俺のことだけを見てればいいのに。

とらまーる

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第二章

少年の苛立ち

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 最近、またさらに噂が強化された。
 次の噂は”あの二人は前世からの恋人で、今世でようやく付き合うことができた”とか言うやつで、さすがの俺も丸呑みにはしないけどそこまで言われてるのがなんだかムカつく。

 俺の方が長い間いるのに、最近来たばかり(すでに2か月前のこと)のあいつに隼人を奪われているみたい。まあ、始めから俺のものではないけど。

「萊、最近怒ってる?」
「そんなことねーよ。」

 ただ無表情でその様子を時々見ていたのがばれたのか、隼人に直接聞かれた。確かに俺はムカついている。けどそれは理不尽なものでしかない。
 ――いわゆる、嫉妬……なのかもしれない。

「あれ、ほんとだ。
すっごい無表情。」
「萊が無表情の時は怒ってることが多いんだよ。
ただムスッてしてるのは拗ねてるだけ。」
「へー……ほんとにいろいろ知ってるね!」
「だって俺は萊の親友だからね!」
「なら私は?」
「はぎちゃんは友達。
俺の親友は萊だけだよ」

 ああ、末期かもしれない。親友という言葉にさえ心が痛む。
 俺は親友じゃなくて恋人になりたいのに。親友は俺だけ、というのがうれしいような嬉しくないような……あ゛ー! 自分自身に嫌気がさす! なんでこんなに女々しいんだよー!
 頭を掻きむしって隼人をジト目で見れば、ん? と首をかしげられた。

「……転校生はいいよな。」

 俺とは違う、女で。
 まだまだ上が見える立ち位置で。
 隼人の隣の席で。
 言い出したらきりがなくなってくる。

「転校生とか面倒くさいだけだよ。
だって、友達も一からだよ?」
「そーいうのじゃねーし。」

 やっぱり、この気持ちを理解してくれる人は少ないんだろうなぁ。今俺が知っている限りでは翔だけだ。梨央には相手の性別を言っていないし、そのほかには好きな人の存在すら教えていない。

「……萊、俺とも喋って。」

 それでも。
 もやっとすることはあっても、こうやって隼人が甘えてきてくれるのが唯一の癒やしかもしれない。
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