気になるあの子は隅っこに

こあむあむ

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第5節: 文也の迷い

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颯太との放課後の時間が文也にとって楽しみになっていた。
普段は一人で静かに過ごしていたけれど、颯太と一緒にいると、
教室の隅っこがいつもと違う特別な場所に感じられる。
でも、そんな楽しい時間が続けば続くほど、
文也の胸の中にある種の不安が芽生え始めていた。

――颯太って、クラスの人気者だよな…。
いつも中心にいるやつが、どうして俺なんかと?

今まで周りのことを気にしたことがなかった文也だが、
ふとした瞬間にそんな考えが頭をよぎるようになった。
自分は無口で目立たない存在。一方で、颯太は明るくて、
いつもみんなに囲まれている。それなのに、どうして自分みたいなやつと…?

そんなことを考えていたある日、文也は偶然、
颯太が友達と話しているのを聞いてしまった。

「なあ、最近颯太、ちょっと付き合い悪くね?放課後どこ行ってんだよ?」
「ホントだよな。俺らとの遊び、サボってるだろ?」

颯太の友達がしつこく詰め寄っているのを見て、
文也は驚き、足が止まった。
颯太は軽く笑って「いやいや、そんなことないって!」と返していたが、
どこか困ったような表情をしていた。

――え…俺のせいで?

文也は一瞬、心臓がぎゅっと締め付けられるような感覚に襲われた。
自分と一緒に過ごす時間のせいで、
颯太は友達との時間を犠牲にしているんじゃないか。
そんな思いが文也の頭を巡り始めた。

次の日、放課後の教室で颯太を見た文也は、
いつものように話しかけることができなかった。
颯太が自分のせいで友達に責められている姿が頭から離れず、胸が苦しくなる。

――俺なんかと一緒にいて、颯太は本当に楽しいのか?

そう思うと、自然と距離を取るようになった。
颯太が笑顔で話しかけてくれても、自分が邪魔をしているような気がして、
素直に笑えない。

颯太もその変化に気づいたようで、
「どうした?今日は元気ないな」と声をかけてきたが、
文也は「別に…」と小さくつぶやくしかできなかった。

――こんな自分が、颯太と一緒にいていいのか?

文也はどんどん悩みの中に入り込んでいった。
颯太に対して心を閉ざしていく自分に戸惑いながらも、
どうすればいいのか分からなかった。
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