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一章:迷い込んだのは人ならざる物の住む世界
11:早朝、向かうはお礼参り
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異質な体験から一夜明け……渉は早朝の内に昨日訪れた稲荷神社へと再び足を運ぶべく、大学とは反対の道を歩いていた。
(キスされた事は、複雑だけど助けてもらったのは事実だし……お礼の賽銭くらいはしないと罰当たりだ)
昨日、家で目を覚ました後、しばらくベッドの上でのたうち回っていた渉ではあるが、自分が賽銭を入れることもなく助けを求めた事に気づいたのだ。
緊急時とはいえ、冷静になって考えるとあまりにも自分本意で罰当たりな行為だと、思ってしまったのは両親や祖父母が信仰深い為だろう。
同じ県内とは言え、そこそこ田舎の町の端の生まれゆえに、年寄り達は神社仏閣、地蔵含め丁寧に扱っている地域だったし、渉達のような若者世代にもその教育は行き届いている。
(神様に助けてもらったらお礼参りに行くべし……まさか、お参りで願いが叶うどころか、物理的に助けてもらってお礼を言うことになるとは……じいちゃん達に言ったら腰抜かすだろうなぁ……)
渉は、未だ現役で農業をしている祖父母や現役は引退したものの繁忙期は手伝う曾祖父母を思い出し、たそがれる。
曾祖父母、祖父母、両親、兄二人と渉。と、四代で暮らしている稲鍵家。田舎特有の回りはだいたい親戚と言った家の本家ゆえに、盆正月はそれはそれは人が集まる。若者もそれなりにいるが、長生きで元気な老人ばかりだから比重としては老人の方が多い。そして、元気な老人達はそれはそれは騒がしいのだ。
(そんなところで、神様に助けられた事を話したら……大惨事だろうな)
そんな事を思いながら苦笑し、まだ実家から出て二ヶ月なのに、懐かしいと渉は思った。
田舎や農家特有の跡取りやらなんやらは、不思議と稲鍵家にはなく……両親のそこそこに放任主義な教育方針が功を奏したのか、家業は自然と五歳上の長兄が自分の意志で継ぐ予定である。
そんな実家の状況に気ままな三男坊の渉は、実家の手伝いをしつつ、畑を一部借りて自分の好きな作物を育てて、細々と食べていけたらいいな。と、いうくらいの気持ちで今の戸夜見大学の農学部へと入学した。
そのせいで厄介な気質を目覚めさせてしまったのは予想外だったが、大学での勉強は楽しく、サークルやゼミでの活動もエンジョイしているので、進学した事に渉は後悔していない。
それに昨日対処してもらったゆえに、もう大丈夫だろうとどこか楽観視していた。
(キスされた事は、複雑だけど助けてもらったのは事実だし……お礼の賽銭くらいはしないと罰当たりだ)
昨日、家で目を覚ました後、しばらくベッドの上でのたうち回っていた渉ではあるが、自分が賽銭を入れることもなく助けを求めた事に気づいたのだ。
緊急時とはいえ、冷静になって考えるとあまりにも自分本意で罰当たりな行為だと、思ってしまったのは両親や祖父母が信仰深い為だろう。
同じ県内とは言え、そこそこ田舎の町の端の生まれゆえに、年寄り達は神社仏閣、地蔵含め丁寧に扱っている地域だったし、渉達のような若者世代にもその教育は行き届いている。
(神様に助けてもらったらお礼参りに行くべし……まさか、お参りで願いが叶うどころか、物理的に助けてもらってお礼を言うことになるとは……じいちゃん達に言ったら腰抜かすだろうなぁ……)
渉は、未だ現役で農業をしている祖父母や現役は引退したものの繁忙期は手伝う曾祖父母を思い出し、たそがれる。
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(そんなところで、神様に助けられた事を話したら……大惨事だろうな)
そんな事を思いながら苦笑し、まだ実家から出て二ヶ月なのに、懐かしいと渉は思った。
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