11 / 28
11
しおりを挟む
「――最終収支報告です。建国記念祭における西エリア(宰相府管轄)の純利益は、金貨三百五十万枚となりました」
「素晴らしい数字だ。過去最高益だな」
祭りの翌日。
宰相執務室にて、私は誇らしげに報告書を提出した。
ギルバート王太子の東エリアが歴史的な大赤字を叩き出したのに対し、私たちの西エリアは廃材利用と薄利多売戦略が功を奏し、莫大な黒字を生んだのだ。
「これで私のボーナスも弾んでいただけますね?」
「ああ、約束通り利益の十%を君に支給しよう。……それと」
アレクセイ閣下は書類を受け取ると、ふいに立ち上がり、私の隣まで歩いてきた。
そして、私の頭にポンと手を置く。
「よくやった、リーナ。君のその、一円たりとも無駄にしない徹底した守銭奴ぶり……実に愛おしい」
「……閣下。褒め言葉のチョイスがおかしいのですが」
「褒めているさ。君が電卓を叩く時の真剣な眼差し、コストカットのために鬼のような形相で業者を値切る姿……すべてが私の心を鷲掴みにする」
閣下の青い瞳が、熱っぽく私を見つめている。
その距離、わずか三十センチ。
いつもの「氷の宰相」としての冷徹なオーラはどこへやら、今の彼はまるで春の日差しのように温かい(というか暑苦しい)。
「……恐縮です。ですが、業務中ですので離れてください」
「嫌だ」
「は?」
「今の私は、君の勝利に酔いしれている。しばらくこのまま、君の優秀さを成分として摂取させてくれ」
アレクセイ閣下はそう言うと、私の肩に額を押し付けてきた。
グリグリ。
「ちょ、閣下!? 重いです! それに、まだ部下たちが……!」
私は慌てて周囲を見渡した。
執務室には、数名の文官たちが控えている。
彼らは全員、見なかったことにして必死に書類に顔を埋めているが、その肩は小刻みに震えていた。
(こ、公私混同甚だしい……!)
私が宰相府に来てから数週間。
当初は「冷酷無比な上司」と「悪名高い元婚約者」という緊張感ある関係だったはずが、最近のアレクセイ閣下は、タガが外れたように私を甘やかしてくる。
それも、衆人環視の中で堂々と。
「……閣下。そこまでになさってください。次の会議の時間が迫っております」
私が冷静に告げると、閣下はようやく顔を上げた。
「……チッ。邪魔な会議だ」
「国の根幹に関わる予算会議ですが」
「君とのスキンシップの方が国益に適うと思うのだが」
「思いません。さあ、行きますよ」
私は駄々をこねる子供(見た目は最強の美形)をあやすように促し、会議室へと向かった。
***
「――以上が、今回の王太子の失態に関する報告です」
大会議室。
重苦しい空気の中、私は淡々とプレゼンを行っていた。
出席者は各省の大臣たち。そして、末席には小さくなっているギルバート王太子と、なぜか同席を許されたミミアの姿があった。
「王太子の独断による予算超過、及び、環境汚染(泥水問題)の清掃費用。これらは王家が私財で補填することで合意が取れております」
私が説明すると、ギルバートが涙目で反論した。
「ま、待ってくれリーナ……! 私財と言っても、私の小遣いはもうゼロだ! これ以上取られたら、ミミアに新しいドレスも買ってやれない!」
「では、ミミア様がご自分で働いて稼げばよろしいのでは?」
「ええっ!? 私、働いたことなんてありませんしぃ、手荒れしちゃいますぅ」
ミミアが嫌そうに手を振る。
「では、お二人で仲良く節約生活をお楽しみください。……さて、次の議題ですが」
私が冷たく切り捨て、次の資料を配ろうとした時だった。
「待て、リーナ」
上座に座っていたアレクセイ閣下が口を開いた。
「なんだ、その手は」
「え? 資料ですが……」
「違う。指先だ。……少し赤くなっているぞ」
閣下は席を立つと、会議中にも関わらず私の元へ歩み寄ってきた。
そして、私の右手を取り、しげしげと観察する。
「これは……昨日の祭りで、串焼きのタレが跳ねた火傷か?」
「いえ、ただのささくれです」
「なんと! ささくれだと!? 一大事ではないか!」
アレクセイ閣下が血相を変えた。
大臣たちが「えっ、ささくれで?」とざわめく。
「すぐに軍医を呼べ! いや、私が治癒魔法をかける!」
「閣下、落ち着いてください。ただの乾燥です。ハンドクリームを塗れば治ります」
「ならん! 君の指は、国宝級の計算を生み出す『黄金の指』だ。万が一にも機能不全になっては国の損失だ」
閣下は真剣な顔でそう言うと、懐から高そうな小瓶を取り出した。
「これは隣国から取り寄せた、最高級の保湿バームだ。私が塗ってやろう」
「自分で塗ります」
「じっとしていろ。……これは業務命令だ」
閣下は私の指を一本一本、丁寧にマッサージしながらクリームを塗り込み始めた。
会議室の中央で。
大臣たちと、元婚約者の前で。
「……ん、どうだ? 気持ちいいか?」
「……くすぐったいです」
「君の指は細くて綺麗だな。この指があの凄まじい速度で電卓を叩くとは、誰も思うまい」
閣下はうっとりとした表情で、私の指先に口づけを落としかけた。
「……閣下!!」
私が反射的に手を引っ込めると、彼は残念そうに目を細めた。
「……すまない。あまりに愛らしくて、つい」
シーン……。
会議室が凍りついている。
いや、正確には「熱気」で茹だっている。
あのアレクセイ閣下が、「愛らしい」と発言したのだ。
天地がひっくり返るような衝撃に、老齢の大臣の一人が「ほぅ……」とため息をついて卒倒しかけた。
「み、見せつけやがって……!」
ギルバートがギリギリと歯ぎしりをする音が聞こえる。
「僕だってミミアの手くらい握れるぞ! おいミミア、手を出せ!」
「やですぅ、ギルバート様の手、汗ばんでるんですもの」
「なんだと!?」
低レベルな争いを繰り広げる元婚約者カップルを尻目に、私は咳払いをして場を修正した。
「……コホン。閣下、席にお戻りください。福利厚生はありがたいですが、TPOをわきまえていただかないと、私が『セクハラ手当』を請求することになりますよ」
「手当? いくらだ? 金貨一億枚でも払おう」
「……お金で解決しようとするのはやめてください」
私が頭を抱えると、閣下は楽しそうに笑って席に戻った。
「失礼した。あまりに部下が優秀で可愛らしいもので、自慢したくなってしまった。……続けてくれ」
彼が座ると、再び「氷の宰相」の冷徹な顔に戻る。
その切り替えの早さに、周囲は戦慄した。
(この人……私以外には本当に興味がないのね)
ある意味、清々しいほどの塩対応だ。
会議が終わり、大臣たちが退室していく。
ギルバートは去り際に、私を睨みつけて捨て台詞を吐いた。
「勘違いするなよ、リーナ! 叔父上は一時的に血迷っているだけだ! お前のような可愛げのない女、すぐに飽きられるに決まっている!」
「ご心配には及びません。飽きられたら、退職金をたっぷり頂いて隠居しますので」
私が言い返すと、ギルバートは悔しそうに顔を歪めて出て行った。
「……飽きる、か」
アレクセイ閣下が、ポツリと呟いた。
「ありえんな。君を知れば知るほど、底なし沼のように惹かれていく」
「それは泥沼ということですか?」
「愛の沼だ」
閣下は立ち上がり、私に一枚の封筒を差し出した。
「ところで、リーナ。君に追加の業務命令だ」
「なんでしょう。これ以上、指のマッサージは勘弁してくださいね」
「違う。……招待状だ」
私が封筒を受け取り、中身を確認する。
そこには、金箔の縁取りがされた豪華なカードが入っていた。
『隣国・ランベール王国主催 友好親善記念舞踏会』
「隣国……? この間のガルディア帝国ではなく?」
「ああ。ランベールは西の隣国だ。我が国とは長い付き合いだが、最近、王位継承を巡ってきな臭い噂がある」
閣下の目が、鋭い為政者のものに戻る。
「今回の舞踏会には、各国の要人が招かれている。帝国のクリス皇子も来るようだ」
「またあの赤毛の皇子ですか。しつこいですね」
「そこでだ、リーナ。君には私のパートナーとして同行し、私の『婚約者』として振る舞ってもらいたい」
「……はい?」
私は計算の手を止めた。
「婚約者、ですか? 補佐官ではなく?」
「補佐官では、ダンスのパートナーとして独占する大義名分が弱い。婚約者という既成事実を作れば、クリスのような害虫も寄り付かん」
「……なるほど。防虫対策としての婚約者役ですね」
「まあ、そういうことにしておこう」
閣下は不敵に笑った。
「もちろん、特別手当は弾む。ドレスも宝石も、君の言い値で用意させよう。……受けてくれるか?」
「言い値……」
その甘美な響き。
断る理由は、どこにもない。
「承りました。その役、完璧に演じてみせましょう」
「演じる、か。……まあいい。本気にさせてみせるさ」
閣下の最後の呟きは、私には聞こえなかった。
こうして私は、再び煌びやかな戦場――夜会へと赴くことになった。
だが、私はまだ知らなかった。
その夜会で、かつてないほどの「大番狂わせ」が待ち受けていることを。
そして、アレクセイ閣下が用意したドレスが、単なる衣装ではなく、ある「重大な意味」を持つものであることを。
「素晴らしい数字だ。過去最高益だな」
祭りの翌日。
宰相執務室にて、私は誇らしげに報告書を提出した。
ギルバート王太子の東エリアが歴史的な大赤字を叩き出したのに対し、私たちの西エリアは廃材利用と薄利多売戦略が功を奏し、莫大な黒字を生んだのだ。
「これで私のボーナスも弾んでいただけますね?」
「ああ、約束通り利益の十%を君に支給しよう。……それと」
アレクセイ閣下は書類を受け取ると、ふいに立ち上がり、私の隣まで歩いてきた。
そして、私の頭にポンと手を置く。
「よくやった、リーナ。君のその、一円たりとも無駄にしない徹底した守銭奴ぶり……実に愛おしい」
「……閣下。褒め言葉のチョイスがおかしいのですが」
「褒めているさ。君が電卓を叩く時の真剣な眼差し、コストカットのために鬼のような形相で業者を値切る姿……すべてが私の心を鷲掴みにする」
閣下の青い瞳が、熱っぽく私を見つめている。
その距離、わずか三十センチ。
いつもの「氷の宰相」としての冷徹なオーラはどこへやら、今の彼はまるで春の日差しのように温かい(というか暑苦しい)。
「……恐縮です。ですが、業務中ですので離れてください」
「嫌だ」
「は?」
「今の私は、君の勝利に酔いしれている。しばらくこのまま、君の優秀さを成分として摂取させてくれ」
アレクセイ閣下はそう言うと、私の肩に額を押し付けてきた。
グリグリ。
「ちょ、閣下!? 重いです! それに、まだ部下たちが……!」
私は慌てて周囲を見渡した。
執務室には、数名の文官たちが控えている。
彼らは全員、見なかったことにして必死に書類に顔を埋めているが、その肩は小刻みに震えていた。
(こ、公私混同甚だしい……!)
私が宰相府に来てから数週間。
当初は「冷酷無比な上司」と「悪名高い元婚約者」という緊張感ある関係だったはずが、最近のアレクセイ閣下は、タガが外れたように私を甘やかしてくる。
それも、衆人環視の中で堂々と。
「……閣下。そこまでになさってください。次の会議の時間が迫っております」
私が冷静に告げると、閣下はようやく顔を上げた。
「……チッ。邪魔な会議だ」
「国の根幹に関わる予算会議ですが」
「君とのスキンシップの方が国益に適うと思うのだが」
「思いません。さあ、行きますよ」
私は駄々をこねる子供(見た目は最強の美形)をあやすように促し、会議室へと向かった。
***
「――以上が、今回の王太子の失態に関する報告です」
大会議室。
重苦しい空気の中、私は淡々とプレゼンを行っていた。
出席者は各省の大臣たち。そして、末席には小さくなっているギルバート王太子と、なぜか同席を許されたミミアの姿があった。
「王太子の独断による予算超過、及び、環境汚染(泥水問題)の清掃費用。これらは王家が私財で補填することで合意が取れております」
私が説明すると、ギルバートが涙目で反論した。
「ま、待ってくれリーナ……! 私財と言っても、私の小遣いはもうゼロだ! これ以上取られたら、ミミアに新しいドレスも買ってやれない!」
「では、ミミア様がご自分で働いて稼げばよろしいのでは?」
「ええっ!? 私、働いたことなんてありませんしぃ、手荒れしちゃいますぅ」
ミミアが嫌そうに手を振る。
「では、お二人で仲良く節約生活をお楽しみください。……さて、次の議題ですが」
私が冷たく切り捨て、次の資料を配ろうとした時だった。
「待て、リーナ」
上座に座っていたアレクセイ閣下が口を開いた。
「なんだ、その手は」
「え? 資料ですが……」
「違う。指先だ。……少し赤くなっているぞ」
閣下は席を立つと、会議中にも関わらず私の元へ歩み寄ってきた。
そして、私の右手を取り、しげしげと観察する。
「これは……昨日の祭りで、串焼きのタレが跳ねた火傷か?」
「いえ、ただのささくれです」
「なんと! ささくれだと!? 一大事ではないか!」
アレクセイ閣下が血相を変えた。
大臣たちが「えっ、ささくれで?」とざわめく。
「すぐに軍医を呼べ! いや、私が治癒魔法をかける!」
「閣下、落ち着いてください。ただの乾燥です。ハンドクリームを塗れば治ります」
「ならん! 君の指は、国宝級の計算を生み出す『黄金の指』だ。万が一にも機能不全になっては国の損失だ」
閣下は真剣な顔でそう言うと、懐から高そうな小瓶を取り出した。
「これは隣国から取り寄せた、最高級の保湿バームだ。私が塗ってやろう」
「自分で塗ります」
「じっとしていろ。……これは業務命令だ」
閣下は私の指を一本一本、丁寧にマッサージしながらクリームを塗り込み始めた。
会議室の中央で。
大臣たちと、元婚約者の前で。
「……ん、どうだ? 気持ちいいか?」
「……くすぐったいです」
「君の指は細くて綺麗だな。この指があの凄まじい速度で電卓を叩くとは、誰も思うまい」
閣下はうっとりとした表情で、私の指先に口づけを落としかけた。
「……閣下!!」
私が反射的に手を引っ込めると、彼は残念そうに目を細めた。
「……すまない。あまりに愛らしくて、つい」
シーン……。
会議室が凍りついている。
いや、正確には「熱気」で茹だっている。
あのアレクセイ閣下が、「愛らしい」と発言したのだ。
天地がひっくり返るような衝撃に、老齢の大臣の一人が「ほぅ……」とため息をついて卒倒しかけた。
「み、見せつけやがって……!」
ギルバートがギリギリと歯ぎしりをする音が聞こえる。
「僕だってミミアの手くらい握れるぞ! おいミミア、手を出せ!」
「やですぅ、ギルバート様の手、汗ばんでるんですもの」
「なんだと!?」
低レベルな争いを繰り広げる元婚約者カップルを尻目に、私は咳払いをして場を修正した。
「……コホン。閣下、席にお戻りください。福利厚生はありがたいですが、TPOをわきまえていただかないと、私が『セクハラ手当』を請求することになりますよ」
「手当? いくらだ? 金貨一億枚でも払おう」
「……お金で解決しようとするのはやめてください」
私が頭を抱えると、閣下は楽しそうに笑って席に戻った。
「失礼した。あまりに部下が優秀で可愛らしいもので、自慢したくなってしまった。……続けてくれ」
彼が座ると、再び「氷の宰相」の冷徹な顔に戻る。
その切り替えの早さに、周囲は戦慄した。
(この人……私以外には本当に興味がないのね)
ある意味、清々しいほどの塩対応だ。
会議が終わり、大臣たちが退室していく。
ギルバートは去り際に、私を睨みつけて捨て台詞を吐いた。
「勘違いするなよ、リーナ! 叔父上は一時的に血迷っているだけだ! お前のような可愛げのない女、すぐに飽きられるに決まっている!」
「ご心配には及びません。飽きられたら、退職金をたっぷり頂いて隠居しますので」
私が言い返すと、ギルバートは悔しそうに顔を歪めて出て行った。
「……飽きる、か」
アレクセイ閣下が、ポツリと呟いた。
「ありえんな。君を知れば知るほど、底なし沼のように惹かれていく」
「それは泥沼ということですか?」
「愛の沼だ」
閣下は立ち上がり、私に一枚の封筒を差し出した。
「ところで、リーナ。君に追加の業務命令だ」
「なんでしょう。これ以上、指のマッサージは勘弁してくださいね」
「違う。……招待状だ」
私が封筒を受け取り、中身を確認する。
そこには、金箔の縁取りがされた豪華なカードが入っていた。
『隣国・ランベール王国主催 友好親善記念舞踏会』
「隣国……? この間のガルディア帝国ではなく?」
「ああ。ランベールは西の隣国だ。我が国とは長い付き合いだが、最近、王位継承を巡ってきな臭い噂がある」
閣下の目が、鋭い為政者のものに戻る。
「今回の舞踏会には、各国の要人が招かれている。帝国のクリス皇子も来るようだ」
「またあの赤毛の皇子ですか。しつこいですね」
「そこでだ、リーナ。君には私のパートナーとして同行し、私の『婚約者』として振る舞ってもらいたい」
「……はい?」
私は計算の手を止めた。
「婚約者、ですか? 補佐官ではなく?」
「補佐官では、ダンスのパートナーとして独占する大義名分が弱い。婚約者という既成事実を作れば、クリスのような害虫も寄り付かん」
「……なるほど。防虫対策としての婚約者役ですね」
「まあ、そういうことにしておこう」
閣下は不敵に笑った。
「もちろん、特別手当は弾む。ドレスも宝石も、君の言い値で用意させよう。……受けてくれるか?」
「言い値……」
その甘美な響き。
断る理由は、どこにもない。
「承りました。その役、完璧に演じてみせましょう」
「演じる、か。……まあいい。本気にさせてみせるさ」
閣下の最後の呟きは、私には聞こえなかった。
こうして私は、再び煌びやかな戦場――夜会へと赴くことになった。
だが、私はまだ知らなかった。
その夜会で、かつてないほどの「大番狂わせ」が待ち受けていることを。
そして、アレクセイ閣下が用意したドレスが、単なる衣装ではなく、ある「重大な意味」を持つものであることを。
238
あなたにおすすめの小説
断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る
黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。
(ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)
婚約破棄ありがとう!と笑ったら、元婚約者が泣きながら復縁を迫ってきました
ほーみ
恋愛
「――婚約を破棄する!」
大広間に響いたその宣告は、きっと誰もが予想していたことだったのだろう。
けれど、当事者である私――エリス・ローレンツの胸の内には、不思議なほどの安堵しかなかった。
王太子殿下であるレオンハルト様に、婚約を破棄される。
婚約者として彼に尽くした八年間の努力は、彼のたった一言で終わった。
だが、私の唇からこぼれたのは悲鳴でも涙でもなく――。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。
「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」
そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。
——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。
「最近、おまえが気になるんだ」
「もっと夫婦としての時間を持たないか?」
今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。
愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。
わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。
政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ
“白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!
婚約破棄されたので、とりあえず王太子のことは忘れます!
パリパリかぷちーの
恋愛
クライネルト公爵令嬢のリーチュは、王太子ジークフリートから卒業パーティーで大勢の前で婚約破棄を告げられる。しかし、王太子妃教育から解放されることを喜ぶリーチュは全く意に介さず、むしろ祝杯をあげる始末。彼女は領地の離宮に引きこもり、趣味である薬草園作りに没頭する自由な日々を謳歌し始める。
王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!
ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。
なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
婚約破棄?悪役令嬢の復讐は爆速で。
八雲
恋愛
「リリム・フォン・アスタロト! 貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの最中、婚約者である王太子エリオットから身に覚えのない罪を突きつけられた公爵令嬢リリム。隣には「真実の愛」を語るマシュマロ系男爵令嬢シャーリーの姿。
普通の令嬢なら泣き崩れる場面――だが、リリムは違った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる