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「メリアナ・ベルトル公爵令嬢! 貴様との婚約を、この場をもって破棄する!!」
王城のダンスホール。煌びやかなシャンデリアの下、第一王子アレクセイの絶叫が響き渡った。
突然の事態に、楽しげに談笑していた貴族たちが凍りつく。音楽も止まり、静寂がホールを支配した。
その中心で、私は――メリアナ・ベルトルは、王子の剣幕に瞬きを一つした。
「……はい?」
「『はい』ではない! とぼけるな! 貴様が我が愛しのリリィに何をしたか、知らぬとは言わせんぞ!」
アレクセイ王子の隣には、小動物のように震える聖女リリィが寄り添っている。彼女は私と目が合うなり「ひっ」と悲鳴を上げて王子の背後に隠れた。
まるで、凶悪な魔物でも見たかのような反応だ。
「リリィを殺そうとするなど、言語道断! 貴様が彼女に飲ませようとしたあの禍々しい液体……あれは毒以外の何物でもないだろう!」
王子の怒声に、周囲の貴族たちがざわめく。「毒殺未遂?」「まさか公爵令嬢が?」「いや、あの娘ならやりかねん」といった声が聞こえてくる。
私は首を傾げた。心外だ。あまりにも心外である。
「殿下。訂正をお願いいたします。あれは毒などではありません」
「嘘をつくな! 紫色に発光し、ドロドロと泡を吹いていたではないか! あんなものを人間の口に入れようなど、正気の沙汰ではない!」
「ですから、あれは『毒』ではなく『特製滋養強壮スープ』ですわ」
私は扇子を開き、口元を隠しながら優雅に微笑んだ。
「リリィ様は最近、顔色が悪く貧血気味でしたでしょう? ですから、血の巡りを良くするために、厳選した素材を煮込んだのです」
「厳選した素材だと? リリィは言っていたぞ! 鍋から何かの悲鳴が聞こえたと!」
「ええ、鮮度が命ですから。活きのいいマンドラゴラを三株ほど、生きたまま刻んで入れました」
ホールが再び静まり返った。今度は凍りついたのではなく、全員がドン引きしているのだ。
「マ、マンドラゴラ……?」
「はい。それに、南方の沼地に生息する『赤マムシ』の肝と、『千年スッポン』の生き血、あとは香り付けに『ジャイアント・ガーリック』を少々」
私の説明を聞くたびに、リリィの顔色が青から白へ、そして土気色へと変わっていく。
「仕上げに『地獄蜂』のローヤルゼリーを加えましたから、確かに色は少しばかり紫色になりましたけれど……栄養価は保証しますわ。一口飲めば、三日は眠れなくなるほど活力が漲りますのに」
「それが毒だと言っているんだ!!」
王子のツッコミがホールに木霊した。
私は不満げに眉を寄せる。料理とは、見た目ではない。中身だ。そして何より、食べる者への愛情だ。
あのスープを作るのに、どれほどの苦労があったか。マンドラゴラの叫び声で気絶しそうになりながらも、リリィ様の健康を思って鍋をかき混ぜたというのに。
「大体、貴様はいつもそうだ! 先日の私の誕生日に贈ってきた菓子もそうだ! なんだあれは!」
「『オークの瞳のシロップ漬け』ですが」
「目玉だろうが!! 箱を開けた瞬間、ギョロリと睨まれた私の気持ちを考えたことがあるのか!」
「ですが殿下、オークの瞳には魔力を高める効果が……」
「うるさい、うるさい! もう我慢ならん! 貴様のその、常軌を逸した食への執着にはついていけんのだ!」
王子は肩で息をしながら、私を指差した。
「メリアナ・ベルトル! 聖女への加害、並びに王族への不敬により、貴様を国外追放……いや、慈悲だ。国内の辺境、北の果てにあるヴォルグ辺境伯領への蟄居を命じる!」
北の果て。ヴォルグ辺境伯領。
その言葉を聞いた瞬間、私の脳裏に電流が走った。
(北の果て……極寒の地……ということは!)
私の思考は高速で回転し始めた。
北の地には、王都では決してお目にかかれない珍しい魔物たちが生息していると聞く。
脂の乗った『スノーボア』。
猛毒を持つが、皮を剥げば至高の味がすると噂の『アイスリザード』。
そして、伝説の食材『ブリザード・マンモス』……!
(あそこは、食材の宝庫ではないの!)
私の瞳が輝いたのを、周囲は「絶望のあまり涙目になった」と勘違いしたようだ。
「ふふん、今さら泣いても遅いぞメリアナ。辺境の過酷な環境で、自身の行いを悔い改めるがいい」
王子は勝ち誇ったように鼻を鳴らした。
悔い改める? とんでもない。私は今、感謝の祈りを捧げたい気分だ。
王都の食材は、正直なところ飽き飽きしていた。
流通のために保存魔法がかけられ、味が落ちた肉。
形ばかり綺麗で、野生味のない野菜。
王宮料理人が作る料理も、見た目は美しいが、どこかパンチが足りない。
「……わかりました」
私は震える声を出した。笑いを堪えるのに必死だったからだ。
「その処分、謹んでお受けいたしますわ」
「うむ。明日すぐに出発だ。荷物は最小限にせよ」
「はい。調理器具と調味料だけは持参いたします」
「……は?」
「包丁セットと、秘伝のスパイス類、あとは愛用の大鍋ですね。これがないと始まりませんから」
「いや、服とか宝石とか……まあいい。勝手にしろ」
王子は呆れたように手を振った。
私はスカートの裾をつまみ、優雅にカーテシーをした。
「それでは殿下、リリィ様。お元気で。私のスープを飲めなかったこと、後悔なさいませんように」
「二度と顔を見せるな!」
王子の罵声を背に、私はホールを後にした。
足取りは軽い。スキップしそうになるのを必死で堪える。
(待っていてね、未開の食材たち! 今、私が美味しく調理しに行きますから!)
私の頭の中はすでに、未知なるゲテモノ……いえ、高級食材たちのレシピで埋め尽くされていた。
屋敷に帰る馬車の中で、私は早速、父である公爵に報告をした。
「お父様! 素晴らしいニュースです!」
「……また料理の話か? 厨房の料理長が『お嬢様が持ち込んだ触手の処理に困る』と泣いていたぞ」
「いえ、違います。婚約破棄されました! そして辺境への追放です!」
父は持っていたワイングラスを取り落とした。
「な、なんだと!? メリアナ、お前一体何をした!?」
「リリィ様に滋養強壮スープを振る舞おうとしたら、毒殺未遂と誤解されまして」
「あの中身が紫色で、時々うめき声をあげるスープか……。あれは父も、飲むのに勇気が要ったぞ……」
父は遠い目をしながら頭を抱えた。
「それで、ヴォルグ辺境伯領へ行けと」
「ヴォルグ……? あそこは『氷の将軍』と呼ばれるギルバート・ヴォルグ辺境伯が治める土地だぞ。年中雪に閉ざされ、魔物が出る危険な場所だ」
「ええ、知っています! 魔物が出るということは、新鮮なお肉が向こうから歩いてくるということですわ!」
「……お前のそのポジティブさは、時々父を不安にさせるよ」
父は深いため息をついたが、すぐに気を取り直したように私を見た。
「しかし、決まったことは仕方がない。辺境伯には私から書状を送っておこう。お前が……その、少しばかり料理に熱心すぎるきらいがあることも伝えておく」
「ありがとうございます、お父様!」
「いいかメリアナ。向こうに行ったら、大人しくしているんだぞ。決して、辺境伯を鍋で煮込んだりしないように」
「もちろんですわ。人間は食材ではありませんもの」
私はニッコリと笑った。
翌朝。
私は最小限のドレスと、最大限の調理器具を馬車に積み込み、王都を出発した。
見送りの人々は、誰もが私を哀れみの目で見ていた。「可哀想に、あんな辺境へ」「生きて帰れるだろうか」と囁き合っている。
だが、彼らは知らない。
この馬車の中が、希望と野望に満ち溢れていることを。
「さて、ヴォルグ辺境伯領までは馬車で十日……。その間に、新しいレシピを考案しなくては」
私は膝の上に分厚い革張りのノートを広げた。表紙には『魔物解体新書 ~美味しく食べるための下処理~』と書かれている。
ページをめくる手が止まらない。
噂によれば、辺境伯ギルバート様は無骨で恐ろしい方だという。だが、胃袋があれば攻略の余地はあるはずだ。
「美味しいご飯を食べれば、誰だって笑顔になりますものね」
それが例え、見た目がグロテスクな魔物料理であったとしても。
馬車はガタゴトと揺れながら、北へ向かって進んでいく。
私の新しい人生……いいえ、新しい食生活が、今まさに始まろうとしていた。
王城のダンスホール。煌びやかなシャンデリアの下、第一王子アレクセイの絶叫が響き渡った。
突然の事態に、楽しげに談笑していた貴族たちが凍りつく。音楽も止まり、静寂がホールを支配した。
その中心で、私は――メリアナ・ベルトルは、王子の剣幕に瞬きを一つした。
「……はい?」
「『はい』ではない! とぼけるな! 貴様が我が愛しのリリィに何をしたか、知らぬとは言わせんぞ!」
アレクセイ王子の隣には、小動物のように震える聖女リリィが寄り添っている。彼女は私と目が合うなり「ひっ」と悲鳴を上げて王子の背後に隠れた。
まるで、凶悪な魔物でも見たかのような反応だ。
「リリィを殺そうとするなど、言語道断! 貴様が彼女に飲ませようとしたあの禍々しい液体……あれは毒以外の何物でもないだろう!」
王子の怒声に、周囲の貴族たちがざわめく。「毒殺未遂?」「まさか公爵令嬢が?」「いや、あの娘ならやりかねん」といった声が聞こえてくる。
私は首を傾げた。心外だ。あまりにも心外である。
「殿下。訂正をお願いいたします。あれは毒などではありません」
「嘘をつくな! 紫色に発光し、ドロドロと泡を吹いていたではないか! あんなものを人間の口に入れようなど、正気の沙汰ではない!」
「ですから、あれは『毒』ではなく『特製滋養強壮スープ』ですわ」
私は扇子を開き、口元を隠しながら優雅に微笑んだ。
「リリィ様は最近、顔色が悪く貧血気味でしたでしょう? ですから、血の巡りを良くするために、厳選した素材を煮込んだのです」
「厳選した素材だと? リリィは言っていたぞ! 鍋から何かの悲鳴が聞こえたと!」
「ええ、鮮度が命ですから。活きのいいマンドラゴラを三株ほど、生きたまま刻んで入れました」
ホールが再び静まり返った。今度は凍りついたのではなく、全員がドン引きしているのだ。
「マ、マンドラゴラ……?」
「はい。それに、南方の沼地に生息する『赤マムシ』の肝と、『千年スッポン』の生き血、あとは香り付けに『ジャイアント・ガーリック』を少々」
私の説明を聞くたびに、リリィの顔色が青から白へ、そして土気色へと変わっていく。
「仕上げに『地獄蜂』のローヤルゼリーを加えましたから、確かに色は少しばかり紫色になりましたけれど……栄養価は保証しますわ。一口飲めば、三日は眠れなくなるほど活力が漲りますのに」
「それが毒だと言っているんだ!!」
王子のツッコミがホールに木霊した。
私は不満げに眉を寄せる。料理とは、見た目ではない。中身だ。そして何より、食べる者への愛情だ。
あのスープを作るのに、どれほどの苦労があったか。マンドラゴラの叫び声で気絶しそうになりながらも、リリィ様の健康を思って鍋をかき混ぜたというのに。
「大体、貴様はいつもそうだ! 先日の私の誕生日に贈ってきた菓子もそうだ! なんだあれは!」
「『オークの瞳のシロップ漬け』ですが」
「目玉だろうが!! 箱を開けた瞬間、ギョロリと睨まれた私の気持ちを考えたことがあるのか!」
「ですが殿下、オークの瞳には魔力を高める効果が……」
「うるさい、うるさい! もう我慢ならん! 貴様のその、常軌を逸した食への執着にはついていけんのだ!」
王子は肩で息をしながら、私を指差した。
「メリアナ・ベルトル! 聖女への加害、並びに王族への不敬により、貴様を国外追放……いや、慈悲だ。国内の辺境、北の果てにあるヴォルグ辺境伯領への蟄居を命じる!」
北の果て。ヴォルグ辺境伯領。
その言葉を聞いた瞬間、私の脳裏に電流が走った。
(北の果て……極寒の地……ということは!)
私の思考は高速で回転し始めた。
北の地には、王都では決してお目にかかれない珍しい魔物たちが生息していると聞く。
脂の乗った『スノーボア』。
猛毒を持つが、皮を剥げば至高の味がすると噂の『アイスリザード』。
そして、伝説の食材『ブリザード・マンモス』……!
(あそこは、食材の宝庫ではないの!)
私の瞳が輝いたのを、周囲は「絶望のあまり涙目になった」と勘違いしたようだ。
「ふふん、今さら泣いても遅いぞメリアナ。辺境の過酷な環境で、自身の行いを悔い改めるがいい」
王子は勝ち誇ったように鼻を鳴らした。
悔い改める? とんでもない。私は今、感謝の祈りを捧げたい気分だ。
王都の食材は、正直なところ飽き飽きしていた。
流通のために保存魔法がかけられ、味が落ちた肉。
形ばかり綺麗で、野生味のない野菜。
王宮料理人が作る料理も、見た目は美しいが、どこかパンチが足りない。
「……わかりました」
私は震える声を出した。笑いを堪えるのに必死だったからだ。
「その処分、謹んでお受けいたしますわ」
「うむ。明日すぐに出発だ。荷物は最小限にせよ」
「はい。調理器具と調味料だけは持参いたします」
「……は?」
「包丁セットと、秘伝のスパイス類、あとは愛用の大鍋ですね。これがないと始まりませんから」
「いや、服とか宝石とか……まあいい。勝手にしろ」
王子は呆れたように手を振った。
私はスカートの裾をつまみ、優雅にカーテシーをした。
「それでは殿下、リリィ様。お元気で。私のスープを飲めなかったこと、後悔なさいませんように」
「二度と顔を見せるな!」
王子の罵声を背に、私はホールを後にした。
足取りは軽い。スキップしそうになるのを必死で堪える。
(待っていてね、未開の食材たち! 今、私が美味しく調理しに行きますから!)
私の頭の中はすでに、未知なるゲテモノ……いえ、高級食材たちのレシピで埋め尽くされていた。
屋敷に帰る馬車の中で、私は早速、父である公爵に報告をした。
「お父様! 素晴らしいニュースです!」
「……また料理の話か? 厨房の料理長が『お嬢様が持ち込んだ触手の処理に困る』と泣いていたぞ」
「いえ、違います。婚約破棄されました! そして辺境への追放です!」
父は持っていたワイングラスを取り落とした。
「な、なんだと!? メリアナ、お前一体何をした!?」
「リリィ様に滋養強壮スープを振る舞おうとしたら、毒殺未遂と誤解されまして」
「あの中身が紫色で、時々うめき声をあげるスープか……。あれは父も、飲むのに勇気が要ったぞ……」
父は遠い目をしながら頭を抱えた。
「それで、ヴォルグ辺境伯領へ行けと」
「ヴォルグ……? あそこは『氷の将軍』と呼ばれるギルバート・ヴォルグ辺境伯が治める土地だぞ。年中雪に閉ざされ、魔物が出る危険な場所だ」
「ええ、知っています! 魔物が出るということは、新鮮なお肉が向こうから歩いてくるということですわ!」
「……お前のそのポジティブさは、時々父を不安にさせるよ」
父は深いため息をついたが、すぐに気を取り直したように私を見た。
「しかし、決まったことは仕方がない。辺境伯には私から書状を送っておこう。お前が……その、少しばかり料理に熱心すぎるきらいがあることも伝えておく」
「ありがとうございます、お父様!」
「いいかメリアナ。向こうに行ったら、大人しくしているんだぞ。決して、辺境伯を鍋で煮込んだりしないように」
「もちろんですわ。人間は食材ではありませんもの」
私はニッコリと笑った。
翌朝。
私は最小限のドレスと、最大限の調理器具を馬車に積み込み、王都を出発した。
見送りの人々は、誰もが私を哀れみの目で見ていた。「可哀想に、あんな辺境へ」「生きて帰れるだろうか」と囁き合っている。
だが、彼らは知らない。
この馬車の中が、希望と野望に満ち溢れていることを。
「さて、ヴォルグ辺境伯領までは馬車で十日……。その間に、新しいレシピを考案しなくては」
私は膝の上に分厚い革張りのノートを広げた。表紙には『魔物解体新書 ~美味しく食べるための下処理~』と書かれている。
ページをめくる手が止まらない。
噂によれば、辺境伯ギルバート様は無骨で恐ろしい方だという。だが、胃袋があれば攻略の余地はあるはずだ。
「美味しいご飯を食べれば、誰だって笑顔になりますものね」
それが例え、見た目がグロテスクな魔物料理であったとしても。
馬車はガタゴトと揺れながら、北へ向かって進んでいく。
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