人生イージーモードになるはずだった俺!!

抹茶ごはん

文字の大きさ
25 / 26
番外編

番外編 ヨルハと昼食の話

しおりを挟む
アンケートなんですが見事に意見が割れたので全部書きます。コメントをくださった方、ありがとうございました。


その日はアレクが珍しく休みで、イヴァングはサボりだった。
「今日は珍しく二人だな、レオン!」
「こんなの中等部以来だね。」
屋上で二人きり、昼ご飯を食べる。
「なあレオン、久しぶりに二人だし、ちょっとお願いがあるんだけどさ。」
「なあに?」
「あーんって、してくれね?」
「…え?」
いや、俺くらいの美形にあーんしてもらいたい気持ちは分からなくもないが、俺は男でお前も男だぞ?
「なあいいだろ?正直他に人が…特に皇子殿下がいるとこんなこと頼めないしさ。」
「いいけど…やってから文句は受け付けないからね?」
「やった!」
まあ減るもんじゃないし数少ない友人の頼みだ。引き受けてやろうじゃないか!
ヨルハの弁当箱を受け取り、卵焼きをつまんで差し出す。
「はい、ヨルハ。あーん。」
せっかくだから悪ノリしてとびっきりの甘い声と笑顔でしてやった。ヨルハは満面の笑みで卵焼きを口に入れ、心底美味しそうに咀嚼した。
「あーいつもの何万倍美味しく感じる…。レオン、俺と結婚してくれー!」
笑いながらヨルハが抱き着いてくる。おい、俺が卓越したバランス能力を持っていたから良かったが、他のヤツだったら弁当落としてたぞ!
「もう、冗談言ってないでご飯食べちゃわないと時間無いよ?」
「マジ?」

次の日もヨルハと二人きりの昼休みだった。アレクは風邪を引いたらしい。
「今日も二人だな!アレクには悪いが俺としちゃ嬉しいぜ?」
「僕と二人っきりだから?」
「おう!」
ヨルハはご機嫌だ。俺と二人っきりなのがそんなに嬉しいのか?照れるな。
まあ当然と言えば当然だけどな!
「なあレオン、新婚さんごっこしようぜ!」
「えっ?また突然だね、別にいいけど。」
俺は心が広いんだ、その程度の突拍子もないお願いなら応えてやらんこともない。
「よし、じゃあレオン、今日の昼飯はなんだ?」
これは俺が新妻役だろうか。ふふん、俺の演技力に恐れおののけ!
「今日のお弁当は唐揚げが美味しいよ。ほら、食べて?」
新妻的な色気を出しつつ小首を傾げて唐揚げを差し出す。
「いただきます!…ん、美味い!」
「ふふ、今日のは自信作なんだ。」
「流石は俺の自慢の奥さんだぜ…なあ、ご褒美にキスしてやろうか?」
そう言ってヨルハが僕の顎に手を添え、顔を向ける。く、不覚にもときめいてしまった!
色気でも俺は負けない…!
「キスだけ?…ねえ、もっと褒めてほしいな。僕、ヨルハのために頑張ったんだよ…?」
俺はヨルハの背に手を回した。さあ、どうでる…?
「欲張りだな…いいぜ、じゃあもっとイイことしてやるよ。」
そっとヨルハが俺を押し倒した。床が固いことを気遣ってかもう片方の手を俺の頭に添えてくれる。
…これ、いつ終わるんだ?
「嬉しい。何してくれるの…?」
「それは…」
キンコンカーンコーン
チャイムの音が鳴り響いた。
「予鈴だ、早く食べちゃわないと。」
起き上がって残りの弁当を食べてしまう。
「ちぇ、いいとこだったのにな。」
「まあまた今度ね。」
これからいつだってこんな風にふざける機会はあるだろう。
二人で笑いながら屋上を後にした。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい!

煮卵
BL
転生コメディ/婚約破棄/王族×平凡/腐女子悪役令嬢 俺は、かつて自分がシナリオを書いた乙女ゲーム《薔薇庭》の世界に転生してしまった。 与えられた役割は、王子アーベルの取り巻きにすぎない“悪役モブ”。原作の筋書き通りなら、アーベルの婚約が破棄されたとき、俺はその罪をかぶせられて処刑される運命にある。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく俺は懸命に動いた。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限りアーベルと過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 ……けれど、気づけばアーベルは俺に惚れ込み、他の誰でもなく俺を選んでしまった。 その結果、ついには俺自身の命が狙われる事態へと発展する。 真摯なアーベルの愛の告白に 俺自身は――死にたくない一心で「YES」と答えてしまうがーー 俺の“生存戦略”は、どこまで通用するのか。 そしてアーベルの想いに、俺はどこまで嘘をつき続けられるのか――。 DEAD or LOVEコメディ第二章! ※「【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!」の続きです。 単品でも読めますが、よろしければ第一部もお読みください。 ※※主人公は悪役令嬢ではありませんが途中で出てきます。 ーーーー 校正・アイディア出しに生成AIを利用しています。

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 青春異世界学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

処理中です...