保元らぷそでぃ

戸浦 隆

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第一章(三)讃岐白峰山

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 同年九月十九日。
 葬列がゆるゆると進んでゆく。
 新院の遺体を納めた柩(ひつぎ)を、四人の男が担いでいる。柩の前に国司藤原季能、後に綾高遠と娘八重、女房三人。列の先頭と後尾に国衙の兵数名が従う。総勢二十名足らずの寂しい葬列である。切れ切れに女たちの啜(すす)り泣く声がする。男たちはみな、押し黙ったまま歩いていた。
 綾川を渡り、白峰山のふもと「高屋の阿気(あけ)」に差し掛かった時、突然の驟雨(しゅうう)に見舞われた。
 黒雲が走り、雷鳴が轟く。柩を大石の上に下ろし、樹々の陰に身を寄せて人々は雨の去るのを待った。辺りは一気に明度を落とし、視界をさえぎる雨が激しく柩を叩く。跳び散る飛沫(しぶき)が稲光を受け、火花のように爆(は)ぜる。
(やっとここまで漕ぎ着けたか)
 季能の胸の内に安堵が少し広がった。肝を冷やし続けたこの二十日余りのことが遠い昔のように思われる。篠(しの)つく雨に見入っていると、不思議にそんな気持ちになった。雨の向こうに、これまでの出来事の断片がちらちらと点滅する………。

「………シン、イン………」
 季能の耳元で誰かがささやく。
 泥沼から抜け出るように、眼が覚めた。辺りを見回したが、誰もいない。
 夢か。そう思った時、再び声がささやいた。
「………ホウ、ギョ………」
 庭先から聞こえて来るように思えた。立ち上がり、妻戸の前まで行って耳を澄ます。呪文のように、ささやきが繰り返されているような気がした。戸を開け、闇に眼を凝らす。
 誰もいない。
「シンイン……ホウギョ……」
 空耳ではない。今度ははっきりと聞こえた。怯(おび)えが背筋を逆撫(さかな)でる。鳥肌が立ち、脚が震えるのを抑えることが出来なかった。
「誰だ!」
 手入れの行き届いた庭木の陰から、黒い影が現れた。
「新院様が崩御なされました」
「な、何と………」
「新院様は畦道に。御在所へも行かれるがよろしかろう」
「お前は………」
「またお目に掛かりましょう」
 黒い影が後ろの闇に溶け、消えた。
 季能は、しばらく息を詰めて様子をうかがった。静寂が続く。辺りを見回しながら、恐る恐る庭に降り耳をそばだてる。人気は微塵もない。だが、確信した。新院が亡くなったのだ!
 とんでもないことになった。何とかしなければ………。
 それからの季能の行動は、見違えるほど迅速だった。部屋に取って返し身支度を整えると、腹心の部下二名を引き連れ、すぐさま邸を出た。
 畦道に差し掛かる。黒い塊が田に横たわっていた。新院だった。カッと眼を見開いたまま事切れている。部下の一人に命じ背負わせて邸に戻らせる。そうして御在所に急いだ。
 築地の外と門の脇に衛兵が倒れている。息はあった。御在所の女房たちも気を失っているだけで命に別状は無さそうだ。見事な手際と言っていい。誰も声を上げるどころか、気付く暇さえ無かっただろう。目覚めても何も覚えてはいまい。眠りから還ることの無い子供二人を除いては。
 子供だけを自邸に運び込むと、季能は三人の遺体を検(あらた)めた。二人の子供は首の骨を折られている。見る者が見れば、すぐにそれと分かる。誰の眼にも触れぬうちに処分すべきだろう。だが、新院の遺体は勝手に処分するというわけにはいかない。仮にも上皇だったのだ。都の下知を仰がなければならない。新院の体には目立った外傷は無かった。夜着をはだけてみると、心の臓に何かで穿(うが)たれた跡がある。背中にもう一つ。血は傷口にわずかに滲んでいるだけで、流れ出てはいない。極めて細い、鋭利な何かを射込まれたらしかった。至近距離から心臓に撃たれれば、痛みを感じなかったかも知れない。傷口を綿と油紙で塞ぎ、その上から晒(さら)しと布をいく重にも巻き付ける。着衣させれば、病死だと偽っても外見上は分からない筈だ。後は何とでも言いくるめることは出来る。
 独りで処置を済ましひと息ついた時には、夜が白み始めていた………。

「一体どういうお心算(つもり)か!」
 座に着くなり、綾高遠は溜めていた怒気を一気に解き放った。
「何のことです」
 季能はとぼけた。あくまで白を切り通す肚(はら)でいる。
「なぜ報(しら)せぬ」
「報せたればこそ、こうして国衙(ここ)に参ったのではないのかな」
 高遠は顔を真っ赤にして声を荒げた。
「二日も経ってのことではないか!」
「報せが遅れたことは重々お詫びする。何しろ降って湧いたような重大事ですからな。気が動転していたことはお察し願いたい。取り敢(あ)えず都に使者を立て、事後の処理に当たるだけで精一杯で」
「この高遠を後回しにしたと言うか。慮外も甚(はなは)だしいわ!」
「いや、決してそのような……」
「口から先は要らぬ。新院様の亡骸(なきがら)はいずれに」
「八十場(やそば)の泉に浸してある。都から指示が届くまで早くて二十日。まだまだ暑さの残る時期、遺体の腐敗を防ぐ手立ては他にありますまい」
 季能は覚えたての経文でも唱えるように、そう言った。
「御子(みこ)たちは」
「すでに荼毘(だび)に付した」
「な、何!」
 思わず高遠は膝をにじり寄せた。食って掛からんばかりの剣幕だ。
 だが季能は眉一つ動かさず、伝達事項を告げるように高遠に言った。
「薬師(くすし)の見立は流行病(はやりやまい)。早急に焼かねば累(るい)が及ぶ。もちろん、懇(ねんご)ろにお弔い申し上げた。遺骨は『木の丸殿』に安置してある」
 高遠は拳を握り締めた。その拳が怒りで震えている。
「新院様の御子は、この高遠の孫でもあるのだぞ。その死に目にも会わさず、ようも抜けぬけとそのような戯言(たわごと)を………」
「ほほう。不服がおありと見える。国司のすることに異議あるは、都に異議あるも同じこと。よくよく考えてから物言いされよ」
「国司の権限を笠に着るか!」
「それ以上は言わぬがよい。早々にお引き取り願おう」
 臆病な自分がこうまで高圧的な態度が取れるとは思ってもいなかった。だが今は一歩も退いてはならない。刃(やいば)が首筋に当たっているのだ。何としても乗り切らなければ、首が足元に転がることになる。季能は必死だった。
 高遠が、季能を睨み付けながら言った。
「この度のこと、この高遠、腹に据え置くぞ!」
「ご随意に」
 踵(きびす)を返し、高遠は部屋を出て行った。
「ふふん」
 季能は、高遠の後ろ姿に鼻先で嗤(わら)いを投げた………。

「木の丸殿」を訪れる度に、季能は気が塞ぐ。
 新院始め女房たちの醸(かも)し出す都人(みやこびと)の匂いが、まず肌に合わない。季能も国司の端くれだから、都の空気を知らないわけではない。しかし、宮廷の最上階に暮らす人間と地方の官吏の間には、それこそ天と地ほどの隔たりがある。まして季能は事務方一辺倒の役人だ。管弦や歌詠み、四季折々の遊興などには縁が薄い。雅(みやび)や風趣といっても、雲の上の絵空事なのである。
 新院を慰めたいからと、何度も女房たちが花見や月見の宴を開く許しを求めて来た。だが、季能は首を縦に振らなかった。新院を罪人として扱うよう都から命じられていたからだ。季能にすれば職務に忠実なだけなのだが、女房たちは快く思う筈が無い。何かにつけ反発するようになった。季能の方でも、女房たちと顔を合わすのが億劫(おっくう)になっていた。
 新院が亡くなって、跨(また)ぐ敷居も少しは低くなるかと思えば、そうではなかった。主を失った「木の丸殿」は、却って陰鬱の度を濃くしている。子供の声の無いことが侘しさを増し、庭木や草も心なしか荒れ寂れているように思われる。
 声を掛けると、ほの暗い邸内から衣擦(きぬず)れの音が近づいて来た。年若の女房掃部(かもん)の局(つぼね)だ。
「これは国司殿。きょうはまた、いかな御用の向きか」
 相変わらず距離を隔てた、冷ややかな視線が季能を迎えた。
 季能も事務的に応えた。
「都より宣旨が下されました」
「それは真実(まこと)か!」
「ただ今、ご使者より勅命を賜(たまわ)ったばかり。取りも直さずと思い………」
「何をぐずぐずしています。そのような大事は、早(はよ)う早うに」
 さっさと奥に入ってしまった。
 何もぐずぐずしているわけではないわ。勝手に決め付けおって、と季能は舌打ちしたくなった。
 不機嫌をそのまま顔に貼り付け、女房たちの待つ部屋へ向かう。部屋に入ると、三人の女房たちが揃って季能の顔を見た。高遠の娘はいなかった。あの事件以来、臥せっているという。
「国司殿。宣旨は何と」
「新院様は恩赦を蒙(こうむ)られたのでありましょうね」
「せめて亡骸はお望み通りに」
 季能が女房たちの前に坐るまでの短い間に、三人が矢継ぎ早に問い掛けて来る。
 やれやれ、と季能は話す前から重い気分になった。
「急(せ)かさずとも、これから申し上げる!」
 耳に届ける必要以上の、大きな声が出てしまった。
 三人は口を閉ざし、季能の言葉を待つ。
 静かになった女房たちを見回し、季能は重々しく口を開いた。
「一つ、新院様のご遺体は白峰山に葬ること」
 女房たちの口があんぐりと開く。
「白峰山に?」
「まさか………」
「そんな………」
 季能が続ける。
「二つ」
「お、お待ち下され」
 一番年かさの兵衛佐(ひょうえのすけ)の局が言った。
「国司殿。それは何かのお間違いでありましょう」
「いや。間違ってはおりません」
「新院様はご生前より『遺骨は高野山に』と。のう、掃部」
 兵衛佐の局は、右隣の掃部の局に首を振り向ける。
「そうです、そうです。私どもに、それはもうくどいほど仰せでありました」
 同調する掃部の局に加え、左隣に坐る縫殿(ぬいどの)の局も口を添えた。
「朝に夕に、花に月に、鳥の声、虫の音(ね)に、新院様はお心を寄せる度に都を偲ばれ、歌に想いを託されておいででした。『生きて再び都に戻れぬのならば、死んでなお都に帰れる保証も無い。ならば、せめて遺骨は高野に』と。高野は新院様の第一の皇子重仁(しげひと)親王様がご修行なされたところ。それを白峰などと……」
 縫殿の局の声が潤み始めている。
 季能はうんざりして来た。女は嫌いではない。だが、女の口敲(たた)きと涙は苦手だ。ことにこの女房どもの口うるささと泣き落としには、これまで何度も手を焼いていた。
「二つ!」
 季能は女房たちを置き去りにして、先を急いだ。
「新院様の日々お使いなられた御(おん)召し物、御道具類は箸、器に至るまでご処分あること」
「何ということを………」
 掃部の局は言葉を失くした。
「ひどい。ひど過ぎます」
 縫殿の局は泣き伏した。
 憤慨したのは兵衛佐の局だ。口辺に泡を飛ばす勢いで季能に食って掛かった。
「国司殿。謀(たばか)られるか! そのような宣旨、あろう筈が無い! 仮にも新院様は帝であられたお方。それにもかかわらず、讃岐配流(はいる)という厳罰に処せられた。罰は罰として甘んじて受けられた新院様は都に帰ることも叶わぬまま、この地で崩御あそばされたのです。生前の罪は充分過ぎるほど、あがなっておいでじゃ。それが何です。新院様のご遺言を踏みにじり、あまつさえお手になられた品々まで処分せよとは! 国司殿、世迷い言(ごと)も大概(たいがい)になされませ!」
「世迷い言ではない。宣旨をそのまま言ったまでで………」
 女房たちは季能の言葉を最後まで言わせなかった。
「いいえ、いいえ」
「そのような理不尽、聞く耳持ちませぬ」
「国司殿、今一度お確かめなされ!」
 女房たちは口々に抗議の言葉を投げつける。
 季能は、女房たちが承服しないことは予(あらかじ)め分かっていた。告げるだけは告げたのだ。長居は無用と思った。
「お疑いならば、勅使に直接糺(ただ)されるがよかろう。私はこれにて失礼を致します」
 背に女房たちの泣き声を聞きながら、季能は表に出た。
 溜息を一つ吐く。しなければならないことが、まだまだ控えているのだ。季能は足を速めて「木の丸殿」を後にした………。

 雨が上がった。
 男たちが柩を持ち上げる。雨を吸った柩は、急にずしりと重さを増したようだった。滴(したた)り落ちるものがあった。雨水ではない。
 血だ!
 赤黒い血が、柩の下から垂れ落ちている。柩の置かれていた石がおびただしい血で濡れていた。死後二十日を経て、なお新院の体を血が巡っていたのだ。
 男たちは柩を地面に下ろし、ひざまずいて手を合わせた。そうして、がたがた震えながら念仏を唱え始める。女たちは怯(おび)え抱き合い、声を上げて泣く。高遠も季能も、体が凍り付き立ち竦(すく)んだ。
 ようやく気を取り直した季能が、男たちを促(うなが)した。女たちは残して行くことにした。
 峻険な稚護ヶ嶽が眼の前にそびえ立っている。断崖絶壁の山頂に達するには迂回して登る他は無い。一行は山道に分け入った。伸び放題に伸びた茅(かや)の葉で足元が覚束(おぼつか)ない。行く手をはばむように、松や杉、椎の樹木の梢の上に稚護ヶ嶽の頂きが見え隠れする。
 ホトトギスが鳴いた。
 新院を見送ってでもいるのかと、誰しもが思った。鼓ヶ岡の「木の丸殿」に入って間もない頃、新院はホトトギスの声に都を偲ぶ歌を詠んでいる。

鳴けば聞き聞けば都の恋しさに
   この里過ぎよ山ほととぎす

 新院の心を察して、爾来(じらい)この里ではホトトギスが鳴かなくなったという。
 里人が山に入ると、時に「ホトトギスの落とし文(ぶみ)」を見つけることがある。くるりと巻いた葉で、玉梓(たまずさ)とも呼ばれている。古代では手紙を梓(あずさ)の枝に巻いて結んだことから、手紙のことを「玉梓(玉章)」と言う。形状が似ているからだろう。里で鳴かなくなったホトトギスは、鳴きたくなると玉梓の葉に嘴(くちばし)を入れ、声を忍ばせて鳴く。そうして、その「ホトトギスの落とし文」を懐中に入れて大切にすると、必ず良い便りがある。そう里人たちは信じている。
 ようやく白峰寺に着いた。
 弘法大師の開いた白峰寺は、稚護ヶ嶽山頂の喉首に位置している。寺脇の細い小道を抜ければ、すぐに千尋(せんじん)の谷だ。新院の遺体はその山頂の巌(いわお)の上で荼毘に付されることになっていた。霊を弔うというよりは、稚護ヶ嶽の絶壁と密教の法力によって霊を封じ込めよう、というのが都の狙いだったのだ。
 出迎えた僧が、一行を山頂に導く。
 突然、視界が開けた。と同時に、風がまともに吹き付けて来る。
 巌の上に寄木(よせぎ)が組まれ、柩はその上に置かれた。柩と手前に設けられた護摩壇に火が点じられ、僧たちの読経が始まる。鉦(かね)が打ち鳴らされ、みな合掌した。
 柩に火が移り、煙が立ち昇った。折から風は北風であったが、不思議なことに煙は都のある北へたなびいてゆく。やがて、谷底から這い上がって来た霧雲にからめ捕られ、煙はその先を谷底の青海村に向けた。
 荼毘に付された新院の遺骨は土に埋められ、その上に石が三つ重ねられた。まるで無縁仏のような粗末な墓だ。身近に新院を知る者は涙を禁じ得なかった。柩を担いで来た男たちはもちろんのこと、国衙の兵たちでさえ嗚咽(おえつ)を堪えている。和歌を愛し都を愛しながら運命に翻弄(ほんろう)され、流刑(るけい)の地で命を閉じた新院の痛ましさに、誰もが胸ふたがれていた。だが、義理の息子と孫を同時に失った高遠と、葬送の一切を差配した季能の二人は違った。
 高遠は季能を睨み据えている。この男は信用ならぬ。身の保全のためならば、臭いものにする蓋(ふた)はいくらでも持っている男だ。この度の対応の素早さときたらどうだ。融通を利かせ過ぎる。それに、あの敵意とも取れる威圧的な態度。裏に必ず何かある。胡散(うさん)臭さふんぷんではないか。証拠が無い以上どうにもならないが、今に見ていよ。その小汚い役人面(づら)、ひん剝(む)いてくれる………。
 季能の方はやっとこれで面倒ごとが片付いたと、ひと安堵していた。しかし、刺すような高遠の視線が気になる。高遠をこのままにしておいては、いずれ厄介なことになりそうだ。早急に何らかの手を打たなければ、と頭の隅で考えていた。
 白峰寺の僧たちの読経と叩く鉦の音が、風に流されてゆく。
 また、どこかでホトトギスが鳴いた。
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