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街へ
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北へ向けて歩き出した訊は、自分のスキルがどのくらい使えるのか知るためにあれこれ試していた。
『これはどうかな?』
訊は、周りの風を操作して、竜巻を作り出した。
『おぉ!すごいな、やっぱり本当になんでも操作できるのかな』
思い付く限りで周りにあまり被害がでないような操作をして全てが成功している。
『それにしてもやっぱ、この靴を履くと歩きやすいな。今更ながらに靴の有り難みがわかるな』
そんなことを考えていると、あの一角ウサギが現れた。
一角ウサギに遭遇し、緩めていた気をしっかりと締め直す。
昨日と今日で三匹目のウサギの登場により、冷静に対応する訊。
『ここでもスキルを試しておこう』
突進してきたウサギを難なく避け、手のひらに空気を圧縮し、放出する。
するとウサギは圧縮した空気の塊に頭を貫かれて絶命した。…弾けとんだといった方が適正かもしれないが・・・
『ふぅ~、まあ思ってた事が出来て良かった』
先程、風を操り竜巻を作り出していた訊は、その時の経験を思いだし器用に空気を圧縮し、上手く操ることが出来たのだ。
しかし、このように魔物のような動物を数多く殺して大丈夫なのだろうか。と聞かれたら問題なく大丈夫だと答えるだろう。
この世界はゲームのような世界であり、動物は生殖して増えているが、魔物は倒せば一定期間を置けばまた、リポップするのである。
また、倒した魔物は一定時間を過ぎると光の粒子になって消えてしまう。
剥ぎ取った素材などは消えない為、倒したら剥ぎ取った方が良い。魔物の剥ぎ取った素材はお金に変えられるからである。
また、粒子化した魔物はどうなっているのかは解明されていない。一説では魔物がリポップする糧になっていると言われている。
そんなことを知らない訊は、死体を放置して、街へ向かって歩き出した。
『他に何が操作できんのかな』
訊自身、想像力があまり豊かではなく、また、使い始めたばかりの力なので、多種多様に使えるこの能力を上手く発揮できないでいた。
町というより町を囲んでいる高い壁が見えてきた。
『町ってよりも城下町だなあれ』
町の中心辺りには町の周りを囲っている城壁のようなものより高いかなり大きい城が建っていたのだ。
城壁の周りには池が出来ていて入るところでは検問らしきものを行っている。
『見た感じあそこしか入る場所がないよな』
選択肢が他にないため検問のところまで歩いて行き、検問を受けている人達の後ろに並ぶ。
『次の人』
どうやら自分の番に来たようだ。
『はい』
『君一人かい?』
『はい、そうですが』
『身分証をなどはもっているかな?』
『え?』
身分証……?もってねぇえええ!けど、よく考えたらそれもそうか。元の世界だと、海外とかいくのにパスポートとか必要だからな。そうすると入れないのか?
そんな焦りとは裏腹に検問の人は笑顔で言った。
『その様子だと持ってないみたいだね。ないならないで問題ないから安心してくれ』
『そ、そうなんですか?』
『そうだよ。ただ、この町に来た理由やちょっとした検査には協力してもらうよ』
よかったー、この世界に呼ばれる前から飯を食ってなかったから、そろそろダウンしそうだったよ。
しかももう暗くなってるし。
『じゃあ聞くよ、自分の名前とこの町に来た理由を教えてくれるかな?』
『えーっと、訊です。理由は観光とお金がないので稼ぎたいですね』
『すぐにお金が欲しいなら冒険者になるのもおすすめだよ。冒険者は冒険者ギルドに行くとなれるからね…それじゃあ検査なんだがこの水晶に触れてくれるかな?』
そう言って出されたのが占い師とかが使いそうな透明な丸い水晶だった。
『触れるだけでいいんですか?』
『そうだよ』
俺は素直にその水晶に触れる。
すると、透明な水晶が青く光った。
『犯罪などはしていないようだね。よし、入って良いよ』
どうやら、この水晶は犯罪者かどうか調べるアイテムのようだ。
訊は言われた通り冒険者ギルドに向けて歩き出した。
『これはどうかな?』
訊は、周りの風を操作して、竜巻を作り出した。
『おぉ!すごいな、やっぱり本当になんでも操作できるのかな』
思い付く限りで周りにあまり被害がでないような操作をして全てが成功している。
『それにしてもやっぱ、この靴を履くと歩きやすいな。今更ながらに靴の有り難みがわかるな』
そんなことを考えていると、あの一角ウサギが現れた。
一角ウサギに遭遇し、緩めていた気をしっかりと締め直す。
昨日と今日で三匹目のウサギの登場により、冷静に対応する訊。
『ここでもスキルを試しておこう』
突進してきたウサギを難なく避け、手のひらに空気を圧縮し、放出する。
するとウサギは圧縮した空気の塊に頭を貫かれて絶命した。…弾けとんだといった方が適正かもしれないが・・・
『ふぅ~、まあ思ってた事が出来て良かった』
先程、風を操り竜巻を作り出していた訊は、その時の経験を思いだし器用に空気を圧縮し、上手く操ることが出来たのだ。
しかし、このように魔物のような動物を数多く殺して大丈夫なのだろうか。と聞かれたら問題なく大丈夫だと答えるだろう。
この世界はゲームのような世界であり、動物は生殖して増えているが、魔物は倒せば一定期間を置けばまた、リポップするのである。
また、倒した魔物は一定時間を過ぎると光の粒子になって消えてしまう。
剥ぎ取った素材などは消えない為、倒したら剥ぎ取った方が良い。魔物の剥ぎ取った素材はお金に変えられるからである。
また、粒子化した魔物はどうなっているのかは解明されていない。一説では魔物がリポップする糧になっていると言われている。
そんなことを知らない訊は、死体を放置して、街へ向かって歩き出した。
『他に何が操作できんのかな』
訊自身、想像力があまり豊かではなく、また、使い始めたばかりの力なので、多種多様に使えるこの能力を上手く発揮できないでいた。
町というより町を囲んでいる高い壁が見えてきた。
『町ってよりも城下町だなあれ』
町の中心辺りには町の周りを囲っている城壁のようなものより高いかなり大きい城が建っていたのだ。
城壁の周りには池が出来ていて入るところでは検問らしきものを行っている。
『見た感じあそこしか入る場所がないよな』
選択肢が他にないため検問のところまで歩いて行き、検問を受けている人達の後ろに並ぶ。
『次の人』
どうやら自分の番に来たようだ。
『はい』
『君一人かい?』
『はい、そうですが』
『身分証をなどはもっているかな?』
『え?』
身分証……?もってねぇえええ!けど、よく考えたらそれもそうか。元の世界だと、海外とかいくのにパスポートとか必要だからな。そうすると入れないのか?
そんな焦りとは裏腹に検問の人は笑顔で言った。
『その様子だと持ってないみたいだね。ないならないで問題ないから安心してくれ』
『そ、そうなんですか?』
『そうだよ。ただ、この町に来た理由やちょっとした検査には協力してもらうよ』
よかったー、この世界に呼ばれる前から飯を食ってなかったから、そろそろダウンしそうだったよ。
しかももう暗くなってるし。
『じゃあ聞くよ、自分の名前とこの町に来た理由を教えてくれるかな?』
『えーっと、訊です。理由は観光とお金がないので稼ぎたいですね』
『すぐにお金が欲しいなら冒険者になるのもおすすめだよ。冒険者は冒険者ギルドに行くとなれるからね…それじゃあ検査なんだがこの水晶に触れてくれるかな?』
そう言って出されたのが占い師とかが使いそうな透明な丸い水晶だった。
『触れるだけでいいんですか?』
『そうだよ』
俺は素直にその水晶に触れる。
すると、透明な水晶が青く光った。
『犯罪などはしていないようだね。よし、入って良いよ』
どうやら、この水晶は犯罪者かどうか調べるアイテムのようだ。
訊は言われた通り冒険者ギルドに向けて歩き出した。
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