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対するシリウスは、マリアーナを一目見た瞬間から、深い失望を感じていた。
(違う、この娘ではない――――)
成程、確かに彼女の見た目は美しい。
しかし、鋭い観察眼で人を見るのに自信があるシリウスにとって、周囲の者にあからさまに媚びた笑顔を振りまくマリアーナの様子は、見ているだけで不快に感じられた。
(――先に彼の者の姿を見ていなければ、これ程までの嫌悪を抱かなかったかもしれないな)
シリウスの脳裏に今も鮮やかに浮かぶ、鮮烈な彼の者の青の瞳――その美しく優美な姿態はしかし凛として、自惚れや媚びたところなど微塵も感じられなかった。
圧倒される程の内面の、魂の輝き――マリアーナには、それが欠片もなかった。
マリアーナの顔立ちには、確かに彼の者の面影が窺われた。
顔形のみで考えれば、非常に似ている――彼の者と血が繋がっているであろうことは、もはや疑いもないほど――
それでいてシリウスは、その鋭い紫の眼光で正反対の中身を見抜き、それがさらに不快感を煽っていた。
(まるで、出来の悪い紛い物を見ている気分だ――これ程魅力を感じない、不快感を抱かせる相手と向き合うのは苦痛だな……)
側で控えていたロッドは、さらに甘く惑わせるかのように微笑んだ主を見て、ぎょっとした。
シリウスの従者生活が長いロッドにとって、主の本気の笑みと取り繕いの笑みを区別することは容易い。
彼は主が気に入らないとき程、相手を魅了するように甘く微笑むのを知っていた――
――本気か? あんな美人が気に入らないって――?!
心の中で絶叫するも、自己紹介を交わしあい、会話を始める二人を眺めているうちに、これまた目利きと称されるロッドにも、何となく事情が分かってきた。
なんと似合いの二人だろうと、猛烈に押し続ける親族一同の存在も疎ければ、マリアーナからの媚びや自惚れた態度も不快だ。
加えて、会話に中身がない。
面白味もなければ、内から滲み出るような輝きもない。
マリアーナは、外見だけ極上の、甘やかされたただの娘だ――
――成程。主が嫌がるのも、分かる気がする。
しかし、一瞥しただけでそこまで予測出来るのは、果たして幸せなのか?
高すぎる主の能力に、初めて同情しかけたロッドだった……。
(違う、この娘ではない――――)
成程、確かに彼女の見た目は美しい。
しかし、鋭い観察眼で人を見るのに自信があるシリウスにとって、周囲の者にあからさまに媚びた笑顔を振りまくマリアーナの様子は、見ているだけで不快に感じられた。
(――先に彼の者の姿を見ていなければ、これ程までの嫌悪を抱かなかったかもしれないな)
シリウスの脳裏に今も鮮やかに浮かぶ、鮮烈な彼の者の青の瞳――その美しく優美な姿態はしかし凛として、自惚れや媚びたところなど微塵も感じられなかった。
圧倒される程の内面の、魂の輝き――マリアーナには、それが欠片もなかった。
マリアーナの顔立ちには、確かに彼の者の面影が窺われた。
顔形のみで考えれば、非常に似ている――彼の者と血が繋がっているであろうことは、もはや疑いもないほど――
それでいてシリウスは、その鋭い紫の眼光で正反対の中身を見抜き、それがさらに不快感を煽っていた。
(まるで、出来の悪い紛い物を見ている気分だ――これ程魅力を感じない、不快感を抱かせる相手と向き合うのは苦痛だな……)
側で控えていたロッドは、さらに甘く惑わせるかのように微笑んだ主を見て、ぎょっとした。
シリウスの従者生活が長いロッドにとって、主の本気の笑みと取り繕いの笑みを区別することは容易い。
彼は主が気に入らないとき程、相手を魅了するように甘く微笑むのを知っていた――
――本気か? あんな美人が気に入らないって――?!
心の中で絶叫するも、自己紹介を交わしあい、会話を始める二人を眺めているうちに、これまた目利きと称されるロッドにも、何となく事情が分かってきた。
なんと似合いの二人だろうと、猛烈に押し続ける親族一同の存在も疎ければ、マリアーナからの媚びや自惚れた態度も不快だ。
加えて、会話に中身がない。
面白味もなければ、内から滲み出るような輝きもない。
マリアーナは、外見だけ極上の、甘やかされたただの娘だ――
――成程。主が嫌がるのも、分かる気がする。
しかし、一瞥しただけでそこまで予測出来るのは、果たして幸せなのか?
高すぎる主の能力に、初めて同情しかけたロッドだった……。
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