片想われ ~in two world~

佐倉 みゆ

文字の大きさ
2 / 3
第1章 ー始まりー

2夢 *夢ではない何処かで*

しおりを挟む



真っ白な世界に、水で出来た壁が2つ。


「ここ・・・は?」


夢なのか?
にしては意識がはっきりしている。


「・・・さん、・・・朝日奈さん、

・・・朝日奈 みはるさん!」


段々大きくなるその声が、夢ではないと確信させる。
何処かで聞いたことのある声。優しく、落ち着いた声だ。


「は、はい!
えっと・・・この声は?」

「はぁ、覚えていないとは・・・
フェリールです。フェリール・ミィ。
貴方を迎えに来ました。」


そうだ、思い出した。昨日変な奴に話しかけられて、夢の世界がどーのと言われ・・・
確か「行きます」と言ってしまったはずだ。


「あぁ昨日の!
でも、姿が見えませんけど・・・」


ここには私以外、誰もいない。ホコリさえ見当たらない。


「実は・・・
右手に桜色の水壁すいへきがありますよね?それを越えた、『夢癒むゆ』という世界にいます。 夢癒むゆの住民は、水壁を越えることは出来ません。なので今は、簡単な魔法を使って話しています。」


水壁すいへきとはこの水で出来た壁のことであろう。
そしてこの水壁すいへきを越えると、別世界に通じている。簡単には信じられない話だ。
だが、ここには水壁すいへきが2つある。色は違うものの、どちらも水で出来ている。
ならば、もう1つの水壁すいへきの先には何が待っているのか?


「じゃあもう1つの、空色の水壁すいへきの向こうには・・・?」

「空色の水壁すいへきの向こうは、現実の世界です。普段貴方がいる所、と言えば分かりやすいでしょうか?
なので、今貴方がいる所は、夢癒むゆと現実の狭間になります。」


これは・・・何か凄い所に来てしまったのか?もしかして、夢癒むゆに行ったら一生帰れなかったり・・・
胸に不安が込み上げる。その不安を察したようにフェリールはこの狭間について話しだした。


「あーーー・・・少し説明が難しいのですが、一応話しておきますね。
ここは普段、1人1人がみたい夢の世界が広がっています。そして寝ている時、無意識の内にここに来ます。その状態のことを一般的に『夢をみている』といいます。ですが貴方は、ナチュラルな状態の狭間ここに連れてこられた。そして普段なら無い、夢癒むゆへの水壁があった。それだけです。」

「それだけ・・・まぁ大体は分かりました。
で、私のお手伝いって何ですか?」


この場所については把握した。そうなれば、さっさと手伝って私の名前を何故知っていたのか、聞き出さなければ。


「ご理解して頂けて良かったです。
お手伝いに関しては、夢癒こちらに来てしてもらいます。なので桜色の水壁を通って下さい。」

「と、通るんですか!?
息とか大丈夫ですよね?」

「えぇ、もちろん。
息に関しては、貴方の周りにバリアが張られますので、大丈夫です。そもそも、濡れもしないです。
あと、真っ直ぐ歩いてもらえれば、10秒程で夢癒むゆに着きますので。
それでは、頑張ってくださいね!」


そういえば子供の頃にやった鬼ごっこで、バリアー!って言ってたなー。まさか本当にバリアを使う日が来るとは・・・
なんてことを思いながら、気を引き締める。


「じゃあ・・・行きます!!」


大きな掛け声と共に、大きな1歩を踏み出した。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

初恋にケリをつけたい

志熊みゅう
恋愛
「初恋にケリをつけたかっただけなんだ」  そう言って、夫・クライブは、初恋だという未亡人と不倫した。そして彼女はクライブの子を身ごもったという。私グレースとクライブの結婚は確かに政略結婚だった。そこに燃えるような恋や愛はなくとも、20年の信頼と情はあると信じていた。だがそれは一瞬で崩れ去った。 「分かりました。私たち離婚しましょう、クライブ」  初恋とケリをつけたい男女の話。 ☆小説家になろうの日間異世界(恋愛)ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/18) ☆小説家になろうの日間総合ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/18) ☆小説家になろうの週間総合ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/22)

見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。

有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。 選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。 涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。 彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。 やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。

処理中です...