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【前編】千年の祈り、あるいは想い(うらみ)
第9話 あふれ出る
調査班はあれから順調に火山口へと辿り着かんとしていた。
三者とも無事だが、少し違和感を覚えていた。
山頂へ近付くほどに毒瘴の影響は強く濃く出ていた。しかし、大きな毒瘴を断ち切ってからというもの、影響が弱まってきていたのである。
しかも、三者へ道を開けるかのように、彼らの進路へは毒瘴が強く絡んで来ず、進路以外への毒瘴が強くなっているようだった。
まるで、火山口まで毒瘴に誘導されているようだった。
「退路の確保が厳しくなっている。帰りはやはり迂回が必要となるだろう」
ガーネットの声にあとの二人は頷いた。先のようなおためごかしは利きそうになかった。
火山口まであと少し。
そこまで来た時、火山が大きく揺れた。
「なっ、なんだ! ふたりともすぐにしゃがめ!!」
ガーネットの焦った声が響く。
三者で固まって地面の揺れに耐えているさなか。タンザは自身の目を疑った。
―――火山口から、人の手が見えている……??
それは明らかに"人の"手ではなかった。人にしては大きすぎる、どす黒すぎるそれは、火山から這い出んと両手を火山口へ掛けていた。
「見てください! 兵士長! サフィヤ!」
タンザが言うや否や、"それ"は身体らしきものを火山口から引き上げ始めていた。
「……!? なんだ! なんなんだあれは……!? 顔、か…?」
どす黒い毒瘴に覆われた手、身体。
地鳴りとともに這い出てきた"それ"には顔のようなものがついていた。人間で言うと両目、口あたりが白く光っている。毒瘴に包まれた中、そこだけが不気味に輝いていた。
明らかに神とは異なる"それ"は、地鳴りのようなうめき声を上げた。すると、火山口から一気に爆風のような熱気と毒瘴が吹き出した。
「っ、下がれッ!!」
ガーネットがタンザとサフィヤを庇って前へ飛び出し出た。塊となって襲い来る毒瘴を剣で払った。
――が。
「兵士長!!」
火山口から吹き出た爆風が彼を直撃した。
タンザは上官を必死に抱きかかえた。
「兵士長…!」
「お前たちだけで……先に帰れ」
ガーネットは遠のく意識の中、仲間へ告げた。差し伸べられたサフィヤの手を力なく振り払い、早く帰れと促すばかりだった。
「ガーネット兵士長を置いていくなんてできませんよ!」
「そうです、僕に回復させて――」
地鳴りが激しくなり、三者の声を掻き消した。
次の瞬間、タンザは自分の身体が宙を舞っていることにきづいた。
火山が噴火し、爆風に吹き飛ばされていたのである。
「―――ぐっ!」
彼は突如、胴への圧迫を感じた。
――"それ" の片手に、人形のように身体を握られていたのである。
毒瘴と熱気に全身覆い尽くされ、タンザは"それ"と一体化したかのようになった。
薄れゆく意識の隅で、蒼い光が見えた。
「タンザを、はなして……ッ!」
サフィヤが必死に"それ"の手にしがみつき、タンザへ手を差し伸べていた。
「タンザ、しっかりして……! 僕を見て……!」
毒瘴に覆われた視界の中、優しく光る蒼。そして、初めて会った時から変わらないまっすぐな双つの蒼玉が彼を見つめていた。
―――そんなに力を使って、疲れてるだろ。
命の危機迫る中、ぼんやりと彼は思った。
―――ああ、やっぱり疲れてるじゃねえか。
少しずつ弱まっていく蒼い光。途切れて行く意識。
―――こんなことなら、ちゃんとお前に伝えておけばよかったな。
いよいよ、タンザの意識が途切れようとしたその瞬間。
ザァーーーーーーー。
突如、土砂降りの雨が降り出した。
「う………っ」
「タンザ……!」
熱気が弱まり、火山から溢れ出た溶岩が一気に固まった。
雨に打たれ気を取り戻したタンザは当たりを見回した。
火山から這い出た巨人のような"それ"は、タンザを掴み、這うように山を下っていることに気づいた。その視線の先には、トルマーレ王宮があった。
「お前ッ、王宮になんの用だ……ッ」
"それ"はなにも答えない。ただ地鳴りがこだまするだけだった。
「タンザを、離してください……!」
サフィヤは毒瘴を振り払い、タンザを捕らえる指へ手を押し当てた。
毒瘴に覆われたそれが、少しだけほころんだ。
すると"それは"驚いたのか、タンザを放り投げるように手放した。しがみついていたサフィヤとともに、彼らは再度宙へ投げ出された。
「うあああああああ!!」
「わあああああああ!!」
二人の視界で、トルマーレの街が揺れる。地べたに叩きつけられんとした瞬間―――
二人の身体は、宙に静止していた。
「サフィヤ! タンザ殿! 無事か!?」
トパスと一人のエスピリカが慌てて二人のもとへ駆け寄った。
「おじい様……どうして」
「この状況ゆえ、エスピリカも地上の出入りが赦されたのだ。サフィヤ、苦労をかけたな。たくさん力を使って。エメラルの千里眼が時折状況を教えてくれたのだ」
「そうか……この雨、おじい様が……」
「ああ、そうだ。雨で噴火した熔岩を固めたのだ。この老いぼれの力が役に立つ日が来るとは。そして降り注ぐ岩を、このラピースが念動力で防いでいたのだ」
ラピースと呼ばれたエスピリカが、涙を浮かべて微笑んだ。念動力を有する彼女は、二人の帰還を心から喜んでいた。
「そこにサフィヤとタンザ殿が囚われているのが見え、救い出す機を伺っていたのだ」
タンザは荒い呼吸を繰り返しながら、トパスらへ伝えるべく身体を起こそうとした。
「タンザ殿、無理に動いてはならん。すぐに解毒ができる者を呼びますゆえ」
「トパスさん、ラピースさん……ありが……」
「礼には及びませぬ。さ、安静に」
「……っ、兵士長が、まだ」
「ガーネット殿でございますかな?」
「……げほっ、そうです…」
「心配なされますな。ガーネット殿をお助けに、すでにエスピリカが走っておりますゆえ。千里眼を持つ者が、おおよその居場所は掴んでおります」
タンザは安堵した。安堵した勢いで、今一度意識が遠のきかけた。
「おじい様……、あの毒瘴の巨人は……」
「……ああ、私もそう思う。お前も感じ取っていたか。あれは我々と同じ匂いが――」
トパスが何かを言いかけてはっと息を呑んだ。視線の先にはトルマーレの母子がいた。母親は脚が悪いながらも、幼子の手を必死に引いて避難所へ向かっているようだった。
「逃げ遅れたか……!」
タンザも瞬時に母子に気が付いた。言う事を聞かない身体に鞭打って、彼らに駆け寄った。
その瞬間、なにか黒い大きなものが三者に突進していた。
火山から噴き出した溶岩だった。吹き出された瞬間雨で固められたそれは、岩となって三者目掛けて突き進んでいた。
「あ、危ない……ッ!」
タンザは母子を庇うように覆いかぶさった。
民を庇った兵士は、岩の影が自らに落ちているのを一瞥し、来る衝撃を覚悟した。
――母子だけでも助かってくれ……!
サフィヤが目を見開いてこちらに手を伸ばしているのが見えた後、彼は静かに目を瞑った。
数秒間、無音の世界に閉じ込められたようだった。来るはずの衝撃はいつまでも来ず、見ると、岩が三者に激突する直前で静止していた。
――時が、止まったのか?
と、思ったが、トパスの叫び声でそうではないと悟った。
「でかしたぞ! ラピース!! そのままゆっくりと岩をどかすのだ!」
ラピースは息みながら岩に向かって手をかざしていた。岩はゆっくりと動き出し、鈍い音を立てて着地した。
ラピースが、超人的能力で岩を受け止めていたのである。
「助かったの……?」
若い母親が信じられないといった様子で兵士とエスピリカを交互に見ていた。子どもの泣き出す声で我に返った彼女は、我が子を抱きしめた。
「ごめんね、怖かったね……! あなた方、ありがとう……ほんとうに、ありがとうございます……!」
母親は涙をこぼしながら助けてくれた者たちへ何度も頭を下げた。
「またいつ岩が降ってくるか分かりませぬ。地下へ急ぎますぞ!」
見上げると、毒瘴の巨人は今まさに王宮へ侵入せんとしていた。固く閉ざされた門の隙間へ、煙のようにその身体を滑り込ませていった。
「陛下が危ない……! トパスさん、その民をお願いします!」
タンザはそう叫んで、王宮へと駆け出して行った。
三者とも無事だが、少し違和感を覚えていた。
山頂へ近付くほどに毒瘴の影響は強く濃く出ていた。しかし、大きな毒瘴を断ち切ってからというもの、影響が弱まってきていたのである。
しかも、三者へ道を開けるかのように、彼らの進路へは毒瘴が強く絡んで来ず、進路以外への毒瘴が強くなっているようだった。
まるで、火山口まで毒瘴に誘導されているようだった。
「退路の確保が厳しくなっている。帰りはやはり迂回が必要となるだろう」
ガーネットの声にあとの二人は頷いた。先のようなおためごかしは利きそうになかった。
火山口まであと少し。
そこまで来た時、火山が大きく揺れた。
「なっ、なんだ! ふたりともすぐにしゃがめ!!」
ガーネットの焦った声が響く。
三者で固まって地面の揺れに耐えているさなか。タンザは自身の目を疑った。
―――火山口から、人の手が見えている……??
それは明らかに"人の"手ではなかった。人にしては大きすぎる、どす黒すぎるそれは、火山から這い出んと両手を火山口へ掛けていた。
「見てください! 兵士長! サフィヤ!」
タンザが言うや否や、"それ"は身体らしきものを火山口から引き上げ始めていた。
「……!? なんだ! なんなんだあれは……!? 顔、か…?」
どす黒い毒瘴に覆われた手、身体。
地鳴りとともに這い出てきた"それ"には顔のようなものがついていた。人間で言うと両目、口あたりが白く光っている。毒瘴に包まれた中、そこだけが不気味に輝いていた。
明らかに神とは異なる"それ"は、地鳴りのようなうめき声を上げた。すると、火山口から一気に爆風のような熱気と毒瘴が吹き出した。
「っ、下がれッ!!」
ガーネットがタンザとサフィヤを庇って前へ飛び出し出た。塊となって襲い来る毒瘴を剣で払った。
――が。
「兵士長!!」
火山口から吹き出た爆風が彼を直撃した。
タンザは上官を必死に抱きかかえた。
「兵士長…!」
「お前たちだけで……先に帰れ」
ガーネットは遠のく意識の中、仲間へ告げた。差し伸べられたサフィヤの手を力なく振り払い、早く帰れと促すばかりだった。
「ガーネット兵士長を置いていくなんてできませんよ!」
「そうです、僕に回復させて――」
地鳴りが激しくなり、三者の声を掻き消した。
次の瞬間、タンザは自分の身体が宙を舞っていることにきづいた。
火山が噴火し、爆風に吹き飛ばされていたのである。
「―――ぐっ!」
彼は突如、胴への圧迫を感じた。
――"それ" の片手に、人形のように身体を握られていたのである。
毒瘴と熱気に全身覆い尽くされ、タンザは"それ"と一体化したかのようになった。
薄れゆく意識の隅で、蒼い光が見えた。
「タンザを、はなして……ッ!」
サフィヤが必死に"それ"の手にしがみつき、タンザへ手を差し伸べていた。
「タンザ、しっかりして……! 僕を見て……!」
毒瘴に覆われた視界の中、優しく光る蒼。そして、初めて会った時から変わらないまっすぐな双つの蒼玉が彼を見つめていた。
―――そんなに力を使って、疲れてるだろ。
命の危機迫る中、ぼんやりと彼は思った。
―――ああ、やっぱり疲れてるじゃねえか。
少しずつ弱まっていく蒼い光。途切れて行く意識。
―――こんなことなら、ちゃんとお前に伝えておけばよかったな。
いよいよ、タンザの意識が途切れようとしたその瞬間。
ザァーーーーーーー。
突如、土砂降りの雨が降り出した。
「う………っ」
「タンザ……!」
熱気が弱まり、火山から溢れ出た溶岩が一気に固まった。
雨に打たれ気を取り戻したタンザは当たりを見回した。
火山から這い出た巨人のような"それ"は、タンザを掴み、這うように山を下っていることに気づいた。その視線の先には、トルマーレ王宮があった。
「お前ッ、王宮になんの用だ……ッ」
"それ"はなにも答えない。ただ地鳴りがこだまするだけだった。
「タンザを、離してください……!」
サフィヤは毒瘴を振り払い、タンザを捕らえる指へ手を押し当てた。
毒瘴に覆われたそれが、少しだけほころんだ。
すると"それは"驚いたのか、タンザを放り投げるように手放した。しがみついていたサフィヤとともに、彼らは再度宙へ投げ出された。
「うあああああああ!!」
「わあああああああ!!」
二人の視界で、トルマーレの街が揺れる。地べたに叩きつけられんとした瞬間―――
二人の身体は、宙に静止していた。
「サフィヤ! タンザ殿! 無事か!?」
トパスと一人のエスピリカが慌てて二人のもとへ駆け寄った。
「おじい様……どうして」
「この状況ゆえ、エスピリカも地上の出入りが赦されたのだ。サフィヤ、苦労をかけたな。たくさん力を使って。エメラルの千里眼が時折状況を教えてくれたのだ」
「そうか……この雨、おじい様が……」
「ああ、そうだ。雨で噴火した熔岩を固めたのだ。この老いぼれの力が役に立つ日が来るとは。そして降り注ぐ岩を、このラピースが念動力で防いでいたのだ」
ラピースと呼ばれたエスピリカが、涙を浮かべて微笑んだ。念動力を有する彼女は、二人の帰還を心から喜んでいた。
「そこにサフィヤとタンザ殿が囚われているのが見え、救い出す機を伺っていたのだ」
タンザは荒い呼吸を繰り返しながら、トパスらへ伝えるべく身体を起こそうとした。
「タンザ殿、無理に動いてはならん。すぐに解毒ができる者を呼びますゆえ」
「トパスさん、ラピースさん……ありが……」
「礼には及びませぬ。さ、安静に」
「……っ、兵士長が、まだ」
「ガーネット殿でございますかな?」
「……げほっ、そうです…」
「心配なされますな。ガーネット殿をお助けに、すでにエスピリカが走っておりますゆえ。千里眼を持つ者が、おおよその居場所は掴んでおります」
タンザは安堵した。安堵した勢いで、今一度意識が遠のきかけた。
「おじい様……、あの毒瘴の巨人は……」
「……ああ、私もそう思う。お前も感じ取っていたか。あれは我々と同じ匂いが――」
トパスが何かを言いかけてはっと息を呑んだ。視線の先にはトルマーレの母子がいた。母親は脚が悪いながらも、幼子の手を必死に引いて避難所へ向かっているようだった。
「逃げ遅れたか……!」
タンザも瞬時に母子に気が付いた。言う事を聞かない身体に鞭打って、彼らに駆け寄った。
その瞬間、なにか黒い大きなものが三者に突進していた。
火山から噴き出した溶岩だった。吹き出された瞬間雨で固められたそれは、岩となって三者目掛けて突き進んでいた。
「あ、危ない……ッ!」
タンザは母子を庇うように覆いかぶさった。
民を庇った兵士は、岩の影が自らに落ちているのを一瞥し、来る衝撃を覚悟した。
――母子だけでも助かってくれ……!
サフィヤが目を見開いてこちらに手を伸ばしているのが見えた後、彼は静かに目を瞑った。
数秒間、無音の世界に閉じ込められたようだった。来るはずの衝撃はいつまでも来ず、見ると、岩が三者に激突する直前で静止していた。
――時が、止まったのか?
と、思ったが、トパスの叫び声でそうではないと悟った。
「でかしたぞ! ラピース!! そのままゆっくりと岩をどかすのだ!」
ラピースは息みながら岩に向かって手をかざしていた。岩はゆっくりと動き出し、鈍い音を立てて着地した。
ラピースが、超人的能力で岩を受け止めていたのである。
「助かったの……?」
若い母親が信じられないといった様子で兵士とエスピリカを交互に見ていた。子どもの泣き出す声で我に返った彼女は、我が子を抱きしめた。
「ごめんね、怖かったね……! あなた方、ありがとう……ほんとうに、ありがとうございます……!」
母親は涙をこぼしながら助けてくれた者たちへ何度も頭を下げた。
「またいつ岩が降ってくるか分かりませぬ。地下へ急ぎますぞ!」
見上げると、毒瘴の巨人は今まさに王宮へ侵入せんとしていた。固く閉ざされた門の隙間へ、煙のようにその身体を滑り込ませていった。
「陛下が危ない……! トパスさん、その民をお願いします!」
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