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第四話 ご褒美のキス
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「メガネ君にラブラブキュン」
俺は両手でハートを作り、メガネのコーヒーに向かって突き出した。
「わぁ……。ありがとうございます!」
メガネは感謝感激と言った様子で目を輝かすと、首が折れるんじゃないかって勢いで頭を下げた。
ククク……。マジで面白いなコイツ。
メガネが俺の喫茶店に来るようになってから、そろそろ一カ月が経とうとしていた。
メガネの『なにがあってもここに通います!』と言う宣言は、嘘じゃなかった。本当に、雨の日も風の日も毎日来るのだ。
余程俺のことが好きなのだろう。正直、悪い気はしない。だってメガネ可愛いじゃん。
あんまり喋んないけど、俺が話しかけたら一生懸命返そうとするところとか、デカイ男が縮こまって椅子に座ってる姿とか可愛いと思う。何よりウブそうなところが可愛い。コイツ絶対童貞だぜ? 童貞ってセックス下手だから可愛いんだよなぁー。
なんて不埒なことを考えていたら、メガネが俺のラブいっぱいのコーヒーに口をつけた。
俺はそれをニコニコ眺める。
「美味いか?」
「はい! 今まで飲んだコーヒーの中で一番美味しいです!」
くぅー! 可愛いなこのメガネ!
俺は更に機嫌が良くなり、もっとメガネにサービスしてやりたくなった。
だって俺って今までこんなに人に喜ばれたことねーんだもん。家族にも、いつも『少しは働け』とか『せめて家の手伝いをしなさい』とか冷たい目で見られていたのだ。
だからメガネの嬉しそうな反応は新鮮で、もっともっと喜ばせてやりてーと思った。
何をしてやろうかなと考えて、ピコーンと閃いた。
そうだ! 良いこと考えたぞ!
俺は幸せそうにコーヒーを啜るメガネの膝の上に、ドカリと腰を下ろした。
「!?」
俺に乗られて動揺したメガネは、慌ててコーヒーをテーブルのソーサーに置いた。
俺はメガネの首に腕を回すと、ニヤニヤ笑いながら顔を近づけた。
「どうだ? お前の大好きな俺が膝に乗ってやったぞ? 嬉しいだろう?」
嬉しかねーよ。重いから退けとか言われたらぶん殴ろうと思ったが、メガネはそんなこと言わない。
それどころかハァハァ呼吸が荒くなってきた。
「マ、マスターの顔が近い……! 美しい……! そ、それに、お尻の感触が……! どうしよう、興奮する……! あわわわわ……」
メガネはパニックになったのか、訳が分からないことをブツブツと呟いている。おもしれー! 予想以上の反応をしてくれるな、このメガネは!
だが! これで終わりじゃねーぞ。
俺はメガネの顔に自分の顔を近づけた。驚愕で大きく見開かれた翡翠色の瞳を見ながら、そのままブチュッとキスをした。すぐに唇を離し、イタズラが成功したガキのようにニヤッと笑った。
「いつも来てくれるメガネにご褒美のキスだ」
「マ、マスター……」
メガネはポカーンと俺を見ている。
その表情を見て、あれ? やり過ぎたかな? と思った。だが次の瞬間、メガネのリミッターがブチッと外れる音を聞いたような気がした。
「マスター! マスタァーーー!!!」
突然メガネが豹変して、俺の腰をぐいっと掴んだ。
そのまま強引に引き寄せられて、噛み付くようなキスをされた。
「!?」
舌が無遠慮に俺の口内に入ってくる。無茶苦茶に舐められて、唾液が唇を伝った。
どうしようか迷ったが、気持ち良かったので俺も舌を動かした。上顎を舐めてやったら、ビクンと身体が震えて可愛かった。俺たちは夢中で舌を絡ませ合うと、最後にメガネが俺の舌をジュッと吸ってから、唇を離した。
お互い呼吸が荒い。
メガネのメガネがズレていて、翡翠色の美しい瞳が俺を覗き込んでいた。その目が濡れたように光っていて、なんだか色っぽかった。
俺は呼吸を整えながら自分の前髪をかきあげると、揶揄うように笑った。
「何すんだよ、このスケベ」
いや、お前から仕掛けてきたんだろ? 何すんだじゃねーよ。と突っ込まれそうだが、俺はここまでする気無かったもん。ちょっとイタズラ心でガキのキスをしようとしただけだもん。いきなり舌絡ませてきたのはコイツだからな?
などと人のせいにしていたら、メガネが真っ赤になりながらボソボソと口を開いた。
「す、すみません……。でも、マスターのこと好きです! 本当に好きなんです!」
そう言って痛いくらいに俺を抱き締めてきたので、俺はどんどん愉快になっていった。
「お前、おもしれーなぁ」
本当、おもしれーよ。ついに告りやがった。
コイツ、マジで俺に惚れてやがる。
モテる男はツラいなぁ。なんて思いつつ、やっぱり悪い気はしない。
さて、これからどうしようかな?
俺はニヤニヤと笑いながら、メガネの背中をポンポン叩いてやったのであった。
俺は両手でハートを作り、メガネのコーヒーに向かって突き出した。
「わぁ……。ありがとうございます!」
メガネは感謝感激と言った様子で目を輝かすと、首が折れるんじゃないかって勢いで頭を下げた。
ククク……。マジで面白いなコイツ。
メガネが俺の喫茶店に来るようになってから、そろそろ一カ月が経とうとしていた。
メガネの『なにがあってもここに通います!』と言う宣言は、嘘じゃなかった。本当に、雨の日も風の日も毎日来るのだ。
余程俺のことが好きなのだろう。正直、悪い気はしない。だってメガネ可愛いじゃん。
あんまり喋んないけど、俺が話しかけたら一生懸命返そうとするところとか、デカイ男が縮こまって椅子に座ってる姿とか可愛いと思う。何よりウブそうなところが可愛い。コイツ絶対童貞だぜ? 童貞ってセックス下手だから可愛いんだよなぁー。
なんて不埒なことを考えていたら、メガネが俺のラブいっぱいのコーヒーに口をつけた。
俺はそれをニコニコ眺める。
「美味いか?」
「はい! 今まで飲んだコーヒーの中で一番美味しいです!」
くぅー! 可愛いなこのメガネ!
俺は更に機嫌が良くなり、もっとメガネにサービスしてやりたくなった。
だって俺って今までこんなに人に喜ばれたことねーんだもん。家族にも、いつも『少しは働け』とか『せめて家の手伝いをしなさい』とか冷たい目で見られていたのだ。
だからメガネの嬉しそうな反応は新鮮で、もっともっと喜ばせてやりてーと思った。
何をしてやろうかなと考えて、ピコーンと閃いた。
そうだ! 良いこと考えたぞ!
俺は幸せそうにコーヒーを啜るメガネの膝の上に、ドカリと腰を下ろした。
「!?」
俺に乗られて動揺したメガネは、慌ててコーヒーをテーブルのソーサーに置いた。
俺はメガネの首に腕を回すと、ニヤニヤ笑いながら顔を近づけた。
「どうだ? お前の大好きな俺が膝に乗ってやったぞ? 嬉しいだろう?」
嬉しかねーよ。重いから退けとか言われたらぶん殴ろうと思ったが、メガネはそんなこと言わない。
それどころかハァハァ呼吸が荒くなってきた。
「マ、マスターの顔が近い……! 美しい……! そ、それに、お尻の感触が……! どうしよう、興奮する……! あわわわわ……」
メガネはパニックになったのか、訳が分からないことをブツブツと呟いている。おもしれー! 予想以上の反応をしてくれるな、このメガネは!
だが! これで終わりじゃねーぞ。
俺はメガネの顔に自分の顔を近づけた。驚愕で大きく見開かれた翡翠色の瞳を見ながら、そのままブチュッとキスをした。すぐに唇を離し、イタズラが成功したガキのようにニヤッと笑った。
「いつも来てくれるメガネにご褒美のキスだ」
「マ、マスター……」
メガネはポカーンと俺を見ている。
その表情を見て、あれ? やり過ぎたかな? と思った。だが次の瞬間、メガネのリミッターがブチッと外れる音を聞いたような気がした。
「マスター! マスタァーーー!!!」
突然メガネが豹変して、俺の腰をぐいっと掴んだ。
そのまま強引に引き寄せられて、噛み付くようなキスをされた。
「!?」
舌が無遠慮に俺の口内に入ってくる。無茶苦茶に舐められて、唾液が唇を伝った。
どうしようか迷ったが、気持ち良かったので俺も舌を動かした。上顎を舐めてやったら、ビクンと身体が震えて可愛かった。俺たちは夢中で舌を絡ませ合うと、最後にメガネが俺の舌をジュッと吸ってから、唇を離した。
お互い呼吸が荒い。
メガネのメガネがズレていて、翡翠色の美しい瞳が俺を覗き込んでいた。その目が濡れたように光っていて、なんだか色っぽかった。
俺は呼吸を整えながら自分の前髪をかきあげると、揶揄うように笑った。
「何すんだよ、このスケベ」
いや、お前から仕掛けてきたんだろ? 何すんだじゃねーよ。と突っ込まれそうだが、俺はここまでする気無かったもん。ちょっとイタズラ心でガキのキスをしようとしただけだもん。いきなり舌絡ませてきたのはコイツだからな?
などと人のせいにしていたら、メガネが真っ赤になりながらボソボソと口を開いた。
「す、すみません……。でも、マスターのこと好きです! 本当に好きなんです!」
そう言って痛いくらいに俺を抱き締めてきたので、俺はどんどん愉快になっていった。
「お前、おもしれーなぁ」
本当、おもしれーよ。ついに告りやがった。
コイツ、マジで俺に惚れてやがる。
モテる男はツラいなぁ。なんて思いつつ、やっぱり悪い気はしない。
さて、これからどうしようかな?
俺はニヤニヤと笑いながら、メガネの背中をポンポン叩いてやったのであった。
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