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第一章
少年の第一歩
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「おはよう、萊。」
「……はよ」
今日は月曜日。藤山 萊、スタンバイナウです。
まだ始まってもいない……いや、始まってるといえば始まってるけど、しょっぱなから緊張で気絶しそうだ。いつ来るかわからないから緊張も倍増。真面目に頭がパンクしそう……
「? 昨日よりも元気ないね。どうしたの?」
き、きた……! 早くないか、おい。
ゆっくり深呼吸して昨日のことを思い出す。
練習、ちゃんとした。甘える、甘える、あまえる、アマエル……!
「っ、甘え方、わかんない……」
「え、甘え方?」
「あま、甘えたい……」
「誰に? あ、もしかして好きな人できたの?」
グサッ。
折角勇気出したのに……! 隼人には俺の気持ちなんてわかんねーだろーけど、鈍感スキルでまったく気づいてないだろーけど!
思わず俯くと、じわじわと視界が滲んでいく。
「うー、でも萊に好きな人かぁ。
……好きな人できても、「はやとのばかぁ!!」萊!?」
逃げちゃだめだと思いつつも、いつの間にかそこからダッシュで教室へと行っていた。
教室に着いたとき、中にはだれもいなかった。
自分の席に着いて、久しぶりに泣いた。昔っから追い詰められるとよく泣いていたけど、最近は全くなかったのに。しばらく泣き続けていると、誰かが来た。
「一番! て、あれ?
藤山? 珍しーなおい。」
「うるさいばかぁ……」
「は!? 藤山どうした!?」
ちらりとそちらを向いて文句を言えば、驚いて近くに寄ってくる。
「うう、来るんじゃねーよ騒音機ぃ……」
「や、やっば……まじ女みたいだぞお前……」
「……女に生まれたかった……うぅ、ヒクッ」
女に生まれた方が、もっとうまくいったと思う。なんで、俺は男なんだ……
「ちょ、泣き止めって!」
「うぇ、無理ぃ、ほっといてよ……」
「っ、マジどうすりゃいいんだよ……!」
俺なんて……俺なんて……
「鈍感の前では俺なんてどうでもいい、のかよぉ……うううぅ……」
俺はその日一日中、目を泣きはらしていた。
「……はよ」
今日は月曜日。藤山 萊、スタンバイナウです。
まだ始まってもいない……いや、始まってるといえば始まってるけど、しょっぱなから緊張で気絶しそうだ。いつ来るかわからないから緊張も倍増。真面目に頭がパンクしそう……
「? 昨日よりも元気ないね。どうしたの?」
き、きた……! 早くないか、おい。
ゆっくり深呼吸して昨日のことを思い出す。
練習、ちゃんとした。甘える、甘える、あまえる、アマエル……!
「っ、甘え方、わかんない……」
「え、甘え方?」
「あま、甘えたい……」
「誰に? あ、もしかして好きな人できたの?」
グサッ。
折角勇気出したのに……! 隼人には俺の気持ちなんてわかんねーだろーけど、鈍感スキルでまったく気づいてないだろーけど!
思わず俯くと、じわじわと視界が滲んでいく。
「うー、でも萊に好きな人かぁ。
……好きな人できても、「はやとのばかぁ!!」萊!?」
逃げちゃだめだと思いつつも、いつの間にかそこからダッシュで教室へと行っていた。
教室に着いたとき、中にはだれもいなかった。
自分の席に着いて、久しぶりに泣いた。昔っから追い詰められるとよく泣いていたけど、最近は全くなかったのに。しばらく泣き続けていると、誰かが来た。
「一番! て、あれ?
藤山? 珍しーなおい。」
「うるさいばかぁ……」
「は!? 藤山どうした!?」
ちらりとそちらを向いて文句を言えば、驚いて近くに寄ってくる。
「うう、来るんじゃねーよ騒音機ぃ……」
「や、やっば……まじ女みたいだぞお前……」
「……女に生まれたかった……うぅ、ヒクッ」
女に生まれた方が、もっとうまくいったと思う。なんで、俺は男なんだ……
「ちょ、泣き止めって!」
「うぇ、無理ぃ、ほっといてよ……」
「っ、マジどうすりゃいいんだよ……!」
俺なんて……俺なんて……
「鈍感の前では俺なんてどうでもいい、のかよぉ……うううぅ……」
俺はその日一日中、目を泣きはらしていた。
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