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第二章
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残りの夏季休暇をどう過ごすか。それは人それぞれだろうが、俺は既に決まっていた。
そう、ズバリ自分磨きである!
そもそもの俺の目的は、人生をスーパーイージーモードにすることなのだ。
具体的にいうなら、文武両道、眉目秀麗、性格も良く身分は高く将来の心配など皆無、綺麗で可愛い彼女と沢山の友人がいる、そんなリア充の極みとなることを目標としている。
だが現実を見るとどうだろう。
文武両道、眉目秀麗、性格だって悪くないはずだ。身分だって公爵家跡取りだし、将来の上司である第二皇子イヴァングとの仲も良好である。しかし。
彼女はおろか女性の友人すらいない。そもそも友人が少ないというこの始末。何という事だ!!
ここは俺の計画の遅れを取り戻すべく、さらに優秀かつ完璧な人間となるよう特訓をするのである!
具体的には更なる学力と剣術、体術などの技術の向上を目指す。またお肌や髪のお手入れも欠かさない。
これで俺はさらに高みへと昇れるはず、そうすれば俺の溢れんばかりの魅力に友達の百人や二百人軽くできる…はずなのだ!
結果として俺は更なる高みへと昇ることに成功した。
明日からは新学期だ。やってやろうじゃないか!
「なんかレオンますます綺麗になってないか?」
そう言ったのはヨルハだ。良く分かっているじゃないか!まあお前じゃなくて女の子に褒めてもらいたかったんだがな…。
「そうかな。そう言ってもらえて光栄だよ。」
謙遜する。俺は奥ゆかしいんだ。
「あんまり綺麗だと心配になる。魅力的であるのもほどほどにしておけ。」
イヴァングが珍しくベタ褒めしてくる。そ、そんなに俺ってば綺麗なんだろうか。ちょっと嬉しいぞ。
まあ、あんなに頑張ったんだし当然の結果だけどな!
「イヴァ…わ、分かった。」
「レオンの照れ顔とか超レアじゃん!かーわいいー!」
ヨルハが畳みかけるように囃し立ててくる。や、やめろ!
「あんまりレオンをいじめるな。」
俺の味方はどうやらアレクだけのようだ。
結局みんな俺を遠巻きに見るだけで話しかけてこなかった…。何がいけなかったんだ?
始業式が終わり自室に戻ると、まるで我が家のようなくつろぎっぷりのグレイがそこにいた。
「おー。邪魔してるぜェ。…ってお前、前よりお綺麗になってんじゃねェか。もう顔面に殴りかかれねェな。」
おお、こいつにも違いが分かるんだな。
「ありがとう。今日はなんだかよく褒められるな。それで?またいつもみたいに晩ご飯、食べに来たの?」
こいつはあのデート以来よく晩飯をたかりに来るのだ。
「そのつもりだ。ハハッ、こりゃ気分がいいぜ、傾国できそうな美人の手料理なんざそうそう食えねェからなア。」
「大袈裟だよ。今日は肉じゃがにするね。」
「おー。」
グレイは上機嫌だ。そこまで見違えた…のか?
完成した料理を同じテーブルで食べる。意外とグレイの奴、一人で食べるのが嫌なだけだったりしてな。
「いただきます。」
会話しながら食べ進める。こうやって食卓を囲むのもなんだか久しぶりだ。
「そういや三週間後に文化祭あんだろ?お前去年は中等部で何したんだよ。」
「無難にお化け屋敷だったよ。グレイのいたところは?」
「あ?俺様、参加してねェから知らね。」
「そっか。」
こいつ不良だもんな…ここ最近は真面目に授業出てるみたいだけど。
翌日、LHRで文化祭の内容を決めることになった。様々な意見が出たが最終的に喫茶店をすることになり、俺は予想通りウェイターをすることになった。
イヴァングは飾りつけ係という実質何もしなくていい係になった。羨ましい。
ヨルハとアレクのクラスは演劇で、ヨルハが王の従者役、アレクは裏方になったらしい。
グレイのクラスは、グレイの鶴の一声で展示になったとか。この国の歴史に関する展示をするそうだ。
文化祭の準備期間はあっという間に過ぎていき、文化祭まであと二日となった。
ウェイターとしての振る舞いやメニューの暗記、注文の受け方など覚えることはたくさんだ。
そして今日もグレイの奴は飯をたかりに来る。今日の献立はクリームシチューだ。
「当日はしっかりお前のウェイター姿、見に行ってやるから楽しみにしとけ。」
「そう言われるとなんだか恥ずかしいな。見世物じゃないんだから、注文したものを食べ終わったら帰ってね?」
「つれねェこと言うなよ、何のためにうちのクラスを展示にしたと思ってんだア?お前んとこの出し物見に行くためだっつうの。」
「そうだったの?勿体ない、グレイの晴れ姿なら僕も見たかったのに。」
「…クク、それはまた来年な。」
なんだかんだ言って、誰かと一緒に食べるご飯は美味しかった。
この時、俺は油断していた。まさか文化祭であんな事件があるとは、夢にも思っていなかったのだ。
そう、ズバリ自分磨きである!
そもそもの俺の目的は、人生をスーパーイージーモードにすることなのだ。
具体的にいうなら、文武両道、眉目秀麗、性格も良く身分は高く将来の心配など皆無、綺麗で可愛い彼女と沢山の友人がいる、そんなリア充の極みとなることを目標としている。
だが現実を見るとどうだろう。
文武両道、眉目秀麗、性格だって悪くないはずだ。身分だって公爵家跡取りだし、将来の上司である第二皇子イヴァングとの仲も良好である。しかし。
彼女はおろか女性の友人すらいない。そもそも友人が少ないというこの始末。何という事だ!!
ここは俺の計画の遅れを取り戻すべく、さらに優秀かつ完璧な人間となるよう特訓をするのである!
具体的には更なる学力と剣術、体術などの技術の向上を目指す。またお肌や髪のお手入れも欠かさない。
これで俺はさらに高みへと昇れるはず、そうすれば俺の溢れんばかりの魅力に友達の百人や二百人軽くできる…はずなのだ!
結果として俺は更なる高みへと昇ることに成功した。
明日からは新学期だ。やってやろうじゃないか!
「なんかレオンますます綺麗になってないか?」
そう言ったのはヨルハだ。良く分かっているじゃないか!まあお前じゃなくて女の子に褒めてもらいたかったんだがな…。
「そうかな。そう言ってもらえて光栄だよ。」
謙遜する。俺は奥ゆかしいんだ。
「あんまり綺麗だと心配になる。魅力的であるのもほどほどにしておけ。」
イヴァングが珍しくベタ褒めしてくる。そ、そんなに俺ってば綺麗なんだろうか。ちょっと嬉しいぞ。
まあ、あんなに頑張ったんだし当然の結果だけどな!
「イヴァ…わ、分かった。」
「レオンの照れ顔とか超レアじゃん!かーわいいー!」
ヨルハが畳みかけるように囃し立ててくる。や、やめろ!
「あんまりレオンをいじめるな。」
俺の味方はどうやらアレクだけのようだ。
結局みんな俺を遠巻きに見るだけで話しかけてこなかった…。何がいけなかったんだ?
始業式が終わり自室に戻ると、まるで我が家のようなくつろぎっぷりのグレイがそこにいた。
「おー。邪魔してるぜェ。…ってお前、前よりお綺麗になってんじゃねェか。もう顔面に殴りかかれねェな。」
おお、こいつにも違いが分かるんだな。
「ありがとう。今日はなんだかよく褒められるな。それで?またいつもみたいに晩ご飯、食べに来たの?」
こいつはあのデート以来よく晩飯をたかりに来るのだ。
「そのつもりだ。ハハッ、こりゃ気分がいいぜ、傾国できそうな美人の手料理なんざそうそう食えねェからなア。」
「大袈裟だよ。今日は肉じゃがにするね。」
「おー。」
グレイは上機嫌だ。そこまで見違えた…のか?
完成した料理を同じテーブルで食べる。意外とグレイの奴、一人で食べるのが嫌なだけだったりしてな。
「いただきます。」
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「あ?俺様、参加してねェから知らね。」
「そっか。」
こいつ不良だもんな…ここ最近は真面目に授業出てるみたいだけど。
翌日、LHRで文化祭の内容を決めることになった。様々な意見が出たが最終的に喫茶店をすることになり、俺は予想通りウェイターをすることになった。
イヴァングは飾りつけ係という実質何もしなくていい係になった。羨ましい。
ヨルハとアレクのクラスは演劇で、ヨルハが王の従者役、アレクは裏方になったらしい。
グレイのクラスは、グレイの鶴の一声で展示になったとか。この国の歴史に関する展示をするそうだ。
文化祭の準備期間はあっという間に過ぎていき、文化祭まであと二日となった。
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そして今日もグレイの奴は飯をたかりに来る。今日の献立はクリームシチューだ。
「当日はしっかりお前のウェイター姿、見に行ってやるから楽しみにしとけ。」
「そう言われるとなんだか恥ずかしいな。見世物じゃないんだから、注文したものを食べ終わったら帰ってね?」
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