50 / 182
森の聖域クルーラ
初めての買い物 1
しおりを挟む
僕の欲しいモノは…。
しばらく考えて、ふと頭によぎる。
「あっ、…木材の図鑑が欲しい…」
僕がそう答えたら、ヒナキさんは頭を押さえた。
えっ?ダメだった?
「ちなみに、何で木材の図鑑なんだ?」
ヒナキさんがそう聞いてきたので、オルガは素直に答える。
「入れ物を作るときに、いろんな木の種類が有るって知ったから。小物を作る時と、小屋を作る時と、木材を変えてるって言ってたから、どんなのが有るのか気になって…」
「…木材の図鑑は手配しておく。確か木工所に、用途に応じた木の説明や特徴が書かれたモノが有ったはず」
やった!
「…それ以外には?」
「う~ん。リリスさんに服を直してもらっているから、お礼のアップルパイ」
「…。」
ヒナキさんが再び頭を抱える。
「…自分が食べたいお菓子とか、置物とか、装飾品とか…何かないか?」
「…う~ん。何が有るか分からない…」
基本的に生活に必要なモノは支給されているのだ。
特に欲しいと思うものは無いかも…。
「…わかった。一緒に買い物に行こう。それで、興味を持ったものを買っていこう」
ヒナキさんと一緒に買い物!
それはそれで楽しいかも。
ヒナキさんと一緒に買い物へ行くのは、昼ご飯を食べてからになった。
あの後、魔道具を見に来たお客さんと、ヒナキさんが話をし始めたからだ。
ヒナキさん、魔道具の話になると楽しそう…。
お客さんと話す姿をチラリと見ながら、僕は薬草の図鑑を横に、文字の練習をしていた。
今やっているのは、『コバコ』で育てている薬草の事が書かれているページを、魔力紙のノートに書き写し、自分だけの薬草図鑑を作るためだ。
文字を書く練習にもなるし、内容を覚えているかの確認にもなるので、最近の午前中は、この作業をしている。
ゆっくりと、少しづつ…間違えないように…。
午後、お昼ごはんを食べてから、ヒナキさんと一緒に買い物に出掛けた。
特に何か欲しいものが有るわけではないので、まずは一番近くに有る、果物屋さん。
リリスさんのお礼にするアップルパイのホール?
そうだ、ホールって何だろう?
果物屋さんは、『クルーラ』と『聖域』で収穫される生の果物と、スライスして乾燥したドライフルーツと、果物を使って作ったお菓子を販売しているお店だ。
店内の一角には、購入したお菓子を食べることが出来る場所が有って、『クルーラ』に訪れる人達の休憩所にもなっている。
店内に入ると、果物の甘い匂いが漂ってくる。
オルガはカラフルな色を眺めながらカウンターに行った。
「こんにちは。アップルパイをホールで欲しいんですけど、ホールって何ですか?」
店員さんはキョトンとして、そして微笑んでくれた。
「カットされていない、丸い状態よ」
そう言ってガラスケースの中の丸いアップルパイを指差す。
ガラスケースの中には、いろいろの大きさの丸いアップルパイが並んでいる。
…大きさが有るんだ…。
どうしよう…。
オルガはガラスケースを眺めて、後ろに付いてきていたヒナキさんの方を見る。
「一人分で良いのか?」
…そうだ。
リリスさんだけでなく、他の『白の館』の人達の分も、有っても良いのかも…。
いつも気にかけてくれるし…。
と、言うことは、大きいのにして、皆でわける?
オルガは店員さんの方を向いて聞く。
「コレが一番大きいの?」
「一番大きいのは三十センチよ。パーティーやお祝い事に使うから、別注文だけどね」
そう言われてヒナキさんの方を見る。
「良いんじゃないか」
「じゃあ、一番大きいのを下さい」
オルガは店員さんの方を向いて言う。
「本当に良いの?」
店員さんがヒナキさんに聞いている。
買うのは僕なんだけど…。
「ああ。お小遣いをもらって、欲しいモノって聞いたら、お礼にするアップルパイだって言うからさ…」
ヒナキさんは苦笑いして言う。
でも、お礼だったら、アレクさんとテリヤさんの分も欲しいかも…。
いつも相談に乗ってくれる…。
二人は『赤の館』だから、一緒にアップルパイを分けれない…。
「アレクさんとテリヤさんも、アップルパイ?」
ヒナキさんに聞くと二人は蜂蜜の方が良いと、言われた。
二人にプレゼントするなら、なるべく小さいのにしておかないと、食べ過ぎになるそうだ。
蜂蜜、好きなんだ…。
オルガは蜂蜜の小瓶を追加で二つ頼んで、ヒナキさんの方を見る。
「ヒナキさんは、何が良いの?」
「僕の分も買ってくれるのか?…そうだな、フルーツチップスかな…」
「フルーツチップス?」
「薄くスライスして、乾燥させたものよ」
そう言って店員さんが、袋に入ったモノを見せてくれる。
あっ、ヒナキさんが好きそう…。
片手で摘まんで、作業をしながら食べれるからだよね…。
「これも二つ下さい」
日持ちしそうだから、最近会えない、リーンさんの分も一緒で良いよね。
お会計をお願いして、鞄の中で、ヒナキさんにもらった巾着袋を開けて、言われたお金を払う。
「まだ買い物をするから、アップルパイや蜂蜜、フルーツチップスは帰りに『白の館』へ持って帰ってあげて」
「ええ。夕方までには焼いて準備するわ」
別注文のアップルパイはこれから作るようなので、『白の館』へ配達してくれるそうだ。
それに、これからヒナキさんと一緒に『クルーラ』を見て回るのに、さすがに持って歩けないよね…。
しばらく考えて、ふと頭によぎる。
「あっ、…木材の図鑑が欲しい…」
僕がそう答えたら、ヒナキさんは頭を押さえた。
えっ?ダメだった?
「ちなみに、何で木材の図鑑なんだ?」
ヒナキさんがそう聞いてきたので、オルガは素直に答える。
「入れ物を作るときに、いろんな木の種類が有るって知ったから。小物を作る時と、小屋を作る時と、木材を変えてるって言ってたから、どんなのが有るのか気になって…」
「…木材の図鑑は手配しておく。確か木工所に、用途に応じた木の説明や特徴が書かれたモノが有ったはず」
やった!
「…それ以外には?」
「う~ん。リリスさんに服を直してもらっているから、お礼のアップルパイ」
「…。」
ヒナキさんが再び頭を抱える。
「…自分が食べたいお菓子とか、置物とか、装飾品とか…何かないか?」
「…う~ん。何が有るか分からない…」
基本的に生活に必要なモノは支給されているのだ。
特に欲しいと思うものは無いかも…。
「…わかった。一緒に買い物に行こう。それで、興味を持ったものを買っていこう」
ヒナキさんと一緒に買い物!
それはそれで楽しいかも。
ヒナキさんと一緒に買い物へ行くのは、昼ご飯を食べてからになった。
あの後、魔道具を見に来たお客さんと、ヒナキさんが話をし始めたからだ。
ヒナキさん、魔道具の話になると楽しそう…。
お客さんと話す姿をチラリと見ながら、僕は薬草の図鑑を横に、文字の練習をしていた。
今やっているのは、『コバコ』で育てている薬草の事が書かれているページを、魔力紙のノートに書き写し、自分だけの薬草図鑑を作るためだ。
文字を書く練習にもなるし、内容を覚えているかの確認にもなるので、最近の午前中は、この作業をしている。
ゆっくりと、少しづつ…間違えないように…。
午後、お昼ごはんを食べてから、ヒナキさんと一緒に買い物に出掛けた。
特に何か欲しいものが有るわけではないので、まずは一番近くに有る、果物屋さん。
リリスさんのお礼にするアップルパイのホール?
そうだ、ホールって何だろう?
果物屋さんは、『クルーラ』と『聖域』で収穫される生の果物と、スライスして乾燥したドライフルーツと、果物を使って作ったお菓子を販売しているお店だ。
店内の一角には、購入したお菓子を食べることが出来る場所が有って、『クルーラ』に訪れる人達の休憩所にもなっている。
店内に入ると、果物の甘い匂いが漂ってくる。
オルガはカラフルな色を眺めながらカウンターに行った。
「こんにちは。アップルパイをホールで欲しいんですけど、ホールって何ですか?」
店員さんはキョトンとして、そして微笑んでくれた。
「カットされていない、丸い状態よ」
そう言ってガラスケースの中の丸いアップルパイを指差す。
ガラスケースの中には、いろいろの大きさの丸いアップルパイが並んでいる。
…大きさが有るんだ…。
どうしよう…。
オルガはガラスケースを眺めて、後ろに付いてきていたヒナキさんの方を見る。
「一人分で良いのか?」
…そうだ。
リリスさんだけでなく、他の『白の館』の人達の分も、有っても良いのかも…。
いつも気にかけてくれるし…。
と、言うことは、大きいのにして、皆でわける?
オルガは店員さんの方を向いて聞く。
「コレが一番大きいの?」
「一番大きいのは三十センチよ。パーティーやお祝い事に使うから、別注文だけどね」
そう言われてヒナキさんの方を見る。
「良いんじゃないか」
「じゃあ、一番大きいのを下さい」
オルガは店員さんの方を向いて言う。
「本当に良いの?」
店員さんがヒナキさんに聞いている。
買うのは僕なんだけど…。
「ああ。お小遣いをもらって、欲しいモノって聞いたら、お礼にするアップルパイだって言うからさ…」
ヒナキさんは苦笑いして言う。
でも、お礼だったら、アレクさんとテリヤさんの分も欲しいかも…。
いつも相談に乗ってくれる…。
二人は『赤の館』だから、一緒にアップルパイを分けれない…。
「アレクさんとテリヤさんも、アップルパイ?」
ヒナキさんに聞くと二人は蜂蜜の方が良いと、言われた。
二人にプレゼントするなら、なるべく小さいのにしておかないと、食べ過ぎになるそうだ。
蜂蜜、好きなんだ…。
オルガは蜂蜜の小瓶を追加で二つ頼んで、ヒナキさんの方を見る。
「ヒナキさんは、何が良いの?」
「僕の分も買ってくれるのか?…そうだな、フルーツチップスかな…」
「フルーツチップス?」
「薄くスライスして、乾燥させたものよ」
そう言って店員さんが、袋に入ったモノを見せてくれる。
あっ、ヒナキさんが好きそう…。
片手で摘まんで、作業をしながら食べれるからだよね…。
「これも二つ下さい」
日持ちしそうだから、最近会えない、リーンさんの分も一緒で良いよね。
お会計をお願いして、鞄の中で、ヒナキさんにもらった巾着袋を開けて、言われたお金を払う。
「まだ買い物をするから、アップルパイや蜂蜜、フルーツチップスは帰りに『白の館』へ持って帰ってあげて」
「ええ。夕方までには焼いて準備するわ」
別注文のアップルパイはこれから作るようなので、『白の館』へ配達してくれるそうだ。
それに、これからヒナキさんと一緒に『クルーラ』を見て回るのに、さすがに持って歩けないよね…。
35
あなたにおすすめの小説
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。
それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。
「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」
『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。
しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。
家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる