異世界転生したのでのんびりスローライフを楽しみます!

レウ

文字の大きさ
3 / 20
無垢の魔女

ギルド登録ってもっとめんどくさいものだと思ってました

しおりを挟む
ギルドへの登録……それがマイホームを見つけるまでの足がかりとなるということを聞いた私は、一人ギルド支部へと向かっていた。

このバーニャの街自体そこまで広い訳では無いので、迷う事もないのだが、初めて見て回るということで少し寄り道なんかもしながら目的地へと向かった。

「アンティークのお店可愛かったなぁ……後でもう一度よってみようかな?」

そんなふうに考えながら歩いているとあっという間にギルド支部へとたどり着いていた。

「ここが……あれ?入り口は??」

見渡す限りどこにも入り口がなく、私はオロオロするしかなかった。

「……もしかして、ギルドの人しか知らない入り口があるとか?ここらへんに……」

「おいお前……何してんだ?」

いきなり声をかけられたので驚いて振り向くとそこには怖い顔の女の人がいた。

耳のとんがったいわゆるハーフなのだろう……とか、呑気なことを考えている暇はない、なぜか相手は不審者に対するような雰囲気で……あ、そりゃ自分のギルド前で穴掘ってる人いたら不審者に見えるよね。

「何をしてると聞いている!」

「あ、あの……私実はかくかくしかじかで!」

「なるほど理解した……であれば私が案内しよう」

理解出来たんだ……。

「私の名前はリィエル、お前は?」

「私はペトラ・バレンタイン!」

「ほう、工場設置日が名前にあるとは……なかなかイカすな?」

疑ってたわけじゃないけれど、ホントに工場設置日だったんだ……バレンタイン。

「私はただのリィエル……苗字と呼ばれるものがないからな、少し羨ましい」

「リィエルさん……」

「なんてな?ギルドメンバー登録だろ?さっさと済ませちまおう」

私に気を使わせない為か、リィエルさんは元気に振舞って見せた。

この世界でも人間は元気に生きている……それは、多分元いた世界以上にみんなイキイキとしていて、そしてみんな何かと戦っている……。

なーんて?

「ほら、ここだ」

「ここは……」

「ギルド……バーニャ支部だ」

ギルド支部の建物の裏にあった鏡を2回撫でることにより現れた回廊を進むと現れたのは、木造のレトロ……という表現が適しているのだろうか?

そんな、いい感じに落ち着いた雰囲気のギルド内部だった。

「わぁ……なんだか、イイ感じですね!」

「そうだろうそうだろう!ここは私のセンスで仕上げている!」

「あなたが?……もしかして、リィエルさんはここのマスターさんですか?」

「いや、私はマスターじゃない、それに支部にはマスターはいなくてな?リーダーと呼ばれる存在が1人だけいるんだ」

「へぇ!」

リーダーさん……どんな人だろう?

そして、早くのんびりできるマイホームを手に入れたい……。

「あいにくのことリーダーも今は留守のようだな?仕方ない私が登録しておいてやる」

「ありがとう!」

「し、しかたないからな!別にお前が特別という訳では無いんだ!だから、そんな可愛い嬉しそうな顔をするな!」

「えっと……ありがとう?」

お礼を言ったら褒められた気がしたので、とりあえず、またお礼を言っておくことにした。

「こっちだ!こっちへ来い!」

「え?ちょっ、早いですよーリィエルさーん!!」



                            ♢♢♢



「さて、これで登録自体は完了だ……が、しかしだ」

「ん?」

「お前……どうやったらあんなスコアが叩き出せるんだ?」

「え、えっと……私はその、この紙に書かれてる呪文を唱えただけで……」

「あのなぁ……」

リィエルさんは若干キレ気味に机をどんと叩いて叫んだ。

「全ステータスオールSは普通ありえないんだよ!」

「お、落ち着いて!」

リィエルさんの声でビビってギルドにいた人のほとんどが飛び上がっちゃったよ!

でも、その中にも何人かは耳を済ませて聞いてる……そんなに凄いことなのかな?

「えっと……リィエルさん?」

「なんだ!」

「え、えっと……オールSってどれくらい凄いの?」

「そうだな……例えるなら」

「例えるなら?」

「小石片手に巨神トールを狩るくらいだな」

そのトールという存在がなんなのかは分からないが、オールSというものがどれほどのものなのかはよく分かった私だった……。

「でも、他にもいるんでしょう?」

「いや、聞かないな……オールSというのならこんなに小さな街であっても耳にくらいはするはずだしな」

「そ、そんなに……あれ?」

「どうした?」

「私なんでオールSなんかになってるの?」

「しらねぇよっ!私が聞きたいくらいだ!」

私別にモンスターを狩りまくったわけじゃないし……倒したとしてスライム……いやでも、それだけじゃ無理だよね?うんうん!ムリムリ!

「神の加護持ちじゃねぇとこんなのありえないな……」

「神の加護??」

「あぁ、たまにすごい加護を持った状態で生まれてくる子供がいるんだ」

「加護……って言うと特殊能力みたいな?」

「ちょっと違うな、特殊能力は鍛錬によって身につけることが出来るもののことだ」

「つまり、加護はその逆で何もしなくても元からあるものってこと?」

「そうそう、そういや、お前のステータス調べる時にスキルとかは見てなかったな?」

「そう言えば!」

ステータスオールSという話題で全く目が向かなかったスキルの欄……果たして何があるのか!

「えっと、なになに?……火炎、氷結、雷撃、地割れ、植物成長、人外対話、解毒、解呪、追跡、ステルス、アルケミスト、飛行、破壊、強化、強制行動、結界作成、魔法創造……はああああああああああああああああああああああああああああ!?」

「リィエルさん!?どうしたんですか!?」

「いや、お前!何だこのスキルは!!」

「えっと、なにかまずいものでも?」

「そういう訳じゃなくて、このスキルの量をどうやって覚えたんだ!?しかも全部遺産級のスキルだぞ!?」

「遺産級??」

また、新しいワード……ほんと、覚えることが多すぎて楽できないな……異世界。

「魔法にはその強さに応じて階級が存在してな?まず……」

見にくくなるので私が説明すると、魔法には弱い順に

・下位魔法
・上位魔法
・究極魔法
・壊滅級魔法
・遺産級魔法

というものがあるらしく、私の魔法は全てがその遺産級魔法に属しているらしい。

「お前……なんでそんなに強いんだよ!?なぁ!」

「し、知りません……」

「ああもう!このギルド最強は私だと思ってたんだが……こうなったら仕方ねぇ……ん!」

「え?なに?」

「ほら、早く言ってくれ!」

何を?と私が聞き返すとリィエルさんは

「お前そんなことも知らないのか?」

と、このギルドのルールのようなものを教えてくれた。

「このギルドでは以前より実力が一番高いものは入ってきた新人に実力で抜かされたら相手の些細な願いを叶える決まりなんだ」

「えぇ……でも、それ実際戦ってみないとわからなく無いですか?」

「よし!なら戦おうか!」

「いやです……絶対戦ったら痛いじゃないですか」

「えぇ」

私は異世界に来たからと言って戦ったり、人を傷つけたいとは思わない。

別に世界が変わっただけなのだ、のんびりしたいと私は考えている。

「その、些細な願いというものをあなたに聞いてもらえれば私は別に戦わなくていいんですよね?」

「え?まぁ……そうなるな……」

「なら、家をください」

「家?……そんなものでいいの?」

「むしろ望むところです」

「んー……まぁ、決まりだしなー、本人が望むならそれでいいよ」

どうも、些細なものかどうかは叶える側の価値観らしい。

絶対家を求められることが些細なわけないのだから。

「んで、家を手に入れてどうするつもりだよ?」

「住みますけど?」

「そうじゃない、何を成すかという事だ」

「ああ……なんだそんなことでしたか」

私には家を手に入れてやりたい明確な理由があった。

それは、誰かに邪魔されたからと言ってやめる気もなく、止められても続けていける自信がある。

人間ならば絶対望んでいる事だと思う。

「1日中ゴロゴロのんびり……ほのぼのスローライフを満喫します」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【読切短編】転生したら辺境伯家の三男でした ~のんびり暮らしたいのに、なぜか領地が発展していく~

Lihito
ファンタジー
過労死したシステムエンジニアは、異世界の辺境伯家に転生した。 三男。継承権は遠い。期待もされない。 ——最高じゃないか。 「今度こそ、のんびり生きよう」 兄たちの継承争いに巻き込まれないよう、誰も欲しがらない荒れ地を引き受けた。 静かに暮らすつもりだった。 だが、彼には「構造把握」という能力があった。 物事の問題点が、図解のように見える力。 井戸が枯れた。見て見ぬふりができなかった。 作物が育たない。見て見ぬふりができなかった。 気づけば——領地が勝手に発展していた。 「俺ののんびりライフ、どこ行った……」 これは、静かに暮らしたかった男が、なぜか成り上がっていく物語。

異世界に転生!? だけどお気楽に暮らします。

辰巳 蓮
ファンタジー
「転生して好きに暮らしてください。ただ、不便なところをちょっとだけ、改善していってください」 とゆうことで、多少の便宜を図ってもらった「ナッキート」が転生したのは、剣と魔法の世界でした。 すいません。年表書いてたら分かりにくいところがあったので、ちょっと加えたところがあります。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...