9 / 28
9
しおりを挟む
使者を追い返してから数日。
公爵邸は、以前にも増して静かな安寧に包まれていた。
王都からの邪魔が入らなくなったおかげで、メアモリは完全に自分のペースで生活を立て直している。
今日は、裏庭の片隅に放置されていた温室の清掃と、ギルバート様による「魔力式・土壌活性化」の実験の日だ。
「公爵様、土壌に光属性の魔力を与えると、pH値が上昇する、という仮説は正しそうですね」
メアモリが、魔法陣の近くに設置した試験管を覗き込む。
「だが、このままでは強すぎる。光が強すぎると、植物が疲弊する。……もう少し闇の魔力を混ぜて、中和する必要があるな」
ギルバート様が真剣な表情で魔力を調整する。
彼は誰にも邪魔されず、自分の好きな魔法の研究ができるこの環境を、心から楽しんでいるようだった。
「その闇の魔力が『呪い』と言われるものなら、皮肉な話ですね。植物を育てるのに呪いが必要なんて」
メアモリが微笑む(目元だけで表現)。
「私にとっては、魔力はただの『エネルギー』だ。それをどう使うか、誰にも指図されないのが、この場所の唯一の利点だった」
「ええ、その通りです」
二人は協力して、温室の土を理想的な状態に整えた。
この調子なら、来月には王都では手に入らない珍しいハーブを育てることもできそうだ。
作業が終わり、夕食の準備を始めた頃。
ギルバート様が、落ち着かない様子でメアモリの周りをウロウロし始めた。
「……あの」
「はい、なんでしょう。今日の夕食は、森で獲れた鹿肉のローストですが、何かご不満でも?」
「いや、違う。そうではない」
ギルバート様は顔を少し赤くして、持っていた小さな木箱を、ドスンとテーブルに置いた。
その木箱は、明らかに彼の手作りだった。
表面はゴツゴツしていて、ニスも塗られていない。
「……何ですか、これは?」
「贈り物だ」
彼はそっぽを向いて、早口で言った。
「貴様が来てから、この屋敷は快適になった。それに、ポチも元気になった。……その、礼だ」
「贈り物、ですか」
私は木箱を開けてみた。
中に入っていたのは、宝石でも、金貨でも、高価なレースでもなかった。
それは、薄い緑色に光る、苔(こけ)だった。
「……苔、ですか」
「ち、違う! これはただの苔ではない!」
ギルバート様が慌てて訂正する。
「『夜光の苔』だ。この森の奥深くにしか生えていない、レアな魔力素材だぞ。これを持っていると、闇の中でも進むべき道を示してくれる」
「道を示す……」
私は苔を手に取って観察した。
淡く、幻想的な光を放っている。
(確かに綺麗ですが……実用性は?)
「これは、君が夜中に目を覚ましたとき、足元を照らすのに使える」
ギルバート様が、モジモジしながら説明する。
「この屋敷は廊下が暗いからな。君が夜中にトイレに行くとき、躓かないように……」
彼の言葉を聞いた瞬間、私は思わず目頭が熱くなった。
王太子クラークが私に贈ってきたものは何だったか。
豪華な宝石、高価なドレス、そして「僕の愛」という抽象的な美辞麗句。
それらは全て、社交界で「メアモリは王太子に愛されている」と見せつけるための道具でしかなかった。
私の体調や、私の実際の生活環境を考慮した贈り物など、一度もなかった。
だが、目の前のこの呪われ公爵は。
「廊下が暗くて、夜中にトイレに行くときに躓くかもしれない」
という、極めて個人的で、切実な悩みを解決するために、命がけで森の奥から『夜光の苔』を採ってきてくれたのだ。
実用性、重視。
コストパフォーマンス、無視。
私という人間を、心から気遣った結果の贈り物。
「……ありがとうございます、公爵様」
私の声は、少し震えていた。
「どうした。そんなに感動することか? ただの苔だぞ」
「いいえ。とても素晴らしいものです」
私は顔を上げ、心からの感謝を込めて微笑んだ。
「これがあれば、夜中に水を飲みに行くときも安心です。それに、夜光の苔は魔力が安定していますから、ベッドサイドに置いておけば、夜間の読書灯にも使えます」
「読書灯……」
「ええ。何より、電気代が浮きますね」
私は最後のオチ(合理性)を忘れなかった。
ギルバート様は、私の感謝の言葉に少し気恥ずかしそうな顔をしていたが、私の実用的なコメントに、再びズッコケたような表情になった。
「君は……本当に、ロマンという概念を知らないのか」
「ロマンはコストが高いので、今の私には不必要です」
「そうか。では、せめてそれを胸に抱いて寝てくれ。私の魔力が少し込められているから、安眠できるはずだ」
「それは助かります。二重の遮光と、公爵様の魔力による安眠補助。これで、私の睡眠負債は完全に解消されます」
私は苔を丁寧に木箱に戻し、自分の部屋へ持って行った。
部屋のテーブルに木箱を置き、満足げに見つめる。
(いい人だ。本当に、最高の同居人だ)
公爵様のこの不器用な優しさが、私の「無期限の有給休暇」を、単なる休息ではなく、「心の安息地」に変えてくれていた。
翌日。
王都からまた使者がやってきた。
今度は、一人の文官だ。
彼は馬車ではなく、ボロボロのオンボロ馬に乗ってやってきた。
「メアモリ様! お願いです! このままでは、王国の財政が破綻します!」
彼は城門の前で、馬から転げ落ちるようにして叫んだ。
その手には、厳重に封印された書状がある。
昨日、ポチに手紙を食べさせたせいで、今回は「食べられないように」と、分厚い革の筒に入れられていた。
「……懲りませんね」
私はテラスから見下ろし、冷たい声で言った。
「また私を連れ戻すための、口先だけの謝罪文ですか?」
「違います! これは、王太子殿下、そして国王陛下からの、正式な『財政緊急諮問書』です!」
文官は涙を流しながら、革の筒を地面に叩きつけた。
「殿下は、あの夜会以降、書類の山の処理に追われ、三晩連続で徹夜。昨日、ついに過労で倒れられました! もう、本当に限界なのです!」
私はため息をついた。
「三晩で倒れるなんて、体力がないですね。王妃教育の体力トレーニングは、意味がなかったのでしょうか」
「問題は、殿下の体力ではなく、メアモリ様が握っておられた『財務省の裏帳簿』の所在が不明なことです!」
「裏帳簿……」
私の記憶が蘇る。
(ああ、あれか。王太子が個人的に愛人へのプレゼント代を誤魔化すために作った、公的な帳簿には載せていない秘密の記録)
「それがないと、来期の税収計算も、貴族への補助金分配も、何もかもストップしてしまいます! お願いです、せめてその場所だけでも教えてください!」
メアモリは少し考えた。
王太子が苦しんでいるのは、愉快だ。
だが、王国が破綻するのは困る。
王国が破綻すれば、私が公爵領で受給するはずの年金(将来設計済)が危うくなる。
「……仕方がありませんね」
私は静かに立ち上がった。
「ポチ、お客様です。追い払うのは後でいいから、座って」
『グルッ』
ポチが大人しくお座りをするのを確認し、私は文官を見下ろした。
「私が出す条件を飲むなら、裏帳簿のありかを教えましょう。ですが、この領地を出るつもりはありません」
「! ど、どんな条件でも!」
文官の目に、希望の光が宿った。
「条件は一つ。私と王国との間に、『高額報酬のコンサルタント契約』を結ぶことです」
「コンサルタント……?」
「ええ。私はもう、王族の奴隷ではありません。私の頭脳と労力には、正当な対価を支払っていただく」
私は冷酷に言い放った。
「報酬は、まず前金で金貨一万枚。そして、年間報酬は純利益の三パーセント。拒否権はなし。もちろん、書類のやり取りは全て馬車便で行い、私を王都に呼び戻そうとした時点で契約は破棄。罰金として、王室のコレクションを一つ差し出していただきます」
「い、一万枚と三パーセント……!」
文官は青ざめた。
とんでもない、破格の金額だ。
しかし、国が滅びるよりはマシである。
「……承知いたしました! 必ず、この条件で契約書を携えて戻ります!」
文官は革の筒を抱きしめ、来た時以上のスピードで馬に乗って森の中へ消えていった。
その後ろ姿を見送り、私は満足げに頷いた。
「よし。これで安泰です。ギルバート様」
ギルバート様が、いつの間にか私の隣に立っていた。
「……君は、その国の元婚約者だろう?」
「ええ。それと同時に、プロの公爵令嬢です」
私はニヤリと笑った。
「情けはかけません。仕事は、あくまでビジネスですから。王太子の自己陶酔ポエムに付き合っている暇はないのです」
ギルバート様は何も言わなかったが、その表情は私に向けられていた時とは違う、何か強い感情を秘めていた。
彼は、私の持つ冷徹なまでの合理性と、その裏にある強かさを、理解し始めていた。
「だが、君は裏帳簿のありかを教えたのか?」
「いいえ。契約書が戻ってきてからですよ」
私は悪役令嬢らしく、フフフと笑った。
「場所は私の寝室の鏡の裏に貼り付けてありますが、契約が成立するまでは、誰にも教えません」
「……悪魔め」
ギルバート様がそう呟いたが、その顔には、どこか嬉しそうな光が灯っているのだった。
公爵邸は、以前にも増して静かな安寧に包まれていた。
王都からの邪魔が入らなくなったおかげで、メアモリは完全に自分のペースで生活を立て直している。
今日は、裏庭の片隅に放置されていた温室の清掃と、ギルバート様による「魔力式・土壌活性化」の実験の日だ。
「公爵様、土壌に光属性の魔力を与えると、pH値が上昇する、という仮説は正しそうですね」
メアモリが、魔法陣の近くに設置した試験管を覗き込む。
「だが、このままでは強すぎる。光が強すぎると、植物が疲弊する。……もう少し闇の魔力を混ぜて、中和する必要があるな」
ギルバート様が真剣な表情で魔力を調整する。
彼は誰にも邪魔されず、自分の好きな魔法の研究ができるこの環境を、心から楽しんでいるようだった。
「その闇の魔力が『呪い』と言われるものなら、皮肉な話ですね。植物を育てるのに呪いが必要なんて」
メアモリが微笑む(目元だけで表現)。
「私にとっては、魔力はただの『エネルギー』だ。それをどう使うか、誰にも指図されないのが、この場所の唯一の利点だった」
「ええ、その通りです」
二人は協力して、温室の土を理想的な状態に整えた。
この調子なら、来月には王都では手に入らない珍しいハーブを育てることもできそうだ。
作業が終わり、夕食の準備を始めた頃。
ギルバート様が、落ち着かない様子でメアモリの周りをウロウロし始めた。
「……あの」
「はい、なんでしょう。今日の夕食は、森で獲れた鹿肉のローストですが、何かご不満でも?」
「いや、違う。そうではない」
ギルバート様は顔を少し赤くして、持っていた小さな木箱を、ドスンとテーブルに置いた。
その木箱は、明らかに彼の手作りだった。
表面はゴツゴツしていて、ニスも塗られていない。
「……何ですか、これは?」
「贈り物だ」
彼はそっぽを向いて、早口で言った。
「貴様が来てから、この屋敷は快適になった。それに、ポチも元気になった。……その、礼だ」
「贈り物、ですか」
私は木箱を開けてみた。
中に入っていたのは、宝石でも、金貨でも、高価なレースでもなかった。
それは、薄い緑色に光る、苔(こけ)だった。
「……苔、ですか」
「ち、違う! これはただの苔ではない!」
ギルバート様が慌てて訂正する。
「『夜光の苔』だ。この森の奥深くにしか生えていない、レアな魔力素材だぞ。これを持っていると、闇の中でも進むべき道を示してくれる」
「道を示す……」
私は苔を手に取って観察した。
淡く、幻想的な光を放っている。
(確かに綺麗ですが……実用性は?)
「これは、君が夜中に目を覚ましたとき、足元を照らすのに使える」
ギルバート様が、モジモジしながら説明する。
「この屋敷は廊下が暗いからな。君が夜中にトイレに行くとき、躓かないように……」
彼の言葉を聞いた瞬間、私は思わず目頭が熱くなった。
王太子クラークが私に贈ってきたものは何だったか。
豪華な宝石、高価なドレス、そして「僕の愛」という抽象的な美辞麗句。
それらは全て、社交界で「メアモリは王太子に愛されている」と見せつけるための道具でしかなかった。
私の体調や、私の実際の生活環境を考慮した贈り物など、一度もなかった。
だが、目の前のこの呪われ公爵は。
「廊下が暗くて、夜中にトイレに行くときに躓くかもしれない」
という、極めて個人的で、切実な悩みを解決するために、命がけで森の奥から『夜光の苔』を採ってきてくれたのだ。
実用性、重視。
コストパフォーマンス、無視。
私という人間を、心から気遣った結果の贈り物。
「……ありがとうございます、公爵様」
私の声は、少し震えていた。
「どうした。そんなに感動することか? ただの苔だぞ」
「いいえ。とても素晴らしいものです」
私は顔を上げ、心からの感謝を込めて微笑んだ。
「これがあれば、夜中に水を飲みに行くときも安心です。それに、夜光の苔は魔力が安定していますから、ベッドサイドに置いておけば、夜間の読書灯にも使えます」
「読書灯……」
「ええ。何より、電気代が浮きますね」
私は最後のオチ(合理性)を忘れなかった。
ギルバート様は、私の感謝の言葉に少し気恥ずかしそうな顔をしていたが、私の実用的なコメントに、再びズッコケたような表情になった。
「君は……本当に、ロマンという概念を知らないのか」
「ロマンはコストが高いので、今の私には不必要です」
「そうか。では、せめてそれを胸に抱いて寝てくれ。私の魔力が少し込められているから、安眠できるはずだ」
「それは助かります。二重の遮光と、公爵様の魔力による安眠補助。これで、私の睡眠負債は完全に解消されます」
私は苔を丁寧に木箱に戻し、自分の部屋へ持って行った。
部屋のテーブルに木箱を置き、満足げに見つめる。
(いい人だ。本当に、最高の同居人だ)
公爵様のこの不器用な優しさが、私の「無期限の有給休暇」を、単なる休息ではなく、「心の安息地」に変えてくれていた。
翌日。
王都からまた使者がやってきた。
今度は、一人の文官だ。
彼は馬車ではなく、ボロボロのオンボロ馬に乗ってやってきた。
「メアモリ様! お願いです! このままでは、王国の財政が破綻します!」
彼は城門の前で、馬から転げ落ちるようにして叫んだ。
その手には、厳重に封印された書状がある。
昨日、ポチに手紙を食べさせたせいで、今回は「食べられないように」と、分厚い革の筒に入れられていた。
「……懲りませんね」
私はテラスから見下ろし、冷たい声で言った。
「また私を連れ戻すための、口先だけの謝罪文ですか?」
「違います! これは、王太子殿下、そして国王陛下からの、正式な『財政緊急諮問書』です!」
文官は涙を流しながら、革の筒を地面に叩きつけた。
「殿下は、あの夜会以降、書類の山の処理に追われ、三晩連続で徹夜。昨日、ついに過労で倒れられました! もう、本当に限界なのです!」
私はため息をついた。
「三晩で倒れるなんて、体力がないですね。王妃教育の体力トレーニングは、意味がなかったのでしょうか」
「問題は、殿下の体力ではなく、メアモリ様が握っておられた『財務省の裏帳簿』の所在が不明なことです!」
「裏帳簿……」
私の記憶が蘇る。
(ああ、あれか。王太子が個人的に愛人へのプレゼント代を誤魔化すために作った、公的な帳簿には載せていない秘密の記録)
「それがないと、来期の税収計算も、貴族への補助金分配も、何もかもストップしてしまいます! お願いです、せめてその場所だけでも教えてください!」
メアモリは少し考えた。
王太子が苦しんでいるのは、愉快だ。
だが、王国が破綻するのは困る。
王国が破綻すれば、私が公爵領で受給するはずの年金(将来設計済)が危うくなる。
「……仕方がありませんね」
私は静かに立ち上がった。
「ポチ、お客様です。追い払うのは後でいいから、座って」
『グルッ』
ポチが大人しくお座りをするのを確認し、私は文官を見下ろした。
「私が出す条件を飲むなら、裏帳簿のありかを教えましょう。ですが、この領地を出るつもりはありません」
「! ど、どんな条件でも!」
文官の目に、希望の光が宿った。
「条件は一つ。私と王国との間に、『高額報酬のコンサルタント契約』を結ぶことです」
「コンサルタント……?」
「ええ。私はもう、王族の奴隷ではありません。私の頭脳と労力には、正当な対価を支払っていただく」
私は冷酷に言い放った。
「報酬は、まず前金で金貨一万枚。そして、年間報酬は純利益の三パーセント。拒否権はなし。もちろん、書類のやり取りは全て馬車便で行い、私を王都に呼び戻そうとした時点で契約は破棄。罰金として、王室のコレクションを一つ差し出していただきます」
「い、一万枚と三パーセント……!」
文官は青ざめた。
とんでもない、破格の金額だ。
しかし、国が滅びるよりはマシである。
「……承知いたしました! 必ず、この条件で契約書を携えて戻ります!」
文官は革の筒を抱きしめ、来た時以上のスピードで馬に乗って森の中へ消えていった。
その後ろ姿を見送り、私は満足げに頷いた。
「よし。これで安泰です。ギルバート様」
ギルバート様が、いつの間にか私の隣に立っていた。
「……君は、その国の元婚約者だろう?」
「ええ。それと同時に、プロの公爵令嬢です」
私はニヤリと笑った。
「情けはかけません。仕事は、あくまでビジネスですから。王太子の自己陶酔ポエムに付き合っている暇はないのです」
ギルバート様は何も言わなかったが、その表情は私に向けられていた時とは違う、何か強い感情を秘めていた。
彼は、私の持つ冷徹なまでの合理性と、その裏にある強かさを、理解し始めていた。
「だが、君は裏帳簿のありかを教えたのか?」
「いいえ。契約書が戻ってきてからですよ」
私は悪役令嬢らしく、フフフと笑った。
「場所は私の寝室の鏡の裏に貼り付けてありますが、契約が成立するまでは、誰にも教えません」
「……悪魔め」
ギルバート様がそう呟いたが、その顔には、どこか嬉しそうな光が灯っているのだった。
23
あなたにおすすめの小説
何も決めなかった王国は、静かに席を失う』
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
表には立たず、裏で国を支えてきた公爵令嬢ネフェリア。
だが――
彼女が追い出されたのは、嫉妬でも陰謀でもなかった。
ただ一つ、「決める役割」を、国が彼女一人に押しつけていたからだ。
婚約破棄の後、ネフェリアを失った王国は変わろうとする。
制度を整え、会議を重ね、慎重に、正しく――
けれどその“正しさ”は、何一つ決断を生まなかった。
一方、帝国は違った。
完璧ではなくとも、期限内に返事をする。
責任を分け、判断を止めない。
その差は、やがて「呼ばれない会議」「残らない席」「知らされない決定」となって現れる。
王国は滅びない。
だが、何も決めない国は、静かに舞台の外へ追いやられていく。
――そして迎える、最後の選択。
これは、
剣も魔法も振るわない“静かなざまぁ”。
何も決めなかった過去に、国そのものが向き合う物語。
断罪後の気楽な隠居生活をぶち壊したのは誰です!〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜
白雲八鈴
恋愛
全ては勘違いから始まった。
私はこの国の王子の一人であるラートウィンクルム殿下の婚約者だった。だけどこれは政略的な婚約。私を大人たちが良いように使おうとして『白銀の聖女』なんて通り名まで与えられた。
けれど、所詮偽物。本物が現れた時に私は気付かされた。あれ?もしかしてこの世界は乙女ゲームの世界なのでは?
関わり合う事を避け、婚約者の王子様から「貴様との婚約は破棄だ!」というお言葉をいただきました。
竜の谷に追放された私が血だらけの鎧を拾い。未だに乙女ゲームの世界から抜け出せていないのではと内心モヤモヤと思いながら過ごして行くことから始まる物語。
『私の居場所を奪った聖女様、貴女は何がしたいの?国を滅ぼしたい?』
❋王都スタンピード編完結。次回投稿までかなりの時間が開くため、一旦閉じます。完結表記ですが、王都編が完結したと捉えてもらえればありがたいです。
*乙女ゲーム要素は少ないです。どちらかと言うとファンタジー要素の方が強いです。
*表現が不適切なところがあるかもしれませんが、その事に対して推奨しているわけではありません。物語としての表現です。不快であればそのまま閉じてください。
*いつもどおり程々に誤字脱字はあると思います。確認はしておりますが、どうしても漏れてしまっています。
*他のサイトでは別のタイトル名で投稿しております。小説家になろう様では異世界恋愛部門で日間8位となる評価をいただきました。
断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る
黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。
(ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)
婚約破棄を申し込むも、殿下の説得がガチすぎて詰む?
ちゅんりー
恋愛
公爵令嬢リペは、厳しい王妃教育と窮屈な未来から逃れるため、ある画期的な計画を思いつく。それは、世にも恐ろしい「悪役令嬢」になりきって、完璧な第一王子カイルに婚約破棄を叩きつけること!
さっそくリペは、高笑いと共に「不敬な態度」「無駄遣い」「嫌がらせ」といった悪行の数々を繰り出すが……。
【完結】捨てられた皇子の探し人 ~偽物公女は「大嫌い」と言われても殿下の幸せを願います~
ゆきのひ
恋愛
二度目の人生は、前世で慕われていた皇子から、憎悪される運命でした…。
騎士の家系に生まれたリュシー。実家の没落により、生きるために皇宮のメイドとなる。そんなリュシーが命じられたのは、廃屋同然の離宮でひっそりと暮らすセレスティアン皇子の世話係。
母を亡くして後ろ盾もなく、皇帝に冷遇されている幼い皇子に心を寄せたリュシーは、皇子が少しでも快適に暮らしていけるよう奮闘し、その姿に皇子はしだいに心開いていく。
そんな皇子との穏やかな日々に幸せを感じていたリュシーだが、ある日、毒を盛られて命を落とした……はずが、目を開けると、公爵令嬢として公爵家のベッドに横たわっていた。けれどその令嬢は、リュシーの死に因縁のある公爵の一人娘……。
望まぬ形で二度目の生を享けたリュシーと、その死に復讐を誓った皇子が、本当に望んでいた幸せを手に入れるまでのお話。
※本作は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さんにも投稿しています。
※表紙画像はAIで作成したものです
四人の令嬢と公爵と
オゾン層
恋愛
「貴様らのような田舎娘は性根が腐っている」
ガルシア辺境伯の令嬢である4人の姉妹は、アミーレア国の王太子の婚約候補者として今の今まで王太子に尽くしていた。国王からも認められた有力な婚約候補者であったにも関わらず、無知なロズワート王太子にある日婚約解消を一方的に告げられ、挙げ句の果てに同じく婚約候補者であったクラシウス男爵の令嬢であるアレッサ嬢の企みによって冤罪をかけられ、隣国を治める『化物公爵』の婚約者として輿入という名目の国外追放を受けてしまう。
人間以外の種族で溢れた隣国ベルフェナールにいるとされる化物公爵ことラヴェルト公爵の兄弟はその恐ろしい容姿から他国からも黒い噂が絶えず、ガルシア姉妹は怯えながらも覚悟を決めてベルフェナール国へと足を踏み入れるが……
「おはよう。よく眠れたかな」
「お前すごく可愛いな!!」
「花がよく似合うね」
「どうか今日も共に過ごしてほしい」
彼らは見た目に反し、誠実で純愛な兄弟だった。
一方追放を告げられたアミーレア王国では、ガルシア辺境伯令嬢との婚約解消を聞きつけた国王がロズワート王太子に対して右ストレートをかましていた。
※初ジャンルの小説なので不自然な点が多いかもしれませんがご了承ください
灯火
松石 愛弓
恋愛
子供のいない男爵家に、幼少時に引き取られたフィーリア。
数年後、義両親に実子が授かり、フィーリアは無用とばかりに男爵令嬢の立場から使用人扱いにされる。
意地悪な義母と義妹の浪費癖のため、無償労働のメイドとしてこき使われる辛い日々。
そんなある日、フィーリアに転機が訪れて・・
珍しくシリアスな感じのお話を書いてしまいました
いつもはこんな感じなのに・・ ^^;
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/122288809/episode/2034446
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/658488266/episode/4191823
新作です。毎週土曜日に更新予定です。興味を持っていただけましたら幸いです。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/910027059/episode/10733961
婚約破棄された幼い公爵令嬢、目覚めたら絶世の美女でした
鍛高譚
恋愛
『幼すぎる』と婚約破棄された公爵令嬢ですが、意識不明から目覚めたら絶世の美女になっていました
幼すぎる、頼りない――そんな理由で婚約者に見限られた公爵令嬢シルフィーネ。
心ない言葉に傷ついた彼女は、事故に遭い意識不明となってしまう。
しかし一年後、彼女は奇跡的に目を覚ます。
そして目覚めた彼女は――かつての面影を残しつつも、見る者すべてを惹きつける絶世の美女へと変貌を遂げていた!
周囲の反応は一変。婚約破棄を後悔する元婚約者、熱視線を送る他家の令息たち、さらには王太子からの突然の縁談まで舞い込み――?
「もう、誰にも傷つけられたくない。私は私の幸せを手に入れるの」
これは、冷たく突き放された少女が美しく咲き誇り、誇りと自由を手に入れる、ざまぁ&逆転恋愛劇。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる