27 / 28
27
しおりを挟む
「無理……。やっぱり無理よ……!」
結婚式を明日に控えた夜。
実家であるクロック公爵家の自室で、私はベッドの上で頭を抱えてのたうち回っていた。
部屋の中には、明日着る純白のウェディングドレスが飾られている。
それを見るたびに、胃がキュッと縮み、心臓が早鐘を打つ。
世間一般では、結婚式前夜の花嫁が不安になることを『マリッジブルー』と呼ぶらしい。
「でも、私のこれは違うわ! これは……『推し尊いブルー』よ!」
私は叫んで、枕に顔を埋めた。
不安の種類が違うのだ。
「私なんかが良い妻になれるかしら」とか「嫁姑問題は大丈夫かしら」といった人間的な悩みではない。
『明日から、あの尊き神(フリード殿下)と同じ戸籍に入り、同じ空気を吸い、同じ寝具で眠るという冒涜的な行為が、法的に許可されてしまう恐怖』
これに尽きる。
「恐れ多い……! 一介のオタクが、推しの配偶者欄に名を連ねるなんて……! 前世で銀河を救ったとしてもお釣りが来るレベルの奇跡じゃない!」
私はフラフラと立ち上がり、部屋の隅にある『祭壇』に向かった。
そこには、殿下の幼少期の肖像画や、殿下が初めて使ったスプーン(レプリカ)などが飾られている。
「ああ、フリード様……。遠くから拝んでいるだけで幸せだった私が、まさか貴方の『最愛』になるなんて……」
手を合わせ、拝む。
「明日、祭壇に立って貴方の晴れ姿を見たら、私は間違いなく蒸発して消えるわ。……遺骨は拾ってくださいね」
ネガティブな妄想が止まらない。
いっそ、今からでも「体調不良」を理由に延期してもらおうか。
いや、「心臓が爆発しそうなので欠席します」という電報を打つべきか。
私が部屋の中を熊のようにウロウロと歩き回っていると。
コンコン。
窓ガラスを叩く音がした。
「……え?」
ここは三階だ。
鳥か、それとも風で枝が当たったのか。
コンコン、コンコン。
音が続く。
恐る恐るカーテンを開け、窓の鍵を外すと――。
スッ。
音もなく窓が開き、夜風とともに一人の影が侵入してきた。
「よお、ラヴィニア。まだ起きていたか」
「ふ、フリード殿下ァァァ!?」
私は腰を抜かして尻餅をついた。
そこに立っていたのは、私の婚約者にして、明日の新郎であるフリード殿下だった。
しかも、正装ではなく寝巻きのようなラフなシャツ姿で、髪も下ろしている。
「な、ななな、なぜここに!? ここは公爵邸の三階ですよ!?」
「ここにはよく『お忍び』で来ていたからな。登り慣れている」
「不法侵入の常習犯!?」
殿下は悪びれもせず、私の部屋の中を見回した。
「懐かしいな。昔、ここからお前が俺のグッズを隠しているのを見て、ニヤニヤしたものだ」
「見ないで! 私の黒歴史ボックスを開けないで!」
私は慌てて祭壇の前に立ちはだかった。
「それより殿下! 明日は結婚式ですよ! 新郎新婦が式の前夜に会うなんて、マナー違反です! 不吉だと言われていますよ!」
「迷信だ」
殿下は私の前に歩み寄り、しゃがみ込んで視線を合わせた。
「それに……会いたかったんだ。どうしてもな」
「えっ……」
「眠れないんだ。お前の顔を見ないと、落ち着かなくて」
殿下のアイスブルーの瞳が、月明かりの下で揺れている。
その表情は、いつもの自信満々な王太子ではなく、明日への緊張を滲ませた一人の青年のものだった。
「で、殿下も……緊張されているのですか?」
「当たり前だ。明日は俺の人生で一番大事な日だぞ?」
殿下は苦笑して、私の手を取った。
「愛する女を、一生俺のものにする日だ。……もしお前が『やっぱり嫌だ』と言って逃げ出したらどうしようかと、気が気じゃなかった」
「に、逃げませんよ! 覚悟は決めましたから!」
「そうか。……なら安心だ」
殿下はホッとしたように息を吐き、そのまま私の肩に頭を預けてきた。
「……少しだけ、充電させてくれ」
「ひゃっ!?」
重みと、体温と、良い匂いが同時に襲ってくる。
殿下のサラサラした髪が、私の首筋に触れてくすぐったい。
「(ううっ……心臓に悪い……! けど……)」
不思議と、さっきまでのパニックは消え失せていた。
目の前にいるのは、雲の上の『神様』ではなく、私を求めて夜這い(?)してくる寂しがり屋の『人間』なのだと実感できたからかもしれない。
「……ラヴィニア」
「はい」
「明日の式、もしお前が緊張で倒れたら、俺が支えると言ったな」
「はい。頼りにしています」
「だが、俺が緊張でガチガチになっていたら……お前が笑わせてくれ」
殿下が顔を上げ、少し照れくさそうに言った。
「お前のその、突拍子もない言動や、オタク特有の早口を聞くと……俺はいつも肩の力が抜けるんだ」
「ええっ? 褒めてますかそれ?」
「褒めている。……お前はおれの精神安定剤(トランキライザー)だ」
殿下は私の頬を撫でた。
「だから、完璧な花嫁になろうなんて思わなくていい。いつもの、変で、騒がしくて、愛らしいお前のままでいてくれ」
「……変は余計です」
私は唇を尖らせたが、胸の奥がじんわりと温かくなった。
そうか。
無理に背伸びをする必要はないんだ。
殿下が好きになったのは、『高潔な令嬢ラヴィニア』ではなく、『推し活に全力なラヴィニア』なのだから。
「分かりました。……明日は、全力で殿下を愛でに行きます」
「愛でる?」
「はい! タキシード姿の殿下を最前列でガン見して、『尊い!』って心の中で叫びながら、幸せを噛み締めます!」
「ふっ……それは楽しみだ」
殿下は楽しそうに笑い、立ち上がった。
「落ち着いたか?」
「はい、おかげさまで。殿下の顔を見たら、ブルーな気持ちが吹っ飛びました」
「それはよかった。……じゃあ、仕上げだ」
「へ?」
殿下が私の腕を引き、勢いよく抱き寄せた。
「んっ!?」
唇が重なる。
挨拶代わりのキスではない。
深く、熱く、そして長い口付け。
「んん……っ、ぷはっ!」
私が酸欠で目を回しかけると、殿下はようやく唇を離した。
「……明日の予行演習だ」
殿下は悪戯っぽくウィンクした。
「本番はもっと長くするから、息を止める練習をしておけよ」
「お、鬼畜ぅぅぅ!」
「おやすみ、俺のラヴィニア。……また明日、祭壇の前で」
殿下はヒラリと窓枠に飛び乗り、夜闇の中へと消えていった。
残された私は、その場にヘナヘナと座り込んだ。
「……はぁ、はぁ……」
心臓がうるさい。
顔が熱い。
でも、さっきまでの「逃げ出したい」という恐怖はもうなかった。
あるのは、「早く明日にならないかな」という、くすぐったいような期待感だけ。
「……もう。ズルいわよ、フリード様」
私は唇に指を当て、一人ごちた。
「あんなことされたら……もっと好きになっちゃうじゃない」
窓の外には、満月が輝いている。
明日はきっと、晴れるだろう。
私の、そして私たちの、新しい物語の始まりの日。
「よし! 寝よう! 目の下にクマを作ったら、推しへの冒涜だわ!」
私はベッドにダイブし、布団を頭までかぶった。
瞼の裏には、先ほどの殿下の優しい笑顔が焼き付いている。
「おやすみなさい、フリード様……」
幸せな眠りが、私を包み込んでいった。
結婚式を明日に控えた夜。
実家であるクロック公爵家の自室で、私はベッドの上で頭を抱えてのたうち回っていた。
部屋の中には、明日着る純白のウェディングドレスが飾られている。
それを見るたびに、胃がキュッと縮み、心臓が早鐘を打つ。
世間一般では、結婚式前夜の花嫁が不安になることを『マリッジブルー』と呼ぶらしい。
「でも、私のこれは違うわ! これは……『推し尊いブルー』よ!」
私は叫んで、枕に顔を埋めた。
不安の種類が違うのだ。
「私なんかが良い妻になれるかしら」とか「嫁姑問題は大丈夫かしら」といった人間的な悩みではない。
『明日から、あの尊き神(フリード殿下)と同じ戸籍に入り、同じ空気を吸い、同じ寝具で眠るという冒涜的な行為が、法的に許可されてしまう恐怖』
これに尽きる。
「恐れ多い……! 一介のオタクが、推しの配偶者欄に名を連ねるなんて……! 前世で銀河を救ったとしてもお釣りが来るレベルの奇跡じゃない!」
私はフラフラと立ち上がり、部屋の隅にある『祭壇』に向かった。
そこには、殿下の幼少期の肖像画や、殿下が初めて使ったスプーン(レプリカ)などが飾られている。
「ああ、フリード様……。遠くから拝んでいるだけで幸せだった私が、まさか貴方の『最愛』になるなんて……」
手を合わせ、拝む。
「明日、祭壇に立って貴方の晴れ姿を見たら、私は間違いなく蒸発して消えるわ。……遺骨は拾ってくださいね」
ネガティブな妄想が止まらない。
いっそ、今からでも「体調不良」を理由に延期してもらおうか。
いや、「心臓が爆発しそうなので欠席します」という電報を打つべきか。
私が部屋の中を熊のようにウロウロと歩き回っていると。
コンコン。
窓ガラスを叩く音がした。
「……え?」
ここは三階だ。
鳥か、それとも風で枝が当たったのか。
コンコン、コンコン。
音が続く。
恐る恐るカーテンを開け、窓の鍵を外すと――。
スッ。
音もなく窓が開き、夜風とともに一人の影が侵入してきた。
「よお、ラヴィニア。まだ起きていたか」
「ふ、フリード殿下ァァァ!?」
私は腰を抜かして尻餅をついた。
そこに立っていたのは、私の婚約者にして、明日の新郎であるフリード殿下だった。
しかも、正装ではなく寝巻きのようなラフなシャツ姿で、髪も下ろしている。
「な、ななな、なぜここに!? ここは公爵邸の三階ですよ!?」
「ここにはよく『お忍び』で来ていたからな。登り慣れている」
「不法侵入の常習犯!?」
殿下は悪びれもせず、私の部屋の中を見回した。
「懐かしいな。昔、ここからお前が俺のグッズを隠しているのを見て、ニヤニヤしたものだ」
「見ないで! 私の黒歴史ボックスを開けないで!」
私は慌てて祭壇の前に立ちはだかった。
「それより殿下! 明日は結婚式ですよ! 新郎新婦が式の前夜に会うなんて、マナー違反です! 不吉だと言われていますよ!」
「迷信だ」
殿下は私の前に歩み寄り、しゃがみ込んで視線を合わせた。
「それに……会いたかったんだ。どうしてもな」
「えっ……」
「眠れないんだ。お前の顔を見ないと、落ち着かなくて」
殿下のアイスブルーの瞳が、月明かりの下で揺れている。
その表情は、いつもの自信満々な王太子ではなく、明日への緊張を滲ませた一人の青年のものだった。
「で、殿下も……緊張されているのですか?」
「当たり前だ。明日は俺の人生で一番大事な日だぞ?」
殿下は苦笑して、私の手を取った。
「愛する女を、一生俺のものにする日だ。……もしお前が『やっぱり嫌だ』と言って逃げ出したらどうしようかと、気が気じゃなかった」
「に、逃げませんよ! 覚悟は決めましたから!」
「そうか。……なら安心だ」
殿下はホッとしたように息を吐き、そのまま私の肩に頭を預けてきた。
「……少しだけ、充電させてくれ」
「ひゃっ!?」
重みと、体温と、良い匂いが同時に襲ってくる。
殿下のサラサラした髪が、私の首筋に触れてくすぐったい。
「(ううっ……心臓に悪い……! けど……)」
不思議と、さっきまでのパニックは消え失せていた。
目の前にいるのは、雲の上の『神様』ではなく、私を求めて夜這い(?)してくる寂しがり屋の『人間』なのだと実感できたからかもしれない。
「……ラヴィニア」
「はい」
「明日の式、もしお前が緊張で倒れたら、俺が支えると言ったな」
「はい。頼りにしています」
「だが、俺が緊張でガチガチになっていたら……お前が笑わせてくれ」
殿下が顔を上げ、少し照れくさそうに言った。
「お前のその、突拍子もない言動や、オタク特有の早口を聞くと……俺はいつも肩の力が抜けるんだ」
「ええっ? 褒めてますかそれ?」
「褒めている。……お前はおれの精神安定剤(トランキライザー)だ」
殿下は私の頬を撫でた。
「だから、完璧な花嫁になろうなんて思わなくていい。いつもの、変で、騒がしくて、愛らしいお前のままでいてくれ」
「……変は余計です」
私は唇を尖らせたが、胸の奥がじんわりと温かくなった。
そうか。
無理に背伸びをする必要はないんだ。
殿下が好きになったのは、『高潔な令嬢ラヴィニア』ではなく、『推し活に全力なラヴィニア』なのだから。
「分かりました。……明日は、全力で殿下を愛でに行きます」
「愛でる?」
「はい! タキシード姿の殿下を最前列でガン見して、『尊い!』って心の中で叫びながら、幸せを噛み締めます!」
「ふっ……それは楽しみだ」
殿下は楽しそうに笑い、立ち上がった。
「落ち着いたか?」
「はい、おかげさまで。殿下の顔を見たら、ブルーな気持ちが吹っ飛びました」
「それはよかった。……じゃあ、仕上げだ」
「へ?」
殿下が私の腕を引き、勢いよく抱き寄せた。
「んっ!?」
唇が重なる。
挨拶代わりのキスではない。
深く、熱く、そして長い口付け。
「んん……っ、ぷはっ!」
私が酸欠で目を回しかけると、殿下はようやく唇を離した。
「……明日の予行演習だ」
殿下は悪戯っぽくウィンクした。
「本番はもっと長くするから、息を止める練習をしておけよ」
「お、鬼畜ぅぅぅ!」
「おやすみ、俺のラヴィニア。……また明日、祭壇の前で」
殿下はヒラリと窓枠に飛び乗り、夜闇の中へと消えていった。
残された私は、その場にヘナヘナと座り込んだ。
「……はぁ、はぁ……」
心臓がうるさい。
顔が熱い。
でも、さっきまでの「逃げ出したい」という恐怖はもうなかった。
あるのは、「早く明日にならないかな」という、くすぐったいような期待感だけ。
「……もう。ズルいわよ、フリード様」
私は唇に指を当て、一人ごちた。
「あんなことされたら……もっと好きになっちゃうじゃない」
窓の外には、満月が輝いている。
明日はきっと、晴れるだろう。
私の、そして私たちの、新しい物語の始まりの日。
「よし! 寝よう! 目の下にクマを作ったら、推しへの冒涜だわ!」
私はベッドにダイブし、布団を頭までかぶった。
瞼の裏には、先ほどの殿下の優しい笑顔が焼き付いている。
「おやすみなさい、フリード様……」
幸せな眠りが、私を包み込んでいった。
0
あなたにおすすめの小説
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
婚約者の番
ありがとうございました。さようなら
恋愛
私の婚約者は、獅子の獣人だ。
大切にされる日々を過ごして、私はある日1番恐れていた事が起こってしまった。
「彼を譲ってくれない?」
とうとう彼の番が現れてしまった。
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛
Rj
恋愛
王子様と出会い結婚したグレイス侯爵令嬢はおとぎ話のように「幸せにくらしましたとさ」という結末を迎えられなかった。愛し合っていると思っていたアーサー王太子から結婚式の二日前に愛していないといわれ、表向きは仲睦まじい王太子夫妻だったがアーサーにはグレイス以外に愛する人がいた。次代の希望とよばれた王太子妃の物語。
全十二話。(全十一話で投稿したものに一話加えました。2/6変更)
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる