったというだけだ。その味方が杖を握っているところを、視界にちゃんと捉えていた。
「バインド!」
カレンが杖の柄から光を放ち、ジニア目掛けて一直線に飛ばされた。だが、
「甘い!」
そういうとジニアが杖を振り、カレンの光を物理的に弾いた。光は地面に落ちて消えた。彼もまたカレンのことをちゃんと警戒していたらしい。だが、隙はできた。
カレンはジニアと俺が一直線上にならないように重なってくれている。抜かりがないぜカレン!
振り返らずに、カレンは叫んだ。
「サツキ!行きなさい、そこに能転玉があるからここまで逃げて来たんでしょ、こんなやつに取られるくらいならあんたが取りなさい!」
「分かってる!やられるなよ!」
カレンは覚悟を決めた。そう感じさせる感情がその声にはらんでいた。その言葉を聞いて、祠がある洞窟に向かう。迷ってはいられない!
それを見てジニアが命令した。
「行けトウカ!奴に能転玉を取らせるな!」
だがトウカは動かない。ジニアの声が聞こえていないのか、彼女は周りを気にするだけで動いていない。
「っち、解除!」
ジニアがトウカへの魔法を解くと、トウカはそれに気づいたのか、ジニアを見た。
ジニアはトウカを見据えて命じた。
「男が祠の能転玉を取ろうとしている。取られる前にお前が取れ!バインドセンス!」
威圧する気迫にトウカは気圧された。怯える彼女にまた白いモヤモヤを放つ。だがそれをカレンが杖から魔力を放って弾いた!
「甘いわ!」
それにより、ジニアのイライラは更に増した。先程までの余裕の表情は歪み、カレンに怒りの顔が向けられる。
「カレン、邪魔をするならお前も容赦しないぞ」
油断はせず、それでも心の余裕を保ちながら、カレンはジニアの行動に言及した。
「感覚制御をわざわざかけるのって、まさか彼女の固有スキルと関係したりするのかしら?させるわけないでしょ。」
にやっと笑うカレンに対し、更にジニアは余裕がなくなっていく。
「くそ、そのまま行け!トウカ!あの男の前にお前が能転玉を取れ!」
それを聞くと、うん、と小さく頷きながらトウカもまた洞窟に向かって走り出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる