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第七話
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二人揃って着替え終わると、俺は蓮司を床に正座させた。俺はベッドに座り、蓮司を軽蔑の目で睨み続けた。
「……何か言いたい事はあるか?」
「うん。塔矢とっても可愛かった。俺達身体の相性いいんだね。嬉しいよ」
「違うだろ!!! お前は俺をレイプしたんだぞ!? 床に頭つけて土下座するのが正しい姿だろうが!」
「レイプなんてしてないよ。これは同意の行為だ。塔矢だってヤルならヤレって言ったじゃない」
……言った。確かに言ったけどそれは蓮司にビビってたからだ。でも、こんな奴にビビってたなんて認めたくねーなぁ。
いいや。ここはキレて誤魔化そう。
「俺がレイプって言ったらレイプなんだよ! 口答えすんな!!」
「むぅ……」
「あ? 何だその不満げな顔は!? 俺が言う事は全部正しいんだよ!!」
「……」
よし! 言い負かしたぞ。蓮司の癖に俺に歯向かうなんて生意気なんだよ! 俺は腕を組み、尊大な態度で蓮司を睨み付けた。
「蓮司。俺はお前のせいで心に深い傷を負った。どう落とし前をつけるんだ?」
「分かった。じゃあ一生をかけて償う。結婚しよう? 塔矢」
「するわけねーだろ!!」
何で結婚になるんだよ! どこからそんな発想が出てくるんだよ! 怖いわ!!
……しかし、困ったなぁ。どう反省させよう。ここで土下座させるのもいいが、謝ってすむ問題じゃねーからな。
俺はうーーんと考えた。
そして、突然ピコーンと思い付いた。
そうだ! 罰として俺との接触を禁止するのはどうだろう。
つまり、もうまとわりつくなと言うのだ。
俺は今まで散々蓮司に悩まされてきた。コイツがまとわりつくから、俺は彼女すら出来た事がないのだ。
そんな蓮司が俺から離れたらどうなるのだろう? 蓮司のいない生活を想像してみた。
……うん、夢のようだ。
蓮司と離れたら、飲み会にも行きまくれるし、彼女だって作れる!! 良い事ずくめじゃねーか!!
よし! 俺への接触禁止。蓮司の罰はこれに決めた!
そうと決まれば……! 俺はゴホンと咳払いをした。
「蓮司。俺をレイプした罪は重い。だからお前には罰を与える」
「えーやだよぉー」
「黙れ!! いいか? 今後一切俺への接触を禁止する」
「え!!」
「もう俺にまとわりつくな。大学も一人で行け。講義中は隣に座るな。昼飯も別々。それと、俺に触れるな。話しかけるのもだめ」
俺の言葉を聞いて、蓮司の顔が青褪めた。
「そんな!! 無理だよ!!!」
「俺の言う事が聞けないのなら、俺はお前と絶好する。死ぬまで一生口をきかない。お前の存在そのものを無視する」
「やだよぉ~! 塔矢ぁ!!」
蓮司は半泣き状態で俺の足に縋りついてきた。俺はそんな蓮司を冷たい目で睨み、ゲシッと蹴り上げた。蓮司は俺に蹴られてドシャリと床に尻餅をついた。
「ふん!! お前が悪いんだぞ!!」
「ごめんなさい。謝るから、塔矢のそばに居させて!」
「謝って済む問題じゃねーんだよ! ――これで話は終わりだ!! もう顔も見たくねー。さっさと帰れよ!!」
「塔矢……」
「オラオラさっさと出てけ!」
俺はペタリと床に座り、今にも泣き出しそうな顔の蓮司を立たせると、玄関まで引っ張って行った。ドアを開けると蓮司を外に追い出して、アッカンベーをしてからガチャンとドアを閉めた。
閉めると同時にドアをドンドン叩かれた。入って来たら怖いので鍵を閉める。
暫くすると、ドアを叩く音は止み、辺りはシーンと静まり返った。ドアスコープを覗くと、そこに蓮司の姿は無かった。諦めて帰ったのだろう。
……ふう。一仕事終わったぜ。これで明日から平穏な日々が過ごせる。
明日からの事を考えると胸が躍った。
ウキウキしながらベッドに座った。
……でも、アイツ泣きそうな顔してたな。そんなに俺と離れるのが嫌なのかな……。接触禁止はやり過ぎだったかな……。
「……」
い、いや! 甘やかすな!!
アイツは俺をレイプしたんだぞ!? しっかりとその罰は受けてもらう。
じゃないと、俺の気が済まねー!!
俺は何度も『俺は悪くない。悪いのはアイツだ』と心の中で繰り返した。
「……何か言いたい事はあるか?」
「うん。塔矢とっても可愛かった。俺達身体の相性いいんだね。嬉しいよ」
「違うだろ!!! お前は俺をレイプしたんだぞ!? 床に頭つけて土下座するのが正しい姿だろうが!」
「レイプなんてしてないよ。これは同意の行為だ。塔矢だってヤルならヤレって言ったじゃない」
……言った。確かに言ったけどそれは蓮司にビビってたからだ。でも、こんな奴にビビってたなんて認めたくねーなぁ。
いいや。ここはキレて誤魔化そう。
「俺がレイプって言ったらレイプなんだよ! 口答えすんな!!」
「むぅ……」
「あ? 何だその不満げな顔は!? 俺が言う事は全部正しいんだよ!!」
「……」
よし! 言い負かしたぞ。蓮司の癖に俺に歯向かうなんて生意気なんだよ! 俺は腕を組み、尊大な態度で蓮司を睨み付けた。
「蓮司。俺はお前のせいで心に深い傷を負った。どう落とし前をつけるんだ?」
「分かった。じゃあ一生をかけて償う。結婚しよう? 塔矢」
「するわけねーだろ!!」
何で結婚になるんだよ! どこからそんな発想が出てくるんだよ! 怖いわ!!
……しかし、困ったなぁ。どう反省させよう。ここで土下座させるのもいいが、謝ってすむ問題じゃねーからな。
俺はうーーんと考えた。
そして、突然ピコーンと思い付いた。
そうだ! 罰として俺との接触を禁止するのはどうだろう。
つまり、もうまとわりつくなと言うのだ。
俺は今まで散々蓮司に悩まされてきた。コイツがまとわりつくから、俺は彼女すら出来た事がないのだ。
そんな蓮司が俺から離れたらどうなるのだろう? 蓮司のいない生活を想像してみた。
……うん、夢のようだ。
蓮司と離れたら、飲み会にも行きまくれるし、彼女だって作れる!! 良い事ずくめじゃねーか!!
よし! 俺への接触禁止。蓮司の罰はこれに決めた!
そうと決まれば……! 俺はゴホンと咳払いをした。
「蓮司。俺をレイプした罪は重い。だからお前には罰を与える」
「えーやだよぉー」
「黙れ!! いいか? 今後一切俺への接触を禁止する」
「え!!」
「もう俺にまとわりつくな。大学も一人で行け。講義中は隣に座るな。昼飯も別々。それと、俺に触れるな。話しかけるのもだめ」
俺の言葉を聞いて、蓮司の顔が青褪めた。
「そんな!! 無理だよ!!!」
「俺の言う事が聞けないのなら、俺はお前と絶好する。死ぬまで一生口をきかない。お前の存在そのものを無視する」
「やだよぉ~! 塔矢ぁ!!」
蓮司は半泣き状態で俺の足に縋りついてきた。俺はそんな蓮司を冷たい目で睨み、ゲシッと蹴り上げた。蓮司は俺に蹴られてドシャリと床に尻餅をついた。
「ふん!! お前が悪いんだぞ!!」
「ごめんなさい。謝るから、塔矢のそばに居させて!」
「謝って済む問題じゃねーんだよ! ――これで話は終わりだ!! もう顔も見たくねー。さっさと帰れよ!!」
「塔矢……」
「オラオラさっさと出てけ!」
俺はペタリと床に座り、今にも泣き出しそうな顔の蓮司を立たせると、玄関まで引っ張って行った。ドアを開けると蓮司を外に追い出して、アッカンベーをしてからガチャンとドアを閉めた。
閉めると同時にドアをドンドン叩かれた。入って来たら怖いので鍵を閉める。
暫くすると、ドアを叩く音は止み、辺りはシーンと静まり返った。ドアスコープを覗くと、そこに蓮司の姿は無かった。諦めて帰ったのだろう。
……ふう。一仕事終わったぜ。これで明日から平穏な日々が過ごせる。
明日からの事を考えると胸が躍った。
ウキウキしながらベッドに座った。
……でも、アイツ泣きそうな顔してたな。そんなに俺と離れるのが嫌なのかな……。接触禁止はやり過ぎだったかな……。
「……」
い、いや! 甘やかすな!!
アイツは俺をレイプしたんだぞ!? しっかりとその罰は受けてもらう。
じゃないと、俺の気が済まねー!!
俺は何度も『俺は悪くない。悪いのはアイツだ』と心の中で繰り返した。
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