生徒との1年間

スオン

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顧問2年目05月

顧問2年目05月 11

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「大事な試合の日の朝から、そんなことをして良いんですかね?」
「ぐっ・・・」

 僅かな木漏れ日が差し込む的場の裏の林。昼間だというのにジメッとした陰気な雰囲気だ。
 あたりの土の上には、立成の尻穴から放出された大便が散らかっている。便所の水たまりなどないところにむき出しに垂らされたこの汚物からは、明らかに糞の匂いとわかる悪臭が漂いつつある。
 そんな中、木の幹に手を当てたまま尻を突き出している全裸の世界史教師と、その背後にいる生徒。
 開いた股の間から一物を握られている。筒井の細い指先が、柔らかなボールで遊んでいるかのように、その小さく縮こまっている立成の皮被りのソーセージを弄んでいた。そうされているからか、それとも自分が貶められているからか、可愛らしい姿は変わらないもののその硬さを取り戻しつつある状態だ。
 恥ずかしくてたまらない。それでも雄としての弱点を握られていてしまっているのだ。今の立成は筒井の言うことを聞くしかなかった。

「そんな、大した大会じゃないから・・・」
「ケツ割れなんかを履いてたのに?」
「それは、違う・・・筒井なら、わ、わかるだろ?」

 傍から見れば、確かに立成の行為はふざけた大人でしかなかった。
 朝から自慰行為に励み、大会には尻が丸出しの下着を履いて弓道大会に出場して。
 嘲られても仕方なのないことだった。
 しかし、昨年まで、あれだけ筒井の要請で見られるのも恥ずかしい、ぴっちりとしたビキニを履いてやっているのだ。そんな効果があるかどうかわからないようなゲンを担ぐことに共担していたのだ。大会の日に立成がケツ割れを履いていたことの理由など、わからないはずがないだろう。
 おまけに、あのケツ割れは筒井からの贈り物なのだ。去年の立成の誕生日プレゼントとしてのだ。筒井からの情愛の証の品なのだ。
 それでも、そんなことが分かったうえでも、筒井は立成を煽るように責めめ続けた。

「先生は朝から、どんなネタでオナニーしたんですか?」
「そんな、そんな・・・」

 生徒からの非情な追い打ちは止まらない。
 同じ男同士であるとはいえ、己がしている自慰行為について話すことなど、真っ当な社会性を身に着けていればあり得ないことだろう。あまつさえそのときのネタまでも共有することなどほぼない。それがあるとすれば、まだ若き少年時での間柄での話であり、いつしかそれも微笑ましい思い出話になるであろう。それほどプライベートなものであり、デリケートな事情であり、個人の嗜好によるものなのだ。それを話せと言うのか。
 おまけに、今、それを話せと言われている立成は、大人であり、教師であるのだ。おまけにそれを言うべき相手は、自分の部活の部員の生徒だ。
 そんな恥ずかしいことを、教師の自分に話せというのか。そんなことを、生徒に向かって言うのか。もし、それを言ってしまったら・・・。今朝の自分の行為が頭をよぎる。とても言えるものではなかった。せめて、アダルトな動画や写真を使用していたのならば、恥ずかしいのは変わらないものの簡単に言ってしまえるのだろう。

「どうなんですか!?」
「あぁっ!」

 答えない立成に、筒井はここぞとばかりに追い討ちをかけた。立成の一物を包んでいた手に僅かに力を加える。指と掌に立成の棒を挟み込み少しずつその指を握る力を強くしていく。
 こんなことをされて、どうやって抗えというのだろうか。立成は大柄な男だ。しかし、男であるがゆえの弱点がある。そんなところをこんなにもちょっとした力を入れられるだけで、屈服せざるを得なくなっていた。
 打ち明けてしまえ、ゲロったほうがらくになるぞ。そんな思いが込められているかのようだった。
 立成は観念した。もう語るしかなかった。しかし、それと同時に自分が今から口にすることで、さらに自分が堕ちていってしまう予感がしていた。

「よ、・・・吉沢先生だ」

 顔を真っ赤にしながらも震える声でその名を口にする。言いたくもない自分の自慰行為のネタを、正直に赤裸々に白状する。そんな情けなさとみっともなさにより一層恥じてしまっている。

「えっ、吉沢先生って、あの、保健室の?」
「そうだ・・・」

 立成は自分の顔を隠すのに必死だった。
 こんな自分を見せたくなかった。
 仕事の同僚の女性を自涜の道具にしていた。そんな恥ずかしいことを打ち明けたのだ。
 あまりにも自分の恥部を短時間で露呈してしまっていた。自分の裸、排泄物、そして今朝1人で楽しんだのネタまでも、生徒に見られ、聞かれているこの世界が受け入れられないものだった。

 このため、背後にいる生徒のことまで頭が回らない。
 立成が口にしたことで筒井はわずかであるが消沈した表情をしていた。
 想い人の教師の自慰行為のネタ。もしかしたら・・・と期待してしまっていたのかもしれない。
 しかし、そうではなかった。当然だ。相手の教師はノンケなのだ。童貞とはいえ女が好きなのだ。そんな教師を好きになってしまったのだ。それは仕方ないことだった。
 筒井は思わず立成の一物からも手を離していた。あらためて立成の顔を背後から見やる。
 相変わらず顔を隠すその立成の姿。本当に恥ずかしいのだろう。そんな姿を見ただけで、筒井の中でも炎が燃え上がってしまっていた。追撃は再開された。

「先生は吉沢先生と仲か良かったでしたっけ」
「・・・いや、少し話す程度だ・・・」
「それだけでおかずになんてできますか?」
「・・・吉沢先生の・・・裸とかを、俺が勝手に想像して・・・」

 立成はぶるぶると身体を震わせてていた。
 32歳の教師の自分が、高校生を相手に、高校生も顔負けの、初心な告白。
 健康な青年であれば自慰行為自体は仕方のないことだが、それでも30代の男が告白する内容としては、情けないものであった。

 木の幹に擦り付けた立成の顔は苦渋で歪んでいた。
 もう許してくれ。もう勘弁してくれ。
 背後の生徒から恩赦が下るのを待っていた。 
 しかし、それだけでは終わらなかった。

「吉沢先生の裸を考えただけ?それだけで十分だったんですか?もっといやらしいことを考えてたんじゃないですか?」

 立成の身体がビクッと揺れる。
 なぜ、そこまで見抜かれるのか。そんなことまでわかるのだろうか。同じ男同士だからなのか。

 隠し通せるなら隠したかったことだ。しかし、実直な立成は素直に反応してしまっていた。表情は見せていないが、それ以外、モロ出しの裸体が見せる怯えたような反応をしてしまっていた。“当然だ、他にも妄想している”と言っているようなものだった。
 惨めな気分だった。しかし、隠すことはできそうにもなかった。

「よ、吉沢先生との・・・妄想をした」
「妄想?どんな妄想?」
「・・・そ、その・・・せ・・・セックスを・・・」
「へぇ、童貞の先生でも、妄想の世界ではセックスをしているんですね」
「ぐっ・・・そうだ」
「なるほど。それで?」
「・・・吉沢先生のは、裸を考えて、それで俺が吉沢先生にのし上がって、め、滅茶苦茶にさわって、撫でて、吉沢先生のマンコに俺のチンポ入れて・・・でも、そのときに、吉沢先生に、お、俺の・・・ち、チンポを見てもらって・・・でも、お、俺が謝って、俺、・・・・・っ・・・ど、童貞だから、すみませんって、せ、セックス教えてくれって・・・」

 なんともたどたどしい説明だった。そして、なんとも情けない内容だった。
 恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなかった。筒井に対しても、話す内容は支離滅裂であるが、情けない妄想であることは伝わっていた。
 そんな自分の恥部を洗いざらい白状したことによる恥ずかしい気持ちからか。それとも、自分の語った朝の妄想の色欲の気に再度あてられたからか。筒井の掌から解放された立成の一物はグググッと太く、大きくなってしまっていた。縮こまっていた小学生のチンコから、包皮はそのままではあるが立派な大人の雄の魔羅へと変貌を遂げていた。
 自分の恥が重なれば重なるほど、立成の頭は湯気が出るほど発汗していた。

「そうですか、吉沢先生の妄想をおかずに、朝からオナニーしてたんですね」
「・・・」
「そして、吉沢先生とセックスしたんだ。妄想の中で」
「・・・」
「それを今日、大会の朝からしていたと」
「・・・そう・・・だ・・・」

 恥の極みだった。今にも立成は泣き出しそうにしていた。
 一方で、筒井はどこかすっきりとした爽やかな顔つきになっていた。
 こんなにも、愛する教師の恥ずかしい部分を、本人の口から聞き出したのだ。
 去年までの関係であれば、こんなことはできなかっただろう。
 満足したかのように頷いた筒井は、折り曲げている立成の腰に手を当てる。 

「そんな淫らな先生には、お仕置きが必要ですね?」


 ”お仕置き”

 その言葉だけで立成は昂っていく。身体の中の導火線に火がついてしまう。
 立成の意に反して、ピクッと立成の分身が首をもたげてしまう。
 これはもはや仕方のないことだった。身体が期待しているのだ。求めてしまっているのだ。

 どうしてそんなことをされるのか。
 成人の男なのだから、1人遊びなど当然のことのはずなのだ。そんなことを他人に咎められる筋合いなどないのだ。堂々としていても良いのだ。 
 しかし・・・
 
 筒井の問い詰め・・・いや、もはや言葉攻めにより、立成は完全にスイッチが入ってしまっていた。
 尻の穴に浣腸される前、自ら筒井に身を任せるような事を言ってしまった、少し前のあの時のように・・・

 背後から筒井の息遣いが聞こえた。
 手に息を吹きかけている?

(何をしているんだ?いや、これは・・・)

 立成の脳裏にあのときのあの行為がよぎる。先月、夜の教室。筒井と2人きり。教壇。尻を突き出した自分。

 まさか、また・・・?

 立成の覚悟が決まる間もなく、筒井の手が高く高く振り上げられ、そして。

 バッチーンッ!!!
「あーーーーっ!」

 尻を引っ叩かれた。高らかな音が鳴った、見事な一発だ。
 
 目の前に火花が走った。それだけの衝撃だった。
 ただの尻への一発。だが立成にとっては強烈なものだった。その一発で、先月の、あの夜の教室へと連れ戻されてしまっていた。筒井に尻を叩かれ、喘いでしまっていた無様な自分を取り戻してしまっていた。

 音が鳴ったしばらく後、尻がジーンと痺れるような痛みを感じる。突然の衝撃により立成の尻の組織が正常に稼働し血流が増大する。その結果、叩かれたその場所にはっきりと筒井の掌の痕が赤く残されていた。
 
 心の準備ができていなかった立成は、唐突すぎるスパンキングに大きな声が出てしまっていた。それは痛みによる悲鳴なのかもしれないが、待ちに待った歓喜の声のようでもあった。

「ふぅっ、ふぅっ・・・」
「まだまだ、まだまだですよ、先生」
「そんな・・・ああっ!はあっ!んんっ!」

 バチン!バチン!バチン!バチン!バチン!バチン!

 強い力で何度も何度も尻を叩かれた。
 かつて立成が青春を捧げた野球部、そしてアーチェリー部での活動。楽しいだけではなかった。辛いことだってたくさんあった。それでも、良い結果を出すことを目標に、当時の仲間たちと毎日懸命に活動していたものだった。そんな辛酸を嘗めた経験により作られた立成の逞しく大きな身体。
 その中でも一段と大きい部位が臀部だ。立成が青春を捧げた中学・高校の野球部の活動。送球や打撃には踏ん張る力が必要で、そのためにもどっしりとした下半身が出来上がる。毎日の部活動によりいじめぬいたことで素晴らしく発達した立成の大殿筋。
 そんな立成もいつしか少年から青年になる。すべすべだった美しいし尻にも、成長とともに増幅して発生した男性ホルモンの影響により、黒い毛が1本、また1本と生えていき、立成が気づいたころには尻タブ表面をびっしりと覆うまでになっていった。そんな尻毛に悩み、コンプレックスを持ち、処理をしてしまおうか悩んだこともあっただろう。そんなところも、立成が女性に裸を見せることを躊躇い、未だに童貞であることの遠因にもなったのだろう。
 将来の道筋に悩んだ結果として歩むことになった教師の道。慣れない授業。言うことを聞こうともしない生徒への対応。苦労の多い教師同士の関係。なにかとクレームをつけてくる父兄への対応。公務員特有の不必要にも思えるほどの膨大な書類作成。やりがいがありつつもストレスも多い仕事だ。嫌になることも多々あった。その度に、やけ酒やドカ食いといった、暴飲暴食に逃げてしまうこともあっただろう。そんな生活の結果、立成の身体は筋肉だけではなく脂肪もしっかりと蓄えてしまっていた。しかし、それは恥ずべきことではない。その脂が乗った身体は、生きにくいこの世の中でしっかりと働き、考え、そして闘っている男としての証でもあった。
 そんな男としての貫禄までも身に着けた、立成の身体。そして、プリップリの脂肪が乗った、まさに食べごろだといわんばかりのデカ尻。そんな立成の筋肉と脂肪を蓄えた逞しい大人の男の尻が、今、10歳以上も年下の生徒の手により激しく平手されているのだ。

 一発、また一発。筒井の平手による制裁が立成の尻に加えられる。その度に、黒く生えた毛に覆われた立成のデカ尻の生肌に、生徒の掌が赤くマーキングされる。
 生徒の手と教師の尻が激しく触れ合う度に美しい打擲音を奏でる。そして叩かれる度に太い喉から声を漏らしていしまう。その声は痛みを訴えるもののはずだ。しかし、艶が含まれていた。尻を叩かれるたびに立成は喘いでいたのだ。
 
 排泄を終えた直後に生徒の前で涙を流してしまうほどに気落ちしてしまっていたというのに、そんなことがあったことも忘れてしまうほど、筒井からの尻叩きの刑で与えられる刺激に立成は飲み込まれていた。尻に平手を食らうその度に味わう激しい痛み。もう、やめてほしい。耐えられない。そう思っているというのに、立成の中で痛みがか快楽に変換されてしまっていた。官能の渦に取り込まれてしまっていた。

「しっかりとお仕置きをしないといけませんからね、先生?」
「やめ・・・くっ、ああっ!もう、もうっ・・・!」

 バチン!バチン!バチン!バチン!

 鳴りやまない仕置きの掌が立成の尻タブのあちこちに降り注ぐ。
 横に張って縦にも大きな臀部なのだ。叩く場所など無限にあるのだ。こんなにも叩きやすい尻があるのだろうか。そんな、叩くものを惑わせる尻だ。
 毛が目立つために黒目だった立成の尻が、またたく間に紅に塗り替えられていた。
 
 尻を叩かれ続けることで、またも立成は、糞を漏らしたときのように、目に涙を浮かべていた。
 惨めだ。本当に最低だ。
 それでも、なお、叩かれている己の赤い尻を突き出したままだった。
 こんなに痛いのに。こんなに苦しいのに。こんなに恥ずかしいのに。
 屈辱を覚えてもなお、立成は尻を突き出していた。いや、突き出さずにはいられなかったのだ。
 叩かれ、また叩かれ、そして叩かれ。
 尻への痛みが走る度に、立成の身体にはた電流が流れるようにその身をびくつかせていた。叩かれる衝撃と共に内から溢れ出す官能。痺れるような辛さであるのに、立成の脳内は幸福感に溢れていた。その証拠に、下腹部の竿もビクンビクンと波打つほどになってしまっていた。

「先生、なんだかお尻が去年よりも大きくなってますね?」
「ひぃっ」
「俺が叩きすぎちゃったからかな?先生のこの、おっきなお尻」

 すっかり赤くなった立成の尻タブを、掌全体を使って撫でられていた。
 華奢で細身の筒井だ。掌もそこまで大きなものではない。そんな生徒のその手で優しく触れられるだけで、自分の尻の大きさを実感してしまう。おまけに、尻の大きさを言葉にされることで、今更ながらに立成は身体を内から焦がすように熱くしていた。

「ほらっ、ほらっ」
「がっ!ぐおっ!あぁっ!」
「どうですか!先生!どうですか!」
「ああっ!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさいいっ!」
 バチン!バチン!バチン!バチン!

 赤い尻がさらに赤くなる。赤がより赤へと変わっていく。
 その殴打による刺激は立成の尻だけなく、その内側、身体の芯にまで響きわたり、立成は自然と謝罪の言葉を出してしまっていた。
 それは苦しみからの脱却の要求か。筒井への服従の合図か。それとも更なる悦楽を求めているのか。

「あっ、あぁっ、もう無理っ、やべぇっ」

 それでも叩く手は止まらない。
 完全に躾られていた。犬だ。豚だ。家畜なのだ。
 自分ができることは、ただ受け入れること。ただ尻を突き出すこと。背後にいる主人の気の済むまで耐えること。
 目の前の景色が朧げになる。現実感がなかった。痛みと官能で朦朧としつつあった。

 そんな中、目が覚めてしまうような、一際きつい一発を食らった。
 その瞬間だった。

 バチィィィンッ!!
「はがぁっ!!」

 ジャーッ ジョローッ

「あっ、あっ、あぁぁぁっ・・・!」
「えっ、ちょっ・・・」

 失禁していた。隆起していた立成の一物から、小便が垂れ流されてしまっていた。辺りににどぎついアンモニア臭が漂っていた。
 さすがに筒井の手も止まる。唐突に排尿をした教師に困惑する。当然だった。
 強烈なスパンキングの一発の衝撃により、立成の一物がその本来の排尿という役割を、最悪のタイミングで果たしてしまったのだ。
 鈴口から流れ落ちる黄色い尿は、モワモワと白い煙をあげながらも、日当たりの悪く湿った土にぶつかり、辺りに飛び散っていた。

「う、ううっ・・・」

 立成は嗚咽を漏らしていた。
 なんてことをしてしまったのか。
 大便を漏らした後、今度は小便までも漏らしたのだ。
 全裸で。生徒の目の前で。
 いくら尻を強く叩かれたとはいえ、大人としてあり得ないことだった。
 立成は情けない顔をしていた。男臭い顔を惨めに歪ませていた。太い眉毛は垂れ下がり、両の眼はギュッとつぶられていて何も見ようとしていない。その目尻には涙が浮かんでいる。口はだらしなく中途半歩に開かれ、犬のように短い呼吸を繰り返している。
 精神はとっくに限界だったが、身体も限界を迎えていたのだ。 

「はぁっ、はぁっ」

 立成は泣きながらも口で息をしていた。
 糞を漏らした。小便まで漏らした。
 とんでもない大人だ。とんでもない教師だ。
 そんな奴が許されてよいのだろうか。
 許されるはずがない。だから、尻を叩かれる。
 そうだ、躾てもらえるだけ、ありがたいことだ・・・
 こんなにも尻を叩かれ、叩いてもらって、自分に向き合ってくれて・・・

 そんな自虐的な思いにとらわれてしまっていた。それほど立成は、尻を叩かれ続けることで混濁してしまっていた。恥も尊厳も無かったかのように。そうでなければこんなことは言うことはできなかっただろう。

「・・・くれ」
「えっ?」
「叩いてくれ」
「先生・・・」
「もっと、もっと、叩いてくれ、俺を、ケツを、叩いて・・・」

 立成は涙を浮かべながら振り絞るように囁いた。その眼は充血して赤くなるほどだった。
 尻にはもう既に赤くない部分がないほど、叩かれ過ぎてしまっている。
 どの部分もヒリヒリしていて、外の空気にふれるだけでも激痛が走る。
 それだというのに、なお、叩かれることを望んでしまっていた。

 何を言っているのかはわかっていた。
 どうしてそんなことを言っているのかはわからなかった。
 罰を与えてほしいのか。そんな気分もあった。
 官能を得たいのか。それもあると思う。
 何が何だかわからなかった。
 ただ、ただ、尻を叩いてほしかったのだ。尻を叩かれたかったのだ。

 とんでもないことを言っていると思っていた。
 自分から強請ってしまうなんて。こんな所で。こんなに尻が痛いというのに。
 それでも、立成の一物はビーンと張り詰めたように天を向き、立成の弛んだ腹にくっついてしまっている。

「お、お願いします・・・」

 立成は先ほどまでよりも低い位置で木の幹に手を当てていた。それにつられて頭の位置も下がる。
 それにより、尻の向きが先ほどまでよりも上を向いた。尻の高さ自体は変わらないものの、その尻タブはより天に向けらるのだ。そしてそれは、筒井がより叩きやすい角度だった。

 口で言ったことを、行動で示したのだ。

 叩いてほしい。
 叩いてくれ。

 上に向けた毛だらけで真っ赤なデカ尻がそう言っているようだった。

 筒井は自分に向けられた立成の尻を見つめた。
 そして、なおもその手を高らかに上げて、叩きつけた。何度も、何度も。

「ほらっ、ほらっ、ほらっ!」
「ああっ!はあぁっ!あんんっ!!」
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