15 / 28
15
しおりを挟む
王都のメイン広場に、巨大な特設ステージが組まれました。
本日は、数年に一度開催される『王立・究極の料理コンテスト』の決勝戦です。
「……チューナ様。くれぐれも、審査員席で勝手に厨房へ乱入したり、食材を盗み食いしたりしないでくださいね」
隣に座るゼノス様が、私の耳元で釘を刺しました。
今日の私は、数々の食の奇跡を起こした功績(?)を認められ、特別審査員として招かれたのです。
「失礼ね、ゼノス様。私は公平公正な審査をするために、昨日から胃袋を空にして調整してきたのですわ! 今の私は、どんな小さな味の不正も見逃さない、歩く精密秤ですのよ!」
「……空腹すぎて理性を失わないか心配だと言っているのですが」
そんな私たちのやり取りを、一段高い王族席からジュリアン殿下が冷たく見下ろしていました。
「フン、チューナ。貴様のような野蛮な味覚を持つ者に、真の高級料理が理解できるかな? 今回のコンテストには、メアリーが推薦した最高のシェフが出場しているのだ」
「そうですわ、チューナ様。本物の『贅の極み』というものを、その卑しい舌に刻み込んで差し上げますわ!」
メアリー様が、自信満々に扇子を広げました。
彼女が推薦したのは、他国から招かれたという自称・天才シェフ、バロン。
彼は金銀財宝のような装飾を施した調理台の前に立ち、不敵な笑みを浮かべていました。
コンテストが始まり、次々と豪華な料理が運ばれてきます。
しかし、私の判定はどれも厳しいものでした。
「……次の方。見た目は綺麗ですけれど、金箔の味が邪魔をして、せっかくの白身魚の繊細な風味が死んでいますわ。三点です」
「……そちらの方。トリュフを使いすぎですわ。これでは香りの暴力です。食べ終わった後に鼻が疲れましたわ。二点です」
会場がざわつきます。
「なんて厳しいんだ」「流石は食欲令嬢、妥協がない」という声が上がる中、ついに真打ち、バロンの料理が登場しました。
「お待たせいたしました。審査員の皆様。……これこそが、大地の宝石を凝縮した究極の一皿……『黒いダイヤモンドの黄金煮込み』です!」
運ばれてきたのは、重厚な銀の器。
蓋が開けられた瞬間、むせ返るような濃厚なキノコの香りが立ち込めました。
器の中には、拳ほどもある巨大な黒トリュフが、黄金色のソースに浸かって丸ごと鎮座しています。
「おお……! これほど巨大なトリュフは見たことがない!」
他の審査員たちが、驚愕の声を上げてスプーンを伸ばしました。
「美味い! なんて濃厚な香りだ!」
「これぞ王者に相応しい一皿! 満点だ!」
ジュリアン殿下とメアリー様が、勝ち誇ったように私を睨みます。
しかし、私はその料理を一瞥し、鼻を一回ヒクつかせただけで、スプーンを置きませんでした。
「……チューナ様? 一口も食べないのですか?」
ゼノス様が不思議そうに尋ねました。
「……食べずとも分かりますわ。ゼノス様、これ、ゴミですわ」
私の静かな、しかし通る声が、静まり返った会場に響き渡りました。
「な、なんだと!? 貴様、この芸術をゴミ呼ばわりするのか!」
バロンが顔を真っ赤にして叫びます。
「ゴミですわ。……それどころか、これは『食への冒涜』です。……ゼノス様、ナイフをお借りできますか?」
私は立ち上がり、バロンの前に歩み寄りました。
そして、その「黒いダイヤモンド」を、一刀両断に切り裂きました。
「……あっ!?」
会場から悲鳴が上がりました。
切り開かれたトリュフの中身は……。
なんと、質の悪いジャガイモのペーストに、黒い染料と「人工的な香料」を練り込んだ、ただの偽物だったのです。
「……表面には、本物のトリュフの皮を薄く貼り付けていますわね。そして、この強烈な香りは、化学的に合成されたトリュフオイルを大量に染み込ませたもの。……これを究極と呼ぶなんて、笑わせないでちょうだい」
私は冷徹な瞳で、震えるバロンを射抜きました。
「さらに、この黄金のソース。……高価なサフランの色ではありませんわね? 安価な着色料と、大量のアミノ酸調味料で味を誤魔化している。……食べた瞬間は美味しく感じるでしょうけれど、後味には不自然なエグみが残るはずですわ」
「そ、そんな……! どうして、一瞬でそこまで……!」
「言ったでしょう? 私の舌は精密秤ですの。……偽物の重さは、計るまでもありませんわ」
他の審査員たちが、慌てて自分の皿を吐き出し始めました。
メアリー様は顔を真っ青にして、ガタガタと震えています。
「メ、メアリー! 貴様、私に偽物のシェフを推薦したのか!?」
「ち、違いますわ王子様! わたくしも騙されたのですわ……!」
「……警備兵。この詐欺師を連れて行け。……そしてメアリー様、貴女にも後で詳しい事情を伺います」
ゼノス様の冷ややかな声が、トドメとなりました。
騒然とする会場の中で、私は深くため息をつきました。
「……ああ、お腹が空きましたわ。……こんな偽物を嗅がされたせいで、本物の『ただの塩おむすび』が恋しくなってしまいましたわ」
「……フフ。では、コンテストが終わったら、私が最高のお米で結んで差し上げましょう。……もちろん、私の手作りですよ?」
ゼノス様が、優しく私の肩に手を置きました。
「あら、ゼノス様。手作りなんて、愛の調味料が含まれていて重そうですわね。……でも、今の私なら三つは食べられますわ!」
その夜。ゼノスの手帳には、怒りと呆れ、そして深い愛着が入り混じった言葉が並んでいました。
『報告:チューナ・フォン・グラッセ。彼女の正義は、常にその胃袋と直結している。……権力や虚飾に惑わされず、ただ純粋に『本物』を見抜くその姿は、この国の腐敗さえも浄化するだろう。……追伸、彼女のために心を込めて結んだおむすびは、結局五つも食べられてしまった。……食べ終わった後の満足げな顔は、どんな宝石よりも輝いていた』
不正を暴いた英雄としての名声は、またしても私の「食欲」の噂を上書きすることになったのでした。
本日は、数年に一度開催される『王立・究極の料理コンテスト』の決勝戦です。
「……チューナ様。くれぐれも、審査員席で勝手に厨房へ乱入したり、食材を盗み食いしたりしないでくださいね」
隣に座るゼノス様が、私の耳元で釘を刺しました。
今日の私は、数々の食の奇跡を起こした功績(?)を認められ、特別審査員として招かれたのです。
「失礼ね、ゼノス様。私は公平公正な審査をするために、昨日から胃袋を空にして調整してきたのですわ! 今の私は、どんな小さな味の不正も見逃さない、歩く精密秤ですのよ!」
「……空腹すぎて理性を失わないか心配だと言っているのですが」
そんな私たちのやり取りを、一段高い王族席からジュリアン殿下が冷たく見下ろしていました。
「フン、チューナ。貴様のような野蛮な味覚を持つ者に、真の高級料理が理解できるかな? 今回のコンテストには、メアリーが推薦した最高のシェフが出場しているのだ」
「そうですわ、チューナ様。本物の『贅の極み』というものを、その卑しい舌に刻み込んで差し上げますわ!」
メアリー様が、自信満々に扇子を広げました。
彼女が推薦したのは、他国から招かれたという自称・天才シェフ、バロン。
彼は金銀財宝のような装飾を施した調理台の前に立ち、不敵な笑みを浮かべていました。
コンテストが始まり、次々と豪華な料理が運ばれてきます。
しかし、私の判定はどれも厳しいものでした。
「……次の方。見た目は綺麗ですけれど、金箔の味が邪魔をして、せっかくの白身魚の繊細な風味が死んでいますわ。三点です」
「……そちらの方。トリュフを使いすぎですわ。これでは香りの暴力です。食べ終わった後に鼻が疲れましたわ。二点です」
会場がざわつきます。
「なんて厳しいんだ」「流石は食欲令嬢、妥協がない」という声が上がる中、ついに真打ち、バロンの料理が登場しました。
「お待たせいたしました。審査員の皆様。……これこそが、大地の宝石を凝縮した究極の一皿……『黒いダイヤモンドの黄金煮込み』です!」
運ばれてきたのは、重厚な銀の器。
蓋が開けられた瞬間、むせ返るような濃厚なキノコの香りが立ち込めました。
器の中には、拳ほどもある巨大な黒トリュフが、黄金色のソースに浸かって丸ごと鎮座しています。
「おお……! これほど巨大なトリュフは見たことがない!」
他の審査員たちが、驚愕の声を上げてスプーンを伸ばしました。
「美味い! なんて濃厚な香りだ!」
「これぞ王者に相応しい一皿! 満点だ!」
ジュリアン殿下とメアリー様が、勝ち誇ったように私を睨みます。
しかし、私はその料理を一瞥し、鼻を一回ヒクつかせただけで、スプーンを置きませんでした。
「……チューナ様? 一口も食べないのですか?」
ゼノス様が不思議そうに尋ねました。
「……食べずとも分かりますわ。ゼノス様、これ、ゴミですわ」
私の静かな、しかし通る声が、静まり返った会場に響き渡りました。
「な、なんだと!? 貴様、この芸術をゴミ呼ばわりするのか!」
バロンが顔を真っ赤にして叫びます。
「ゴミですわ。……それどころか、これは『食への冒涜』です。……ゼノス様、ナイフをお借りできますか?」
私は立ち上がり、バロンの前に歩み寄りました。
そして、その「黒いダイヤモンド」を、一刀両断に切り裂きました。
「……あっ!?」
会場から悲鳴が上がりました。
切り開かれたトリュフの中身は……。
なんと、質の悪いジャガイモのペーストに、黒い染料と「人工的な香料」を練り込んだ、ただの偽物だったのです。
「……表面には、本物のトリュフの皮を薄く貼り付けていますわね。そして、この強烈な香りは、化学的に合成されたトリュフオイルを大量に染み込ませたもの。……これを究極と呼ぶなんて、笑わせないでちょうだい」
私は冷徹な瞳で、震えるバロンを射抜きました。
「さらに、この黄金のソース。……高価なサフランの色ではありませんわね? 安価な着色料と、大量のアミノ酸調味料で味を誤魔化している。……食べた瞬間は美味しく感じるでしょうけれど、後味には不自然なエグみが残るはずですわ」
「そ、そんな……! どうして、一瞬でそこまで……!」
「言ったでしょう? 私の舌は精密秤ですの。……偽物の重さは、計るまでもありませんわ」
他の審査員たちが、慌てて自分の皿を吐き出し始めました。
メアリー様は顔を真っ青にして、ガタガタと震えています。
「メ、メアリー! 貴様、私に偽物のシェフを推薦したのか!?」
「ち、違いますわ王子様! わたくしも騙されたのですわ……!」
「……警備兵。この詐欺師を連れて行け。……そしてメアリー様、貴女にも後で詳しい事情を伺います」
ゼノス様の冷ややかな声が、トドメとなりました。
騒然とする会場の中で、私は深くため息をつきました。
「……ああ、お腹が空きましたわ。……こんな偽物を嗅がされたせいで、本物の『ただの塩おむすび』が恋しくなってしまいましたわ」
「……フフ。では、コンテストが終わったら、私が最高のお米で結んで差し上げましょう。……もちろん、私の手作りですよ?」
ゼノス様が、優しく私の肩に手を置きました。
「あら、ゼノス様。手作りなんて、愛の調味料が含まれていて重そうですわね。……でも、今の私なら三つは食べられますわ!」
その夜。ゼノスの手帳には、怒りと呆れ、そして深い愛着が入り混じった言葉が並んでいました。
『報告:チューナ・フォン・グラッセ。彼女の正義は、常にその胃袋と直結している。……権力や虚飾に惑わされず、ただ純粋に『本物』を見抜くその姿は、この国の腐敗さえも浄化するだろう。……追伸、彼女のために心を込めて結んだおむすびは、結局五つも食べられてしまった。……食べ終わった後の満足げな顔は、どんな宝石よりも輝いていた』
不正を暴いた英雄としての名声は、またしても私の「食欲」の噂を上書きすることになったのでした。
0
あなたにおすすめの小説
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
誰も愛してくれないと言ったのは、あなたでしょう?〜冷徹家臣と偽りの妻契約〜
山田空
恋愛
王国有数の名家に生まれたエルナは、
幼い頃から“家の役目”を果たすためだけに生きてきた。
父に褒められたことは一度もなく、
婚約者には「君に愛情などない」と言われ、
社交界では「冷たい令嬢」と噂され続けた。
——ある夜。
唯一の味方だった侍女が「あなたのせいで」と呟いて去っていく。
心が折れかけていたその時、
父の側近であり冷徹で有名な青年・レオンが
淡々と告げた。
「エルナ様、家を出ましょう。
あなたはもう、これ以上傷つく必要がない」
突然の“駆け落ち”に見える提案。
だがその実態は——
『他家からの縁談に対抗するための“偽装夫婦契約”。
期間は一年、互いに干渉しないこと』
はずだった。
しかし共に暮らし始めてすぐ、
レオンの態度は“契約の冷たさ”とは程遠くなる。
「……触れていいですか」
「無理をしないで。泣きたいなら泣きなさい」
「あなたを愛さないなど、できるはずがない」
彼の優しさは偽りか、それとも——。
一年後、契約の終わりが迫る頃、
エルナの前に姿を見せたのは
かつて彼女を切り捨てた婚約者だった。
「戻ってきてくれ。
本当に愛していたのは……君だ」
愛を知らずに生きてきた令嬢が人生で初めて“選ぶ”物語。
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
【完結済】婚約破棄から始まる物語~真実の愛と言う茶番で、私の至福のティータイムを邪魔しないでくださいな
をち。「もう我慢なんて」書籍発売中
恋愛
約束の時間に遅れ、さらには腕に女性を貼り付けて登場したアレックス殿下。
彼は悪びれることすらなく、ドヤ顔でこう仰いました。
「レティシア。君との婚約は破棄させてもらう」
婚約者の義務としての定例のお茶会。まずは遅れたことに謝罪するのが筋なのでは?
1時間も待たせたあげく、開口一番それですか? しかも腕に他の女を張り付けて?
うーん……おバカさんなのかしら?
婚約破棄の正当な理由はあるのですか?
1話完結です。
定番の婚約破棄から始まるザマァを書いてみました。
大好きな旦那様はどうやら聖女様のことがお好きなようです
古堂すいう
恋愛
祖父から溺愛され我儘に育った公爵令嬢セレーネは、婚約者である皇子から衆目の中、突如婚約破棄を言い渡される。
皇子の横にはセレーネが嫌う男爵令嬢の姿があった。
他人から冷たい視線を浴びたことなどないセレーネに戸惑うばかり、そんな彼女に所有財産没収の命が下されようとしたその時。
救いの手を差し伸べたのは神官長──エルゲンだった。
セレーネは、エルゲンと婚姻を結んだ当初「穏やかで誰にでも微笑むつまらない人」だという印象をもっていたけれど、共に生活する内に徐々に彼の人柄に惹かれていく。
だけれど彼には想い人が出来てしまったようで──…。
「今度はわたくしが恩を返すべきなんですわ!」
今まで自分のことばかりだったセレーネは、初めて人のために何かしたいと思い立ち、大好きな旦那様のために奮闘するのだが──…。
敗戦国の元王子へ 〜私を追放したせいで貴国は我が帝国に負けました。私はもう「敵国の皇后」ですので、頭が高いのではないでしょうか?〜
六角
恋愛
「可愛げがないから婚約破棄だ」 王国の公爵令嬢コーデリアは、その有能さゆえに「鉄の女」と疎まれ、無邪気な聖女を選んだ王太子によって国外追放された。
極寒の国境で凍える彼女を拾ったのは、敵対する帝国の「氷の皇帝」ジークハルト。 「私が求めていたのは、その頭脳だ」 皇帝は彼女の才能を高く評価し、なんと皇后として迎え入れた!
コーデリアは得意の「物流管理」と「実務能力」で帝国を黄金時代へと導き、氷の皇帝から極上の溺愛を受けることに。 一方、彼女を失った王国はインフラが崩壊し、経済が破綻。焦った元婚約者は戦争を仕掛けてくるが、コーデリアの完璧な策の前に為す術なく敗北する。
和平交渉の席、泥まみれで土下座する元王子に対し、美しき皇后は冷ややかに言い放つ。 「頭が高いのではないでしょうか? 私はもう、貴国を支配する帝国の皇后ですので」
これは、捨てられた有能令嬢が、最強のパートナーと共に元祖国を「実務」で叩き潰し、世界一幸せになるまでの爽快な大逆転劇。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる