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眠り姫は夢の中
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「うーん……黒いモヤ、か」
魔女から不吉な話を聞いた国王は、ため息混じりに呟いた。
どうやら、この水晶に映っている金髪の青年は、テスの人生に大きく関わる人物、らしいのだが。
どうにも、親近感を覚えてならない。
金色の髪に緑色の宝石のような瞳は、テスと似てるような似てないような……そんな気がしてならない。
「確か……昔、地上に住み着いた王族がいなかったかな?」
かすかな記憶をたどり、そんな話をふと思い出す。
国王は魔法の力で本棚から一冊の本を引き寄せると、パラパラとめくる。
王家の歴史が記されている本だ。
「……そういえば、よく見てみると似ておられる」
魔女がハッとしたように言う。
「ああ、これだ。
……そうだね。彼はクラスタを出て、地上の女性と駆け落ちした、と。なるほど」
当時の写真と水晶の金髪の男を見比べてみる。
……よく似ている。
「もしかしたら、彼の子孫かな?」
「確実とは言えませんが、おそらく」
緑色の瞳は、クラスタ王家しか持っていない。
仮にそうだとして、彼がテスの人生にどうして関わってくるのか。
国王が窓から庭園の方を見てみると、テスがベンチに座って侍女のリリーとララと共に楽しげに話をしているようだ。
テスはあと数日で、18になる。
「参ったな……。まだ、地上と行き来できる方法が見つかっていないというのに」
「そういえば長老のジジイどもの話は鵜呑みにしないよう」
「ん?」
「姫様のお相手は、黒髪の……この青年です」
魔女がそう言って国王に水晶を見せる。
目つきの悪い、なんだか怖い雰囲気の青年……ジャックが映っており、国王は固まってしまう。
「……了解。まぁそんなことだろうとは思ってたんだよ。あの茶髪の青年は、テスが全然興味なさそうだったしさ」
長老たちは悪い人ではないのだが、思い込みが激しいというかなんというか。
まぁ、この黒髪の青年を見てみれば仕方ないのかもしれない。
国王である自分ですら、なんだか近寄りがたい。
「この黒髪の青年、どうやら飛空船とやらを造っているようで」
「……飛空船?」
「空を飛ぶ船とでもいいますか」
飛空船という言葉は聞いた事がある。
確か、テスが話していたはずだ。
『いつかジャックが飛空船で迎えに来てくれるって約束したの!』、と。
夢の中で友達と約束したのだと嬉しそうに話していたテス。
夢の話ということで、あまり真剣に聞いていなかったのだが……。
「……そうか。テスは、もう会ってるのか」
運命の赤い糸で結ばれた相手に。
幼い頃から、もう知り合っていたのだろう。
嬉しそうに話すテスは、とても、とても嬉しそうだった。
「早く教えてあげよう! きっと喜ぶよ」
と、その時。
ガチャリ、とドアが開く音がした。
国王と魔女がドアへ視線を向けると、
「た、大変です陛下!! 姫様が、姫様が!!」
先ほどまで庭園でテスといたはずのリリーが、血相を変えてやってきたのだった。
「姫様が急に意識を失われて……!」
魔女から不吉な話を聞いた国王は、ため息混じりに呟いた。
どうやら、この水晶に映っている金髪の青年は、テスの人生に大きく関わる人物、らしいのだが。
どうにも、親近感を覚えてならない。
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「確か……昔、地上に住み着いた王族がいなかったかな?」
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当時の写真と水晶の金髪の男を見比べてみる。
……よく似ている。
「もしかしたら、彼の子孫かな?」
「確実とは言えませんが、おそらく」
緑色の瞳は、クラスタ王家しか持っていない。
仮にそうだとして、彼がテスの人生にどうして関わってくるのか。
国王が窓から庭園の方を見てみると、テスがベンチに座って侍女のリリーとララと共に楽しげに話をしているようだ。
テスはあと数日で、18になる。
「参ったな……。まだ、地上と行き来できる方法が見つかっていないというのに」
「そういえば長老のジジイどもの話は鵜呑みにしないよう」
「ん?」
「姫様のお相手は、黒髪の……この青年です」
魔女がそう言って国王に水晶を見せる。
目つきの悪い、なんだか怖い雰囲気の青年……ジャックが映っており、国王は固まってしまう。
「……了解。まぁそんなことだろうとは思ってたんだよ。あの茶髪の青年は、テスが全然興味なさそうだったしさ」
長老たちは悪い人ではないのだが、思い込みが激しいというかなんというか。
まぁ、この黒髪の青年を見てみれば仕方ないのかもしれない。
国王である自分ですら、なんだか近寄りがたい。
「この黒髪の青年、どうやら飛空船とやらを造っているようで」
「……飛空船?」
「空を飛ぶ船とでもいいますか」
飛空船という言葉は聞いた事がある。
確か、テスが話していたはずだ。
『いつかジャックが飛空船で迎えに来てくれるって約束したの!』、と。
夢の中で友達と約束したのだと嬉しそうに話していたテス。
夢の話ということで、あまり真剣に聞いていなかったのだが……。
「……そうか。テスは、もう会ってるのか」
運命の赤い糸で結ばれた相手に。
幼い頃から、もう知り合っていたのだろう。
嬉しそうに話すテスは、とても、とても嬉しそうだった。
「早く教えてあげよう! きっと喜ぶよ」
と、その時。
ガチャリ、とドアが開く音がした。
国王と魔女がドアへ視線を向けると、
「た、大変です陛下!! 姫様が、姫様が!!」
先ほどまで庭園でテスといたはずのリリーが、血相を変えてやってきたのだった。
「姫様が急に意識を失われて……!」
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