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来るはず
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午後から来る。そう彼女は言っていた。しかし、結果から言えば来なかった。理由を聞けば、大事をとって1日丸々休みにしたということだった。大事を取るとはなんなのだろう。
僕は今日も彼女のいない大学で講義を済ませた。午後にある講義に彼女の姿が見えなかったので、講義の終わりに連絡を取った。
今どこいる?
病院。
来れなくなった?
今日はゆっくり休みなさいって言われたわ。わざわざ午後に無理して行く必要ないって。
そうなんだ。
明日は多分いけると思う。
よかった。これから少し寄ろうと思うけど、大丈夫?
まぁ問題はないわね。
わかった。ちょっとしたら行く。
僕は今、どんな気持ちなのだろう。何食わぬ文を送り、こうして病院に向かう準備をしている。もちろん何故まだ病院にいるのか気になってはいるし、本当に大丈夫なのか心配もしている。でも、焦ってはいない。
手早く準備を済ませて、病院に向かった。
彼女のいるであろう病室に入る。昨日と同じように彼女がそこにいる。昨日と同じように。今日が昨日なのではと思うくらいにこの部屋は何も変わってはいなかった。でも、今日は話しかけるのにためらうことはなかった。ただ、なんとなく携帯で最初の挨拶をした。
調子はどう?
すると、彼女はちらりと僕の方を見ると、目の前の携帯で何かを打ち始めた。
普通ね。いつも通りよ。
僕も彼女を方をちらりと見ると、彼女は携帯を僕の方に向けて写真を撮った。
「なんで写真?」
驚きの行動に間違えて言葉を放ってしまった。
「いや、なんで携帯?」
「なんとなく?」
「私もなんとなくよ、」
0.0000000558
「それより、まだ病院にいたんだね」
「帰れると思ったのだけれど、ゆっくりしなさいって言うから。」
「そっか。まぁ元気そうでよかったよ。」
「当たり前でしょ?今日帰るつもりだったんだから異常はないわよ。」
「ならよかった」
「それより今日はどうだったのよ」
「大学?」
「まぁそうね、大学というか君のこと。」
「大したこともないよ、もちろん。授業が終わってからここにきたから。遊ぶ人も残念ながら君以外いないから。」
「残念ながらって何よ!もっと喜ぶところでしょう。」
「君がいなかったからつまらなかったんだ」
「な、何言ってるのよ。あなた、昨日から変だわ。何かあったの?」
「現在進行形でね。」
「それにしたって、なんか、寂しそうな顔つきよ?」
「そうかな」
寂しそうな顔。そうか、僕は寂しそうな顔つきをしているのか。彼女がどこか遠くに行ってしまうような感覚があったのだ。
「置いていかれたくないのかも」
「なんていったの?」
「いや、なんでもないんだ」
「そう、、、まぁいいわ。明日こそ行けるから、そんなに悲観しないことね。今日はもう帰りなさい」
「わかった、、、、」
「なによ?なにか不満でもあるのかしら?」
「ないです。」
「なら帰って明日に備えて早く寝なさい」
「わかったよ。じゃあ、また明日ね」
「はいはい。また明日」
彼女に促されるまま真っ白な部屋を出た。
僕は今日も彼女のいない大学で講義を済ませた。午後にある講義に彼女の姿が見えなかったので、講義の終わりに連絡を取った。
今どこいる?
病院。
来れなくなった?
今日はゆっくり休みなさいって言われたわ。わざわざ午後に無理して行く必要ないって。
そうなんだ。
明日は多分いけると思う。
よかった。これから少し寄ろうと思うけど、大丈夫?
まぁ問題はないわね。
わかった。ちょっとしたら行く。
僕は今、どんな気持ちなのだろう。何食わぬ文を送り、こうして病院に向かう準備をしている。もちろん何故まだ病院にいるのか気になってはいるし、本当に大丈夫なのか心配もしている。でも、焦ってはいない。
手早く準備を済ませて、病院に向かった。
彼女のいるであろう病室に入る。昨日と同じように彼女がそこにいる。昨日と同じように。今日が昨日なのではと思うくらいにこの部屋は何も変わってはいなかった。でも、今日は話しかけるのにためらうことはなかった。ただ、なんとなく携帯で最初の挨拶をした。
調子はどう?
すると、彼女はちらりと僕の方を見ると、目の前の携帯で何かを打ち始めた。
普通ね。いつも通りよ。
僕も彼女を方をちらりと見ると、彼女は携帯を僕の方に向けて写真を撮った。
「なんで写真?」
驚きの行動に間違えて言葉を放ってしまった。
「いや、なんで携帯?」
「なんとなく?」
「私もなんとなくよ、」
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「それより、まだ病院にいたんだね」
「帰れると思ったのだけれど、ゆっくりしなさいって言うから。」
「そっか。まぁ元気そうでよかったよ。」
「当たり前でしょ?今日帰るつもりだったんだから異常はないわよ。」
「ならよかった」
「それより今日はどうだったのよ」
「大学?」
「まぁそうね、大学というか君のこと。」
「大したこともないよ、もちろん。授業が終わってからここにきたから。遊ぶ人も残念ながら君以外いないから。」
「残念ながらって何よ!もっと喜ぶところでしょう。」
「君がいなかったからつまらなかったんだ」
「な、何言ってるのよ。あなた、昨日から変だわ。何かあったの?」
「現在進行形でね。」
「それにしたって、なんか、寂しそうな顔つきよ?」
「そうかな」
寂しそうな顔。そうか、僕は寂しそうな顔つきをしているのか。彼女がどこか遠くに行ってしまうような感覚があったのだ。
「置いていかれたくないのかも」
「なんていったの?」
「いや、なんでもないんだ」
「そう、、、まぁいいわ。明日こそ行けるから、そんなに悲観しないことね。今日はもう帰りなさい」
「わかった、、、、」
「なによ?なにか不満でもあるのかしら?」
「ないです。」
「なら帰って明日に備えて早く寝なさい」
「わかったよ。じゃあ、また明日ね」
「はいはい。また明日」
彼女に促されるまま真っ白な部屋を出た。
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