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心弾む入学式の日 3
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「それにしても、やっぱり広いね、ここは」
校門から延々と続く式場の案内板を追いながら、美月は感嘆の声を上げた。
噂には聞いていたが、山一つが学園だ、というのも、あながち嘘じゃないくらいの規模だ。
山育ちの美月にとって、澄んだ空気は心地よい。
美月は深呼吸をして、遠くの山々をうっとりと眺めた。
この辺り一帯の山々は、五月雨学園の母体である五月雨財閥の私有林である。
下腹部には名門と名高い五月雨学園が、中腹部には財閥関連の研究施設とその関係者の寮、そして学園関係者とその生徒達の寮があるとされている。
「本っ当に、広すぎでしょ?……遭難者が出たって、ホントの話だったの?美月、気をつけなさいよ?」
心配そうな翠は、既に小さな妹に言い聞かせる口調だ。
「あのね!言っとくけど、わたしは方向音痴じゃないから!……ただ、ちょっと気を抜いた時に、すご~く珠に、何故だか迷子になるだけで」
「心配しかないわ~いい?ここに慣れるまでは、単独行動は避けること!今日は会えてよかったわ。明日の朝も八時に校門集合ね!」
翠のお誘いに美月はこっくりと頷く。
そんなやり取りをしている内に、二人は学園の外れにある、中腹部近くの講堂に辿り着いた。
少しお洒落な洋館風で、研究所の発表や学園の行事時等に使われているらしい。
「式場はここだよね?」
受付と書かれた机の上には二台のノートパソコンがあり、怜悧そうな眼鏡をかけた男女が座っていた。
ちょうど人の切れ目だったので、美月は翠と共に横一列で並ぶ。
「お名前をどうぞ」
「星野美月です」
名を告げると、ノートパソコンを操っていた先輩らしき男子が軽く頷いた。
と、同時に左側からふわふわした茶色の髪をした優し気な女子の先輩が現れ、左胸ポケットに花を差し込んでくれる。
「ご入学、おめでとうございます。こちらへどうぞ」
案内された講堂内は、もう新入生達で半分ほど埋まっていた。
「席はお好きな所にどうぞ」
案内してくれた物柔らかな先輩に対し、翠と共に軽く会釈で礼意を示し、近くの席へ二人並んで座った。
「すごっ……!」
歴史を感じさせる飴色の壁や柱、その細工に美月は圧倒された。
ああ、わたし、この学園に来られて良かった……!
元々古い建物や細工の好きな美月は、目を輝かせて周りをきょろきょろ見渡す。
(ほめてくれて、ありがとう。……でも、そんなにみつめられると、てれちゃうな)
けれども、突然そんな言葉が耳に飛び込んできて、美月は思わず「え?!」と声を上げた。
「ん?急にどうしたの?美月、どうかした?」
隣の翠に不審そうに声を掛けられ、美月は慌てて首を振る。
「ううん、何でもない。……気のせい、気のせい」
校門から延々と続く式場の案内板を追いながら、美月は感嘆の声を上げた。
噂には聞いていたが、山一つが学園だ、というのも、あながち嘘じゃないくらいの規模だ。
山育ちの美月にとって、澄んだ空気は心地よい。
美月は深呼吸をして、遠くの山々をうっとりと眺めた。
この辺り一帯の山々は、五月雨学園の母体である五月雨財閥の私有林である。
下腹部には名門と名高い五月雨学園が、中腹部には財閥関連の研究施設とその関係者の寮、そして学園関係者とその生徒達の寮があるとされている。
「本っ当に、広すぎでしょ?……遭難者が出たって、ホントの話だったの?美月、気をつけなさいよ?」
心配そうな翠は、既に小さな妹に言い聞かせる口調だ。
「あのね!言っとくけど、わたしは方向音痴じゃないから!……ただ、ちょっと気を抜いた時に、すご~く珠に、何故だか迷子になるだけで」
「心配しかないわ~いい?ここに慣れるまでは、単独行動は避けること!今日は会えてよかったわ。明日の朝も八時に校門集合ね!」
翠のお誘いに美月はこっくりと頷く。
そんなやり取りをしている内に、二人は学園の外れにある、中腹部近くの講堂に辿り着いた。
少しお洒落な洋館風で、研究所の発表や学園の行事時等に使われているらしい。
「式場はここだよね?」
受付と書かれた机の上には二台のノートパソコンがあり、怜悧そうな眼鏡をかけた男女が座っていた。
ちょうど人の切れ目だったので、美月は翠と共に横一列で並ぶ。
「お名前をどうぞ」
「星野美月です」
名を告げると、ノートパソコンを操っていた先輩らしき男子が軽く頷いた。
と、同時に左側からふわふわした茶色の髪をした優し気な女子の先輩が現れ、左胸ポケットに花を差し込んでくれる。
「ご入学、おめでとうございます。こちらへどうぞ」
案内された講堂内は、もう新入生達で半分ほど埋まっていた。
「席はお好きな所にどうぞ」
案内してくれた物柔らかな先輩に対し、翠と共に軽く会釈で礼意を示し、近くの席へ二人並んで座った。
「すごっ……!」
歴史を感じさせる飴色の壁や柱、その細工に美月は圧倒された。
ああ、わたし、この学園に来られて良かった……!
元々古い建物や細工の好きな美月は、目を輝かせて周りをきょろきょろ見渡す。
(ほめてくれて、ありがとう。……でも、そんなにみつめられると、てれちゃうな)
けれども、突然そんな言葉が耳に飛び込んできて、美月は思わず「え?!」と声を上げた。
「ん?急にどうしたの?美月、どうかした?」
隣の翠に不審そうに声を掛けられ、美月は慌てて首を振る。
「ううん、何でもない。……気のせい、気のせい」
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