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第1章 ー始まりー
3夢 *意地っ張り*
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透き通る水は、群青の空の様だった。
目に見える世界は、現実だとは信じ難く、まるで天の世界のように感じた。
そんな素敵な空間も長くは続かず、水壁を超えるとそこは・・・もっと幻想的な世界が広がっていた。
*
「ここが・・・夢癒?」
初めて見る夢癒の世界は、ヨーロッパの様な繊細で歴史を感じさせる、それでいて、絵本の世界に出てくる様なパステルカラーの建物が並んでいる。
「綺麗・・・好きだな・・・」
その言葉は、勝手に呟いていた。
「本当ですか?ありがとうございます。嬉しいです。」
横を見ると、ニヤニヤとうざったらしい顔でこちらを見ているフェリールがいる。
「あの、別にあなたに言ってる訳じゃ・・・」
「分かってます。私はこの街を気に入ってもらえて、嬉しくてつい笑ってしまっただけですよ?」
この人は・・・むかつかせる天才かもしれない。
でも、こんなやり取りに少し慣れてきた自分に、さらにイラつく。
「私だって、分かってましたよ?でもあなたがもし浮かれやろうだった時のためにいちおう言っておいただけです。そこ、お忘れなく。」
精一杯の意地っ張り。こいつに少し当たりたい気分。少しはこの人にも責任がある、と信じて。
「はいはい分かりました。そういうお年頃ですもんね?」
「なにを・・・!」
「ではそろそろ行きましょう?今日はしなくては行けない事がたくさんあります。」
おっと、ここで話を遮られるとは・・・いいぞ?いつか立場逆転させてやる。
と言っても、この人と会うのは今日が最後だ。なんだか友達の様な気分でいたが。
「【今日は】?言っておきますけど、今日が最後なんで。ここに来るの。」
「はい。だからこそいろんな事を体験してもらおうと思って。」
「??
お手伝いじゃないんですか?」
「お手伝いもですけど、何よりあなたにこの世界の良さを知ってもらいたくて。」
この人・・・たまに心を持っていかれそうになる・・・
本当はいい人なんだろな・・・
「ついでに僕のことも知って下さいね?」
こういうところは除いて。
「はいはいそーいうきもい事言わないで下さーい。移りますー。」
「そーですか?それ言われるとさらに言いたくなるなー」
「次言ったら許さない。」
「わー怖い怖い。やめますやめます。」
「クスッ」
「あ、今笑った?」
「わーやめて。それ言われたら私のSキャラが壊れるからー!」
「絶対笑った。」
「笑ってないです。」
「嘘だ。」
「笑ってない事にして。」
「却下。」
「えー?なんでそんなことピーチクパーチク・・・」
こんなくだらない言い合いをしながら、夢癒の世界を歩いた。
案外楽しかった、なんて。誰にも言わないけど。
「・・・楽しみ」
「えっ?すいません。聞こえなかったです。もーいっかい・・・」
「フフッ何でもないですよ?
早く行きましょ!」
早足で向かった先・・・それは、私の第2の人生のスタートライン。
目に見える世界は、現実だとは信じ難く、まるで天の世界のように感じた。
そんな素敵な空間も長くは続かず、水壁を超えるとそこは・・・もっと幻想的な世界が広がっていた。
*
「ここが・・・夢癒?」
初めて見る夢癒の世界は、ヨーロッパの様な繊細で歴史を感じさせる、それでいて、絵本の世界に出てくる様なパステルカラーの建物が並んでいる。
「綺麗・・・好きだな・・・」
その言葉は、勝手に呟いていた。
「本当ですか?ありがとうございます。嬉しいです。」
横を見ると、ニヤニヤとうざったらしい顔でこちらを見ているフェリールがいる。
「あの、別にあなたに言ってる訳じゃ・・・」
「分かってます。私はこの街を気に入ってもらえて、嬉しくてつい笑ってしまっただけですよ?」
この人は・・・むかつかせる天才かもしれない。
でも、こんなやり取りに少し慣れてきた自分に、さらにイラつく。
「私だって、分かってましたよ?でもあなたがもし浮かれやろうだった時のためにいちおう言っておいただけです。そこ、お忘れなく。」
精一杯の意地っ張り。こいつに少し当たりたい気分。少しはこの人にも責任がある、と信じて。
「はいはい分かりました。そういうお年頃ですもんね?」
「なにを・・・!」
「ではそろそろ行きましょう?今日はしなくては行けない事がたくさんあります。」
おっと、ここで話を遮られるとは・・・いいぞ?いつか立場逆転させてやる。
と言っても、この人と会うのは今日が最後だ。なんだか友達の様な気分でいたが。
「【今日は】?言っておきますけど、今日が最後なんで。ここに来るの。」
「はい。だからこそいろんな事を体験してもらおうと思って。」
「??
お手伝いじゃないんですか?」
「お手伝いもですけど、何よりあなたにこの世界の良さを知ってもらいたくて。」
この人・・・たまに心を持っていかれそうになる・・・
本当はいい人なんだろな・・・
「ついでに僕のことも知って下さいね?」
こういうところは除いて。
「はいはいそーいうきもい事言わないで下さーい。移りますー。」
「そーですか?それ言われるとさらに言いたくなるなー」
「次言ったら許さない。」
「わー怖い怖い。やめますやめます。」
「クスッ」
「あ、今笑った?」
「わーやめて。それ言われたら私のSキャラが壊れるからー!」
「絶対笑った。」
「笑ってないです。」
「嘘だ。」
「笑ってない事にして。」
「却下。」
「えー?なんでそんなことピーチクパーチク・・・」
こんなくだらない言い合いをしながら、夢癒の世界を歩いた。
案外楽しかった、なんて。誰にも言わないけど。
「・・・楽しみ」
「えっ?すいません。聞こえなかったです。もーいっかい・・・」
「フフッ何でもないですよ?
早く行きましょ!」
早足で向かった先・・・それは、私の第2の人生のスタートライン。
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