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第2章 学園都市ウォーレン

第3魔法科学校、アリアの護衛3

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あえて・・そう!敢えてもう一度言わせてもらおう!

どうしてこうなった!

海斗は実技場へと入り生徒達と対面している。

生徒達の殺気は最高潮に達していた

「これから海斗さんとで模擬戦をしてもらう。胸を貸してもらい、世界の広さを感じ己の視野の狭さを知りなさい」

止めて!そうやってハードル上げていかないで欲しい。

というかあれ?今って言わなかったか?複数形って事ですよね?

ずらりと生徒達が並ぶ。

待て待て待て!俺対生徒達って事なのか!?マルコさんを見る

いい笑顔でサムズアップしてくる。

クッソ、殴りたい、その笑顔。

「そこまでの自信があるのならさぞかし強いのでしょうね。」

言ってませんよ?一言すら

勝手にハードル上げていってるのそちらだよね?

でも、もう何を言っても無駄そうな気もするが、模擬戦を回避出来るなら少し位は抵抗してもいいだろう

「いや、マルコさん流石に生徒達に怪我をさせる訳にはいかないですよ」

ピシリと空気が変わった

あれー?・・・はっ!?しまった!

「へ、へーぇ、私達を相手して無傷で倒せてしまうと言いたいのですか。赤子を捻るより楽だとおっしゃりたいのですか」

あっちゃー、やってしまった・・

火にダイナマイトを投げ入れてしまったよぅ



・・諦めよう


「海斗さん、ちゃんと怪我をした時の為に回復魔法を使える神官様が居りますので遠慮なくどうぞ」


「あっ、はい。そうですか・・」

はい、詰んだー。

SCにセットして準備をする。取り敢えずアレを仕掛けておこう。


「それではよろしいですね。・・はじめ!」

生徒全員が一斉に魔法を放ってきた。最初の着弾から次々と、留まる事の無い魔法の嵐

その嵐は3分もの間続き、砂が舞い見えなくなっても撃ち続けられた。

魔法を放つ時に詠唱の他に悪口が飛んで来てるんですけど?

嵐は去り、生徒達の荒い息使いだけが聞こえてくる。

砂煙が止んだ後、無傷のままの海斗が立っていた

「はぁ・・はぁ、え!?何で?あれだけの魔法を受けておきながら無傷ですって!?」

生徒達は勿論マルコさん、マリーさんまで驚愕の表情で見ている。

「海斗様、流石です」

アリアだけが当たり前の様に受け止めていた。

「そんなバカな話があるかよ!もう一度!」

「お待ちなさい!」

男子生徒の攻撃が一旦止められた

「イレーネ!何故止めるんだ!」

「1度私が単発で撃ってみますわ」

最初に海斗に質問してきた生徒だ。このクラスのリーダーなのかな?

イレーネが一歩前に出る。

「行きなさい!ファイヤーアロー!」

火で作られた矢が海斗目掛けて飛んでゆくが、海斗の身体をすり抜けて後ろの地面に突き刺さった

「なっ!?」

「魔法がすり抜けただと!?」

「何それ!聞いたこと無いわ」

「何だあの魔法は!?他の魔法は効かないのかよ!」

その後水のボールや、風の刃、土の棘など撃ってくるが全てすり抜けていく。

「そ、そんな・・」

「魔法が効かない何て有りなのかよ・・」

「勝てる訳ないわ」

「・・あんなのどうしろって言うのよ」

おっと、流石にやり過ぎたのかな?けど心折れるの早くない?

魔法に自信持ちすぎだろうにね。接近戦にするか周りをよく観察したら分かるのに

生徒達の目の前に居る海斗が揺れて消えた

「「「はぁ??」」」

そして生徒を1人残して全員の上半身と下半身の間に空間の板が現れて、動きを止められる。

ちゃんと魔法が使えない様に両手も固定させて頂きます。

驚きと戸惑いの中、1人のが全員の前に歩いて出てきた。

そして目の前で変幻の術を解いて正体を現す。

「「「はあぁぁぁ!?」」」

その生徒の正体は海斗だった。




始まる直前に幻術で海斗の幻を作り出し本体と重ねておく。

模擬戦が始まり魔法を放つのを見た瞬間に生徒達の後方に瞬動の術で移動して、変幻の術で生徒に紛れ込む

後は隙を見て動きを止めようかなっと見ていたら意外と早く心が折れてくれたので空間の術で全員を拘束させてもらった訳だ。

うーん、我ながらなんと狡い手。

なんか納得されない気がするんだけど、1番手っ取り早く、どちらも怪我をせずに終わらせれると思ったんだよね。

「お、お待ちなさい!今のは無効よ!まだ私は倒されてはいません!」

そうだよね、そう言い訳してくるよね。テンプレ通りの言い訳を始める生徒達

「でも、そこから抜け出せる方法はあるの?」

そう言うと黙り込んでしまった。

終わりかなと思い空間の術を解いてマルコさんを見るとまだ呆然としていたので目の前まで歩いていき眼前で手を振って気付かせる

「・・は!?い、今のは一体・・いえ、そうではないですね。

皆さん、これで分かりましたね。貴方達はまだまだ弱い。こうして手心を加えられ無傷で制圧される程に。

貴方達には伸び代があります。精進なさい、少しでも海斗さんに追いつけるように」

その煽っていくスタイル止めて!今回は偶々上手くいっただけだから!

生徒達は歯噛みしたり地面を叩いている。恨みを買いたくないんだけど

「まだ、まだですわ!」

イレーネが前に出てきて叫んだ

「どうやって欺いたかは分かりませんが、それだけです!卑怯な手を使うナイトなんて認めません!貴方がナイトだと豪語するのなら私の全力を止めてみなさい!」

イレーネが両手を上げ直径3mの大きな火の玉を作り出した。まだまだ大きくなる

生徒達は火の玉の大きさと熱さに悲鳴を上げ慌てて距離を取る。マルコさんはどうにか止めようとしていたが、暴発しそうで迂闊に近付けない。

イレーネは苦しい表情でなんとか魔法を維持している。


何この悪役感?ナイトなんて豪語してませんよ?完全にとばっちりなんですけど


しかし、このままじゃ危ないよね?彼女も周りの生徒達も

大きな溜息をついてNFAに切り替える

手に出したのは新しいバズーカだ。
ターゲットマークを火の玉に付けて引き金を引く。

「え?」

イレーネのつぶやきと共に火の玉は消滅した。

イレーネは何が起こったのも分からず魔力も枯渇して崩れ落ちるだけだった

ただ完敗した事だけは理解してくれたようだね
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