6 / 52
第2章・君がくれたきっかけと、後悔の意味
第6話
しおりを挟む
かちゃん、と食器が音を立て、僕は我に返る。
「それにしても、しおちゃんが高校生かぁ。あんなに小さかったのに、感慨深いなぁ。私も歳とるわけよね」
「え、いや、ぜんぜん若いじゃないですか」
蝶々さんは、母の妹だ。歳はたしか、結構離れていたからまだ三十代半ばくらいだったはずだ。
正直、母と蝶々さんはぜんぜん似ていない。
僕の母は中肉中背でどこからどう見てもふつうの主婦だけれど、蝶々さんはモデルのようなスタイルにきれいな顔立ちをしている。おまけに元医師だから頭もいい。
僕は生まれてこのかた、こんなにも完璧なひとを見たことがない。それくらい、蝶々さんは完成したひとだ。
姉妹なのにどうしてこうも違うのだろう。母がもう少し蝶々さん寄りだったら、僕ももう少しいい顔に生まれたかもしれないのに。
小さな不満を抱きつつ、僕は味噌汁を啜る。
上品に動く口元だとか密やかな喉元を眺めながら、そういえば幼い頃は蝶々さんのことを人形だと思い込んでいた頃があったなと思い出す。
きれいにカールした長いまつ毛とか、白く透き通った白目だとかがあまりにも作り物めいていて、だから母が蝶々さんにご飯を出したときはとても慌てた。
それで、親戚中に僕が蝶々さんを人形だと思っていることが露見してしまったのだ。
当時、さんざん笑われた記憶がある。ちくりと刺すような痛みが胸に広がる。あまり思い出したくない、苦い思い出だ。
あのとき、蝶々さんも驚いた顔をしていた。けれど、笑いはしなかった。
そういうところが、ほかの大人と違うところだ。
蝶々さんはいつだって優しい。
子供であっても大人であっても、ぜったいに態度を変えない。からかうようなことも言わない。
僕の悩みを一晩中だって聞いてくれるし、僕の感じたことや意思をぜったいに否定したりしない。
今回、僕が栃木県の高校に通えることになったのも、蝶々さんが両親を説得してくれたおかげだ。
蝶々さんは、いつだって僕の味方になってくれた。だから僕は、蝶々さんにだけは素直になれた。みっともない感情でも吐き出せた。親に言えないことも、なぜだか言えてしまうのだ。
僕にとって蝶々さんは、なくてはならない、酸素のようなひとだ。
母がいやだというわけではないけれど、もしこのひとがじぶんの母親だったら、と思ったことは何度もある。
もう少し、生きやすかったのかもしれない、と。
ぼんやりとしていると、蝶々さんが顔を上げた。
「しおちゃん、今日はなにか予定あるの?」
蝶々さんは菜の花の胡麻和えを口へ運びながら、ひっそりと微笑んだ。
「もし予定がないなら、街を散策してみたらどうかな? こっち来てからほとんど外出てないでしょ?」
「……そうですね。そうします」
蝶々さんは、僕がひとと関わることを避けていることを知っている。だからあまり口うるさいことは言わない。それでもたまに、僕があまりに内側へ引きこもろうとすると、こうして気を遣ってくれる。
蝶々さんに言われたときは、さすがに言うことを聞く。これが母親だったら、ぜったいに無視するけど。
おそらく、蝶々さんは僕がそう思っていることも見抜いている。分かっていてわざと、母親にはぜったいになれない立ち位置から、僕に接してくれているのだと思う。
「そういえば、駅の近くにある紫之宮神社って、すごくきれいなところですよね。能舞台とか、大きな桜の木もあって」
僕の話に、蝶々さんは一度目を丸くしてから、
「あぁ、あの神社ね、紫之宮じゃなくて、紫之宮って読むのよ」
と、微笑んだ。
「えっ! そ、そうなんですか」
この歳になっての言い間違いに、恥ずかしさが込み上げる。
「縁結びの神様が有名なの」
「あぁ、だからユカリ……」
「私もよく行くけど、しおちゃんもお参り行ってきたらいいよ」
「え、いや、僕べつに縁結びとか、恋愛とか興味ないし」
慌てる僕に、蝶々さんは穏やかな口調で言う。
「あら。縁結びは恋愛に限った話じゃないわよ。ひととひとを繋ぐ縁には、ほかにもたくさんあるでしょ。友だちとの縁とか、より良い就職先とか」
「はぁ……」
「巡りあいって、良くも悪くもひとを変えるから」
「…………」
「しおちゃんのひとりでいたいっていう気持ちも分かるわ。ひと付き合いって煩わしいからね……他人は勝手に期待したり評価したり、失望する。大人の私だっていやになるときがある。でも、マイナスなことばかりでもないよ。しおちゃんはまだ、本当に好きなひとと出会ってないだけ」
陽だまりのように優しい声だった。
「……蝶々さんは、出会えたんですか? 本当に好きなひとに」
訊ねると、蝶々さんは少し曖昧に笑った。
ハッとする。受け取るひとによるが、今の発言は少し嫌味に聞こえる内容だ。特に、結婚していない蝶々さんにしていい質問ではない。聞いてしまってから後悔した。
「……すみません」
謝ると、蝶々さんは首を横に振った。
「謝る必要はないよ。私、もう出会えてるから」
「えっ、そうなんですか!? どんなひとですか?」
前のめりに訊ねる。
だって、蝶々さんに恋人がいたとは知らなかった。いったいどんなひとなのだろう。彼女のとなりに並ぶのならば、相当なイケメンなのだろうが。
「もうしばらく会っていないけど、彼女は今でもずっと、私の特別なひと」
一瞬、固まる。理解が遅れた。
「え……彼女って、もしかして女のひと?」
さらに前のめりになる僕に、蝶々さんはひっそりと笑う。
「巡りあいは、べつに恋に限られたものじゃないからね。いわゆる親友ってやつよ」
「あぁ……なるほど」
ホッと胸を撫で下ろし、ふと思う。
昔、母から聞いたことがある。
蝶々さんには、中学生の頃とても仲がいい親友がいたと。けれど、その子は中学三年の冬、突然失踪して行方が分からなくなってしまったらしい。
すぐに行方不明届が出されて、その子の家族も蝶々さんもさんざん探したけれど、とうとう見つからなかったとか。
彼女がどうして消えてしまったのかは、今でも分かっていないらしい。事件なのか事故なのか、それも詳しくは聞いていない。親もあまり話したい内容ではなかったのだろう。それ以上は教えてくれなかった。
おそらく、蝶々さんが語った『特別なひと』というのは、消えてしまったその親友のことなのだろう。
蝶々さんは今、『しばらく会っていない』と言った。まるで、そのうち会うつもりでいるような言い回しだ。
蝶々さんはきっとまだ、その親友が帰ってくるのを待っているのだ。今でも、諦められずに。
「しおちゃん、菜の花の胡麻和えは?」
蝶々さんがおもむろに小鉢を僕に出す。目が合い、我に返った。そういえば食事中だった。
「あ、もういいです。こっち、もらいます」
やんわり断り、代わりにそのとなりの卵焼きをとる。
実を言うと、菜の花は口の中に広がる独特の苦味が苦手なのだ。幼い頃に食べたきり、一度も食べていない。二度と食べないと決めている。
蝶々さんは、栃木の郷土料理や山菜料理をよく出してくれるが、神奈川出身の僕には食べ慣れていないものが多くて、ちょっと苦手だったりする。
僕は笑って誤魔化しながら残りのご飯をお箸で挟み、ひとくちで食べる。醤油とあさりの風味が広がった。最後に玉子焼きを食べ、箸を置く。
「ごちそうさまでした」
「それにしても、しおちゃんが高校生かぁ。あんなに小さかったのに、感慨深いなぁ。私も歳とるわけよね」
「え、いや、ぜんぜん若いじゃないですか」
蝶々さんは、母の妹だ。歳はたしか、結構離れていたからまだ三十代半ばくらいだったはずだ。
正直、母と蝶々さんはぜんぜん似ていない。
僕の母は中肉中背でどこからどう見てもふつうの主婦だけれど、蝶々さんはモデルのようなスタイルにきれいな顔立ちをしている。おまけに元医師だから頭もいい。
僕は生まれてこのかた、こんなにも完璧なひとを見たことがない。それくらい、蝶々さんは完成したひとだ。
姉妹なのにどうしてこうも違うのだろう。母がもう少し蝶々さん寄りだったら、僕ももう少しいい顔に生まれたかもしれないのに。
小さな不満を抱きつつ、僕は味噌汁を啜る。
上品に動く口元だとか密やかな喉元を眺めながら、そういえば幼い頃は蝶々さんのことを人形だと思い込んでいた頃があったなと思い出す。
きれいにカールした長いまつ毛とか、白く透き通った白目だとかがあまりにも作り物めいていて、だから母が蝶々さんにご飯を出したときはとても慌てた。
それで、親戚中に僕が蝶々さんを人形だと思っていることが露見してしまったのだ。
当時、さんざん笑われた記憶がある。ちくりと刺すような痛みが胸に広がる。あまり思い出したくない、苦い思い出だ。
あのとき、蝶々さんも驚いた顔をしていた。けれど、笑いはしなかった。
そういうところが、ほかの大人と違うところだ。
蝶々さんはいつだって優しい。
子供であっても大人であっても、ぜったいに態度を変えない。からかうようなことも言わない。
僕の悩みを一晩中だって聞いてくれるし、僕の感じたことや意思をぜったいに否定したりしない。
今回、僕が栃木県の高校に通えることになったのも、蝶々さんが両親を説得してくれたおかげだ。
蝶々さんは、いつだって僕の味方になってくれた。だから僕は、蝶々さんにだけは素直になれた。みっともない感情でも吐き出せた。親に言えないことも、なぜだか言えてしまうのだ。
僕にとって蝶々さんは、なくてはならない、酸素のようなひとだ。
母がいやだというわけではないけれど、もしこのひとがじぶんの母親だったら、と思ったことは何度もある。
もう少し、生きやすかったのかもしれない、と。
ぼんやりとしていると、蝶々さんが顔を上げた。
「しおちゃん、今日はなにか予定あるの?」
蝶々さんは菜の花の胡麻和えを口へ運びながら、ひっそりと微笑んだ。
「もし予定がないなら、街を散策してみたらどうかな? こっち来てからほとんど外出てないでしょ?」
「……そうですね。そうします」
蝶々さんは、僕がひとと関わることを避けていることを知っている。だからあまり口うるさいことは言わない。それでもたまに、僕があまりに内側へ引きこもろうとすると、こうして気を遣ってくれる。
蝶々さんに言われたときは、さすがに言うことを聞く。これが母親だったら、ぜったいに無視するけど。
おそらく、蝶々さんは僕がそう思っていることも見抜いている。分かっていてわざと、母親にはぜったいになれない立ち位置から、僕に接してくれているのだと思う。
「そういえば、駅の近くにある紫之宮神社って、すごくきれいなところですよね。能舞台とか、大きな桜の木もあって」
僕の話に、蝶々さんは一度目を丸くしてから、
「あぁ、あの神社ね、紫之宮じゃなくて、紫之宮って読むのよ」
と、微笑んだ。
「えっ! そ、そうなんですか」
この歳になっての言い間違いに、恥ずかしさが込み上げる。
「縁結びの神様が有名なの」
「あぁ、だからユカリ……」
「私もよく行くけど、しおちゃんもお参り行ってきたらいいよ」
「え、いや、僕べつに縁結びとか、恋愛とか興味ないし」
慌てる僕に、蝶々さんは穏やかな口調で言う。
「あら。縁結びは恋愛に限った話じゃないわよ。ひととひとを繋ぐ縁には、ほかにもたくさんあるでしょ。友だちとの縁とか、より良い就職先とか」
「はぁ……」
「巡りあいって、良くも悪くもひとを変えるから」
「…………」
「しおちゃんのひとりでいたいっていう気持ちも分かるわ。ひと付き合いって煩わしいからね……他人は勝手に期待したり評価したり、失望する。大人の私だっていやになるときがある。でも、マイナスなことばかりでもないよ。しおちゃんはまだ、本当に好きなひとと出会ってないだけ」
陽だまりのように優しい声だった。
「……蝶々さんは、出会えたんですか? 本当に好きなひとに」
訊ねると、蝶々さんは少し曖昧に笑った。
ハッとする。受け取るひとによるが、今の発言は少し嫌味に聞こえる内容だ。特に、結婚していない蝶々さんにしていい質問ではない。聞いてしまってから後悔した。
「……すみません」
謝ると、蝶々さんは首を横に振った。
「謝る必要はないよ。私、もう出会えてるから」
「えっ、そうなんですか!? どんなひとですか?」
前のめりに訊ねる。
だって、蝶々さんに恋人がいたとは知らなかった。いったいどんなひとなのだろう。彼女のとなりに並ぶのならば、相当なイケメンなのだろうが。
「もうしばらく会っていないけど、彼女は今でもずっと、私の特別なひと」
一瞬、固まる。理解が遅れた。
「え……彼女って、もしかして女のひと?」
さらに前のめりになる僕に、蝶々さんはひっそりと笑う。
「巡りあいは、べつに恋に限られたものじゃないからね。いわゆる親友ってやつよ」
「あぁ……なるほど」
ホッと胸を撫で下ろし、ふと思う。
昔、母から聞いたことがある。
蝶々さんには、中学生の頃とても仲がいい親友がいたと。けれど、その子は中学三年の冬、突然失踪して行方が分からなくなってしまったらしい。
すぐに行方不明届が出されて、その子の家族も蝶々さんもさんざん探したけれど、とうとう見つからなかったとか。
彼女がどうして消えてしまったのかは、今でも分かっていないらしい。事件なのか事故なのか、それも詳しくは聞いていない。親もあまり話したい内容ではなかったのだろう。それ以上は教えてくれなかった。
おそらく、蝶々さんが語った『特別なひと』というのは、消えてしまったその親友のことなのだろう。
蝶々さんは今、『しばらく会っていない』と言った。まるで、そのうち会うつもりでいるような言い回しだ。
蝶々さんはきっとまだ、その親友が帰ってくるのを待っているのだ。今でも、諦められずに。
「しおちゃん、菜の花の胡麻和えは?」
蝶々さんがおもむろに小鉢を僕に出す。目が合い、我に返った。そういえば食事中だった。
「あ、もういいです。こっち、もらいます」
やんわり断り、代わりにそのとなりの卵焼きをとる。
実を言うと、菜の花は口の中に広がる独特の苦味が苦手なのだ。幼い頃に食べたきり、一度も食べていない。二度と食べないと決めている。
蝶々さんは、栃木の郷土料理や山菜料理をよく出してくれるが、神奈川出身の僕には食べ慣れていないものが多くて、ちょっと苦手だったりする。
僕は笑って誤魔化しながら残りのご飯をお箸で挟み、ひとくちで食べる。醤油とあさりの風味が広がった。最後に玉子焼きを食べ、箸を置く。
「ごちそうさまでした」
10
あなたにおすすめの小説
神楽囃子の夜
紫音みけ🐾書籍発売中
ライト文芸
※第6回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
地元の夏祭りを訪れていた少年・狭野笙悟(さのしょうご)は、そこで見かけた幽霊の少女に一目惚れしてしまう。彼女が現れるのは年に一度、祭りの夜だけであり、その姿を見ることができるのは狭野ただ一人だけだった。
年を重ねるごとに想いを募らせていく狭野は、やがて彼女に秘められた意外な真実にたどり着く……。
四人の男女の半生を描く、時を越えた現代ファンタジー。
僕《わたし》は誰でしょう
紫音みけ🐾書籍発売中
青春
※第7回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
交通事故の後遺症で記憶喪失になってしまった女子高生・比良坂すずは、自分が女であることに違和感を抱く。
「自分はもともと男ではなかったか?」
事故後から男性寄りの思考になり、周囲とのギャップに悩む彼女は、次第に身に覚えのないはずの記憶を思い出し始める。まるで別人のものとしか思えないその記憶は、一体どこから来たのだろうか。
見知らぬ思い出をめぐる青春SF。
※表紙イラスト=ミカスケ様
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
『大人の恋の歩き方』
設楽理沙
現代文学
初回連載2018年3月1日~2018年6月29日
―――――――
予定外に家に帰ると同棲している相手が見知らぬ女性(おんな)と
合体しているところを見てしまい~の、web上で"Help Meィィ~"と
号泣する主人公。そんな彼女を混乱の中から助け出してくれたのは
☆---誰ぁれ?----★ そして 主人公を翻弄したCoolな同棲相手の
予想外に波乱万丈なその後は? *☆*――*☆*――*☆*――*☆*
☆.。.:*Have Fun!.。.:*☆
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
『愛が揺れるお嬢さん妻』- かわいいひと - 〇
設楽理沙
ライト文芸
♡~好きになった人はクールビューティーなお医者様~♡
やさしくなくて、そっけなくて。なのに時々やさしくて♡
――――― まただ、胸が締め付けられるような・・
そうか、この気持ちは恋しいってことなんだ ―――――
ヤブ医者で不愛想なアイッは年下のクールビューティー。
絶対仲良くなんてなれないって思っていたのに、
遠く遠く、限りなく遠い人だったのに、
わたしにだけ意地悪で・・なのに、
気がつけば、一番近くにいたYO。
幸せあふれる瞬間・・いつもそばで感じていたい
◇ ◇ ◇ ◇
💛画像はAI生成画像 自作
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる