俺のことだけを見てればいいのに。

とらまーる

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第三章

少年の楽しみ

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「――そろそろ、修学旅行の季節だぞー!」

「よっしゃー!!」
「やった、楽しみ!!」

 ――修学旅行!
 その単語を聞いた瞬間、立ち上がりそうだった。

「行く場所はわかってんなー?」
『はーい!!』
「んじゃあ、班決めとけよー。
期限は……次の授業までな。今日はとりあえずその場所について調べるぞー」

 班は……確か、四人組を作るんだったはず。なら、俺と隼人とあと二人は適当に、でいいか。まあ俺の仲いいやつ限定ならあと二人は翔と萩田さんだな。翔は明日金曜日だからその時に誘おう。



 授業が終わり、早速隼人の方へ行くと女子が集まっていた。

「ねえ早乙女君。私たちと一緒に回らない?」
「私たちといこうよ!」

 そのすべてが修学旅行の班のお誘いで、それを聞いている隼人はニコニコと笑みを絶やさない。
 ……早く断ればいいのに。

「隼人!」
「ん、萊?」

 声を掛ければどうしたの、とでも言うようにこちらを見る。気づいてもらえない悔しさを感じつつも、鈍感だから仕方ないと片付けた。

「班。一緒でいいよな?」
「んー……どうしよっか。」
「え……?」

 きっと断らないだろうと思いながら誘えば、迷ったような声で返されて思わずぼうっと見つめてしまう。
 え、嘘……だよな?

「冗談だよ、冗談。
じゃあ、はぎちゃんも一緒でいい?」
「冗談かよ……
うん、萩田さんも一緒でいい。
あと、もう一人誘いたいやつがいるんだけどいいか?」

 冗談と言われて心底ほっとする。
 萩田さんも一緒というのは予想通りなので頷くが、ついでにもう一人のことを話す。すると、一瞬だけ隼人が目に見えて不機嫌になった。

「……誰? それ。」
「あー、と……木村 翔ってやつ。有名だから知ってるだろ?」
「木村 翔? サッカー部のエースって人?」
「そうそう、それだ。」

 まあ、不機嫌になったのは一瞬だけでそのあとはいつも通りだった。安心もつかの間、すごく急なことを言い出した。

「なら、一緒に行こうよ。
放課後でいいよね?」
「え? 放課後って、部活あるじゃねーか。」
「時間もらえばいいでしょ。」
「……そ、そうだな。」

 隼人にしては珍しい食いつきで調子が狂う。いつもは俺の言ったことに賛成するからな……

「よし、放課後いこうね!」
「……迷惑にならないといいけど……」

 翔、ごめん……俺たちはアポなしで直行するから、とりあえず冷静に対処してくれよ……
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