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無垢の魔女
遠くてとても近くにある魔王っていう絶望の話
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「無垢の魔女の称号なんていりません、私はただ……スローライフを満喫したいだけなんです!」
その発言以降城内はざわめきに包まれた。
王様の近くに座っていたお姫様はオロオロして、兵士たちは近くにいる同志とひそひそと話している。
「なぜじゃ?なぜそのような力があるのに戦おうと思わん……わしには理解出来んな」
「えっと、力があってもなくても私は変わらないと思いますよ?力が無ければ知恵を駆使して、知恵がなければ力でどうにか……そんなスローライフをどんな立場でも送ると思います」
「うーむ、意思は固いな……じゃが、少しだけ考えてくれんか?」
「なにをです?」
「お主がこの称号を得てさえくれれば、それを聞きつけたモンスターや盗賊は、下手に手出しをせんようになる……そうなればお主がいてくれるだけでこの国は平和になるというわけじゃ」
確かに……そういう捉え方もできると思う。
実際私も仮にジャンケンで絶対に誰にも負けないと決まっている人がこの世にいたら私はその人に勝負を挑まないだろう。
それと一緒……ただ、いてくれるだけでいい……そういう番犬のような役割。
「でも、やっぱり私みたいなのがいても戦いに来る人はいるんでしょう?嫌ですよ私そんなの相手にするのは」
「うむ、お主が嫌がるのもわからんではない、そういった輩は時として手段を選ばない……そう、魔王のように」
うわぁ……やっぱり最強って存在に挑むような人がいるんだ……。
私断る材料として切り出したのに……ってあれ?
魔王?魔王……って……。
「魔王!?」
「いかにも、魔王とはこの世界の滅亡を企て、我ら人類を虫けら同然に蹴飛ばす卑劣な存在じゃ」
「そんなモンスターが……今まで倒そうとした人はいないんですか?」
「いるが……あのスキルの前ではな……」
「あのスキル?」
攻撃完全無効化……とか、大量のアンデッドを生み出すとか……そんな、とんでもない強スキルなのだろうか?
「あぁ、奴のスキルは《天災》……ディザスターと言ってな?」
「いかにも強そうな……」
「それを食らったものは悶え苦しみ……」
「ごくり」
「トイレへ駆け込むという」
「いや、それお腹壊してるだけですよね?」
天災って言うくらいだから、雨を降らせたり雷を落としたり、日光で何もかもを干上がらせたり……そんな、恐ろしいことを考えていたのに。
お腹を壊す程度なんて……。
「そんなんでよく討伐されませんでしたよね……」
「何をいう?そのスキルは使い方によってはすごい手ごわいものとなるのだ……そのせいで兵士の半数以上が……」
「あ……」
「今もまだ訓練の間にトイレへ行かなくてはならない体に……」
「最悪の場合を想定してたのでそのオチは別にやばいとは思えませんね」
だが、ひとつの王国に多大な損害をもたらしたのは事実だ。
ここはやはり、私が番犬の役割を果たして、戦わずして国を守るしか……。
「であれば、私称号を頂きます……それでみんな救えるのなら」
「おおおおお!!本当か!?いやぁ、良かった良かった!」
「ここまで喜んでくれると引き受けた甲斐を感じますね」
つまるところ私は何もしなくていいのだから、別にそこまで感謝されると私しては少し罪悪感が芽生えるのだ。
「それで……称号を頂いたのはいいのですが、これからの生活にどんな影響があるのか……それをお聞かせ願えますか?」
「なあに、たまにモンスターをすればいいだけだ」
「ほっ……」
「そして、たまに来る魔王の幹部を倒せばいいだけじゃ……」
「……」
この王様に初めて殺意が芽生えた瞬間だった。
え?幹部を倒す??なにそれ?
「王様……失礼承知で申し上げてもいいですか?」
「かまわん、申してみよ」
「幹部を倒すのだけは無視してちゃダメですか?」
その発言以降城内はざわめきに包まれた。
王様の近くに座っていたお姫様はオロオロして、兵士たちは近くにいる同志とひそひそと話している。
「なぜじゃ?なぜそのような力があるのに戦おうと思わん……わしには理解出来んな」
「えっと、力があってもなくても私は変わらないと思いますよ?力が無ければ知恵を駆使して、知恵がなければ力でどうにか……そんなスローライフをどんな立場でも送ると思います」
「うーむ、意思は固いな……じゃが、少しだけ考えてくれんか?」
「なにをです?」
「お主がこの称号を得てさえくれれば、それを聞きつけたモンスターや盗賊は、下手に手出しをせんようになる……そうなればお主がいてくれるだけでこの国は平和になるというわけじゃ」
確かに……そういう捉え方もできると思う。
実際私も仮にジャンケンで絶対に誰にも負けないと決まっている人がこの世にいたら私はその人に勝負を挑まないだろう。
それと一緒……ただ、いてくれるだけでいい……そういう番犬のような役割。
「でも、やっぱり私みたいなのがいても戦いに来る人はいるんでしょう?嫌ですよ私そんなの相手にするのは」
「うむ、お主が嫌がるのもわからんではない、そういった輩は時として手段を選ばない……そう、魔王のように」
うわぁ……やっぱり最強って存在に挑むような人がいるんだ……。
私断る材料として切り出したのに……ってあれ?
魔王?魔王……って……。
「魔王!?」
「いかにも、魔王とはこの世界の滅亡を企て、我ら人類を虫けら同然に蹴飛ばす卑劣な存在じゃ」
「そんなモンスターが……今まで倒そうとした人はいないんですか?」
「いるが……あのスキルの前ではな……」
「あのスキル?」
攻撃完全無効化……とか、大量のアンデッドを生み出すとか……そんな、とんでもない強スキルなのだろうか?
「あぁ、奴のスキルは《天災》……ディザスターと言ってな?」
「いかにも強そうな……」
「それを食らったものは悶え苦しみ……」
「ごくり」
「トイレへ駆け込むという」
「いや、それお腹壊してるだけですよね?」
天災って言うくらいだから、雨を降らせたり雷を落としたり、日光で何もかもを干上がらせたり……そんな、恐ろしいことを考えていたのに。
お腹を壊す程度なんて……。
「そんなんでよく討伐されませんでしたよね……」
「何をいう?そのスキルは使い方によってはすごい手ごわいものとなるのだ……そのせいで兵士の半数以上が……」
「あ……」
「今もまだ訓練の間にトイレへ行かなくてはならない体に……」
「最悪の場合を想定してたのでそのオチは別にやばいとは思えませんね」
だが、ひとつの王国に多大な損害をもたらしたのは事実だ。
ここはやはり、私が番犬の役割を果たして、戦わずして国を守るしか……。
「であれば、私称号を頂きます……それでみんな救えるのなら」
「おおおおお!!本当か!?いやぁ、良かった良かった!」
「ここまで喜んでくれると引き受けた甲斐を感じますね」
つまるところ私は何もしなくていいのだから、別にそこまで感謝されると私しては少し罪悪感が芽生えるのだ。
「それで……称号を頂いたのはいいのですが、これからの生活にどんな影響があるのか……それをお聞かせ願えますか?」
「なあに、たまにモンスターをすればいいだけだ」
「ほっ……」
「そして、たまに来る魔王の幹部を倒せばいいだけじゃ……」
「……」
この王様に初めて殺意が芽生えた瞬間だった。
え?幹部を倒す??なにそれ?
「王様……失礼承知で申し上げてもいいですか?」
「かまわん、申してみよ」
「幹部を倒すのだけは無視してちゃダメですか?」
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