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1章 一学期。
35.変態
しおりを挟む「……えっと、僕だけど………」
「!」
声を聞くと、それが澪だとすぐに分かった。
(だって、変わりすぎて……)
分かるわけ、ない……!!
「ボクがやったんだよー!可愛いでしょ!」
「ど、どうかな……」
一言で言うのなら、可愛い。
具体的に述べろと言われたら、普段メロンパンを消化してるだけの小動物が僕の前でいかにもお〇してくださいとでもいいたげに可愛い格好をして上目遣いをして、まあ身長的にそうなるのは仕方ない事なんだけどそれでも僕の性癖には突き刺さるし可愛いしなんていうかエロいし色気とか全くない幼馴染から今めちゃくちゃ色気という色気がただよっててどうすれば………
(まずい、とまらない……)
「予想以上に可愛くなっててびっくりした……莉音、すごいね。」
「ま、澪は素材整ってるしこれくらいは楽勝だよ~、一目見た時から、可愛い顔して華奢で声もそこまで低くないから、絶対こいつは男の娘にするべきだ!って確信しちゃったもん~」
莉音……最高かよっ
「さて、ボクも早く準備しないと!澪、鏡借りるね~」
「あ、うん。」
莉音が姿見の前でるんるんしてる。
「……澪、ほんとに可愛いね、なんか違和感ないし。」
「そうかな……違和感しかない気がするんだけど…」
「そう言う割にはあんまり嫌がってないよね?」
「……あはは。」
え、なんか急に冷めた。
怖いよ~~~
(もう、全部どうでも良くなった……)
ーーー
「かーんせーいっ!」
桃色の髪をハーフツインに結って、ふわふわしたロリータ服を着た莉音。
「うん、それが莉音って感じ。」
「でしょ~~!?あっ、桜木もする!?女装!!?」
「僕はいいかな。」
そんなこんなで。
「ミュノーとったから自撮りしよーよ、澪!」
ミュノー、若者にはやってる自撮りアプリ。
「なんか女子高生みたい……」
「今は女子高生みたいなもんでしょ!」
もう、恥ずかしさとかあんまりなくなってた。
パシャ。
「うっわ、ミュノーとはいえ美少女2人が並ぶと加工なしでも破壊力やばいわ……」
「待って、僕男なんだけど!?」
「澪はそこらの女の子よりは可愛いよ~?」
「郁人は黙ってて…」
『Rioです☆
ミンスタはじめてみました!
右がボクです( ・ ̫・ )』
「……ボク、女子だ。」
「女子だね……」
「完璧女子だ~」
(女子高生になった気分…)
その後、莉音のミンスタのフォロワーが5桁をこえたことなんて、言われるまで知らなかった。
ーーー
(海斗side)
「はぁ……」
勉強に集中出来ない………
(何気に放置してたけど、葉月さんの事、考えなきゃだよな……)
中学の時、友達がいなくて暇だった俺の休日の予定は、勉強する事だけだった。
お陰であの頃は学年一位を保ててたんだけどな……
まあ、今は2位だけど。
その勉強にすら、集中出来ない……
「はあぁぁぁ……」
もう、嫌だ………
「…行ってみようかな。」
そう決心して、立ち上がったその時。
「かーーいーーーとーーーーっ!!!」
「っあ…!!?」
(びっくりした……)
窓から庭の外を見ると、そこにいたのは……
「未来斗…!」
ーーー
「ど、どうかしたのか…?」
とりあえず上着を着て家を出る。
息を切らしながら未来斗の元へ行くと、未来斗が心配そうに「だ、大丈夫か?」と門扉越しに俺を見ていた。
「あ、ごめん、すぐ開ける。」
一応、俺の家は豪邸並みの大きさではあるので、横にスイッチがついた大きな門扉がある。
門扉の大きさ……2m、くらい?
ギィーーーという音と共に、門扉が開く。
「流石お金もち!!」
「はいはいありがとう、それで…どうした?」
興奮が冷めないのか、未来斗は興奮気味な声で、
「暇だから遊ぼ!!」
………
「俺達、3年生だよな?」
「うん!」
「就職決めたり受験勉強したり、忙しい時期だよな。」
「まだまだ3年生始まったばかりじゃん!大丈夫だぞ!!」
「俺、この家をつぐために勉強しなきゃいけないんだ。」
「息抜きだって大事だよ!!」
………
「それもそうか。」
「うんっ!!」
ってわけで。
「遊ぶって言っても、お前の家なんだな。」
「おうっ!」
まあ、いいんだけどさ。
「い、妹さんは……?」
「今日は部屋にこもってヲタ活するって言ってたし、出てこないと思う……!」
ヲタ活て……
未来斗の妹は確か、明るくて元気で未来斗そっくりで、腐女子だって聞いた。
「そ、そうなんだ……ん?何この本。」
ふと気になって、床に落ちていた本を、拾った。
「それ?それはー……」
タイトルを見る。
「……、っ…!!!」
R18のBL本、タイトルはえげつなすぎて言えない。
思わず体温が上がってしまい、急いでその本を未来斗に渡した。
「……あっ、ごめん刺激強かったか?」
「強いも何も……そんな破廉恥な本床に置いておくなよ…!!」
「……え、これ破廉恥かな」
「え?」
「こんなの序盤だよ、ちょっと受けの服がはだけてるだけだし、すごいのだと…「もういい!もういいから!!」」
なんでそんな事普通に言えるんだよ……
腐男子ってこういうものなのか…?
「でもまあ、海斗だって好きなものくらいあるだろ?」
「え、あ、まぁ……」
途端、未来斗が目を輝かせた。
「なに!?なに好きなの!?」
すごく期待の眼差し。
え……
これ、言っても大丈夫かな……
「………太ももと、鎖骨と、ほっぺた。」
「え?」
まあ、引かれるよな。
でも俺は、好きなものに正直になっただけだ。
俺は……
「……もっと具体的に言うなら、太ももとはいい感じに筋肉がついてて柔らかいのが好きだし、鎖骨はもう枕にしたいくらい好きだし、ほっぺたは好き!!大好き!!!」
「か、かいと…………?」
つい暴走してしまう。
けど仕方ない。
それくらい……好きなんだから。
「俺、将来恋人が出来たらとりあえずほっぺたふにふにしたいと思ってる。」
「あー、最初はセクハラにならないよう軽くってことか!」
「そしてゆくゆくは膝枕してもらいたい。」
「イイナー、タノシソウ!」
「挙句の果てに鎖骨に顔をうずめて…「海斗、変態臭がするからもうやめて」」
ーーー
「まあ、海斗も男子高校生の清純さはあったんだな!」
「どうしても人肌に触れたくなる時があるんだよ……変態じゃないから。」
と言ったけど、まぁもう変態確定って思われてますよね。
「まぁ……いいと思うぞ?誰だって好きなものに触れていたいとは思うしな!「…じゃあ未来斗、触らせろよ。」…………えっ?」
半ば無理矢理。
「にゃ……にっ…?」
むにぃぃぃ。
両指で頬を摘んで、のばした。
「う、うぅぅぅ…!!や、やめ…ろ…っ!」
「うるさいよ、触っていいって言ったじゃん、未来斗。」
ふにふにふにふにふにふにふにふに。
「そんにゃこと言ってにゃ……あに"ゃに"ゃに"ゃ!!!」
文句ばっか言うから、さらに強くつねってのばしてやった。
「どーだ参ったか、いつも俺の事身長で勝ってるからって見下しやがって!!100倍返ししてやるよ…!!」
「ふにゃ、ふにゃにゃッ!?ふにゃもらけ~~~」
かくして、この戦い(?)は10分続いた。
ーーー
「はぁ……疲れた」
「いや海斗何もしてないじゃん……」
「いや何かしらはしたんだよ、疲れた…」
ふと、気付いた。
今、ベッドの上の未来斗の隣に座ってるわけだけど。
これ……膝枕してもらえるんじゃね?
俺が横になるふりをして、さりげなく未来斗に膝枕してもらえるような位置に寝れば……
よしっ
ぽすっ。
「……!海斗!?」
「疲れたからちょっと寝かせて。」
無事、膝枕作戦成功っ☆
「な、なんだよ急にーー!」
「べ、別にいいだろなんでも……」
「良くないよ!!絶対ふともも目当てだろーーっ!!」
あ、バレてた。
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