眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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熊族の町ベイエル

マロイ湖 2

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 歩く二人の斜め背後の草むらで、ガサリと大きい音がした。
「「うん?」」
 振り向いた二人の目の前に、魔獣変化した三つ眼の獣が大きな口を開けて、覆い被さってきた。

「「うわっ!?」」
 二人が身を屈めると、オルガの左手に付けられたブレスレットが光った。
 そしてバチバチと言う音と眩しい光が放たれ、三つ眼の獣が弾き飛ばされると、少し距離を取って後方に着地し、こちらを睨んでいる様に見える。
 ヒナキさんにもらった対物用のブレスレット!
「逃げるぞオルガ!」
「うん!」
 二人は釣りの道具を三つ眼の獣の方に投げ捨て、走り出した。

 走り出したが、僕達の足では直ぐに追い付かれてしまう。
 落ち着け…落ち着け…。
 三つ眼の獣は四足歩行。
 高い場所まで届かないはず…。
「オルガ!」
 隣を走っていたアレイが急に叫んで、持っていた短剣を取り出し魔力を込めた。
 バチバチと剣に魔力が込められ、横から飛び出してきた三つ眼の獣を吹き飛ばした。
「ツッ…!」
 一匹じゃない…。
 アレイは震える右手で短剣を握りしめている。
 そう言えば、昨日の魔法剣の練習で手が痺れたって言っていた。
 足を止めたオルガの視界に、動くものが見てえて振り向くと、さっきの三つ眼の獣がこっちに向かって走って来ていた。
 オルガはとっさにポーチから『シュリケン』を掴んで取り出し、魔力を込めて、三つ眼の獣に向かって投げつけた。
 『シュリケン』は三枚!
 どれか届け!
 青の館で練習した『数撃ちゃ当たる』
 的中率の悪い僕には、これしかない!
 投げた『シュリケン』の一枚が、三つ眼の獣の足に突き刺さり、スピードが落ちた。
 今のうちに!
「アレイ。捕まって!」
 一か八か!
 オルガがアレイの腰を両手で捕まえると、アレイが左手でアレイの腰を掴んだ。
 どれだけ魔力を込めれば二人で跳べるかわからない…。
 だけど、今、やらなくていつやるんだ!
 オルガは『クルーラ』で使っていたみたいに、魔力を込めて風魔法で上空に跳んだ。
「クッ…」
 魔力の消耗が激しい…。
 誰かを連れて跳ぶのは始めてだ。
 こっちでは、習ったばかりで、魔力の加減が出来ない…。
 このまま街道に向かう小道に向かって、何処まで跳べる!
「…オルガ。小道の途中に大木が有る。そこまで跳べるか」
 少し落ち着いたアレイがそう言った。
「なんとか…行ってみる…」
 街道まで飛べれば人が居る。
 だが、一緒に三つ眼の獣も一緒に引き連れて行ってしまうだろう…。
 途中で注意をこちらに惹き付けておいて、警備隊を呼んだ方が良い…。
 チラリと下を見下ろすと、三つ眼の獣が追いかけてきている。
 それも五匹…。
 まだ隠れて居たのか…。
 上空に逃げて正解だ。
 
 小道の途中に有る大木が見えてくると、視界歪んで見えた。
 ヤバい…。
 魔力が切れる…。
 なんとか大木の凹みに降りると、足元から力が抜けて滑り落ちそうになり、アレイに支えられて、落ちずにとどまれた。
「…そろそろ…限界…」
 オルガとアレイは落ちないように大木に寄りかかり、座った。
「オルガ。『ヒコウキ』を使うぞ」
 オルガは頷いて、腰に着けたポーチに視線を移した。
 なんとか腕も上げて『ヒコウキ』を取り出し、魔力を少し込めかけて手が震え、オルガは『ヒコウキ』を落としてしまった。
「「…!」」
 手の力が入らなくなっている…。
「オルガ、俺が取る」
 アレイには、ヒナキさんが過保護で『ヒコウキ』が二個入っているんだと、冗談めいて伝えていた。
 まさか、それが役立つなんて思いもしなかった。
 アレイはオルガのポーチから『ヒコウキ』を取り出し、魔力を込めて水色になると、熊族の警備隊へ飛ばした。
 そして、アレイは自分のポーチから取り出した『ヒコウキ』に携帯用のペンで、マロイ湖の小道の場所と三つ眼の獣が五匹居ることを書くと、再び『ヒコウキ』を熊族の警備隊へ向けて飛ばした。
 これで助けが来る…。
 そう思ったら、オルガは意識を失った。


◇◇◇◇◇

「オルガ!」
 アレイは焦っていた。
 『ヒコウキ』を飛ばし、気が緩んだのかオルガが意識を失った。
 大木の凹みに座っているとは言え、不安定な場所だ。
 気を抜けば、大木から落ちてしまうかもしれない…。
 アレイは力の抜けたオルガの身体を支えるように抱き寄せ、祈った。
 早く来てくれ!
  

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