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Bistro Gens joyeux、開店します④
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「本日のおすすめはこちら、スモークサーモンのマリネと車海老のガーリックソテー、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。デザートはかぼちゃのクレーム・ブリュレです」
「あらあらあらぁ!」
紫色の髪のおばさまは目を細めてメニューを見ると感心したように息をつく。
「随分お洒落なメニューねえ」
「やっぱり歩ちゃんになって、お店も変わったのかしら?」
「外観も随分綺麗になっていたものねえ」
世代交代の波を感じた三人のおばさま方がそう言うので、一花はにこりと笑って通常メニューを開いた。
「勿論、昔のメニューも残してあります。看板メニューのビーフシチューは当時と変わらない味わいで、私のおすすめです」
「あら、それは安心したわ」
にこりと上品に笑うおばさまは、そのままメニューを眺め始めた。
一花はテーブルを離れ、手を上げている他のお客様の元へと向かう。
店は開店と同時に混雑し、ランチタイムは常連客でごった返した。
初勤務の一花と流歌は慣れないフランス料理店での仕事を懸命にこなしていく。
とはいえ、二人とも飲食店でのバイトというのは経験済みだ。
事前に進藤にフランス料理のなんたるかを聞いて学んでいたので、お客様に料理の内容や、それに合うワインを相談されてもスムーズに答えられた。
次々に入る注文を進藤が流れるような手さばきで調理し、作り上げていく。
徹夜したとは思えないパフォーマンスを発揮する進藤は、いつもの情けない顔つきを浮かべながら猫背気味に俯く様子とは異なり、真剣な顔でハキハキと一花と流歌に指示を飛ばしていた。
「二番テーブル注文のスズキのムニエル、出来たよ。同時にこっちの牛ほほ肉のワイン煮込みも持って行ってくれ」
「はい」
「流歌君、四番テーブルにブルーベリーチーズケーキをふた皿とガトーショコラをひと皿お願いしたい」
「はい」
どんどんと並ぶ料理を流歌と二人掛かりで運んでいく。
「お待たせいたしました、ブルーベリーチーズケーキとガトーショコラです」
「まああ、美味しそう」
「あら、あなたもなかなかいい男ねぇ」
「その髪色、素敵よ」
先ほどのおばさま三人組にデザートを運んで行った流歌がなにやら絡まれているが、持ち前の明るさで流歌は会話に乗っかっていた。
「そうっすか? ありがとうございます。実はこの前までレインボーカラーだったんすけど、ここで働くにあたって色変えたばっかりなんですよ」
「あら、そうなの? 私も次はもっと派手な色にしてみようかしら」
紫色の髪をそっと触りながらおばさまが言うと、流歌が白い歯を見せてニカッと笑う。「きっとお客様ならお似合いになると思いますよ!」
BGMがかかる店内で会話と食事をする音、そして進藤が厨房で調理する音が響く。
客が入ると店は前日までとは打って変わり、とても賑やかだ。かといって決してうるさいわけではない。
店員として客席を縫うように動き回る一花は、料理を運び、開いた皿を回収し、会計をして、食事を終えたお客様を見送った後にまた別のお客様を席へと通す。一緒にシフトに入っているのが流歌であるというのも心強い点だ。
一年の頃から学内外でよく行動を共にしているため、連携はバッチリだった。
しかも今は進藤が頼りになるモードに入っているために非常にやりやすい。
結果、大きなトラブルなく三人は無事に昼の営業を乗り切る事が出来た。
「ありがとうございました」
最後のお客様を見送ると、一旦扉にかけている看板を「Close」に変えてからパタリと閉じる。
ふぅ、と息をついてから皿を下げている流歌の手伝いをした。ワイングラスを手に持って厨房へ行くと、後片付けをする進藤の姿が。
「あらあらあらぁ!」
紫色の髪のおばさまは目を細めてメニューを見ると感心したように息をつく。
「随分お洒落なメニューねえ」
「やっぱり歩ちゃんになって、お店も変わったのかしら?」
「外観も随分綺麗になっていたものねえ」
世代交代の波を感じた三人のおばさま方がそう言うので、一花はにこりと笑って通常メニューを開いた。
「勿論、昔のメニューも残してあります。看板メニューのビーフシチューは当時と変わらない味わいで、私のおすすめです」
「あら、それは安心したわ」
にこりと上品に笑うおばさまは、そのままメニューを眺め始めた。
一花はテーブルを離れ、手を上げている他のお客様の元へと向かう。
店は開店と同時に混雑し、ランチタイムは常連客でごった返した。
初勤務の一花と流歌は慣れないフランス料理店での仕事を懸命にこなしていく。
とはいえ、二人とも飲食店でのバイトというのは経験済みだ。
事前に進藤にフランス料理のなんたるかを聞いて学んでいたので、お客様に料理の内容や、それに合うワインを相談されてもスムーズに答えられた。
次々に入る注文を進藤が流れるような手さばきで調理し、作り上げていく。
徹夜したとは思えないパフォーマンスを発揮する進藤は、いつもの情けない顔つきを浮かべながら猫背気味に俯く様子とは異なり、真剣な顔でハキハキと一花と流歌に指示を飛ばしていた。
「二番テーブル注文のスズキのムニエル、出来たよ。同時にこっちの牛ほほ肉のワイン煮込みも持って行ってくれ」
「はい」
「流歌君、四番テーブルにブルーベリーチーズケーキをふた皿とガトーショコラをひと皿お願いしたい」
「はい」
どんどんと並ぶ料理を流歌と二人掛かりで運んでいく。
「お待たせいたしました、ブルーベリーチーズケーキとガトーショコラです」
「まああ、美味しそう」
「あら、あなたもなかなかいい男ねぇ」
「その髪色、素敵よ」
先ほどのおばさま三人組にデザートを運んで行った流歌がなにやら絡まれているが、持ち前の明るさで流歌は会話に乗っかっていた。
「そうっすか? ありがとうございます。実はこの前までレインボーカラーだったんすけど、ここで働くにあたって色変えたばっかりなんですよ」
「あら、そうなの? 私も次はもっと派手な色にしてみようかしら」
紫色の髪をそっと触りながらおばさまが言うと、流歌が白い歯を見せてニカッと笑う。「きっとお客様ならお似合いになると思いますよ!」
BGMがかかる店内で会話と食事をする音、そして進藤が厨房で調理する音が響く。
客が入ると店は前日までとは打って変わり、とても賑やかだ。かといって決してうるさいわけではない。
店員として客席を縫うように動き回る一花は、料理を運び、開いた皿を回収し、会計をして、食事を終えたお客様を見送った後にまた別のお客様を席へと通す。一緒にシフトに入っているのが流歌であるというのも心強い点だ。
一年の頃から学内外でよく行動を共にしているため、連携はバッチリだった。
しかも今は進藤が頼りになるモードに入っているために非常にやりやすい。
結果、大きなトラブルなく三人は無事に昼の営業を乗り切る事が出来た。
「ありがとうございました」
最後のお客様を見送ると、一旦扉にかけている看板を「Close」に変えてからパタリと閉じる。
ふぅ、と息をついてから皿を下げている流歌の手伝いをした。ワイングラスを手に持って厨房へ行くと、後片付けをする進藤の姿が。
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