140字のラブコメ小劇場

醍醐兎乙

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『引っ付くな。荷物が落ちる』/『喜んでいる彼女』/『ハンドルを握って変わる性格』/『深夜徘徊帰宅困難娘』/2時間40分あたり』

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地面も揺れる熱気の中、後輩の買い物に付き合わされていた。

「涼しい話して先輩!」

俺に荷物を持たせ、手ぶらの後輩からリクエストがきた。

「……実は最近告白された」
「なにそれ、つまんない」
「今日そいつがずっと付いてきて、お前を睨んでる」
「ほんと!?」
「いや嘘」

なぜだ、荷物が倍に増えたぞ。


140字小説『暑い、引っ付くな。荷物が落ちる、離れろ』


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「金曜30分連絡が滞りましたね……説明しなさい」

 俺の膝に座り、後ろ姿で圧をかけてくる彼女。

「えーと」
「はっきりしない。マイナス10点」
「ちょっと待って」
「時間稼ぎ。マイナス20点」
「サプライズの準備です!」
「……真偽不明。保留」
「大好き!!!!」
「安易な誤魔化し。プラス150点」


140字小説『用意した指輪より喜んでいる彼女』


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「免許取得! ドライブ行くよ!」

 助手席で驚愕した。

「大丈夫酔ってない?」
「この先の展望台楽しみだね」
「次はキミの行きたいところにしよう」

 誰だこいつ。
 俺の知る『ガサツ、暴力、自分勝手』な幼馴染じゃない。

「おまえ……これから車で生活しない?」

 車が路肩に停止し、いつもの拳が飛んできた。


140字小説『ハンドルを握って変わる性格』


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「遅い!」

 救難要請を受けて10分。
 急いで来たのに叱られる俺。

「……今は何時だ?」
「丑三つ時」
「そう深夜2時! 来てもらえただけありがたいと思え!」

 この女、俺の苦情は聞く気がないのか両手で耳を塞ぎやがった。

「……ピーピー泣きながら電話かけてきたくせに」
「あーあーあー聞こえない!!」


140字小説『深夜徘徊帰宅困難娘』


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「あんた、なんで私に一切照れないの?」

最愛の彼女から長年の片思いを成就させた俺に質問が来た。

「俺の『こじらせ片思い』聞く?」
「ゴメン無理」
「まだ序盤の30分しか聞いてもらってないけど」
「……それだけ私を好きなら、少しは照れなさいよ」
「『こじらせ片思い』の中盤でわかるけど、聞く?」


140字小説『2時間40分あたり』


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