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実を結ぶ
双子
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リーンは屋敷を取り仕切る執事にキリトの事を話し、食事をもう一人分、用意してもらい、ルークの子供を宿したと話した。
そして、なかなか帰ってこないルークには秘密して欲しい。と、お願いした。
秘密裏に、医者が呼ばれ、リーンを定期的に診断し、やはり成長が早いと言うことで、出産の準備が整えられていった。
少しお腹が膨らんで来たのは、カザナの屋敷に戻ってきて、3ヶ月が、過ぎようとしていた頃だった。
やはり成長が早すぎるのと、双子と言うこともハッキリわかった。
このまま成長しすぎると、身体に負担がかかりすぎると、言うことで、腹を切って、取り出すことになった。
そうなんだ…。
リーンにとっては、実感がわかず、上の空だった。
その辺は、キリトがしっかりと話を聞き、医者の話や今後の事について、段取りを組んでいた。
…はぐれ狼だったのに、立派になったよな…。
そんなことを、ぼんやりと考えていたので、キリトを置いていってもらって良かったと、つくずく思った。
最近、お腹の中で、脈付く鼓動と魔力を感じるようになった。
本当に、ここに命が宿っているのだな…。
そんなことを実感するようになった。
ルークは最近、王城に行っているらしく、帰ってこない。
もう、こうなったら、産まれてから驚かせよう!
たまに帰ってくるアオが小屋に来て、気付かれた。
目を見開いて、驚いて、嬉しそうに笑ってくれた。
ルークには、秘密だと念を押した。
喋ったら、満月の夜に『人魚の湖』に、放り込んでやる。と、言ったら、青い顔をして、頷いていた。
殆んど小屋から出ず、屋敷での用事はキリトがしてくれるので、リーンはのんびりとミーネに寄りかかりながら、日々を過ごしていた。
子供が産まれた。
カザナに滞在し始め、4ヶ月が過ぎようとしていた。
その頃には、お屋敷の方に部屋を移し、キリトも屋敷内の仕事も手伝っていた。
正確には、お腹を切って子供を取り出したのだ。
専属の医者が毎日様子を見に来て、ギリギリまで、体内に留めておき、限界が来る直前に、取り出した。
男女の双子で、リーンに似た金髪の男の子と、ルークに似た黒髪の女の子だった。
…ルークはまだ、帰ってこない。
今更ながら、帰ってこないと、待つようになるとは思わなかった。
さすがに、屋敷から赤ん坊の泣き声が聞こえるようになると、訓練生達が屋敷の様子を気にし始めた。
それはそうだ。
使用人は、実家に帰ってから出産するし、屋敷での出産なのだから、ルークの子供ではないかと、思うだろう。
屋敷の中は慌ただしくなった。
けれど、執事が色々と手配してくれて、ミルクも、お風呂も、着替えも手助けしてもらって、助かった。
使用人達も、時間があると、様子を見に来てくれて、二人をあやしてくれた。
子供を産んで、五日ほど経った頃、リーンは一人、小屋で身体を休めていた。
子供達は、乳母とメイド達が見てくれている。
キリトは私を小屋へ連れてきてくれた後、屋敷の仕事に戻った。
久しぶりの、のんびりとした風に揺られてリーンはウトウトと眠り始めた。
誰かが小屋に入ってきた。
足音がする。
けれど、目蓋が重く、頭が覚醒しない。
「リーン」
優しいルークの声が聞こえ、髪を撫でられ、何とか目蓋を開く。
「…お帰り。…ルークに…伝えたい事…がたくさん有って、…でも、…夜泣きで…寝不足で…交代で…見てくれて…」
ダメだ…目蓋が閉じていく…。
「夜泣きで寝不足?」
ごめん、後で話す…。
「おい!起きろ!説明しろ!」
ルークに身体を揺さぶられ、身体を起こされて、何とか目を覚ます。
そしてルークは、まだ寝ぼけているリーンの身体を抱き上げ、屋敷の方に戻っていく。
う~ん。なんて説明しよう…。
ルークに抱えられて、屋敷の中へ入ると、皆ソワソワしている。
あ…黙っていてくれって言って、ごめんね。
リーンの部屋に行くと、乳母とメイドがゆりかごを揺らして、寝させていてくれた。
「ルーク様!」
驚いたメイドの子が立ち上がり、一礼する。
「ありがとう。私から話すから…」
リーンがそう言うと、メイドと乳母は部屋を出ていった。
ルークがリーンをベッドの端に下ろすと、ガーディと、カズキ、アオが部屋に入ってきた。
「リーン。これはどういう事だ?」
「…私が産んだ…ルークの子供だ」
「…!」
アオ以外が硬直して固まっている。
「リーンが産んだ…俺の…子供…」
「嬉しくないのか?」
「嬉しいに決まっているだろ!ただ…、まだ…、頭が…ついていかない…」
それは、そうだろう。
私だって、実感するまでにどれだけ時間がかかったか…。
ルークが部屋にいる三人をじっと見る。
「俺は知りませんでしたよ。屋敷で子供が産まれたって話は聞いたけど、まさかリーンが…」
ガーディが慌てて、そう言うと、視線がカズキに向いた。
「ミーネ様からは今はいつもと体調が違うから、気お付けて欲しい。とは、言われましたが。いえ、まあ、少し太ったのかと思ってはいたのですが…」
「アオ」
「うっ。リーンさんに口止めされていて…。満月に『人魚の湖』に、放り込まれたくないですし…。なかなか、ルーク様、帰って来られないし…」
アオはしどろもどろで答える。
「なかなか帰ってこないルークが悪いんたぞ!」
リーンは照れ笑いして、言う。
「名前、まだ、決めてないんだ」
「俺が、決めても良いのか?」
「当たり前だろ!それくらい考えろよ!」
「あ~、俺たちはそろそろ…」
そう言って、ガーディと、カズキ、アオは部屋を出ていった。
「抱いてやってくれ」
リーンはすやすやと眠る赤子を抱き上げ、黒髪の女の子をルークに手渡す。
「…双子…リーン…」
ルークは目をキョロキョロさせ、慌てふためいている。
なんだろう…可愛いな…。
リーンはもう一人の金髪の男の子を抱き上げる。
「なぁ、この子達、ここで育ててくれないか」
ルークはハッとリーンを見る。
「長くいすぎて、森に帰っていない。でも、この子達を連れていくわけにもいかない」
「出ていくのか?」
…そんな、悲しそうな顔をするなよ。
「…帰ってくるよ。…なるべく。この子達の成長も見たいし、ルークもいるし…」
リーンは頬を染めて、照れる。
「もう少ししたら、少しづつ、森に入るよ…」
そして、なかなか帰ってこないルークには秘密して欲しい。と、お願いした。
秘密裏に、医者が呼ばれ、リーンを定期的に診断し、やはり成長が早いと言うことで、出産の準備が整えられていった。
少しお腹が膨らんで来たのは、カザナの屋敷に戻ってきて、3ヶ月が、過ぎようとしていた頃だった。
やはり成長が早すぎるのと、双子と言うこともハッキリわかった。
このまま成長しすぎると、身体に負担がかかりすぎると、言うことで、腹を切って、取り出すことになった。
そうなんだ…。
リーンにとっては、実感がわかず、上の空だった。
その辺は、キリトがしっかりと話を聞き、医者の話や今後の事について、段取りを組んでいた。
…はぐれ狼だったのに、立派になったよな…。
そんなことを、ぼんやりと考えていたので、キリトを置いていってもらって良かったと、つくずく思った。
最近、お腹の中で、脈付く鼓動と魔力を感じるようになった。
本当に、ここに命が宿っているのだな…。
そんなことを実感するようになった。
ルークは最近、王城に行っているらしく、帰ってこない。
もう、こうなったら、産まれてから驚かせよう!
たまに帰ってくるアオが小屋に来て、気付かれた。
目を見開いて、驚いて、嬉しそうに笑ってくれた。
ルークには、秘密だと念を押した。
喋ったら、満月の夜に『人魚の湖』に、放り込んでやる。と、言ったら、青い顔をして、頷いていた。
殆んど小屋から出ず、屋敷での用事はキリトがしてくれるので、リーンはのんびりとミーネに寄りかかりながら、日々を過ごしていた。
子供が産まれた。
カザナに滞在し始め、4ヶ月が過ぎようとしていた。
その頃には、お屋敷の方に部屋を移し、キリトも屋敷内の仕事も手伝っていた。
正確には、お腹を切って子供を取り出したのだ。
専属の医者が毎日様子を見に来て、ギリギリまで、体内に留めておき、限界が来る直前に、取り出した。
男女の双子で、リーンに似た金髪の男の子と、ルークに似た黒髪の女の子だった。
…ルークはまだ、帰ってこない。
今更ながら、帰ってこないと、待つようになるとは思わなかった。
さすがに、屋敷から赤ん坊の泣き声が聞こえるようになると、訓練生達が屋敷の様子を気にし始めた。
それはそうだ。
使用人は、実家に帰ってから出産するし、屋敷での出産なのだから、ルークの子供ではないかと、思うだろう。
屋敷の中は慌ただしくなった。
けれど、執事が色々と手配してくれて、ミルクも、お風呂も、着替えも手助けしてもらって、助かった。
使用人達も、時間があると、様子を見に来てくれて、二人をあやしてくれた。
子供を産んで、五日ほど経った頃、リーンは一人、小屋で身体を休めていた。
子供達は、乳母とメイド達が見てくれている。
キリトは私を小屋へ連れてきてくれた後、屋敷の仕事に戻った。
久しぶりの、のんびりとした風に揺られてリーンはウトウトと眠り始めた。
誰かが小屋に入ってきた。
足音がする。
けれど、目蓋が重く、頭が覚醒しない。
「リーン」
優しいルークの声が聞こえ、髪を撫でられ、何とか目蓋を開く。
「…お帰り。…ルークに…伝えたい事…がたくさん有って、…でも、…夜泣きで…寝不足で…交代で…見てくれて…」
ダメだ…目蓋が閉じていく…。
「夜泣きで寝不足?」
ごめん、後で話す…。
「おい!起きろ!説明しろ!」
ルークに身体を揺さぶられ、身体を起こされて、何とか目を覚ます。
そしてルークは、まだ寝ぼけているリーンの身体を抱き上げ、屋敷の方に戻っていく。
う~ん。なんて説明しよう…。
ルークに抱えられて、屋敷の中へ入ると、皆ソワソワしている。
あ…黙っていてくれって言って、ごめんね。
リーンの部屋に行くと、乳母とメイドがゆりかごを揺らして、寝させていてくれた。
「ルーク様!」
驚いたメイドの子が立ち上がり、一礼する。
「ありがとう。私から話すから…」
リーンがそう言うと、メイドと乳母は部屋を出ていった。
ルークがリーンをベッドの端に下ろすと、ガーディと、カズキ、アオが部屋に入ってきた。
「リーン。これはどういう事だ?」
「…私が産んだ…ルークの子供だ」
「…!」
アオ以外が硬直して固まっている。
「リーンが産んだ…俺の…子供…」
「嬉しくないのか?」
「嬉しいに決まっているだろ!ただ…、まだ…、頭が…ついていかない…」
それは、そうだろう。
私だって、実感するまでにどれだけ時間がかかったか…。
ルークが部屋にいる三人をじっと見る。
「俺は知りませんでしたよ。屋敷で子供が産まれたって話は聞いたけど、まさかリーンが…」
ガーディが慌てて、そう言うと、視線がカズキに向いた。
「ミーネ様からは今はいつもと体調が違うから、気お付けて欲しい。とは、言われましたが。いえ、まあ、少し太ったのかと思ってはいたのですが…」
「アオ」
「うっ。リーンさんに口止めされていて…。満月に『人魚の湖』に、放り込まれたくないですし…。なかなか、ルーク様、帰って来られないし…」
アオはしどろもどろで答える。
「なかなか帰ってこないルークが悪いんたぞ!」
リーンは照れ笑いして、言う。
「名前、まだ、決めてないんだ」
「俺が、決めても良いのか?」
「当たり前だろ!それくらい考えろよ!」
「あ~、俺たちはそろそろ…」
そう言って、ガーディと、カズキ、アオは部屋を出ていった。
「抱いてやってくれ」
リーンはすやすやと眠る赤子を抱き上げ、黒髪の女の子をルークに手渡す。
「…双子…リーン…」
ルークは目をキョロキョロさせ、慌てふためいている。
なんだろう…可愛いな…。
リーンはもう一人の金髪の男の子を抱き上げる。
「なぁ、この子達、ここで育ててくれないか」
ルークはハッとリーンを見る。
「長くいすぎて、森に帰っていない。でも、この子達を連れていくわけにもいかない」
「出ていくのか?」
…そんな、悲しそうな顔をするなよ。
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