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二章:二度目の幽世
13:バイトへの初出勤
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「今日からよろしくお願いします」
六月。大学生活にも慣れてきた渉は、バイトを始める事にした。ゼミにサークルと大学生活を満喫中であったが、キャンプサークルにまで入った趣味あるキャンプで使う道具を新調したくなったからだ。
学費や生活費は仕送りを受けているが、こだわり出したら天井知らずのキャンプ道具。さすがにそこまで面倒は見切れないと、両親から釘を刺されてしまった為に平日の夜に週三で駅前のカラオケ店で働く事にしたのだ。
人手が不足していたのか、履歴書を持って行った面接の場でそのまま採用が決まり、翌週から働く事になったのは渉も驚いた。だが、それでも早めにバイトが決まった事に安堵したのも事実。
そうして初出勤を迎えた今日。大学を終えた渉を迎えたのは面接を担当した店長だった。
「うん、よろしくね。稲鍵君」
渉の言葉に頷き明るく笑う店長。四十代くらいの男性で、左の薬指につけた指輪から既婚者な事が伺える。
今日は初日と言う事もあり、渉に業務の説明をする為にこの時間帯に出勤しているが、普段は夜から深夜、明け方までの勤務だと渉は面接の時に聞いていた。
「それじゃあ、これ制服。ここで着替えて、終わったらそこのパソコンでタイムカード押してね」
「はい」
最初は出勤時の説明を受け、着替えてパソコンで出勤を押してから二人はフロントへと向かう。
「一応、キッチンとフロントで業務が分かれてるんだけど、忙しい時とか兼業してもらう事もあると思うんだよね……稲鍵君料理ってできる?」
「できますよ。キャンプが趣味なんで、釣った魚捌いたり、カレー作ったりくらいなら」
「魚捌けるのは凄いねぇ。うちの店では機会がないだろうけど、これは期待大だ」
雑談を交えながら業務内容の説明を受け、渉はフロントでの受付や電話の取り方等を実践的なロールプレイも含めながら教わっていった。
「フロントはこんな感じかなぁ。次は、料理の提供と掃除説明するね」
「お願いします」
緩くも教え方が丁寧な店長のお陰で、渉は緊張する事なく仕事を学んでいく。もちろん初日の為、まだ拙《つたな》い所はある。それでも初めて経験するアルバイト生としては十分な成果だった。
六月。大学生活にも慣れてきた渉は、バイトを始める事にした。ゼミにサークルと大学生活を満喫中であったが、キャンプサークルにまで入った趣味あるキャンプで使う道具を新調したくなったからだ。
学費や生活費は仕送りを受けているが、こだわり出したら天井知らずのキャンプ道具。さすがにそこまで面倒は見切れないと、両親から釘を刺されてしまった為に平日の夜に週三で駅前のカラオケ店で働く事にしたのだ。
人手が不足していたのか、履歴書を持って行った面接の場でそのまま採用が決まり、翌週から働く事になったのは渉も驚いた。だが、それでも早めにバイトが決まった事に安堵したのも事実。
そうして初出勤を迎えた今日。大学を終えた渉を迎えたのは面接を担当した店長だった。
「うん、よろしくね。稲鍵君」
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今日は初日と言う事もあり、渉に業務の説明をする為にこの時間帯に出勤しているが、普段は夜から深夜、明け方までの勤務だと渉は面接の時に聞いていた。
「それじゃあ、これ制服。ここで着替えて、終わったらそこのパソコンでタイムカード押してね」
「はい」
最初は出勤時の説明を受け、着替えてパソコンで出勤を押してから二人はフロントへと向かう。
「一応、キッチンとフロントで業務が分かれてるんだけど、忙しい時とか兼業してもらう事もあると思うんだよね……稲鍵君料理ってできる?」
「できますよ。キャンプが趣味なんで、釣った魚捌いたり、カレー作ったりくらいなら」
「魚捌けるのは凄いねぇ。うちの店では機会がないだろうけど、これは期待大だ」
雑談を交えながら業務内容の説明を受け、渉はフロントでの受付や電話の取り方等を実践的なロールプレイも含めながら教わっていった。
「フロントはこんな感じかなぁ。次は、料理の提供と掃除説明するね」
「お願いします」
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