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しおりと彼女
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僕は本が大好きだ。暇さえあれば本を読んでいる。そんな僕が本が好きになったのには理由がある。
それは数年前の出来事だった。30分に一度しか来ないバスをひたすら待つ。普段なら携帯でもいじっているのだけれど、家に置いてきてしまったので特にすることもなかった。なんかないかなとバッグあさっていると、友達が面白いと進めてきたラノベなるものが入っていた。
「そういえば、貸すから読めって言われたっけ。」
僕は仕方なくその薄い本を読み始めることにした。
学園ものの内容でさえない主人公の日常が描かれている作品だった。主人公が自分に似てるかも、なんて思いながら読んでいるうちに意外とはまってしまいのめりこんでしまっていた。
区切りのいいところで別世界から戻り時間を確認する。今は4時25分だからあと5分ほどでバスが来る。
ちょうどいい時間だしいったん読むのはやめるか。そう思って本を片そうとしたのだけど手が動かない。
「・・・しおりがないな」
ページ数を覚えとけばいいかなとも思ったけど覚えられるはずがないと諦め、片せない本をぼけっとにらみこむ。
そんな僕に気付いたのだろうか。いつの間にか隣でバスを待っていた女の子が、バッグの中からかわいらしい、しおりを取り出し
「よかったらどうぞ」
親切にもしおりを貸してくれた。
「いいんですか?」
「はい、使ってなかったやつですし困っていたようだったので」
「ありがとうございます、読み終わったらお返ししますね」
「気にしないでください、読み終わっても次の本読むと思いますしあげます」
日が傾いてきて暗くなろうとする中で、にこっと笑った彼女の顔がなんともかわいらしく、切なくもあった。
僕はその一瞬で彼女に恋をした。
僕はその日を境に本をよく読むようになった。そして今でももらったしおりを使い続けている。
それは数年前の出来事だった。30分に一度しか来ないバスをひたすら待つ。普段なら携帯でもいじっているのだけれど、家に置いてきてしまったので特にすることもなかった。なんかないかなとバッグあさっていると、友達が面白いと進めてきたラノベなるものが入っていた。
「そういえば、貸すから読めって言われたっけ。」
僕は仕方なくその薄い本を読み始めることにした。
学園ものの内容でさえない主人公の日常が描かれている作品だった。主人公が自分に似てるかも、なんて思いながら読んでいるうちに意外とはまってしまいのめりこんでしまっていた。
区切りのいいところで別世界から戻り時間を確認する。今は4時25分だからあと5分ほどでバスが来る。
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「いいんですか?」
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「ありがとうございます、読み終わったらお返ししますね」
「気にしないでください、読み終わっても次の本読むと思いますしあげます」
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