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①平凡な日常と大嫌いな私
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高坂 栞と(コウサカシオリ)と来栖 沙耶(クルスサヤ)幼い頃から家が隣で両親同士も仲がいい。幼稚園から高校でも一緒のため周りから比べられることが多かった。
「沙耶ちゃんはいつも可愛いね!」
「沙耶ちゃんは将来、モデルさんか女優さんかな?」
「スタイルいいよねぇ~沙耶」
「俺、来栖が1番可愛いと思う!!」
「「「「栞ちゃんとはちがうよね」」」」
わかってるよ、地味で冴えない私と違っていつもキラキラで誰からも愛される沙耶ちゃんは可愛いってことくらい…欠点なんてないくらい…
いや、欠点は性格の悪さかな…
「沙耶ちゃん!!待って!!」
「………なに?」
「あ、あの、お弁当…朝、おばさんから沙耶ちゃんが忘れてったから届けて欲しいって、頼まれて…」
「だったら、私の机に置いてメモでも伝言でもいいからの遺しときなさいよ!!直接話しかけないでよ!!」
「でも、」
「あんたと話すとイライラするの!!可愛い私が地味でブスなあんたと幼馴染なんて恥ずかしいんだから!!」
「ごめんね…」
「ふんっ!!」
沙耶は栞が持っていたお弁当箱を奪うように引っ張り、その勢いに栞は前に転んだが無視して去っていった。
「あ、せんぱーい♡お昼これからなんですか!?よかったら~、一緒にたべませんか?私毎日、自分でお弁当作ってて~…」
沙耶の前方には好意を寄せる先輩がいた。さっきとガラリと変わり猫撫でるような声で話しかけていた。
「(相変わらずの豹変ぷり…)」
「栞、大丈夫?怪我ない?」
「うん、大丈夫!ありがとう澪ちゃん」
倒れ込んでいた栞の前に駆けつけたのは親友の佐藤澪(サトウミオ)
「まったく、あいつは栞に対して酷い扱いね!!栞も言い返さなきゃ!!」
「でも、地味でブスなのはほんとだし…」
「栞は元はいいはずなんだから、コンタクトにして前髪も短く切れば絶対に可愛くなるから!!ほら、少しむちむちしてるけど全然太ってる訳じゃないし、Eカップの巨乳なんて羨ましいし!!あと、たまに体育終わりとかなーんかエロいん「わぁぁぁあ!!!!!澪ちゃんストップ!!!!ちがうから!!絶対に!!ほら、早く教室行かないと!!お昼休み終わっちゃうよ!!」えー??笑」
澪の声に被せるように慌てて手を引っ張り、顔を真っ赤にしながら自分たちの教室へ向かった。
ちなみに周りにいた男子は栞がEカップだと聞こえて、栞の胸から視線が離せなかったとか…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
午後の最後の授業も終わり、栞たちは帰り支度をしていた。
「澪ちゃんそう言えば、こないだ可愛い雑貨やさんが…」
「ごめん、栞!!!急に拓也が部活が休みになったからデートしようとか言ってて今日は一緒に帰れないんだ…」
「あ、そっか!!…大丈夫だよ!!学校別なんだし、いいと思うよ!!」
「本当にごめんね!!」
「(拓也くんと澪ちゃん仲良いなぁ…)」
栞に謝りつつも嬉しそうな澪をみて羨ましく感じてしまった。
地味な私に彼氏なんてできるのかな…
ずっと一人で孤独な人生を送るのかな…
そう思いネガティブになってると…
「おーい、今日の日直はまだいるかー?」
「あれ?今日の日直って…」
「あ、います!」
廊下から担任の教師が顔を覗かせ、その両腕には重たそうな教材を持っていて日直であった栞を見つけると手招きして呼び出した。
栞は鞄を持ち担任がいる方へ近寄っていった
「悪いな、これから会議があるんだがこの教材を化学準備室に返してきてくれるか?」
「あ、はい…っと、重た」
担任から渡された教材は分厚いものばかりでさらに実験で使う道具が入った小さな箱もあった
「栞大丈夫?私も一緒に持って行こうか?」
「大丈夫だよ、それより拓也くん待ってるだろうから早く行ってあげて」
「おっ、なんだ?なんだ?佐藤は彼氏とデートか?笑」
「先生それセクハラだよ~」
笑いながら澪は担任の腕を軽く叩いた
「まぁ、女子にこの荷物はやっぱり重たいよなぁ…おっ!!橘いい所に!!悪いが高坂と一緒に化学準備室にこれ持っていってくれ」
担任は廊下にいた橘という男子を呼び止め手伝うように頼んだ
「えっ、私一人でも…」
「わかりました」
「えっ!」
「…貸して」
橘という男子はあっさりと引き受け、栞が持っていた重たそうな教材持って代わりに栞は軽めな箱を担任から受け取った
「じゃあ、頼むぞ!!」
「私もそろそろ行くね!栞また明日!!」
「うん…また明日…」
担任と澪は立ち去っていき、残された二人に会話わない
沈黙の中、やけに周りの声がうるさい
「(何か話さないと…)」
黙り込む栞に声を掛けたのは橘のほうだった。
「じゃぁ、行こうか」
「あ、うん…」
橘の後に栞は後を追った。
栞のいる教室から化学準備室までそんなに遠くはないが、会話がない状況からか気まづくていつもより距離が長く感じる。
栞がどうして気まづいかと言うと1ヶ月前に橘から告白され、そして振られたのである…
その時の栞は人生で初の告白をされ、戸惑っていた。
橘とは別のクラスだか委員会が一緒で当番が合う時は少し話す程度だった。顔は整っているほうで優しく真面目で大人しい好青年だ。
嬉しい反面、地味な自分と付き合っていいのかと考えてしまい、返事を保留にしてもらったのだ。橘は快く返事を待ってくれるといった。
初めてのことで親友の澪にも恥ずかしくて相談できずに一週間が過ぎた頃、ようやく決意して返事をしようと思ったときに橘に呼び出されたのだ。
告白の返事を最速されるのかと思ったら予想だにしない答えが橘からでた。
「ごめん、…俺から言ったのにやっぱり付き合うのはなしにして欲しい…」
「え、っあ、そっか……うん、大丈夫…実は私も断ろうと思ってて…」
ちがう、本当は肯定の返事だった
無理やり笑顔を作り橘に話す。否定の答えが出る度に自分がどんどん嫌いになっていく。
「じゃあ、俺行くね」
「…うん」
自分が告白した訳じゃないのに突然振られ、付き合うこともなく終わったことに酷く傷ついた栞は橘が去った後、瞳から涙が溢れでていた。
次の日、クラスの男子の会話で橘と沙耶が付き合った知った。
沙耶は学年一の美人で男子の中で話題が持ち切りだった。
話によると沙耶から告白したらしいと…
「(あぁ、だからか…)」
栞は納得した
地味な私と付き合うよりも可愛い沙耶と付き合うほうがいいよねと…
しかし、二週間後に二人は別れたそうで振ったのも沙耶だった
たまたま告白現場を見た沙耶が面白くないと思い、橘を誘惑し虜にした後告白した。元から橘の事は好きではなく、栞と橘が付き合わなければもう一緒にいるのがない為沙耶からまた振ったのだ。
橘と栞はクラスは違った為、それ以降関わることがなかった。
過去の事を思い出していたらいつの間にか化学準備室の前まできていた。
扉を開け、空いている机に荷物を置いて栞は早くこの場から出ようとした
「待って」
部屋からでた瞬間に橘に呼び止められ、栞は振り返らずにただ立ち止まった。
「俺、やっぱり高坂が「やめて!!!!」」
橘の声を遮るように栞は声を上げた。
はっ、と思い、後ろを振り返って橘の顔を見ると酷く悲しそうな顔だった
そんな顔をみて耐えきれず栞は逃げ出した
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はぁ、はぁ、…はぁ……ふぅ」
駅までの道のりをずっと走ってきたせいで息が切れていた。
汗で張り付いた前髪を横流してピンで留めて、呼吸を整えているとちょうど電車がやってきた
帰宅ラッシュの時間帯と重なった為か、車内は人が多かった。
栞は車内に乗ると扉側の方を向き横の手すりに捕まった
車内の電子テレビには夕方のニュースが放送され、画面のスクリーンには字幕で『謎のウイルス拡大、欧米で女性感染者多数増加!!』と見出しが映っていた。
数十分乗っていると太ももら辺に違和感があった。
最初は混雑してるからカバンが何かが当たっているのだろうと思ったが、どんどんお尻に近づいてきてそれが人の手だとわかった。
後ろをチラリと見ると太った中年のサラリーマンだった。痴漢されていることに気がついたが前は扉の為逃げ場はなく、次で最寄りの駅だが到着するまでにあと十分ほど時間がかかるし、助けを求めようにも周りは男性しか居らず、恥ずかしくて言えなかった。
「(後十分我慢すれば…)」
栞はそう思い我慢を決めたが、何も言わない栞に気を良くした痴漢男は手をスカートの中に入れて直接お尻を撫で回したり、行為はどんどん激しくなっていった。
「あっ!!、」
痴漢男の手は、栞のクロッチ部分を指で撫で始めたのだ
突然の男の行動に慌てて口を塞いだが声が少し漏れてしまった
ゆっくり指でクロッチ部分を撫でたり、強く押したり…
栞は必死で声を上げないように両手で口を抑えるが、初めての感覚に声は色っぽく漏れてしまう
男性経験のない栞は怖い、気持ち悪いと思う一方、身体は正直でどんどん快楽を拾おうと少しづつ股の間からじわっと、愛液が濡れ始めるのが栞にも男にもわかった。自分の愛撫に感じてくれていると勝手に解釈した男は興奮し鼻息を荒くしながら、さらに激しく撫で続けた。
ようやくアナウンスで栞が降りる最寄り駅が近づいてきた。
栞が少しほっとすると男子に二人組のヒソヒソ話す声が聞こえてしまった。
「なぁ、扉側にいる子なんか、めちゃくちゃエロくない?」
「わかる!!漏れてる吐息が色っぽいよな!!」
「まさか、痴漢されてたりして!」
「バカ、AVの観すぎだろ!!」
そんな会話が聞こえてきて一気に恥ずかしかが込み上げてきた。
まさに痴漢されているこの状況が周りに知られたら、助けを求めないで痴漢のいいようにされている、ただの痴女だと思われるかもと顔を真っ青にして正常な考えが出来なかった。
ついに最寄り駅に着き、栞のいる扉が開こうとしたその時だった
「ひやぁ、っ!!!!」
男の指がクロッチ隙間から入り、直接指が膣の中に触れたのだ。驚いた栞は大きないやらしい声をだしてしまった。
周りの視線が一気に栞の方に向くと同時に扉が開き、栞は後ろにいた痴漢男を突き飛ばし車内から走り出た。
後ろから栞に怒鳴る声が聞こえるが、栞の耳には届いていなかった
「(気持ち悪い、気持ち悪い!!どうして私だけこんな事ばっかり!!)」
泣きたい気持ちをぐっ、と堪えて早く家に帰りたい、その思いでいっぱいだった。走って息を切らしながら、交差点を抜ければ家はすぐだった栞は気持ちが先走り信号を確認していなかった。中央まで走っていてようやく自分が赤信号で渡っていたことに気が着いた。
歩みを一回止めた瞬間、目の前に黒い車があったことに気が着いた時にはもう遅かった。
バンっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!キキィーっ!!!!
車は避けきれず、栞を跳ねて止まった。
地面に叩きつけられた栞の周りには紅い血がどんどん流れていた
「大丈夫か、君!!?今救急車呼ぶからな!!!」
車に乗っていた年配の男性は無事だっのか、栞の安否を確認しに車内からでて栞に近寄った
「(身体のあちこちが痛いけど、声がでない…)」
流れ出る血が温かく感じるが、酷く身体が冷たくなっていく状態に栞は冷静さを取り戻し、自分は死んでしまうと直感した。自分の周りで騒がしく対応してくれている大人たちの声が段々と遠くフェイドアウトするように冷たさと眠りが襲ってきたのだ。
「(こんな人生で終わるなら誰かと恋をしたかっな…)」
死を受け入れる栞に少し後悔が残された。
「(もし生まれ変わるなら、今度は素敵な彼氏ができたらいいなぁ…私の事だけを愛してくれる人が…)」
ゆっくりと瞼を閉じて尽きていく命に身を任せた
「(さよなら世界、さよなら大嫌いな私…)」
そして私は深い眠りについた…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「沙耶ちゃんはいつも可愛いね!」
「沙耶ちゃんは将来、モデルさんか女優さんかな?」
「スタイルいいよねぇ~沙耶」
「俺、来栖が1番可愛いと思う!!」
「「「「栞ちゃんとはちがうよね」」」」
わかってるよ、地味で冴えない私と違っていつもキラキラで誰からも愛される沙耶ちゃんは可愛いってことくらい…欠点なんてないくらい…
いや、欠点は性格の悪さかな…
「沙耶ちゃん!!待って!!」
「………なに?」
「あ、あの、お弁当…朝、おばさんから沙耶ちゃんが忘れてったから届けて欲しいって、頼まれて…」
「だったら、私の机に置いてメモでも伝言でもいいからの遺しときなさいよ!!直接話しかけないでよ!!」
「でも、」
「あんたと話すとイライラするの!!可愛い私が地味でブスなあんたと幼馴染なんて恥ずかしいんだから!!」
「ごめんね…」
「ふんっ!!」
沙耶は栞が持っていたお弁当箱を奪うように引っ張り、その勢いに栞は前に転んだが無視して去っていった。
「あ、せんぱーい♡お昼これからなんですか!?よかったら~、一緒にたべませんか?私毎日、自分でお弁当作ってて~…」
沙耶の前方には好意を寄せる先輩がいた。さっきとガラリと変わり猫撫でるような声で話しかけていた。
「(相変わらずの豹変ぷり…)」
「栞、大丈夫?怪我ない?」
「うん、大丈夫!ありがとう澪ちゃん」
倒れ込んでいた栞の前に駆けつけたのは親友の佐藤澪(サトウミオ)
「まったく、あいつは栞に対して酷い扱いね!!栞も言い返さなきゃ!!」
「でも、地味でブスなのはほんとだし…」
「栞は元はいいはずなんだから、コンタクトにして前髪も短く切れば絶対に可愛くなるから!!ほら、少しむちむちしてるけど全然太ってる訳じゃないし、Eカップの巨乳なんて羨ましいし!!あと、たまに体育終わりとかなーんかエロいん「わぁぁぁあ!!!!!澪ちゃんストップ!!!!ちがうから!!絶対に!!ほら、早く教室行かないと!!お昼休み終わっちゃうよ!!」えー??笑」
澪の声に被せるように慌てて手を引っ張り、顔を真っ赤にしながら自分たちの教室へ向かった。
ちなみに周りにいた男子は栞がEカップだと聞こえて、栞の胸から視線が離せなかったとか…
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午後の最後の授業も終わり、栞たちは帰り支度をしていた。
「澪ちゃんそう言えば、こないだ可愛い雑貨やさんが…」
「ごめん、栞!!!急に拓也が部活が休みになったからデートしようとか言ってて今日は一緒に帰れないんだ…」
「あ、そっか!!…大丈夫だよ!!学校別なんだし、いいと思うよ!!」
「本当にごめんね!!」
「(拓也くんと澪ちゃん仲良いなぁ…)」
栞に謝りつつも嬉しそうな澪をみて羨ましく感じてしまった。
地味な私に彼氏なんてできるのかな…
ずっと一人で孤独な人生を送るのかな…
そう思いネガティブになってると…
「おーい、今日の日直はまだいるかー?」
「あれ?今日の日直って…」
「あ、います!」
廊下から担任の教師が顔を覗かせ、その両腕には重たそうな教材を持っていて日直であった栞を見つけると手招きして呼び出した。
栞は鞄を持ち担任がいる方へ近寄っていった
「悪いな、これから会議があるんだがこの教材を化学準備室に返してきてくれるか?」
「あ、はい…っと、重た」
担任から渡された教材は分厚いものばかりでさらに実験で使う道具が入った小さな箱もあった
「栞大丈夫?私も一緒に持って行こうか?」
「大丈夫だよ、それより拓也くん待ってるだろうから早く行ってあげて」
「おっ、なんだ?なんだ?佐藤は彼氏とデートか?笑」
「先生それセクハラだよ~」
笑いながら澪は担任の腕を軽く叩いた
「まぁ、女子にこの荷物はやっぱり重たいよなぁ…おっ!!橘いい所に!!悪いが高坂と一緒に化学準備室にこれ持っていってくれ」
担任は廊下にいた橘という男子を呼び止め手伝うように頼んだ
「えっ、私一人でも…」
「わかりました」
「えっ!」
「…貸して」
橘という男子はあっさりと引き受け、栞が持っていた重たそうな教材持って代わりに栞は軽めな箱を担任から受け取った
「じゃあ、頼むぞ!!」
「私もそろそろ行くね!栞また明日!!」
「うん…また明日…」
担任と澪は立ち去っていき、残された二人に会話わない
沈黙の中、やけに周りの声がうるさい
「(何か話さないと…)」
黙り込む栞に声を掛けたのは橘のほうだった。
「じゃぁ、行こうか」
「あ、うん…」
橘の後に栞は後を追った。
栞のいる教室から化学準備室までそんなに遠くはないが、会話がない状況からか気まづくていつもより距離が長く感じる。
栞がどうして気まづいかと言うと1ヶ月前に橘から告白され、そして振られたのである…
その時の栞は人生で初の告白をされ、戸惑っていた。
橘とは別のクラスだか委員会が一緒で当番が合う時は少し話す程度だった。顔は整っているほうで優しく真面目で大人しい好青年だ。
嬉しい反面、地味な自分と付き合っていいのかと考えてしまい、返事を保留にしてもらったのだ。橘は快く返事を待ってくれるといった。
初めてのことで親友の澪にも恥ずかしくて相談できずに一週間が過ぎた頃、ようやく決意して返事をしようと思ったときに橘に呼び出されたのだ。
告白の返事を最速されるのかと思ったら予想だにしない答えが橘からでた。
「ごめん、…俺から言ったのにやっぱり付き合うのはなしにして欲しい…」
「え、っあ、そっか……うん、大丈夫…実は私も断ろうと思ってて…」
ちがう、本当は肯定の返事だった
無理やり笑顔を作り橘に話す。否定の答えが出る度に自分がどんどん嫌いになっていく。
「じゃあ、俺行くね」
「…うん」
自分が告白した訳じゃないのに突然振られ、付き合うこともなく終わったことに酷く傷ついた栞は橘が去った後、瞳から涙が溢れでていた。
次の日、クラスの男子の会話で橘と沙耶が付き合った知った。
沙耶は学年一の美人で男子の中で話題が持ち切りだった。
話によると沙耶から告白したらしいと…
「(あぁ、だからか…)」
栞は納得した
地味な私と付き合うよりも可愛い沙耶と付き合うほうがいいよねと…
しかし、二週間後に二人は別れたそうで振ったのも沙耶だった
たまたま告白現場を見た沙耶が面白くないと思い、橘を誘惑し虜にした後告白した。元から橘の事は好きではなく、栞と橘が付き合わなければもう一緒にいるのがない為沙耶からまた振ったのだ。
橘と栞はクラスは違った為、それ以降関わることがなかった。
過去の事を思い出していたらいつの間にか化学準備室の前まできていた。
扉を開け、空いている机に荷物を置いて栞は早くこの場から出ようとした
「待って」
部屋からでた瞬間に橘に呼び止められ、栞は振り返らずにただ立ち止まった。
「俺、やっぱり高坂が「やめて!!!!」」
橘の声を遮るように栞は声を上げた。
はっ、と思い、後ろを振り返って橘の顔を見ると酷く悲しそうな顔だった
そんな顔をみて耐えきれず栞は逃げ出した
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「はぁ、はぁ、…はぁ……ふぅ」
駅までの道のりをずっと走ってきたせいで息が切れていた。
汗で張り付いた前髪を横流してピンで留めて、呼吸を整えているとちょうど電車がやってきた
帰宅ラッシュの時間帯と重なった為か、車内は人が多かった。
栞は車内に乗ると扉側の方を向き横の手すりに捕まった
車内の電子テレビには夕方のニュースが放送され、画面のスクリーンには字幕で『謎のウイルス拡大、欧米で女性感染者多数増加!!』と見出しが映っていた。
数十分乗っていると太ももら辺に違和感があった。
最初は混雑してるからカバンが何かが当たっているのだろうと思ったが、どんどんお尻に近づいてきてそれが人の手だとわかった。
後ろをチラリと見ると太った中年のサラリーマンだった。痴漢されていることに気がついたが前は扉の為逃げ場はなく、次で最寄りの駅だが到着するまでにあと十分ほど時間がかかるし、助けを求めようにも周りは男性しか居らず、恥ずかしくて言えなかった。
「(後十分我慢すれば…)」
栞はそう思い我慢を決めたが、何も言わない栞に気を良くした痴漢男は手をスカートの中に入れて直接お尻を撫で回したり、行為はどんどん激しくなっていった。
「あっ!!、」
痴漢男の手は、栞のクロッチ部分を指で撫で始めたのだ
突然の男の行動に慌てて口を塞いだが声が少し漏れてしまった
ゆっくり指でクロッチ部分を撫でたり、強く押したり…
栞は必死で声を上げないように両手で口を抑えるが、初めての感覚に声は色っぽく漏れてしまう
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ようやくアナウンスで栞が降りる最寄り駅が近づいてきた。
栞が少しほっとすると男子に二人組のヒソヒソ話す声が聞こえてしまった。
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まさに痴漢されているこの状況が周りに知られたら、助けを求めないで痴漢のいいようにされている、ただの痴女だと思われるかもと顔を真っ青にして正常な考えが出来なかった。
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「ひやぁ、っ!!!!」
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後ろから栞に怒鳴る声が聞こえるが、栞の耳には届いていなかった
「(気持ち悪い、気持ち悪い!!どうして私だけこんな事ばっかり!!)」
泣きたい気持ちをぐっ、と堪えて早く家に帰りたい、その思いでいっぱいだった。走って息を切らしながら、交差点を抜ければ家はすぐだった栞は気持ちが先走り信号を確認していなかった。中央まで走っていてようやく自分が赤信号で渡っていたことに気が着いた。
歩みを一回止めた瞬間、目の前に黒い車があったことに気が着いた時にはもう遅かった。
バンっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!キキィーっ!!!!
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「(身体のあちこちが痛いけど、声がでない…)」
流れ出る血が温かく感じるが、酷く身体が冷たくなっていく状態に栞は冷静さを取り戻し、自分は死んでしまうと直感した。自分の周りで騒がしく対応してくれている大人たちの声が段々と遠くフェイドアウトするように冷たさと眠りが襲ってきたのだ。
「(こんな人生で終わるなら誰かと恋をしたかっな…)」
死を受け入れる栞に少し後悔が残された。
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