9 / 33
【第二章】利の配置
8 : 統合型戦術演習 ー前編ー
しおりを挟む
部屋の灯りはまだ落ちていなかった。
ルクスはベッドの上で、演習用装備と携行物の点検をひととおり終えると、荷物を横に、演習資料に手を伸ばす。
カスパルもまた、自分のベッドの上で端末に目を通していた。手にしているのは、演習とは別任務の資料だろう。
「明日は、別任務でそっちの演習は出られないけど……君なら、ちゃんとやれる」
声は、ルクスの力みや焦りを見透かしたような、落ち着いた響きだった。
「ただ、何かが起きたときに、どこまで従うかは決めておいたほうがいい」
ルクスは少し考えて、言葉を選ぶように答えた。
「従わない……って選択も、ありってこと?」
カスパルは目線を上げ、わずかに笑う。
「さあ。……どう従うか、かもしれない」
淡々と、カスパルは資料を閉じ、端末を脇へ置いた。
そのまま手を伸ばして、枕元の灯りを落とす。
ルクスもそれにならい、演習用にまとめた荷物と資料を片付けると、枕元の灯りを落とした。
部屋に静かな夜の気配が満ち、ふたりはそれぞれの眠りについた。
演習当日、空はよく晴れていた。
小隊規模の演習とはいえ、構成された顔ぶれは、各科から選抜された者たちで固められている。
実戦さながらの緊張感があった。
この演習の目的は、護衛対象を守りつつの進行と、敵方との遭遇からの撤退行動の実地訓練。
今回は、護衛対象として、情報科と戦術支援科の非戦闘職の候補生がふたり参加している。
ふたりとも演習仕様の軽装だった。
ルクスは演習用の装備に身を包み、副補佐として部隊の後衛寄りに配置されていた。
主指揮官のエリオは、前方の斜面の中腹に立ち、地図と現在地を照合しながら、進行ルートの指示を出していた。
序盤の進行は順調だった。
予定されたルートを、用心深く進みながら、地形の変化に応じて随時、配置と歩調を調整していく。
エリオの指示は簡潔で的確だった。
彼の目は常に全体を見ていて、決して前のめりにならない。
その進行のなかで、ルクスも必要に応じて動き、情報の伝達と連携をスムーズに整えていく。
穏やかな進行が続いていた中で、突然の事態が起きた。
山道の脇を進んでいたとき、護衛対象の候補生ふたりが、緩んだ地盤に足をとられ、体勢を崩した勢いのまま斜面を滑り落ちた。
「落下は約八メートル!骨折や負傷の可能性あり!」
すぐに報告の声が飛び、部隊が足を止める。
斜面の下に取り残されたふたりは、まだ意識があり、軽く手を振って合図を送ってきていた。だが、足場の不安定さと、すでに敵方の展開エリアに近づいている状況を考えれば、救助に向かうのはリスクが高かった。
「戻って保護すべきでは……!」
副指揮官の候補生が声を上げた。
その声を、エリオが遮る。
「戦術的価値は低い。全体の動きを変更するには足りない。……この場での利は、戦力を維持したまま撤退することだ」
その声音は、あくまで冷静で、冷徹だった。
判断としても、間違っていない。
ーーその判断は、正しい。……正しい、けど……
反論を口にはしなかった。
今のルクスに許されていることは、命令に従うことーーどう従うか、を選択すること。
ルクスは、あくまで副補佐としての範囲を保ったまま、自分にできる選択を模索した。
命令違反はーーしない。
隊列から離脱もーーしない。
指揮系統はエリオに一任されている。
だが、撤退ルートの再編成については、現場の状況に応じて副補佐の意見が取り入れられる部分も多い。
「……撤退ルートについてですが、敵との接触は避けられない状況です。ですが、このルートであれば遮蔽物が多く、視界の確保もしやすい」
ルクスは、地図の一点を指し示しながら続けた。
「もし視認された場合でも、排除行動に移りやすい地形です。戦力の損失を抑える意味でも、有効かと」
エリオは、示されたルートを一瞥する。
地形としての利点はたしかにあり、撤退の妨げにはならない。
それは、彼自身の、利を取る、という判断とも、正面から矛盾しない選択肢だった。
しかし、そのルートは、斜面下に取り残されたふたりの候補生に、最も近づける位置でもあった。
同様の条件を満たす候補ルートは他にもあった。
それでもルクスは、あえてその一本を選び、提示したのだ。
エリオは、一瞬、確認するようにルクスの目を見ると、静かに頷いた。
「……いいだろう。全体をそちらに誘導する。撤退態勢をとれ」
それ以上、何も言わなかった。
敵役の展開部隊が姿を現したのは、まさに部隊の進行ルート上だった。
小規模ではあるが、訓練とは思えぬ動きの鋭さを持った一隊。
それを正面から迎えるかたちで、演習部隊の撤退行動が開始された。
「先行班、左斜面から回り込め。中央は俺が押さえる」
エリオは低く指示を飛ばしながら、指揮位置を前へと移す。
そして、敵が一線に入る瞬間ーーエリオの掌が、ひとつ、空をなぞった。
エリオの能力〈支配域〉が発動された。
地盤の緩さを考慮し、空間そのものに圧をかけるのではなく、発動領域に触れた人体にのみかかるよう調整された、重さのない圧。
敵の動きがわずかに鈍る。
反応の遅延、それによる判断の誤差を狙う使い方だった。
「一掃する。……前を開けろ」
低く響く声とともに、エリオが立つ位置から前方に向けて、見えない力の線が走った。
やや後方に位置していたルクスは、周囲が前方の敵に意識が向いている隙を狙って、動いた。
敵とエリオを結んだ直線上に自身を置きーールクスは、迷いなく自らの能力を発動する。
〈神経投射〉の裏の使い方ーー対象の意識に直接干渉する、侵入系の使い方。
本来は、対象との距離や相性、必要とする集中力やかかる負荷の高さといった制限が大きい。
しかし、今、その制限を大幅に広げられる条件が揃っている。
ーー今なら、あそこまで届けば……!
ルクスが伸ばした〈神経投射〉は、前方の〈支配域〉の発動起点に到達した瞬間に、滑り込むように〈支配域〉に紛れ込んだ。
エリオの〈支配域〉という大きな流れに乗せることで、本来なら届かない範囲での干渉を可能にした。
敵役の数名が、明らかな意識の混乱を起こす。
進行ルートを塞いでいた布陣が大きく乱れ、味方の突破口は易々と開かれた。
撤退ルートの追撃態勢を整えるにも時間を要するだろう。
「この状況であれば、護衛対象の二名も回収できるのでは……!」
思わず声を上げたのは、副指揮官の候補生だった。
「可能だ。隊列を乱さず、対象二名の回収にまわれ」
エリオの声は淡々としていたが、その判断は驚くほど速かった。
まるで、最初からこの事態を見越していたかのように。
ルクスはベッドの上で、演習用装備と携行物の点検をひととおり終えると、荷物を横に、演習資料に手を伸ばす。
カスパルもまた、自分のベッドの上で端末に目を通していた。手にしているのは、演習とは別任務の資料だろう。
「明日は、別任務でそっちの演習は出られないけど……君なら、ちゃんとやれる」
声は、ルクスの力みや焦りを見透かしたような、落ち着いた響きだった。
「ただ、何かが起きたときに、どこまで従うかは決めておいたほうがいい」
ルクスは少し考えて、言葉を選ぶように答えた。
「従わない……って選択も、ありってこと?」
カスパルは目線を上げ、わずかに笑う。
「さあ。……どう従うか、かもしれない」
淡々と、カスパルは資料を閉じ、端末を脇へ置いた。
そのまま手を伸ばして、枕元の灯りを落とす。
ルクスもそれにならい、演習用にまとめた荷物と資料を片付けると、枕元の灯りを落とした。
部屋に静かな夜の気配が満ち、ふたりはそれぞれの眠りについた。
演習当日、空はよく晴れていた。
小隊規模の演習とはいえ、構成された顔ぶれは、各科から選抜された者たちで固められている。
実戦さながらの緊張感があった。
この演習の目的は、護衛対象を守りつつの進行と、敵方との遭遇からの撤退行動の実地訓練。
今回は、護衛対象として、情報科と戦術支援科の非戦闘職の候補生がふたり参加している。
ふたりとも演習仕様の軽装だった。
ルクスは演習用の装備に身を包み、副補佐として部隊の後衛寄りに配置されていた。
主指揮官のエリオは、前方の斜面の中腹に立ち、地図と現在地を照合しながら、進行ルートの指示を出していた。
序盤の進行は順調だった。
予定されたルートを、用心深く進みながら、地形の変化に応じて随時、配置と歩調を調整していく。
エリオの指示は簡潔で的確だった。
彼の目は常に全体を見ていて、決して前のめりにならない。
その進行のなかで、ルクスも必要に応じて動き、情報の伝達と連携をスムーズに整えていく。
穏やかな進行が続いていた中で、突然の事態が起きた。
山道の脇を進んでいたとき、護衛対象の候補生ふたりが、緩んだ地盤に足をとられ、体勢を崩した勢いのまま斜面を滑り落ちた。
「落下は約八メートル!骨折や負傷の可能性あり!」
すぐに報告の声が飛び、部隊が足を止める。
斜面の下に取り残されたふたりは、まだ意識があり、軽く手を振って合図を送ってきていた。だが、足場の不安定さと、すでに敵方の展開エリアに近づいている状況を考えれば、救助に向かうのはリスクが高かった。
「戻って保護すべきでは……!」
副指揮官の候補生が声を上げた。
その声を、エリオが遮る。
「戦術的価値は低い。全体の動きを変更するには足りない。……この場での利は、戦力を維持したまま撤退することだ」
その声音は、あくまで冷静で、冷徹だった。
判断としても、間違っていない。
ーーその判断は、正しい。……正しい、けど……
反論を口にはしなかった。
今のルクスに許されていることは、命令に従うことーーどう従うか、を選択すること。
ルクスは、あくまで副補佐としての範囲を保ったまま、自分にできる選択を模索した。
命令違反はーーしない。
隊列から離脱もーーしない。
指揮系統はエリオに一任されている。
だが、撤退ルートの再編成については、現場の状況に応じて副補佐の意見が取り入れられる部分も多い。
「……撤退ルートについてですが、敵との接触は避けられない状況です。ですが、このルートであれば遮蔽物が多く、視界の確保もしやすい」
ルクスは、地図の一点を指し示しながら続けた。
「もし視認された場合でも、排除行動に移りやすい地形です。戦力の損失を抑える意味でも、有効かと」
エリオは、示されたルートを一瞥する。
地形としての利点はたしかにあり、撤退の妨げにはならない。
それは、彼自身の、利を取る、という判断とも、正面から矛盾しない選択肢だった。
しかし、そのルートは、斜面下に取り残されたふたりの候補生に、最も近づける位置でもあった。
同様の条件を満たす候補ルートは他にもあった。
それでもルクスは、あえてその一本を選び、提示したのだ。
エリオは、一瞬、確認するようにルクスの目を見ると、静かに頷いた。
「……いいだろう。全体をそちらに誘導する。撤退態勢をとれ」
それ以上、何も言わなかった。
敵役の展開部隊が姿を現したのは、まさに部隊の進行ルート上だった。
小規模ではあるが、訓練とは思えぬ動きの鋭さを持った一隊。
それを正面から迎えるかたちで、演習部隊の撤退行動が開始された。
「先行班、左斜面から回り込め。中央は俺が押さえる」
エリオは低く指示を飛ばしながら、指揮位置を前へと移す。
そして、敵が一線に入る瞬間ーーエリオの掌が、ひとつ、空をなぞった。
エリオの能力〈支配域〉が発動された。
地盤の緩さを考慮し、空間そのものに圧をかけるのではなく、発動領域に触れた人体にのみかかるよう調整された、重さのない圧。
敵の動きがわずかに鈍る。
反応の遅延、それによる判断の誤差を狙う使い方だった。
「一掃する。……前を開けろ」
低く響く声とともに、エリオが立つ位置から前方に向けて、見えない力の線が走った。
やや後方に位置していたルクスは、周囲が前方の敵に意識が向いている隙を狙って、動いた。
敵とエリオを結んだ直線上に自身を置きーールクスは、迷いなく自らの能力を発動する。
〈神経投射〉の裏の使い方ーー対象の意識に直接干渉する、侵入系の使い方。
本来は、対象との距離や相性、必要とする集中力やかかる負荷の高さといった制限が大きい。
しかし、今、その制限を大幅に広げられる条件が揃っている。
ーー今なら、あそこまで届けば……!
ルクスが伸ばした〈神経投射〉は、前方の〈支配域〉の発動起点に到達した瞬間に、滑り込むように〈支配域〉に紛れ込んだ。
エリオの〈支配域〉という大きな流れに乗せることで、本来なら届かない範囲での干渉を可能にした。
敵役の数名が、明らかな意識の混乱を起こす。
進行ルートを塞いでいた布陣が大きく乱れ、味方の突破口は易々と開かれた。
撤退ルートの追撃態勢を整えるにも時間を要するだろう。
「この状況であれば、護衛対象の二名も回収できるのでは……!」
思わず声を上げたのは、副指揮官の候補生だった。
「可能だ。隊列を乱さず、対象二名の回収にまわれ」
エリオの声は淡々としていたが、その判断は驚くほど速かった。
まるで、最初からこの事態を見越していたかのように。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
後宮に咲く美しき寵后
不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。
フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。
そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。
縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。
ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。
情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。
狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。
縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ぽて と むーちゃんの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
狼の護衛騎士は、今日も心配が尽きない
結衣可
BL
戦の傷跡が癒えた共生都市ルーヴェン。
人族と獣人族が共に暮らすその街で、文官ユリス・アルヴィンは、穏やかな日々の中に、いつも自分を見守る“優しい視線”の存在を感じていた。
その正体は、狼族の戦士長出身の護衛騎士、ガルド・ルヴァーン。
無口で不器用だが、誠実で優しい彼は、いつしかユリスを守ることが日課になっていた。
モフモフ好きなユリスと、心配性すぎるガルド。
灰銀の狼と金灰の文官――
異種族の二人の関係がルーヴェンの風のようにやさしく、日々の中で少しずつ変わっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる