10 / 17
藤森あやめは農家になる(2)
しおりを挟む
藤森あやめはどんな状況下にあろうと諦めない。常にポジティブであるのが彼女の強みだった。心を乱して後ろ向きになったのは奏太にフラれたあの日だけだ。今でも思い出すと心が沈みそうになるので極力思い出さないようにしていた。
実岡が軽トラを駆り、日の出よりも早くに荷物一式を運び込み、早速共同生活が開始した。
ひとまず荷物を運び込んだあやめは実岡と二人、着替えて外に出る。そろそろ朝でも暑い季節だ、気合を入れて作業しなければ倒れてしまう。
見ると作物たちはもういい色に色づき、収穫できるものができつつある。これはもうまずい状態だった。いや、いい出来なのだが、出荷する場所がないという今の状態を鑑みるとまずい状態だ。
親友のみっちゃんはあやめの同じくらいデキる社会人なので約束通りにカメラマンを連れて実岡農園へとやって来てくれた。畑を見学し、写真を何枚か撮り、そしてインタビューをする。
農園を始めたきっかける、二人で農園をやることになった経緯、実岡農園で収穫できる野菜の特徴。諸々細かく聞き出したみっちゃんは最後にこんな質問をした。
「とても仲睦まじい様子ですけど、ご結婚はいつ頃を予定しているんですか?」
「ええ!?」
「えっ!?」
面食らう二人にみっちゃんはニヤリと含みのある笑顔を向ける。これは仕事ではなくオフの時に見せる顔だ。ずいっと近寄り、あやめに迫った。
「んん?だって、半年間二人で仕事して、倒産した後も一緒に働くことにしたんでしょ?しかも同じ家に住んで?そりゃあいつ結婚するのか気になるところじゃない!」
「いやいやいや」
あやめは首を左右に激しく振った。実岡は顔がタコのように真っ赤になっており、首にかけたタオルで滝のように流れる冷や汗を拭っている。
「そんなんじゃないって、本当に!ねえ実岡さん!」
「あ、ああ」
しどろもどろな二人を前に、パンツスーツ姿が決まっているみっちゃんは不服げな表情になった。
「えーっ、つまんないの。まあいいわ。その話はおいおいということで」
「おいおいも何も……」
反論しようとするあやめにみっちゃんはため息をつき、声を潜めた。
「いいから、あやめはさぁ、能力は高いのに視野が狭すぎんのよね。せっかくなんだからちょっとは意識したらどうなの?実岡さん、いい人そうじゃん、顔だってイケメンの部類だよ」
「まあいい人だけどさ……」
「でしょ?いつまでも昔の恋愛引きずってないで、前を向きなよ、前を!」
言ってあやめの胸を拳で軽くトンっと叩き、「じゃーね、ウェブには一週間以内に上げるから、原稿チェック後でよろしく!」と言って去って行った。
残されたあやめは実岡と顔を見合わせ、笑う。なんとなく空気が気まずい。
「じゃ、残った作業終わらせようか」
「ですね!」
一緒に住むことになり、一晩明けた翌日から実岡はあやめの行動にいちいち度肝を抜かされることになった。
「おはようございます、もうすぐ朝ごはんできますので待っていてください」
「あ、うん、ありがとう」
農家の朝は早い。特に夏近くともなればもはや深夜くらいの時間帯に起き出し、作業に向かうことになる。
というわけでこの「おはようございます」の時間はまだ午前四時だった。
その時間に既に完璧に身支度を整え、パッチリと化粧を施した黒い瞳で実岡を見上げて笑顔で朝食を作るあやめ。トントントン、と規則正しい包丁の音と、出汁と味噌のいい匂い。
実岡は起きたばかりなのでまだ部屋着で寝癖のついた頭のままだった。途端に恥ずかしくなり、そそくさと洗面所に向かう。
「身支度してくる」
「はーい」
自分で言い出したこととはいえ、自分より七歳も年下の女の子と二人暮らしをすることになってしまっている。落ち着かない気持ちで洗面所へと向かうと、既にあやめが持ち込んだ洗濯機は回っていた。洗濯物はプライバシーの観点から個々にすることにしている。置いてある洗剤と柔軟剤が妙に可愛いパッケージだった。
洗面所の鏡に映る自分は、日焼けして浅黒い肌にシミが目立ち始めた顔、水を救う手は爪にこびりついた泥が取れなくて真っ黒な指先をしている。せめて髪型だけでもなんとかしようと、いつもより洗面所の滞在時間が長くなり、髪型を整えたところで結局帽子を被るから意味がないのでは、ということに気がついた。
「「いただきます」」
豆腐とワカメの味噌汁に、ご飯、焼き鮭、だし巻き玉子というザ・日本の朝食といった風な食事を共に取る。
「実岡さん、今日からネットで野菜の販売を始めて見ようと思うんですけど、どうでしょうか」
「ネットでって言うと、楽チン市場とかYahuu!みたいなところに出店するのかい?」
「いえ、飯チョクとかポッケマートとかの販売プラットフォームを使おうかと」
「ああ、そっちか」
ずずーっと味噌汁をすすりながら実岡は答えた。
「でもなぁ、前に登録してやったことあるんだけど、あんまり効果がなかった記憶が」
「実岡さん、みっちゃんの取材効果を忘れてはいけませんよ。本当にすごいんですって」
「そんなにかい?」
「はい、絶対に売れること間違いなしです。あとは私が昔バイトしていた小料理屋に話を持ちかけて見ようと思ってます。そこがダメでも、暖簾分けしたお店で使ってくれるかもしれませんし。朝の作業が終わったら午後からは東京に行ってきてもいいですか?」
「いいけど、大変だから俺も行くよ」
「あ、じゃあ私のローズマリー号に一緒に乗って行きます?」
「あの車か……」
実岡は迷った。あやめの乗る車は激しめのピンク色の外車で、凄まじく目立つ。さりとて実岡の車は跳ねた泥が幾重にもついているミニバンか軽トラの二択である。どちらにしろ都心まで行くのにふさわしい車とは言えない。
「じゃあ、運転は俺がする」
せめてもの男の矜持だ。力強く言うと、あやめは納得したように「はい」と頷いた。
二人して汗だくになりながら午前の畑仕事を終わらせて、シャワーを浴びてスーツに着替える。収穫できた野菜を箱に詰め、それを持って東京へと車を走らせた。
昼過ぎの関越道は日差しが強く、車内にいてエアコンをかけていようと熱中症になりそうなほどだ。
西麻布まで来るとあやめのナビで小道を曲がり、そして一つの店の前で停車する。
あやめはなんのためらいも見せずに粋な暖簾を潜って見るからに高級そうな格子の引き戸を開けた。実岡は野菜の箱を小脇に抱えてついていく。
「らっしゃい。あれ」
「おじさん、お久しぶりです」
「おおー、あやめかぁ、久しぶりだな!」
カウンターのみの小ぢんまりとした小料理屋には、板長と思しき初老の男がカウンター内で一人包丁を研いでいた。シャーッシャーッと鋭利な音が鳴り響いていたがあやめの姿を見るなりその所作を止め、シワが刻まれ始めた顔に喜色を浮かべる。強面の板長だったが笑顔は存外に可愛らしい。
「どうしたんだい、急に。例の彼氏とは結婚したのかい?」
「実はフラれまして」
「なんだ、あやめちゃんをフるなんて見る目のねえ男だな。じゃあ今日は何だ、仕事関係か?例のイタリアンの会社の」
「実は会社は倒産しました」
「倒産しただと?そりゃ難儀だったな。じゃああれか、ここで働きたいってか?あやめちゃんならいつでも歓迎だぜ」
「いえ、実は今、有機野菜を作っているんです。で、会社が倒産しちゃって引取先が無くなってしまったので、ここで使ってもらえないかなぁと」
「お、おお。会わない間に随分いろいろな事があったみたいだな……」
板長の親父はあやめがさらっと明かす事実の数々に面食らいながらも、実岡が差し出した野菜の箱を受け取る。
「丹精込めて育てた有機栽培の野菜たちです。トマト、なす、きゅうり、かぼちゃ。他にも色々と作っていますが、今日採れた野菜がこれだけでして。使ってみて、よければ取引していただけないでしょうか」
板長は箱に綺麗に詰められた野菜を掴み、矯めつ眇めつ眺める。洗ってトマトをひと齧り。きゅうりとナスも味見をする。
「……こりゃいい味にできてるな」
「はい、味には自信があります」
こう答えたのは実岡の方だ。
「土壌から改良し、五年かけて作り上げた野菜たちです。無農薬で育てた野菜の味は、どこに出しても引けを取らない自信があります」
「んんー。ふむ」
首をひねって板長が実岡を見る。
「農家にしちゃあ若いな」
「脱サラして農園を始めました」
「なるほどなぁ」
あやめと実岡を交互に見つめ、板長は手を打った。
「よし、試してみて良かったら仕入れをお願いするよ」
「はい、ありがとうございます!」
「暖簾分けしたお弟子さんの店も回りたいと思っているんだけど、いいかな」
「いいぜ、どんどん行ってくれ。場所教えてやるからよ」
「おじさんありがとう!」
場所を教わったあやめたちはローズマリー号に乗り込み次なる店を目指す。実岡が運転する助手席であやめは明るく言った。
「詰め込む資材や軽トラで運搬する方法があってよかったです。あとは販路を見つけるだけですからね」
「その販路を見つけるのが一番難しいと思うんだけど」
「実岡さん、そんな後ろ向きな発言しちゃダメですよ」
あやめは人差し指を左右に動かした。
「こういう時は、前向きに考えるんです!」
「前向きにね」
運転しながら苦笑を漏らす。確かにその方が気分は明るくなる。
「どうせ問題は一緒なんです。なら少しでも前向きに考えた方が楽しくなりませんか?」
「うん、そうだね」
実岡が軽トラを駆り、日の出よりも早くに荷物一式を運び込み、早速共同生活が開始した。
ひとまず荷物を運び込んだあやめは実岡と二人、着替えて外に出る。そろそろ朝でも暑い季節だ、気合を入れて作業しなければ倒れてしまう。
見ると作物たちはもういい色に色づき、収穫できるものができつつある。これはもうまずい状態だった。いや、いい出来なのだが、出荷する場所がないという今の状態を鑑みるとまずい状態だ。
親友のみっちゃんはあやめの同じくらいデキる社会人なので約束通りにカメラマンを連れて実岡農園へとやって来てくれた。畑を見学し、写真を何枚か撮り、そしてインタビューをする。
農園を始めたきっかける、二人で農園をやることになった経緯、実岡農園で収穫できる野菜の特徴。諸々細かく聞き出したみっちゃんは最後にこんな質問をした。
「とても仲睦まじい様子ですけど、ご結婚はいつ頃を予定しているんですか?」
「ええ!?」
「えっ!?」
面食らう二人にみっちゃんはニヤリと含みのある笑顔を向ける。これは仕事ではなくオフの時に見せる顔だ。ずいっと近寄り、あやめに迫った。
「んん?だって、半年間二人で仕事して、倒産した後も一緒に働くことにしたんでしょ?しかも同じ家に住んで?そりゃあいつ結婚するのか気になるところじゃない!」
「いやいやいや」
あやめは首を左右に激しく振った。実岡は顔がタコのように真っ赤になっており、首にかけたタオルで滝のように流れる冷や汗を拭っている。
「そんなんじゃないって、本当に!ねえ実岡さん!」
「あ、ああ」
しどろもどろな二人を前に、パンツスーツ姿が決まっているみっちゃんは不服げな表情になった。
「えーっ、つまんないの。まあいいわ。その話はおいおいということで」
「おいおいも何も……」
反論しようとするあやめにみっちゃんはため息をつき、声を潜めた。
「いいから、あやめはさぁ、能力は高いのに視野が狭すぎんのよね。せっかくなんだからちょっとは意識したらどうなの?実岡さん、いい人そうじゃん、顔だってイケメンの部類だよ」
「まあいい人だけどさ……」
「でしょ?いつまでも昔の恋愛引きずってないで、前を向きなよ、前を!」
言ってあやめの胸を拳で軽くトンっと叩き、「じゃーね、ウェブには一週間以内に上げるから、原稿チェック後でよろしく!」と言って去って行った。
残されたあやめは実岡と顔を見合わせ、笑う。なんとなく空気が気まずい。
「じゃ、残った作業終わらせようか」
「ですね!」
一緒に住むことになり、一晩明けた翌日から実岡はあやめの行動にいちいち度肝を抜かされることになった。
「おはようございます、もうすぐ朝ごはんできますので待っていてください」
「あ、うん、ありがとう」
農家の朝は早い。特に夏近くともなればもはや深夜くらいの時間帯に起き出し、作業に向かうことになる。
というわけでこの「おはようございます」の時間はまだ午前四時だった。
その時間に既に完璧に身支度を整え、パッチリと化粧を施した黒い瞳で実岡を見上げて笑顔で朝食を作るあやめ。トントントン、と規則正しい包丁の音と、出汁と味噌のいい匂い。
実岡は起きたばかりなのでまだ部屋着で寝癖のついた頭のままだった。途端に恥ずかしくなり、そそくさと洗面所に向かう。
「身支度してくる」
「はーい」
自分で言い出したこととはいえ、自分より七歳も年下の女の子と二人暮らしをすることになってしまっている。落ち着かない気持ちで洗面所へと向かうと、既にあやめが持ち込んだ洗濯機は回っていた。洗濯物はプライバシーの観点から個々にすることにしている。置いてある洗剤と柔軟剤が妙に可愛いパッケージだった。
洗面所の鏡に映る自分は、日焼けして浅黒い肌にシミが目立ち始めた顔、水を救う手は爪にこびりついた泥が取れなくて真っ黒な指先をしている。せめて髪型だけでもなんとかしようと、いつもより洗面所の滞在時間が長くなり、髪型を整えたところで結局帽子を被るから意味がないのでは、ということに気がついた。
「「いただきます」」
豆腐とワカメの味噌汁に、ご飯、焼き鮭、だし巻き玉子というザ・日本の朝食といった風な食事を共に取る。
「実岡さん、今日からネットで野菜の販売を始めて見ようと思うんですけど、どうでしょうか」
「ネットでって言うと、楽チン市場とかYahuu!みたいなところに出店するのかい?」
「いえ、飯チョクとかポッケマートとかの販売プラットフォームを使おうかと」
「ああ、そっちか」
ずずーっと味噌汁をすすりながら実岡は答えた。
「でもなぁ、前に登録してやったことあるんだけど、あんまり効果がなかった記憶が」
「実岡さん、みっちゃんの取材効果を忘れてはいけませんよ。本当にすごいんですって」
「そんなにかい?」
「はい、絶対に売れること間違いなしです。あとは私が昔バイトしていた小料理屋に話を持ちかけて見ようと思ってます。そこがダメでも、暖簾分けしたお店で使ってくれるかもしれませんし。朝の作業が終わったら午後からは東京に行ってきてもいいですか?」
「いいけど、大変だから俺も行くよ」
「あ、じゃあ私のローズマリー号に一緒に乗って行きます?」
「あの車か……」
実岡は迷った。あやめの乗る車は激しめのピンク色の外車で、凄まじく目立つ。さりとて実岡の車は跳ねた泥が幾重にもついているミニバンか軽トラの二択である。どちらにしろ都心まで行くのにふさわしい車とは言えない。
「じゃあ、運転は俺がする」
せめてもの男の矜持だ。力強く言うと、あやめは納得したように「はい」と頷いた。
二人して汗だくになりながら午前の畑仕事を終わらせて、シャワーを浴びてスーツに着替える。収穫できた野菜を箱に詰め、それを持って東京へと車を走らせた。
昼過ぎの関越道は日差しが強く、車内にいてエアコンをかけていようと熱中症になりそうなほどだ。
西麻布まで来るとあやめのナビで小道を曲がり、そして一つの店の前で停車する。
あやめはなんのためらいも見せずに粋な暖簾を潜って見るからに高級そうな格子の引き戸を開けた。実岡は野菜の箱を小脇に抱えてついていく。
「らっしゃい。あれ」
「おじさん、お久しぶりです」
「おおー、あやめかぁ、久しぶりだな!」
カウンターのみの小ぢんまりとした小料理屋には、板長と思しき初老の男がカウンター内で一人包丁を研いでいた。シャーッシャーッと鋭利な音が鳴り響いていたがあやめの姿を見るなりその所作を止め、シワが刻まれ始めた顔に喜色を浮かべる。強面の板長だったが笑顔は存外に可愛らしい。
「どうしたんだい、急に。例の彼氏とは結婚したのかい?」
「実はフラれまして」
「なんだ、あやめちゃんをフるなんて見る目のねえ男だな。じゃあ今日は何だ、仕事関係か?例のイタリアンの会社の」
「実は会社は倒産しました」
「倒産しただと?そりゃ難儀だったな。じゃああれか、ここで働きたいってか?あやめちゃんならいつでも歓迎だぜ」
「いえ、実は今、有機野菜を作っているんです。で、会社が倒産しちゃって引取先が無くなってしまったので、ここで使ってもらえないかなぁと」
「お、おお。会わない間に随分いろいろな事があったみたいだな……」
板長の親父はあやめがさらっと明かす事実の数々に面食らいながらも、実岡が差し出した野菜の箱を受け取る。
「丹精込めて育てた有機栽培の野菜たちです。トマト、なす、きゅうり、かぼちゃ。他にも色々と作っていますが、今日採れた野菜がこれだけでして。使ってみて、よければ取引していただけないでしょうか」
板長は箱に綺麗に詰められた野菜を掴み、矯めつ眇めつ眺める。洗ってトマトをひと齧り。きゅうりとナスも味見をする。
「……こりゃいい味にできてるな」
「はい、味には自信があります」
こう答えたのは実岡の方だ。
「土壌から改良し、五年かけて作り上げた野菜たちです。無農薬で育てた野菜の味は、どこに出しても引けを取らない自信があります」
「んんー。ふむ」
首をひねって板長が実岡を見る。
「農家にしちゃあ若いな」
「脱サラして農園を始めました」
「なるほどなぁ」
あやめと実岡を交互に見つめ、板長は手を打った。
「よし、試してみて良かったら仕入れをお願いするよ」
「はい、ありがとうございます!」
「暖簾分けしたお弟子さんの店も回りたいと思っているんだけど、いいかな」
「いいぜ、どんどん行ってくれ。場所教えてやるからよ」
「おじさんありがとう!」
場所を教わったあやめたちはローズマリー号に乗り込み次なる店を目指す。実岡が運転する助手席であやめは明るく言った。
「詰め込む資材や軽トラで運搬する方法があってよかったです。あとは販路を見つけるだけですからね」
「その販路を見つけるのが一番難しいと思うんだけど」
「実岡さん、そんな後ろ向きな発言しちゃダメですよ」
あやめは人差し指を左右に動かした。
「こういう時は、前向きに考えるんです!」
「前向きにね」
運転しながら苦笑を漏らす。確かにその方が気分は明るくなる。
「どうせ問題は一緒なんです。なら少しでも前向きに考えた方が楽しくなりませんか?」
「うん、そうだね」
0
あなたにおすすめの小説
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。
亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。
しかし皆は知らないのだ
ティファが、ロードサファルの王女だとは。
そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
聖女の座を追われた私は田舎で畑を耕すつもりが、辺境伯様に「君は畑担当ね」と強引に任命されました
さら
恋愛
王都で“聖女”として人々を癒やし続けてきたリーネ。だが「加護が弱まった」と政争の口実にされ、無慈悲に追放されてしまう。行き場を失った彼女が選んだのは、幼い頃からの夢――のんびり畑を耕す暮らしだった。
ところが辺境の村にたどり着いた途端、無骨で豪胆な領主・辺境伯に「君は畑担当だ」と強引に任命されてしまう。荒れ果てた土地、困窮する領民たち、そして王都から伸びる陰謀の影。追放されたはずの聖女は、鍬を握り、祈りを土に注ぐことで再び人々に希望を芽吹かせていく。
「畑担当の聖女さま」と呼ばれながら笑顔を取り戻していくリーネ。そして彼女を真っ直ぐに支える辺境伯との距離も、少しずつ近づいて……?
畑から始まるスローライフと、不器用な辺境伯との恋。追放された聖女が見つけた本当の居場所は、王都の玉座ではなく、土と緑と温かな人々に囲まれた辺境の畑だった――。
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる