眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

ヤッコ 1

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 ヒナキさんと『クルーラ』を散策して、買い物を楽しんでから十日が過ぎていた。
 

 あの時買ったアップルパイは、夕食後、『白の館』の皆で分け有って食べた。
 人数が多かったので、ほんのひと欠片しか食べれなかったけれど、ワイワイととても楽しかった。
 美味しいお茶を入れてもらい、僕がヒナキさんと買い物をして楽しかった話をして、古い『絵本』なら持ってるからあげると、『絵本』をもらって…。
 僕の部屋に『絵本』が増えた。
 貸し本屋さんで借りた本は、読み終えてから一旦返して、もらった『絵本』を読むことにした。
 図鑑ばかり見てたからだけど、『絵本』は嬉しかったり、悲しかったり、楽しかったり、いろんな表現が絵と文章で書かれている。
 短いページでそれを書くのってすごいな…。
 そんなことを思いながらオルガは『絵本』を読むことを楽しんだ。

 その間に、また別の折り方を思い出していた。
 『ヤッコ』だそうだ。
 折り魔紙マシの中心に向かって四つ角を三角に折り、もう一度、中心に向かって三角に折って、今度は反対側に中心に向かって三角に折って…。
  元の向きに戻して、袋状になった中心の三角を外に向かって長方形に広げて…。
 ソレを三ヶ所広げると、人が手を広げたような変わった形になった。
 そして折り上がった時、『ヤッコ』と言う名前が浮かび上がった。
 『ヤッコ』ってなんだろう?
 『コップ』や『ツル』の様に見た目で、コレと分かる形ではない。
 まあ、この形が『ヤッコ』と言うことで、あまり深く考えないでおいた。

 『ヤッコ』は、闇属性に反応して、黒色になった。
 今、光属性の『ツル』と組み合わせるための、『ツル』ではない闇属性を探していたので、コレなら使えるのでは…そう思った。
 そう思ったけれど、どうも違う用途になりそうだ。

 狼族のシュウベルさんが闇属性を使えるので、以前に預けた光と闇属性の『ツル』の報告会を兼ねて、ヒナキさんの店の横の折り魔紙マシを保管している小屋に、関係者が集まった。
 僕はまだ、ちょっと苦手で、ヒナキさんとアレクさんの間に挟まってソファーに座っている。
 シュウベルさんは一人用の椅子に座り、僕達の向かい側のソファーには、木工所のテリヤさんと、薬草屋ヒールから人族のカナックさんが来ている。
 カナックさんは、薬草屋と植物園の管理をしていて、いろいろと薬草や植物に付いての話をしてくれる人だ。
 そんな各所の代表の様な人達に囲まれて、シュウベルさんは苦笑いしていた。
 
 シュウベルさんの報告では、光属性の『ツル』と闇属性の『ツル』を二個づつ、僕達が一番最初に試した置き方が、一番効果があったそうだ。
 置く順番を変えてみたり、入れ物から出して試したり、『ツル』の代わりに魔石を利用してみたり、いろいろな方法を使ってみたようだ。
 その中で、光属性の『ツル』と闇属性の魔石の組み合わせでも、少し弱くなるが効果は有り、持ち運びには闇属性の魔石の方が良いのではないかと、『青の館』の仲間内での結論だった。
 なるほど…。
 必ずしも折り魔紙マシの『ツル』を使う必要はないのだ。
 旅をする人達の安全の為に役立てれば良いだけなのだから…。
 

 次は、僕が折った魔力紙マリョクシをテーブルの上に順番に置いた。
 ただ折り魔紙マシを折っただけの『ヤッコ』と、闇属性の黒い『ヤッコ』。
 ここまでは普通だ。
 そして次…。
 闇属性の『ヤッコ』に僕が魔力を入れ、魔力が切れて、闇属性の模様だけが残ったモノ…。
「「「…。」」」
 コレは僕とヒナキさん、アレクさんだけが見て知っていたが、他の三人は知らないので目を点にして、ソレを凝視する。
 僕も最初は驚いた。
 普通なら、魔力が切れても黒色のままなのに、なぜか模様だけが浮き出て残っていたからだ。
 そして僕はもう一つ『ヤッコ』をテーブルの上に置いた。
 同じように、ヒナキさんが魔力を入れ、魔力が切れたら出てきた模様…。
「「「…。」」」
 三人は再びソレを見て、なんとも言えない顔をする。
「…コレ、同じような模様だが、少し違うよな…」
 そう言ったのは、シュウベルさん。
 ほんの少しの違いに気がついた!
「うん?…本当だ…」
 そう言ったのは、テリヤさん。
「コレはいったい、どう言う事なんだ?」
 カナックさんがそう言うと、三人の視線が並んで座る僕達の方を向いた。
「魔力を入れた者が違うんだ」

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