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「……眩しい」
王都の大聖堂。
ステンドグラスから降り注ぐ七色の光の中、私は父であるクロック公爵のエスコートで、真紅のバージンロードを歩いていた。
パイプオルガンの荘厳な音色。
参列者たちの祝福の拍手。
そして、祭壇の奥で待つ、世界で一番――いいえ、宇宙で一番美しい人。
「(ああっ……無理! 直視できない! 今日の殿下、輝きがカンストしてるわ!)」
私はヴェールの下で、必死に瞬きをした。
今日のフリード殿下は、白を基調とした王家の正装に身を包んでいる。
金色の髪は光を受けて天使の輪のように輝き、アイスブルーの瞳は、どんな宝石よりも澄んで、私だけを真っ直ぐに見つめている。
尊い。
あまりにも尊すぎて、涙が出てきそうだ。
「(こんな神々しい存在の隣に、私が立っていいの? バチが当たらない? 雷とか落ちてこない?)」
私が震えていると、隣を歩く父様が小声で囁いた。
「ラヴィニア、震えるな。……転んだら一生の恥だぞ」
「違うの父様……。これは武者震いよ。これから『神の隣』という聖域(サンクチュアリ)に足を踏み入れるための、覚悟の震えなの」
「相変わらず何を言っているか分からんが……幸せになれよ」
父様の手が、不器用に私の手を握りしめた。
いつも厳格な父様の目が、少し潤んでいるのを見て、私は胸が熱くなった。
「……はい」
祭壇の下に到着する。
父様から、殿下へと私の手が渡される。
その瞬間、温かくて大きな手が、私の冷たい指先を包み込んだ。
「待っていたぞ、ラヴィニア」
殿下が微笑む。
その笑顔の破壊力たるや、核融合炉並みだ。
私は深呼吸をして、かろうじて意識を保った。
「お、お待たせいたしました……殿下」
「行くぞ」
殿下に引かれ、私たちは祭壇への階段を登る。
一歩、また一歩。
それは、ただの階段ではない。
『ファン』から『妻』へと昇格するための、天国への階段だ。
◇
司祭様の言葉が、遠くから聞こえるような気がした。
緊張と感動で、頭がふわふわしている。
「新郎、フリードリヒ。汝、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓うか?」
殿下の声が、堂々と響き渡る。
「誓います」
迷いのない、力強い声。
その一言だけで、私の心臓はキュンと音を立てて締め付けられた。
「新婦、ラヴィニア。汝、健やかなる時も……(中略)……その命ある限り、真心を尽くすことを誓うか?」
私の番だ。
喉がカラカラだ。
でも、言わなければ。
私の人生の全てを懸けて、この人を推し続けると!
「ち、誓います!」
少し声が裏返ってしまったけれど、精一杯の言葉だった。
会場から、温かい笑い声が漏れる。
殿下も、愛おしそうに私を見て目を細めた。
「では、誓いの口付けを」
司祭様の言葉と共に、殿下が私のヴェールをゆっくりと上げた。
視界が一気にクリアになる。
目の前に、殿下の顔がある。
近い。
高画質。
ハイレゾリューション。
「ラヴィニア」
殿下が私の頬に手を添える。
「愛している」
甘い囁きと共に、殿下の顔が近づいてくる。
その瞬間、私の脳内メーターが振り切れた。
『警告:尊さ許容量オーバー。システムダウンします』
プツン。
世界がスローモーションになる。
視界が白く染まり、足の力が抜けていく。
「(あ、これダメなやつだ……)」
私は幸せな浮遊感の中で、後ろへと倒れていった。
「――っと!」
ガシッ。
背中に強い衝撃。
気がつくと、私は殿下の腕の中にいた。
「おい、ラヴィニア。大丈夫か?」
殿下が苦笑しながら、私を抱きとめている。
祭壇の上で、新郎が新婦を抱きかかえるという、前代未聞の構図。
会場がどっと沸いた。
「キャーッ! 倒れちゃった!」
「やっぱり殿下の美貌にやられたのね!」
「殿下、ナイスキャッチ!」
「さすがラヴィニア様だ、期待を裏切らない!」
私は殿下の腕の中で、パチパチと瞬きをした。
「……はっ! わ、私、また気絶を!?」
「ああ。見事な倒れっぷりだったぞ」
殿下は私の鼻先をツンとつついた。
「言っただろう? お前が倒れたら、俺が支えるって」
「ううう……一生の不覚……! 一番いいところだったのに……!」
私は顔を真っ赤にして、殿下の胸に埋もれた。
「恥ずかしい……。穴があったらマントルまで潜りたいです……」
「逃がさんぞ」
殿下は私を抱きかかえたまま、参列者に向かってニヤリと笑った。
「見たか! これが俺の妻だ! 俺のキスを受け止めるには、まだ修行が足りないようだがな!」
会場は大爆笑と、割れんばかりの拍手に包まれた。
「ヒューヒュー! お熱いねえ!」
「頑張れラヴィニア様ー! 心臓を鍛えろー!」
ミナ様がハンカチで涙を拭いながら手を振っている。
アレク様が「やれやれ」と言いながらも、優しく微笑んでいる。
チェルシー王女も、悔しそうにしながらも拍手をしてくれている。
みんなが、私たちを祝福してくれている。
「……ラヴィニア」
殿下が私を見下ろした。
「続き、してもいいか?」
「えっ、ここで!? みんな見てますよ!?」
「見せつけてやるんだよ。俺たちがどれほど幸せかを」
殿下は強引に顔を寄せ、今度こそ、私の唇を塞いだ。
チュッ。
今度は気絶しなかった。
殿下の温もりが、鼓動が、愛が、じんわりと心に染み渡っていく。
(ああ……幸せだなぁ)
私は殿下の首に腕を回し、口付けに応えた。
悪役令嬢を演じて、婚約破棄を狙って、逃げ回って。
そんなドタバタ劇の果てに辿り着いた、最高のハッピーエンド。
◇
教会の扉が開かれ、私たちは光の中へと歩き出した。
フラワーシャワーが降り注ぐ。
青い空、白い雲、そして鐘の音。
「フリード様!」
私は殿下を見上げて、満面の笑みで言った。
「私、決めました!」
「ん? 何をだ?」
「私、いい奥さんになります! 料理も頑張るし、公務も手伝います!」
「ああ、期待しているよ」
「そして何より!」
私は拳を握りしめ、高らかに宣言した。
「一生かけて、貴方を推し続けます! 貴方の一番のファンとして、最前列で愛を叫び続けます!」
「……ふっ」
殿下は吹き出し、そして世界で一番幸せそうな笑顔を見せた。
「望むところだ。……俺も、一生お前を推し続けるよ」
「えっ?」
「お前は俺の『最推し』だからな」
殿下は私を抱き上げ――本日何度目かのお姫様抱っこをして、青空の下を歩き出した。
「さあ、帰ろうか。俺たちの城へ」
「はい! ……あ、でも殿下、重くないですか? 最近クッキーの食べ過ぎで……」
「軽い軽い。愛の重さに比べれば、羽のようなものだ」
「うわぁ、キザです!」
「うるさい、愛してるぞ」
「私も愛してますー!!」
私たちの騒がしくて甘い愛の物語は、ここからが本番だ。
「最推しの有能王子が尊すぎて『悪役令嬢』を演じて婚約破棄されましたが、全ては殿下の恋路のためですのでお構いなく!」
――いいえ、訂正します。
「最推しの有能王子の妻になりましたが、毎日が尊すぎて心臓が持ちませんので、どなたかAEDを持ってきてください!」
これが、私の新しいキャッチコピーになりそうだ。
王都の大聖堂。
ステンドグラスから降り注ぐ七色の光の中、私は父であるクロック公爵のエスコートで、真紅のバージンロードを歩いていた。
パイプオルガンの荘厳な音色。
参列者たちの祝福の拍手。
そして、祭壇の奥で待つ、世界で一番――いいえ、宇宙で一番美しい人。
「(ああっ……無理! 直視できない! 今日の殿下、輝きがカンストしてるわ!)」
私はヴェールの下で、必死に瞬きをした。
今日のフリード殿下は、白を基調とした王家の正装に身を包んでいる。
金色の髪は光を受けて天使の輪のように輝き、アイスブルーの瞳は、どんな宝石よりも澄んで、私だけを真っ直ぐに見つめている。
尊い。
あまりにも尊すぎて、涙が出てきそうだ。
「(こんな神々しい存在の隣に、私が立っていいの? バチが当たらない? 雷とか落ちてこない?)」
私が震えていると、隣を歩く父様が小声で囁いた。
「ラヴィニア、震えるな。……転んだら一生の恥だぞ」
「違うの父様……。これは武者震いよ。これから『神の隣』という聖域(サンクチュアリ)に足を踏み入れるための、覚悟の震えなの」
「相変わらず何を言っているか分からんが……幸せになれよ」
父様の手が、不器用に私の手を握りしめた。
いつも厳格な父様の目が、少し潤んでいるのを見て、私は胸が熱くなった。
「……はい」
祭壇の下に到着する。
父様から、殿下へと私の手が渡される。
その瞬間、温かくて大きな手が、私の冷たい指先を包み込んだ。
「待っていたぞ、ラヴィニア」
殿下が微笑む。
その笑顔の破壊力たるや、核融合炉並みだ。
私は深呼吸をして、かろうじて意識を保った。
「お、お待たせいたしました……殿下」
「行くぞ」
殿下に引かれ、私たちは祭壇への階段を登る。
一歩、また一歩。
それは、ただの階段ではない。
『ファン』から『妻』へと昇格するための、天国への階段だ。
◇
司祭様の言葉が、遠くから聞こえるような気がした。
緊張と感動で、頭がふわふわしている。
「新郎、フリードリヒ。汝、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓うか?」
殿下の声が、堂々と響き渡る。
「誓います」
迷いのない、力強い声。
その一言だけで、私の心臓はキュンと音を立てて締め付けられた。
「新婦、ラヴィニア。汝、健やかなる時も……(中略)……その命ある限り、真心を尽くすことを誓うか?」
私の番だ。
喉がカラカラだ。
でも、言わなければ。
私の人生の全てを懸けて、この人を推し続けると!
「ち、誓います!」
少し声が裏返ってしまったけれど、精一杯の言葉だった。
会場から、温かい笑い声が漏れる。
殿下も、愛おしそうに私を見て目を細めた。
「では、誓いの口付けを」
司祭様の言葉と共に、殿下が私のヴェールをゆっくりと上げた。
視界が一気にクリアになる。
目の前に、殿下の顔がある。
近い。
高画質。
ハイレゾリューション。
「ラヴィニア」
殿下が私の頬に手を添える。
「愛している」
甘い囁きと共に、殿下の顔が近づいてくる。
その瞬間、私の脳内メーターが振り切れた。
『警告:尊さ許容量オーバー。システムダウンします』
プツン。
世界がスローモーションになる。
視界が白く染まり、足の力が抜けていく。
「(あ、これダメなやつだ……)」
私は幸せな浮遊感の中で、後ろへと倒れていった。
「――っと!」
ガシッ。
背中に強い衝撃。
気がつくと、私は殿下の腕の中にいた。
「おい、ラヴィニア。大丈夫か?」
殿下が苦笑しながら、私を抱きとめている。
祭壇の上で、新郎が新婦を抱きかかえるという、前代未聞の構図。
会場がどっと沸いた。
「キャーッ! 倒れちゃった!」
「やっぱり殿下の美貌にやられたのね!」
「殿下、ナイスキャッチ!」
「さすがラヴィニア様だ、期待を裏切らない!」
私は殿下の腕の中で、パチパチと瞬きをした。
「……はっ! わ、私、また気絶を!?」
「ああ。見事な倒れっぷりだったぞ」
殿下は私の鼻先をツンとつついた。
「言っただろう? お前が倒れたら、俺が支えるって」
「ううう……一生の不覚……! 一番いいところだったのに……!」
私は顔を真っ赤にして、殿下の胸に埋もれた。
「恥ずかしい……。穴があったらマントルまで潜りたいです……」
「逃がさんぞ」
殿下は私を抱きかかえたまま、参列者に向かってニヤリと笑った。
「見たか! これが俺の妻だ! 俺のキスを受け止めるには、まだ修行が足りないようだがな!」
会場は大爆笑と、割れんばかりの拍手に包まれた。
「ヒューヒュー! お熱いねえ!」
「頑張れラヴィニア様ー! 心臓を鍛えろー!」
ミナ様がハンカチで涙を拭いながら手を振っている。
アレク様が「やれやれ」と言いながらも、優しく微笑んでいる。
チェルシー王女も、悔しそうにしながらも拍手をしてくれている。
みんなが、私たちを祝福してくれている。
「……ラヴィニア」
殿下が私を見下ろした。
「続き、してもいいか?」
「えっ、ここで!? みんな見てますよ!?」
「見せつけてやるんだよ。俺たちがどれほど幸せかを」
殿下は強引に顔を寄せ、今度こそ、私の唇を塞いだ。
チュッ。
今度は気絶しなかった。
殿下の温もりが、鼓動が、愛が、じんわりと心に染み渡っていく。
(ああ……幸せだなぁ)
私は殿下の首に腕を回し、口付けに応えた。
悪役令嬢を演じて、婚約破棄を狙って、逃げ回って。
そんなドタバタ劇の果てに辿り着いた、最高のハッピーエンド。
◇
教会の扉が開かれ、私たちは光の中へと歩き出した。
フラワーシャワーが降り注ぐ。
青い空、白い雲、そして鐘の音。
「フリード様!」
私は殿下を見上げて、満面の笑みで言った。
「私、決めました!」
「ん? 何をだ?」
「私、いい奥さんになります! 料理も頑張るし、公務も手伝います!」
「ああ、期待しているよ」
「そして何より!」
私は拳を握りしめ、高らかに宣言した。
「一生かけて、貴方を推し続けます! 貴方の一番のファンとして、最前列で愛を叫び続けます!」
「……ふっ」
殿下は吹き出し、そして世界で一番幸せそうな笑顔を見せた。
「望むところだ。……俺も、一生お前を推し続けるよ」
「えっ?」
「お前は俺の『最推し』だからな」
殿下は私を抱き上げ――本日何度目かのお姫様抱っこをして、青空の下を歩き出した。
「さあ、帰ろうか。俺たちの城へ」
「はい! ……あ、でも殿下、重くないですか? 最近クッキーの食べ過ぎで……」
「軽い軽い。愛の重さに比べれば、羽のようなものだ」
「うわぁ、キザです!」
「うるさい、愛してるぞ」
「私も愛してますー!!」
私たちの騒がしくて甘い愛の物語は、ここからが本番だ。
「最推しの有能王子が尊すぎて『悪役令嬢』を演じて婚約破棄されましたが、全ては殿下の恋路のためですのでお構いなく!」
――いいえ、訂正します。
「最推しの有能王子の妻になりましたが、毎日が尊すぎて心臓が持ちませんので、どなたかAEDを持ってきてください!」
これが、私の新しいキャッチコピーになりそうだ。
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