眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

初めての買い物 2

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 果物屋さんでアップルパイを頼んで、お金を支払い、配達してもらうようにお願いして、店を出た。


 次は、薬屋ヒール。
 店内はいろんな薬草が乾燥されて吊るされていたり、瓶に入れられて棚に並べられている。
 店内に入ると、ほんのりと、薬草?植物の匂いがした。
 ここには僕が作った、折り魔紙マシの『コバコ』が、店の一角に置かれている。
 カウンターの近くに有る窓辺に置かれた、五つの『コバコ』からは、十センチほどの薬草が伸びていて、時折ユラユラと揺れている。
 その手前に、使用前の『コバコ』が置かれていて、使い方や注意事項の説明書きが、読めるように広げて置いてある。
 忙しい時に、説明しなくとも、文章を読んでもらえるように広げてあるのだろう…。
 読んで興味を持ってくれれば、改めて、詳しく説明するように…。
 そう言えば、『コバコ』に土が入っている。
 別に土が無くとも、育てられるのに…。
 不思議に思って聞いてみると、土魔法を使って土を入れていた方が、根本が安定するし、購入する方が安心するそうだ。
 …安心?
 聞けば、薬草や植物が、土なしで育っているのに違和感を感じてしまうそうで、今はほんの少しだけ土を入れているそうだ。
 土を入れても入れなくても、成長は同じだったけれどね…。
 でも、購入するお客さんに、違和感を与えてしまうのは、いけないもんね…。

 
 オルガがゆっくりと店内をみて回ると、薬草が入れられたビンが並んだ棚とは別に、半透明のカラフルな色の丸いモノが、ビンにたくさん入って置かれていた。
 綺麗な黄色、オレンジ、濃い紫、赤色、薄い緑、深い緑…。
 十色の丸いモノが、それぞれビンに入れられて置かれている。
「コレは何ですか?」
 オルガが気になって聞いてみると、薬草や果実を混ぜた『のど飴』だと言われた。
 その『のど飴』に使われているミントのハーブは、『コバコ』で栽培したものだよ。と、教えられて、オルガは驚いた。
「…『コバコ』で栽培したモノなんだ」
 ハーブはそれほど大きく育たず、手軽に育てられるそうで、鉢植えにして窓辺に置いて、育てている人もいるのだとか。
 『コバコ』を使うと、成長も早く、少し摘み取ってお茶に入れたり、乾燥されて匂袋を作ったりするのに、便利なそうだ。
 最近、『コバコ』で育てているモノは、薬草だけでなく、背丈の短いハーブも始めた。
 育てやすい薬草の方はある程度目処が付いてきたので、植物園の方で随時育て行きながら、経過報告だけをもらうようになり始めたからだ。
 環境の調整をしなくてはいけない薬草を育てるには、小屋では出来ないからね…。

「『のど飴』が気になるのか?」
 ヒナキさんが声をかけてくる。
「うん。綺麗だし、どんな味がするのか気になる」
 オルガがそう言うと、店員さんがカウンターの奥から箱を取り出し、蓋を開けて差し出してくる。
「試しに一つどうぞ。こちらは製造と中で割れてしまったモノなので、試食用になっているモノです」
 箱の中は、十個に仕切りがされていて、十色の割れた『のど飴』が大小色々と入っていた。
「どれがお勧めだ?」
 オルガが、割れた『のど飴』でも、綺麗だな…と、眺めていると、ヒナキさんが店員さんに聞いてくれる。
「そうですね…甘いのは赤色の『イチゴ』。甘酸っぱいのはオレンジ色の『オレンジ』。ちなみに薄い緑色が『コバコ』で作ったハーブの『ミント』だけど、オルガ君には、ちょっとキツいかも。試してみるなら、小さい欠片にしておいた方が良いかもしれないな」
 そう言われると、試してみたくなるよね…。
 オルガは薄い緑色の『ミント』の小さい欠片を手にする。
「おっ。試してみるのか」
 ヒナキさんがニヤニヤ笑いながら言う。
 えっ…。
 それほど、キツい味がするの?
 オルガは薄い緑色の『ミント』の欠片を見る。
「…無理だったら、口から出せば良いから…」
 店員さんがまでもが、不安そうに、そう言う…。
 モノは試しだ!
 オルガは思いきって口の中に『ミント』を放り込む。
 口の中で『のど飴』の欠片を転がし、少し舐めてみる。
 うん?大丈夫だよ…。
 特に何も…。
「…カラッ?!」
 口の中が急にヒリヒリする?!
 何コレ?!
 オルガは舌先に『ミント』の欠片を乗せて、口を開けて、涙目になりながら、ヒーヒーと声を上げる。
「やっぱりまだ、オルガには無理だよな…」
「そうだな。はい、お水」
 店員さんにガラスのコップに入った水を差し出され、オルガは慌てて受け取り水を飲む。
 辛い!
 口の中がスースーする!!
 
 しばらくして口の中が落ち着き、まだ少しスースーとするが、さっきほど酷くはない…。
「『ミント』…辛かった…」
 オルガが涙目で言うと、ヒナキは苦笑いする。
「慣れると、頭もスッキリして、気分転換にも良いんだぞ」
 ヒナキさんはそう言うが、僕には無理だ。
「口直しに、甘い『イチゴ』か、少し甘酸っぱい『蜂蜜』をどうぞ」
 そう言われて、箱を差し出され、迷わず『イチゴ』を手に取り口の中に入れる。
 うん。
 甘くて美味しい…。
 オルガがニコニコ顔で『のど飴』を舐めていると、ヒナキさんが聞いてくる。
「どうする?買うのか?」
 そうだった。
 買い物をしきに来ていたんだ。
「コレは、一個づつ買えるの?」
「最小限十個からで、十個単位だよ。色々混ぜても良いぞ」
 なるほど。
 いろんな味を試してみるのには、その方が良いかも。
 でも、さっきみたいな辛いのは嫌だから…。
「…甘いのはどれですか?」
「甘いのは『イチゴ』『蜂蜜』、後は『オレンジ』『ベリー』。『レモン』はちょっと酸っぱいかな…」
「…そしたら、『イチゴ』『蜂蜜』を四個づつと、『オレンジ』『ベリー』を三個づつ下さい」
 オルガが『のど飴』を注文すると、小瓶に『のど飴』を入れてくれた。
「『クルーラ』の住人限定だが、次回来るとき、空になった小瓶を持ってきてくれたら、小瓶の代金は差し引くよ」
 次に買いに来るときは、小瓶を持ってこないと。
 『クルーラ』の住人限定なのは、よく買いに来るからかな…。
 空の小瓶を再利用すれば、小瓶の生産は少なくて済むもんね。
 部屋に空の小瓶がたまっても困るし…。

 オルガはお金を払うと、小瓶に入った『のど飴』を受け取り、思わず光にかざして眺めた。
 やっぱり綺麗だな…。
 そんなオルガを、ヒナキは苦笑いして見ていた。

 オルガが小瓶を眺めて満足すると、鞄の中にしまう。
 この小瓶は強化ガラスと言うものを使っているらしく、ちょっとの衝撃では割れないそうなので、安心して鞄に入れられる。
「キラキラ光るモノに興味が有るなら、次はガラス工房へ行ってみるか」
 ヒナキさんがそう提案してくれたので、僕は頷いた。
「行ってみたい!」
 特に何か欲しいわけではないが、興味が湧いたからだ。

 ヒナキさんに連れられて、今度はガラス工房に向かった。

 
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