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「……冷たいですね」
実家から戻ったその日の夜。
公爵邸のダイニングルームで、イロハは目の前に置かれたスープをスプーンでひと掬いし、無表情に言い放った。
広大なテーブルの向かい側には、当主であるシルヴィスが座っている。
彼の前にも同じスープが置かれているが、彼は気にする様子もなく、機械的に口に運んでいた。
「閣下。味覚機能に障害が発生していますか?」
「いや? 栄養が摂取できれば温度などどうでもいい」
「よくありません。温かい料理が冷めているということは、調理から配膳までのプロセスに重大な遅延(ラグ)が発生している証拠です。これは業務怠慢です」
イロハはカチャン、とスプーンを置いた。
その音が合図だったかのように、給仕をしていた若いメイドが「ひぃっ!」と悲鳴を上げて盆を取り落とした。
ガシャン!
金属製の盆が床に落ち、派手な音が響く。
メイドは蒼白になり、ガタガタと震えながらその場に平伏した。
「も、申し訳ございません! 申し訳ございません! お許しを、お許しください……ッ!」
まるで処刑を待つ罪人のような怯えようだ。
シルヴィスが眉をひそめる。
「……おい。騒がしいぞ。下がっていろ」
「ひぃぃぃ! 殺されるぅぅぅ!」
メイドは泡を吹いて気絶した。
「……」
イロハは冷ややかにその惨状を見下ろし、懐からストップウォッチを取り出した。
「気絶までの所要時間、0.5秒。復帰までのタイムロス、推定二十分。……閣下、この屋敷の労働生産性は、私の試算よりもさらに低いようです」
「仕方あるまい。私が通るだけで廊下の花が枯れると言われているくらいだ」
「それはただの水やり不足です。植物に閣下のオーラを感知する機能はありません」
イロハは立ち上がった。
「食事は一時中断します。原因究明(トラブルシューティング)に向かいます」
「ほう? 私も行こう」
「来ないでください。閣下が来ると、現場が凍りついて原因究明どころではなくなります。大人しくそこで、冷めたスープを飲んで反省していてください」
イロハはピシャリと言い放ち、食堂を出て行った。
シルヴィスは一人取り残され、少し驚いた後に、口元を緩めた。
「……『待て』を命じられたのは、生まれて初めてだな」
***
厨房へと続く廊下。
そこは、まるで廃墟のように薄暗かった。
「(照明の照度が低すぎる。これでは作業効率が落ちるし、精神的にも陰鬱になる。LED……は無理でも、魔石ランプの出力を上げる必要がありますね)」
イロハはブツブツと改善点をメモしながら進む。
厨房に到着すると、そこは戦場……ではなく、お通夜のような雰囲気だった。
太った料理長が、死んだ魚のような目で鍋をかき混ぜている。
他の料理人たちも、壁のシミの数を数えるような虚ろな目をしていた。
「こんばんは。業務監査です」
イロハが声をかけると、全員がビクゥッと飛び上がった。
「で、出たァァァ! ……あ、あれ? 新しい管理官様……?」
料理長が胸を撫で下ろす。
「閣下じゃなくてよかった……。寿命が三年縮むところでした」
「本日のスープが冷めていた原因について説明を求めます。時間は三十秒」
イロハがストップウォッチを見せる。
料理長は冷や汗を拭った。
「そ、それがですね……厨房から食堂までの廊下に、出るんですよ」
「何がです?」
「『開かずの間』の亡霊です! 夜になると、廊下の奥から不気味な風切り音と、怨嗟の声が聞こえてくるんです……。配膳係はそれを避けるために、わざわざ遠回りをして二階を経由しているので、時間がかかってしまって……」
「亡霊?」
イロハは眉をひそめた。
「非科学的です。案内しなさい」
***
問題の廊下。
確かに、ヒュオオオ……という不気味な音が響いている。
時折、「ウゥゥ……」という低い唸り声のような音も混じる。
同行した料理長が震え上がる。
「き、聞こえましたか!? あれです! 先代の公爵様に粛清された騎士の霊だと言われていて……」
「……」
イロハは無言でスタスタと音の発生源へ歩いていく。
「ちょ、管理官様!? 呪われますよ!?」
イロハは廊下の突き当たりにある古びた窓枠を調べ、バン! と手で叩いた。
すると、音はピタリと止んだ。
「へ?」
「ただの『隙間風』です」
イロハは淡々と解説した。
「この窓枠、経年劣化で蝶番が歪んでいます。特定の風向きの時だけ、隙間を空気が通って笛のような音を発していただけです。『ウゥゥ』という声は、風圧で窓ガラスが共振していた音ですね」
「そ、それだけ……?」
「それだけです。修繕費、釘三本とパテ埋めで約五十ゴールド。こんな安っぽい怪談のために、毎日往復十五分のロスとスープの熱を犠牲にしていたのですか?」
イロハは呆れたように料理長を見た。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花、といいますが、ここは『幽霊の正体見たり施工不良』ですね。明日、業者を呼びます」
「は、はあ……」
「それと、もう一つの原因。閣下に対する『過剰な恐怖心』です」
イロハは全員を見回した。
「あなたたちは閣下を魔王か何かと勘違いしていますが、彼はただの『効率至上主義の不器用な人間』です。殺気立っているのは、屋敷が汚いからイライラしているだけです」
「で、でも……目が合うと石にされると……」
「されません。そんなメデューサみたいな機能はありません。いいですか、本日より『対シルヴィス閣下用・業務マニュアル』を配布します」
イロハは懐から、一晩で書き上げた羊皮紙の束を取り出した。
「第1条。閣下の『……』という沈黙は、怒りではなく『どうでもいい』という思考停止の合図です。気にせず業務を続行すること」
「第2条。閣下が眉をひそめた時は、不機嫌なのではなく『視力が悪いくせに眼鏡をかけたがらない』ために目を細めているだけです。照明を明るくすれば解決します」
「第3条。もし閣下に怒鳴られたら、即座に私を呼びなさい。私が『翻訳』して適切な指示に変換します。あなたたちが直接、閣下の精神的暴力を受ける必要はありません。私が防波堤(ファイアウォール)になります」
イロハの断言に、使用人たちの目に光が宿った。
「ま、守ってくださるのですか……?」
「守ります。あなたたちは私の管理下にある『人的資産』です。資産を摩耗させるような環境を放置するのは、管理官としての私のプライドが許しません」
イロハはニヤリと笑った。
「その代わり、これからは言い訳無用で働いてもらいますよ? 環境は整えました。成果(ホットスープ)を出せないなら、給料カットです」
「は、はいぃぃぃッ! 一生ついていきます姉御ぉぉッ!」
料理長が涙を流して敬礼した。
「姉御ではありません。CFOと呼びなさい」
***
三十分後。
再び食堂に戻ったイロハの手には、湯気を立てるスープ皿があった。
「作り直させました。今度は適温です」
シルヴィスの前に置く。
彼はスプーンで一口啜ると、少しだけ目を見開いた。
「……温かいな」
「当然です。亡霊(隙間風)は退治し、恐怖心(リスク)はマニュアル化して制御しました」
イロハは自分の席に座り、優雅にナプキンを広げた。
「味はどうですか?」
「……悪くない」
シルヴィスは、珍しく二口、三口とスプーンを進めた。
「以前より、味がはっきりしている気がする」
「料理人のストレス値が下がったことで、味付けへの集中力が増したのでしょう。料理は化学反応と精神状態の掛け算ですから」
「ふっ……。お前が来てから、この屋敷の空気が変わったな」
シルヴィスはグラスを傾け、イロハを見つめた。
その瞳には、獲物を狙う鋭さだけでなく、どこか楽しげな色が混じっていた。
「亡霊も、私の悪評も、お前にかかればただの『数字』か」
「解決可能な『課題』に過ぎません」
イロハはトーストをかじりながら、電卓を叩く。
「さて、本日の改善効果による利益試算ですが……年間で約三百万ゴールドの経費削減が見込めます。このうちの二割を、私の成功報酬としてボーナスに加算していただきたいのですが」
「……食事中だぞ?」
「お金の話にTPOは関係ありません。善は急げ、請求は迅速に、です」
「くくっ、強欲な女だ。……だが、いいだろう。そのスープの温かさに免じて、認めてやる」
「ありがとうございます。では、契約書にサインを」
イロハが懐から即座に羊皮紙を取り出す。
シルヴィスは苦笑しながら、それでもどこか嬉しそうにペンを走らせた。
「……イロハ。お前、明日の予定は?」
「屋敷全体の在庫棚卸しです。倉庫に何が眠っているか把握しないと、資産運用ができませんから」
「そうか。なら、午後は空けておけ」
シルヴィスがさらりと言った。
「公爵家の『正式な契約者』として、お披露目の準備が必要だ。ドレス屋を呼ぶ」
「ドレス? 不要です。作業着(エプロン)で十分ですが」
「却下だ。私の隣に立つのだぞ? それなりの格好をしてもらわねば、私のブランド価値に関わる」
「む……ブランド価値と言われると反論できませんね。分かりました。ただし、あまり高価すぎるものは困ります。動きにくいですし、汚れた時のクリーニング代が……」
「金の話はもういい。黙って私に着飾られていろ」
シルヴィスは楽しそうに笑うと、温かいスープを飲み干した。
廃墟同然だった公爵邸に、少しずつ、だが確実に「生気」が戻り始めていた。
それは、愛の力……ではなく、徹底的な合理化と管理能力によるものであったが、結果として誰もが幸せになりつつあった。
実家から戻ったその日の夜。
公爵邸のダイニングルームで、イロハは目の前に置かれたスープをスプーンでひと掬いし、無表情に言い放った。
広大なテーブルの向かい側には、当主であるシルヴィスが座っている。
彼の前にも同じスープが置かれているが、彼は気にする様子もなく、機械的に口に運んでいた。
「閣下。味覚機能に障害が発生していますか?」
「いや? 栄養が摂取できれば温度などどうでもいい」
「よくありません。温かい料理が冷めているということは、調理から配膳までのプロセスに重大な遅延(ラグ)が発生している証拠です。これは業務怠慢です」
イロハはカチャン、とスプーンを置いた。
その音が合図だったかのように、給仕をしていた若いメイドが「ひぃっ!」と悲鳴を上げて盆を取り落とした。
ガシャン!
金属製の盆が床に落ち、派手な音が響く。
メイドは蒼白になり、ガタガタと震えながらその場に平伏した。
「も、申し訳ございません! 申し訳ございません! お許しを、お許しください……ッ!」
まるで処刑を待つ罪人のような怯えようだ。
シルヴィスが眉をひそめる。
「……おい。騒がしいぞ。下がっていろ」
「ひぃぃぃ! 殺されるぅぅぅ!」
メイドは泡を吹いて気絶した。
「……」
イロハは冷ややかにその惨状を見下ろし、懐からストップウォッチを取り出した。
「気絶までの所要時間、0.5秒。復帰までのタイムロス、推定二十分。……閣下、この屋敷の労働生産性は、私の試算よりもさらに低いようです」
「仕方あるまい。私が通るだけで廊下の花が枯れると言われているくらいだ」
「それはただの水やり不足です。植物に閣下のオーラを感知する機能はありません」
イロハは立ち上がった。
「食事は一時中断します。原因究明(トラブルシューティング)に向かいます」
「ほう? 私も行こう」
「来ないでください。閣下が来ると、現場が凍りついて原因究明どころではなくなります。大人しくそこで、冷めたスープを飲んで反省していてください」
イロハはピシャリと言い放ち、食堂を出て行った。
シルヴィスは一人取り残され、少し驚いた後に、口元を緩めた。
「……『待て』を命じられたのは、生まれて初めてだな」
***
厨房へと続く廊下。
そこは、まるで廃墟のように薄暗かった。
「(照明の照度が低すぎる。これでは作業効率が落ちるし、精神的にも陰鬱になる。LED……は無理でも、魔石ランプの出力を上げる必要がありますね)」
イロハはブツブツと改善点をメモしながら進む。
厨房に到着すると、そこは戦場……ではなく、お通夜のような雰囲気だった。
太った料理長が、死んだ魚のような目で鍋をかき混ぜている。
他の料理人たちも、壁のシミの数を数えるような虚ろな目をしていた。
「こんばんは。業務監査です」
イロハが声をかけると、全員がビクゥッと飛び上がった。
「で、出たァァァ! ……あ、あれ? 新しい管理官様……?」
料理長が胸を撫で下ろす。
「閣下じゃなくてよかった……。寿命が三年縮むところでした」
「本日のスープが冷めていた原因について説明を求めます。時間は三十秒」
イロハがストップウォッチを見せる。
料理長は冷や汗を拭った。
「そ、それがですね……厨房から食堂までの廊下に、出るんですよ」
「何がです?」
「『開かずの間』の亡霊です! 夜になると、廊下の奥から不気味な風切り音と、怨嗟の声が聞こえてくるんです……。配膳係はそれを避けるために、わざわざ遠回りをして二階を経由しているので、時間がかかってしまって……」
「亡霊?」
イロハは眉をひそめた。
「非科学的です。案内しなさい」
***
問題の廊下。
確かに、ヒュオオオ……という不気味な音が響いている。
時折、「ウゥゥ……」という低い唸り声のような音も混じる。
同行した料理長が震え上がる。
「き、聞こえましたか!? あれです! 先代の公爵様に粛清された騎士の霊だと言われていて……」
「……」
イロハは無言でスタスタと音の発生源へ歩いていく。
「ちょ、管理官様!? 呪われますよ!?」
イロハは廊下の突き当たりにある古びた窓枠を調べ、バン! と手で叩いた。
すると、音はピタリと止んだ。
「へ?」
「ただの『隙間風』です」
イロハは淡々と解説した。
「この窓枠、経年劣化で蝶番が歪んでいます。特定の風向きの時だけ、隙間を空気が通って笛のような音を発していただけです。『ウゥゥ』という声は、風圧で窓ガラスが共振していた音ですね」
「そ、それだけ……?」
「それだけです。修繕費、釘三本とパテ埋めで約五十ゴールド。こんな安っぽい怪談のために、毎日往復十五分のロスとスープの熱を犠牲にしていたのですか?」
イロハは呆れたように料理長を見た。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花、といいますが、ここは『幽霊の正体見たり施工不良』ですね。明日、業者を呼びます」
「は、はあ……」
「それと、もう一つの原因。閣下に対する『過剰な恐怖心』です」
イロハは全員を見回した。
「あなたたちは閣下を魔王か何かと勘違いしていますが、彼はただの『効率至上主義の不器用な人間』です。殺気立っているのは、屋敷が汚いからイライラしているだけです」
「で、でも……目が合うと石にされると……」
「されません。そんなメデューサみたいな機能はありません。いいですか、本日より『対シルヴィス閣下用・業務マニュアル』を配布します」
イロハは懐から、一晩で書き上げた羊皮紙の束を取り出した。
「第1条。閣下の『……』という沈黙は、怒りではなく『どうでもいい』という思考停止の合図です。気にせず業務を続行すること」
「第2条。閣下が眉をひそめた時は、不機嫌なのではなく『視力が悪いくせに眼鏡をかけたがらない』ために目を細めているだけです。照明を明るくすれば解決します」
「第3条。もし閣下に怒鳴られたら、即座に私を呼びなさい。私が『翻訳』して適切な指示に変換します。あなたたちが直接、閣下の精神的暴力を受ける必要はありません。私が防波堤(ファイアウォール)になります」
イロハの断言に、使用人たちの目に光が宿った。
「ま、守ってくださるのですか……?」
「守ります。あなたたちは私の管理下にある『人的資産』です。資産を摩耗させるような環境を放置するのは、管理官としての私のプライドが許しません」
イロハはニヤリと笑った。
「その代わり、これからは言い訳無用で働いてもらいますよ? 環境は整えました。成果(ホットスープ)を出せないなら、給料カットです」
「は、はいぃぃぃッ! 一生ついていきます姉御ぉぉッ!」
料理長が涙を流して敬礼した。
「姉御ではありません。CFOと呼びなさい」
***
三十分後。
再び食堂に戻ったイロハの手には、湯気を立てるスープ皿があった。
「作り直させました。今度は適温です」
シルヴィスの前に置く。
彼はスプーンで一口啜ると、少しだけ目を見開いた。
「……温かいな」
「当然です。亡霊(隙間風)は退治し、恐怖心(リスク)はマニュアル化して制御しました」
イロハは自分の席に座り、優雅にナプキンを広げた。
「味はどうですか?」
「……悪くない」
シルヴィスは、珍しく二口、三口とスプーンを進めた。
「以前より、味がはっきりしている気がする」
「料理人のストレス値が下がったことで、味付けへの集中力が増したのでしょう。料理は化学反応と精神状態の掛け算ですから」
「ふっ……。お前が来てから、この屋敷の空気が変わったな」
シルヴィスはグラスを傾け、イロハを見つめた。
その瞳には、獲物を狙う鋭さだけでなく、どこか楽しげな色が混じっていた。
「亡霊も、私の悪評も、お前にかかればただの『数字』か」
「解決可能な『課題』に過ぎません」
イロハはトーストをかじりながら、電卓を叩く。
「さて、本日の改善効果による利益試算ですが……年間で約三百万ゴールドの経費削減が見込めます。このうちの二割を、私の成功報酬としてボーナスに加算していただきたいのですが」
「……食事中だぞ?」
「お金の話にTPOは関係ありません。善は急げ、請求は迅速に、です」
「くくっ、強欲な女だ。……だが、いいだろう。そのスープの温かさに免じて、認めてやる」
「ありがとうございます。では、契約書にサインを」
イロハが懐から即座に羊皮紙を取り出す。
シルヴィスは苦笑しながら、それでもどこか嬉しそうにペンを走らせた。
「……イロハ。お前、明日の予定は?」
「屋敷全体の在庫棚卸しです。倉庫に何が眠っているか把握しないと、資産運用ができませんから」
「そうか。なら、午後は空けておけ」
シルヴィスがさらりと言った。
「公爵家の『正式な契約者』として、お披露目の準備が必要だ。ドレス屋を呼ぶ」
「ドレス? 不要です。作業着(エプロン)で十分ですが」
「却下だ。私の隣に立つのだぞ? それなりの格好をしてもらわねば、私のブランド価値に関わる」
「む……ブランド価値と言われると反論できませんね。分かりました。ただし、あまり高価すぎるものは困ります。動きにくいですし、汚れた時のクリーニング代が……」
「金の話はもういい。黙って私に着飾られていろ」
シルヴィスは楽しそうに笑うと、温かいスープを飲み干した。
廃墟同然だった公爵邸に、少しずつ、だが確実に「生気」が戻り始めていた。
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