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一章:迷い込んだのは人ならざる物の住む世界
12:早朝の境内
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昨日駆け抜けた道をのんびりと進み、一つ目の鳥居の前へとたどり着くとその向こうに続く階段を眺める。
(……昨日、よく駆け上れたな)
神社のある山は低山でこそあるものの……改めて見上げた階段は、それなりの段数の階段が連なっていた。
(もし、昨日足を踏み外していたら……考えんの止めよ)
階段を踏み外した時の想像を脳裏に浮かべ……首を横に振るようにしてすぐに振り払う。それでも想像した痛みに青ざめていたのだが。
追われてもいない為、渉は急ぐことなく、ゆっくりと階段を上る。
初夏の早朝とはいえ、動けば暑くなる。汗をかき、ゆるく疲労を感じ始めた頃。渉は長い階段を上り終えた。
(……ホントに昨日よく上れたな)
渉はあれだけ走った後にこの階段を上りきった自分に感心しながら渉は境内を見回す。
早朝の社務所も開いていない境内の空気は澄んでおり、昨日の異質な雰囲気とは異なる、清らかな雰囲気を纏っていた。
(こんな早い時間にこういう所来るのって小学生の時以来だな。あの時は……夏休みのラジオ体操の前に神社の裏山にカブトムシを取りに行ったんだっけ……)
場所は違えど、久しぶりに訪れる早朝の境内。幼い頃の記憶を思い出しながら渉は参道の左側を進み、拝殿へと向かう。
(町からちょっと離れてるけど、結構大きな神社だよなぁ……)
広い境内に立派な拝殿、綺麗な社務所。長年信仰され愛されているであろう事を感じながら拝殿の階段を上り、賽銭箱の前に立った渉は財布から小銭を取り出す。
金額は五十円と些細なものだが、賽銭箱に投げ入れて縄を掴み鈴を鳴らした後、二度礼をし、二回拍手を打つ。
「米盛荘の稲鍵渉です。昨日は助けてくださりありがとうございました」
そう小さく呟いた後、渉は深く一礼して頭を上げた。
(これでよし……と)
若者としては珍しい丁寧な二礼二拍手一礼を行い、改めて参拝したという事実に渉の中でこの一件に関して一つの区切りがつく。
(さて、大学行くか)
踵を返し、渉は参道を戻りながら、二時限からの授業を受けるべく大学へと向かうのだった。
(……昨日、よく駆け上れたな)
神社のある山は低山でこそあるものの……改めて見上げた階段は、それなりの段数の階段が連なっていた。
(もし、昨日足を踏み外していたら……考えんの止めよ)
階段を踏み外した時の想像を脳裏に浮かべ……首を横に振るようにしてすぐに振り払う。それでも想像した痛みに青ざめていたのだが。
追われてもいない為、渉は急ぐことなく、ゆっくりと階段を上る。
初夏の早朝とはいえ、動けば暑くなる。汗をかき、ゆるく疲労を感じ始めた頃。渉は長い階段を上り終えた。
(……ホントに昨日よく上れたな)
渉はあれだけ走った後にこの階段を上りきった自分に感心しながら渉は境内を見回す。
早朝の社務所も開いていない境内の空気は澄んでおり、昨日の異質な雰囲気とは異なる、清らかな雰囲気を纏っていた。
(こんな早い時間にこういう所来るのって小学生の時以来だな。あの時は……夏休みのラジオ体操の前に神社の裏山にカブトムシを取りに行ったんだっけ……)
場所は違えど、久しぶりに訪れる早朝の境内。幼い頃の記憶を思い出しながら渉は参道の左側を進み、拝殿へと向かう。
(町からちょっと離れてるけど、結構大きな神社だよなぁ……)
広い境内に立派な拝殿、綺麗な社務所。長年信仰され愛されているであろう事を感じながら拝殿の階段を上り、賽銭箱の前に立った渉は財布から小銭を取り出す。
金額は五十円と些細なものだが、賽銭箱に投げ入れて縄を掴み鈴を鳴らした後、二度礼をし、二回拍手を打つ。
「米盛荘の稲鍵渉です。昨日は助けてくださりありがとうございました」
そう小さく呟いた後、渉は深く一礼して頭を上げた。
(これでよし……と)
若者としては珍しい丁寧な二礼二拍手一礼を行い、改めて参拝したという事実に渉の中でこの一件に関して一つの区切りがつく。
(さて、大学行くか)
踵を返し、渉は参道を戻りながら、二時限からの授業を受けるべく大学へと向かうのだった。
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