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ダンジョン
コンテナの中身
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ダンジョンの入口は地下室の壁にぽっかりと開いていて、新宿ダンジョンと同じように壁自体がぼんやりと光っていた。入口のすぐそばに転移石があるのも同じだ。
ダンジョンを進んでいると何人ものメンバーとすれ違う。全員戦闘用のボディースーツを着て何かしらの武器を持って外へと走っていった。大体のメンバーは目々野の姿を見かけると会釈をしていたが、中にはガン無視の奴もいた。やはり目々野は舐められている。
少し進むとコンテナが並ぶ区域が見えてきた。怪しまれないようにふらっとコンテナに近づくと中からゴソゴソと物音がした。これが例のコンテナか。
カオスサーガがダンジョンを安全な拠点として運用できている秘密はこのコンテナにある。このコンテナの中身はこのダンジョンの第1階層のモンスターだ。それも全ての。
ダンジョンでは一フロアに存在するモンスターの総数が決まっているらしい。だから倒しても倒してもモンスターは現れる。逆に倒さなければ新しく現れることはない。権田はその特性を利用し、このフロア全てのモンスターをコンテナの中に押し込んで安全地帯を作ってしまったのだ。
「ちょっと目々野さん!きょろきょろしてないで急いでくださいよ!」
「そんなに急がなくても大丈夫だよう。もうすぐじゃないか」
コンテナの区域を過ぎると風景は一変した。ダンジョンの土の上にOAフロアが敷かれ、しっかりとしたパーティションで小奇麗なオフィスが形成されているのだ。
「第一会議室にボスと他の幹部が集まっています!目々野さんが最後です!」
ちっ。権田一人じゃないのか。3対1。いや黛も入れると3対2か。新幹部の加護が分からない以上、すぐに動くのは危険だな。
「ちょっと飲み物を取りに、、」
「会議室に準備してありますから!さっ、入ってください」
くそ!この金髪、無駄に気遣いができる。ドアまで開けやがった。ここで会議室に入らないのは流石に不自然か。権田をやるのは会議を終えてからだな。
ゆっくりとだるそうに一歩一歩会議室に入る。30平米程の会議室の中には机が口の字に並べられ、一辺に一人ずつ座っていた。奥に権田、右手に富沢。そして左手に新幹部っておい。こいつは。
「早かったな目々野。座れ」
権田の嫌味を聞き流しオフィスチェアに腰を下ろす。焦るな。ゆっくりだ。
「目々野は初めてだったな。そいつが新幹部の播戸だ」
「……」
「播戸だ。よろしく」
「無愛想な奴ですまんな。目々野、ちゃんと挨拶ぐらいしろ」
「目々野ですうう」
これは厄介なことになった。こちらに挨拶した男は新宿ダンジョンで俺に絡んできた黛のストーカー野郎だったのだ。
ダンジョンを進んでいると何人ものメンバーとすれ違う。全員戦闘用のボディースーツを着て何かしらの武器を持って外へと走っていった。大体のメンバーは目々野の姿を見かけると会釈をしていたが、中にはガン無視の奴もいた。やはり目々野は舐められている。
少し進むとコンテナが並ぶ区域が見えてきた。怪しまれないようにふらっとコンテナに近づくと中からゴソゴソと物音がした。これが例のコンテナか。
カオスサーガがダンジョンを安全な拠点として運用できている秘密はこのコンテナにある。このコンテナの中身はこのダンジョンの第1階層のモンスターだ。それも全ての。
ダンジョンでは一フロアに存在するモンスターの総数が決まっているらしい。だから倒しても倒してもモンスターは現れる。逆に倒さなければ新しく現れることはない。権田はその特性を利用し、このフロア全てのモンスターをコンテナの中に押し込んで安全地帯を作ってしまったのだ。
「ちょっと目々野さん!きょろきょろしてないで急いでくださいよ!」
「そんなに急がなくても大丈夫だよう。もうすぐじゃないか」
コンテナの区域を過ぎると風景は一変した。ダンジョンの土の上にOAフロアが敷かれ、しっかりとしたパーティションで小奇麗なオフィスが形成されているのだ。
「第一会議室にボスと他の幹部が集まっています!目々野さんが最後です!」
ちっ。権田一人じゃないのか。3対1。いや黛も入れると3対2か。新幹部の加護が分からない以上、すぐに動くのは危険だな。
「ちょっと飲み物を取りに、、」
「会議室に準備してありますから!さっ、入ってください」
くそ!この金髪、無駄に気遣いができる。ドアまで開けやがった。ここで会議室に入らないのは流石に不自然か。権田をやるのは会議を終えてからだな。
ゆっくりとだるそうに一歩一歩会議室に入る。30平米程の会議室の中には机が口の字に並べられ、一辺に一人ずつ座っていた。奥に権田、右手に富沢。そして左手に新幹部っておい。こいつは。
「早かったな目々野。座れ」
権田の嫌味を聞き流しオフィスチェアに腰を下ろす。焦るな。ゆっくりだ。
「目々野は初めてだったな。そいつが新幹部の播戸だ」
「……」
「播戸だ。よろしく」
「無愛想な奴ですまんな。目々野、ちゃんと挨拶ぐらいしろ」
「目々野ですうう」
これは厄介なことになった。こちらに挨拶した男は新宿ダンジョンで俺に絡んできた黛のストーカー野郎だったのだ。
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