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第2章 学園都市ウォーレン

対抗戦

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1日休んで、次の日朝早くヴィン様の屋敷へと向かう。

「おはようございます、海斗様。先日はオーガを倒されたと聞きました!凄いです!」

全然箝口令敷かれてないじゃん・・

アリアはフンスと興奮しながら語りかけてくる。

「えっと、誰に聞かれたんですか?」

「お祖父様です」

成る程、職権を乱用されたのですね。

このままだと広まるのも時間の問題だと思う。出来れば隠滅したいんだけどなぁ

諦めムードが漂う中アリアの護衛を再開する事になった。

今日から各学校の選抜された選手が集まってくる。大会は各校が毎年持ち回りで行なっており、今回は第1魔法科学校で開催されるようだ。


あの私立みたいな学校か・・適正無しって言われたところだからなぁ。ちょっと気まずい


「海斗様?」


アリアが心配そうに見つめてくる。


「大丈夫ですよ」

直ぐに気持ちを切り替えてアリアに答えた。ちなみに今日もマリーさんとアリアはセットみたい

馬車に乗り第1魔法科学校へと向かう。馬車の外では各校のローブを着た生徒が同じ方向へと歩いていた。

沢山の生徒を見てアリアはワクワクしている。その様子を見ているとワクワクしてきた。流石に海斗もテンションが上がっているようだ

第1魔法科学校に到着し、事務員の人が案内してくれるそうで、女性が来たのだが

「おはようございます。今日は私が案内をさせていただきます。あれ?貴方は確か」

あ、あの時の試験の人だ。なんて確率なんだろうか

「その節は、今日はアリア様の護衛としてきていますので」

「え?・・はい。分かりました」

事務員の女性は首を傾げたが何も言わず納得してくれたみたい。ま、魔法が使えなくても護衛は出来るからね。

案内されて今回の大会の会場となる実技場へと到着する。

会場を見て思ったのは陸上競技場みたいだなと言う感想だ。

トラックでは試験管の先生達と大会のお手伝いをしている第1魔法科学校の生徒達が準備をしている。

今回ヴィン様がアリアに用意してくれた席は魔法がよく見えるように真ん中の前に特別席を作ってくれたみたいで目立っている。

ちょっとやり過ぎなのではないだろうか?

そんな心配も他所にアリアとマリーさんは席に座ってリラックスしていた

他の観客席には今大会に出場する選手や応援する生徒達もいるようで早くも席が7割方埋まってる状態

「あ!」

声のする方へ振り向くとイレーネが驚いた表情でこちらを見て直ぐに顔を顰めた


いや、そんな顔をされても

「貴方は私を笑いにきたのですか?」

「いや、そんなつもりは全くないんだけど。アリアの護衛だから」

「ア・リ・ア・・です!」

うーん、この子苦手だ。苦笑いしながらどうやってやり過ごそうがと画策していると

「あ!」

今度は誰だよ?と思って見たらサーニャだった

「なんだ、サーニャか。自分の学校の応援にきたのか?」

「な!?違うわよ!私は選手なの!」

ま、マジか!あれ?サーニャは第1だったよな?おいおい、大丈夫なのか?

「なによ!言っとくけどこの前の時とは全然違うからね!それにあれは貴方が異常なだけだったんだから!」

おっと、顔に出てましたか。

「後、あれでお母さんの治療の目処が立ったからそのお礼もちゃんと言ってなかったし・・ありがと」

全く、サーニャらしいよ。

「良かったな」

サーニャの頭を撫でてあげると嬉しそうに撫でられている。こうゆう所を見るとまだまだ子供だなって思う

「あ、あ、貴方何してますの!?この子を誰かご存知なのですか!?」

イレーネが此方を指差して怒ってる。この子ってサーニャだろ?母親思いのポンコツっ子

頭に?が浮かんでいると、イレーネは1つ咳をして

「あのですね!この子は第1魔法科学校が唯一推薦で入学を許可された天才、サーニャさんですのよ!」

え?何その肩書き。俺の知ってるサーニャと別人か?

頭を撫でているサーニャを見る。うん、間違いなくサーニャだ。

「そんな天才サーニャさんに何をされているんですか!?早く離れなさい!」

サーニャの頭から手を離すと、ちょっと悲しそうな顔をしたが、直ぐにドヤ顔でこちらを見てくる。

いや、無いわー

「見てなさいよ!度肝抜かしてみせるんだから!」

ビシッと海斗を指差して宣言した後、自分の学校の集団に戻っていった。

結局何がしたかったんだ?あ、お礼か。

「サーニャさんとどうゆう繋がりがあるのよ!」

イレーネはまだ戻ろうとはせず海斗を追求してくるが、自分の準備は良いのだろうか?

聞いてみると慌てた様に戻っていった

なら、構わなければ良かったのに。緊張緩和を俺でしないでください

「海斗様はこの街に来たばかりなのに沢山の素敵な方々とお知り合いになったのですね。」

アリア、素敵なと言う部分は省いてほしいかな

暫く談笑をしていると、トラックの真ん中で第1魔法科学校の校長が壇上に上がり開会宣言を始めた。

「これより学校選抜競技会を開催する。皆、己の日頃の成果を存分に発揮してほしい」


打ち上げ花火の様な魔法と共に大会が始まった
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