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第7節: 颯太、思わぬおすすめを手にする
しおりを挟むこのところ、颯太は少し困っていた。
文也からおすすめされる歴史小説の難易度が上がってきて、
読むのが少し大変になってきたのだ。
面白いけど、言い回しが難しく、読んでいて疲れることもあった。
もっと軽く読める本はないかと思い、颯太は読書好きの妹に相談することにした。
「おい、なんか読みやすい本ない?」
妹は突然の質問に少し驚いたようだったが、
すぐにニヤリと笑って本棚を探し始めた。
「これなんかどう?結構面白いし、軽く読めるよ」
妹が渡してくれたのは、ポップな表紙が目を引く一冊。
颯太は特に気にせず「ありがと」と言ってそれを借り、
次の日、文也にそのことを話すことにした。
放課後、いつもの教室で颯太は文也の隣に座り、本を見せながら言った。
「妹におすすめの本聞いて、これ借りたんだ。
文也の本はちょっと難しかったから、今回は軽めのやつにしようと思ってさ」
文也はその本をちらっと見ると、少し驚いた表情で言った。
「…これ、ボーイズラブの名作だよ」
「ボーイズ…ラブ?なにそれ?」
颯太は眉をひそめた。聞き慣れない単語に戸惑う。
文也は軽く笑いながら説明を始めた。
「簡単に言うと、男同士の恋愛ものだよ。妹さん、いわゆる『腐女子』なんだね」
「ふ…腐女子?それって何!?」
颯太はますます混乱したが、文也は楽しそうに続ける。
「要するに、男同士の恋愛に興味がある女の子のこと。
この本、妹さんが選んだってことは、彼女もそういうのが好きなんだろうね」
颯太は顔をしかめた。
「ちょっと待て、俺そんな本読んでたのか!?
マジか…妹、なんてもの貸してくれたんだよ!」
慌てて本を閉じ、カバンにしまおうとする颯太。
しかし、文也はクスクス笑いながら引き留めた。
「いや、面白いよ。僕も読んだことあるけど、
読みやすいし、展開がしっかりしてる。
むしろ颯太にはこういうのが合うかも」
「マジで?文也、こういうの読むんだ?」
颯太は驚いて文也を見つめる。
文也は頷き、「うん、たまに評判が良いものを手に取ることもある。
これは設定が作りこんであって、読みごたえがあった気がする、
颯太も引き込まれると思うよ」
少し戸惑いながらも、文也がそこまで推すなら…と颯太は心の中で決意した。
「じゃあ、ちょっと読んでみるかな…」
「うん、ぜひ読んでみて。感想も聞かせてね」
文也は笑顔で答えた。颯太は少し複雑な気持ちで本を手に取ったが、
文也の言葉に背中を押されるように読み始めることにした。
――なんだか妙な本を手にしてしまった気がするけど、
文也が面白いって言うなら、きっと面白いんだろう。
颯太は少しドキドキしながら、その未知のジャンルの本を開いた。
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