気になるあの子は隅っこに

こあむあむ

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第3節: もっと話したい

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翌日、颯太は少しソワソワしていた。
昨日、文也に話しかけたことが頭から離れない。
あの時の文也の表情、そして「歴史小説」っていう予想外の返答…
もっと話してみたくなっていた。

教室に入ると、いつも通り文也は隅っこで静かに本を読んでいる。
颯太は内心ドキドキしながらも、軽い足取りで文也の席に向かう。

「おはよー、文也!」

声をかけると、文也は驚いたように目を上げた。
その目には、少しだけ警戒心が漂っている。
それに気づいた颯太だったが、気にせずニコッと笑ってみせた。

「今日も歴史の本?」

文也は一瞬、言葉に詰まったが、颯太の無邪気な笑顔に少し安心したのか、
小さく頷いた。「うん…そう」

「へぇ~、やっぱりすごいな。
俺なんか、歴史の授業はだいたい爆睡だよ!」
颯太は大げさに頭を抱え、文也に笑いかけた。
「教科書読めるだけで尊敬するわ!」

文也はほんの少しだけクスリと笑った。
それを見逃さなかった颯太は、内心ガッツポーズ。

――よし、今の笑ったよな!?文也が心を開き始めた証拠か?

「そ、それにしてもさ…歴史って面白いの?」
颯太は好奇心を抑えられず、文也にもう一度尋ねた。

文也は少し困ったように本を閉じ、
「面白いというか…昔の人の考え方とか、生き方に興味があるんだ」
と答えた。

「なるほどな~、つまり俺たちの知らない世界が
いっぱい詰まってるってことか!それ聞いてると、
ちょっと読んでみたくなるかも!」
颯太は文也の言葉に感心した様子を見せた。

文也は驚いたように目を丸くした。「…本当に?」

「うん!お前の話、なんか引き込まれるんだよな~。
歴史って難しいイメージあったけど、ちょっと興味出てきたわ」

文也は颯太の意外な反応に少しだけ頬を染めた。
そして、少し嬉しそうに「じゃあ、今度おすすめの本を紹介するよ」
と静かに言った。

颯太はその言葉に嬉しさが込み上げ、飛び跳ねたい気分を必死に抑えた。

――やった!文也が俺に本を教えてくれるって!
もう友達になりかけてるんじゃないか?

颯太の心は完全に舞い上がっていたが、外見はあくまで自然体を装った。
「マジで!?ありがとう、楽しみにしてるわ!読書初心者向けで頼むな。」

こうして、颯太と文也の最初の本格的な会話が始まった。
それは、教室の隅っこで少しずつ花開き始めた、小さな友情の第一歩だった。
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